山肌が淡いピンクに染まるのももうすぐだよとお墓に話す
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母さんの好きな花だね山桜ここならきっときれいに見える
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ブッフェとは呼ばずバイキングというホテルで今夜家族と過ごす
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咲きそめし桜かわいや咲き誇り散りゆくまでの時の儚さ
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母の膝 若手の医師の 手はマウス おきなの医師は 患部触診 /意志医師の違ひ
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生家にはだあれも住まず奥津城は雪に埋もれて春彼岸来る
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花壇には尺余の雪積む春彼岸ジャノメ蝶訪う 亡母か亡姉かと
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何年か何十年後か振り返る今日の不遇は蟻ほども無い
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桜咲き 浮かれ気分のそんな中 北国にまた雪予報あり
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保育園卒園式で歌わない娘が今は保育士になる
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目覚めれば 何処から歌声 東風こちに乗り 聞こえ来るよな春の朝
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謎解きの様な短歌に出会ふ時 脳内サプリの効き目は未だ
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「元をとるためだよ」と朝四度目の風呂に入りてこの歌を詠む
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朝の水溺れるほどに飲み干して溺れてそして戻ってきた身体
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「雑草という草は無し」  よぎりつつ 次々抜き取る我非情なり? /牧野富太郎博士の言葉より
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春なのに うれひをまとひ 淋しそう うつむく姫は クリスマスローズ
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美意識の 高いおばちゃん 温泉で パックの効果は 如何ほどですの
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角番の危機は綱取り一転の力なくもう人生なのか
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一緒に居たあの頃よりも あなたのこと考えてる自分 戻らない時間とき
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耳かきをしている時のあの顔は誰にも見せれぬ顔であろうな
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お隣の 木瓜ぼけの花々 咲き誇り かぐわし香り  分けて頂き
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サービスのミニトマト種粒入り 十粒確かめる息を止めつつ
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光含み 魔物のごと咲く 白き花 桜よ今年も 我は惑えり
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ほかほかの白いご飯にねぎ味噌をかけて食べれば三杯いける
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食べたいけどパンではない茨城の「僕のカスタードメロンパン」
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苔むした義父の墓石 労るようにそっと撫で合掌す 在りし日の夫
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木立打つ雨音枕辺に迫り 澱みたる悔いの念立ち現れたり
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夫と行く遠き蕎麦屋の帰り道 芽吹く野山をふたり見つめて
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「真夜中のドア」が流れてつまの横 戻れぬ日々が不意に愛しき
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だだくさ適当に一日過ぎれど良き日なり今日に感謝の刻印ひとつ
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