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今はまだ背景でゐる稲の穂のすこやかに待つ静かなる午後
6
喩
(
たと
)
ふれば
蕩
(
とろ
)
めく絹の手触りか金木犀の
香
(
かほ
)
りするりと
8
休日が役割終えて
穂薄
(
ほすすき
)
も熟れ白綿毛好き
好
(
ず
)
きに舞う
3
はれて豊か山吹色の伸び伸びと今年の幸のほがらかなりて
5
木塀より
覗
(
のぞ
)
く柿ありさながらに昭和の
磯野
(
いその
)
邸よと興じ
3
道すがらふと列並び待ち並び並び並びて食べるコロッケ
5
知らずとも踏みて気付けば歌うたふ口となりけり
団栗
(
どんぐり
)
コロコ
4
ここだけの秘密すこんと消えて行く秋の限定チョコ舌の上
4
言葉より触れて伝わる種族にはない悲しみがまた一つ、ころん
2
目が合ったその一瞬の窒息感 首にかかった手は恋だろう
8
エアコンが喉の奥までかわかして さよならだけが言えなくなった
3
「この街を出るよ」と私「そう」と君 十文字だけの終わり さよなら
5
今日夢をみるときだけは見逃して まだ君は誰のものでもないと
5
星が呼ぶ スピカで笑うあの人の声がきこえた そんな気がした
3
今よりもやさしいひとになりたくて バファリン2錠飲み込んでみる
4
眠る君にキスしないまま冷め切ったギョウザを咀嚼する午前2時
3
いつまでも心に居座る君の影を言い訳にしてひとりで生きる
5
相手にも 段取りもあり 都合あり 一人勝ちでは 後味悪し
1
甘い夢 見ているうちは 楽しいが 目が覚める時 窮地にありて
1
行く手には 大きな山が 重なりぬ それでも行くと 言うから困る
1
塵紙を破るより尚簡単に忘れたくって君に手をふる
3
空と海のはざまにひとつ深い青 見渡す限り世界は夏だ
5
善人は 目立たないもの 悪人は 派手で強烈 激辛料理
1
資本主義 金持ちだけの 極楽を 追い求めたら 戦争になる
1
賢人の 知恵と徳とが 滅びたら 互いに挑み 争うのみに
1
梅雨空の 合間に見える お日様は 日焼けを残す 気づかぬうちに
2
一般に 人は心を 見せぬもの 警戒心で 垣根を作る
1
幼き日 父を恐れて 怯えつつ この歳になり 人を恐れる
1
夏服の裾を絡げて走り去る、もう戻れない季節の君よ
5
昨日から続く明日が今日ならば、私は私をいつやめようか
4
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