新品の白タオルでは切なさの吸収力が少し足りない
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三階のボロアパートから見る月は道行く人よりわたしに近い
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最悪が重なり合った今日だって夜の終わりはいつだって朝
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砂浜で足を取られた君の背を光る汗ごと抱きとめる夏
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よく冷えた麦茶を口に運んだら飲んだ先から夏が熟れゆく
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こぼれくる言葉をひろい集めたい君の言葉に触れたい夜だ
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抱きしめた夢をこぼして五十路なる甘き桃の香包まれ眠る
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体操のカードにポンと押すように、大人もほしいよ「よくできました」
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忙しない駅で何かを忘れたような まさぐるポケット 切符の角先
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雨降って喜んだろか青稲は わたしは少し憂鬱だけど
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嵐にも 距離にも負けず 君が来た そのことだけで 何もいらない
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穏やかに 笑い合える日 君もまた 忘れぬ記憶 口に出さねど
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喪失の 胸の痛みは 消えねども 想いの深さ 吾に教える
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月面を駆け抜ける雲を惑星が成長痛に光浴びせる
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おとなへる人の語らひ蝉しぐれ 盆の軒端のきはにかげはあらねど
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君のドア鍵がかかっているようだ三度優しくたたいてみるよ
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夏空も そこはかとなく 秋空に うつろい行くは 秋匂うかな
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夏好きの我も凹んだこの暑さ 冬が来ればこれまた恋し
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世界中で 戦争紛争が 収まらず 人間のエゴと 欲が渦まく
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空高く遠いものほど鮮やかで眼鏡外して消せぬ過去見る
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処暑かいな 言われてみれば朝晩の風はしょうしょう涼しくはあり
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咲く花火横から見るか下からか夏は気にせず過ぎ去りますよ
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目の前を日焼けした子が駆けてゆく慌てなくても夏はあるわよ
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体重計は 我に配慮など してくれず 「前より三キロ 太りましたね!😊」と
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憂鬱が 肺の底から 押し寄せる。 苦しくなって ため息を吐く。
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自転車を 漕ぎつつひっそり 息を止む 右前方に ごみ収集車
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テストにて 「足枷」の字を 読めたから 今日はその字が 頭をめぐる
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おっちゃんの こってりラーメン大盛りに ニンニクマシマシ 失恋の味
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おびただしい 努力で出来た その能力 羨むだけでは フェアじゃないかも
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いま僕に また明日と言う太陽は 別の誰かに おはようと言う
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