たぬ吉
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気にするな って言わない人のやさしさに  育ててもらった 歌詠む 気持ち
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いつもなら つがいの雉鳩 ぽつねんと 今日は素直に ごめんて言うよ
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どんぐりの 屋根に落つ音 心地よく 秋を愛でたき ハイイロチョッキリ
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マップラバーだけでは描けぬ この世界 私はライフを 手放すものか
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白黒で はっきりさせないこともまた 美しさかも 百鼠色
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日々を詠む うたの しずくの 集まりて  渇く心に 慈雨のじんわり
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魂の 入れ物ひとつ ぼんやりと  駅のベンチで 電車 見送り
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反戦と平和に みんなが飽きるのを リニューアルした 戦前が待つ
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アンガーをマネージメントしていても あなたの気持ちは そのままでいい
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お上への 批判集中 そらすため  民の対立 煽り煽られ
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心地よい 仲間意識の スローガン 仲間じゃなければ ほぼフーリガン
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エアコンが 到着するまで2週間 氷 かみさま 風 ありがたや
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轟音のいつものくしゃみに遮られ 歌にならない母よ 元気で
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経験を したのに同じ 傘の下  護られるはずの いのち 時雨て
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すれちがう バスの運転手さんたちの 挨拶 見たくて いつもこの席
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言の刃を ふりまわしたい気分の日 斬ったら切れていたのは自分
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お経より ボレロがいい と言っていた 父の墓前で 15分間
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海外で ツ と シ は笑顔の記号だと 知ってから見る ツツジ にっこり
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寒き日も 言葉の灯り あたたかく 明日を潤す 桜雨かな
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もう父に 届かぬ歌を 詠む夜道 去年の桜は今年もそこに
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ツツピー と 求愛の声 高らかに ヒトも素直に 好きと言えたら
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戦争の 反対は 趣味  儲からぬ それでも豊か 歌も平和も
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図書館の 棚で偶然 目があった 私を見ていたような 背表紙
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ぼたもちを 自分で作って 棚にのせ 偶然じゃない けれど幸せ
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なすすべも ないと思える夜にこそ ハチドリ習い 一滴の歌
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親という 一番近い歴史見て 繰り返さぬと誓ったんだが
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泣きそうな 親子に逢ったら 今度こそ 声をかけたい アメと折り紙
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光さす まくらの 温もりいただきて  しばしやすらぐ師走の窓辺
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来る年は 言祝ぐうたを 詠めるよう 願いを込めて拭き掃除する
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年の瀬に にぎわう街の踏切を くぐりし母子 ひきとめる修羅
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