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幼き日乗った車を運転する 昔は空を見るだけだった
16
わが
庵
(
いほ
)
は木の葉散り敷き道もなしいづくを分きて冬のきぬらむ
13
木枯らしの吹き余しつる草の
庵
(
いほ
)
にさらに
侘
(
わ
)
びよと照る冬の月
14
神無月誰に
手向
(
たむ
)
けむ
幣
(
ぬさ
)
ぞとて紅葉吹き払ふ木枯らしの風
14
草の庵に
筧
(
かけひ
)
の水のおとづれも途絶えがちなる冬の山里
16
冷ややかな 空気に触れる 鼻先を 風がさらりと 撫でて冬来る
32
一つ石二つ体を寄せ合いて一つ衣の夫婦地蔵よ
44
誰だってまぶたの裏に隠し持つ今よりもっと高かった空
26
ふかし芋もはや多くは口にせずなお父へ湯気届けたくあり
32
嫌いなこと、嫌いなひと、嫌いな… あー嫌いです 近寄ってこないで
6
暁の寝覚めに鐘の音冴えて露は霜にや置き替はるらむ
16
街
歩
(
ゆ
)
けば モミの木、イルミ、 ジングルベル… まだ霜月よ? 気が早いって
23
無条件に愛を与えられない人間に与える愛はない
8
間違いか正解かとかいうよりも別の答えが出てくる人生
18
気にかける親のもう居ぬ
故郷
(
ふるさと
)
の天気予報をついまた見てる
30
「本日中にお召し上がり下さい」仕方ないなあ寝る前のケーキ
22
反論を飲み込んだ日のスーパーで長ねぎグッと折り曲げている
30
祭
(
まつり
)
果てて人影絶えた広場から梯子でピエロ星へと帰る
18
訃報欄思い出深き人の名をしみじみ眺む秋深き日に
37
掃除ってしなきゃこんなに溜まるんだ風邪の間に丸まるホコリ
45
彼
(
か
)
の
岸
(
きし
)
のふたおやの声おもはする こはるひよりのやはらかな朝
25
叱られた遥かな記憶 耳掃除している祖父のそばで暴れて
24
透明な砂がこぼれていくようなまだあたたかい夢をみている
24
休日の 灰色空と ため息に 生姜はちみつ あたたか琥珀
17
まどろみの夜ほころびゆく午前四時そっと犬と歩みゆくかな
38
明日の午後母の痴呆の結果聞くどんな結果も
母娘
(
ははこ
)
ですもの
29
まぁるくも 五角形にも 嵌まらない ゆがみもあいす そんな性格/
10
角ばって 丸くなれずに 季節過ぎ それでも誰かが 「いいね」をくれる/
15
目薬を よく使うように なってから 泣かなくなった 泣けなくなった
12
白菜の葉から葉へと紋白や ぬくき陽が差す午後の菜園
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