しとしとと 雨の降る日も いいもので 雨垂れの音 雑踏かき消し
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三度目の 金木犀が 香っても 下書きのまま フォルダの中
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愛し合う 二人で一組 じゃなくても 私は私を 愛しているし
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ぴょんころろ ぷわぷわぶにゃり にょーんとね 短歌は気張らず 楽しんでいい たぶん
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国の未来 知らしめるように 次つぎと 咲く場所呑み込む 外来種の花
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夜逃げから始まる新婚もいるらし ドリンクバーで4時間粘り
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歳重ね別れが身に沁む吾がいて別れに慣れゆく吾もまたおり
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夕暮れの 南の空に 三日月が 目を細めては 微笑みかける
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携帯が震えてほしい一心で罵詈雑言の売買をする
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足下の冷ゆる車内は 木枯しに気づかぬ 乗客は寒からう
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一人では旅など無理と思いしが末のと行く秋の湯めぐり
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「三人で来たかったね」と逝きしを偲びつつ行くコスモスの道
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鮮やかな キャベツ育った 畑より 夕陽の赤に 電車照らされ
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退勤後フードコートに集合でみんなで食べるラーメン旨し
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いたずらに お菓子欲しがり 取りこぼす そんな僕らの ハロウィンの夜
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妹と桜紅葉の道を行く山の端染むる秋の落陽
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満開の 金木犀の 笑い声 薄日が差して 優しく光る
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手打ちうどん 初の御披露目 父母も見に来ていた 在りし日の文化祭
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甘すぎて 喉を焦がした チョコレート 夢の欠片を 吐き出す夜か
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0時過ぎ 魔法は解けて 乗り損ね 中身空っぽ 馬車だったもの
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秋雨が 世の塵洗うを 聞きながら たまの長風呂 吾の塵洗う
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遅まきの誕生祝いと次男の誘い紅葉の下の足湯に浸かる
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野辺おくり 闘病してた 同じ時 ぼーっと生きてた スマホいじって
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待つ人の 無き家の灯は 消え果てて 今庭に灯す イルミネーション
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美しき 薔薇のカップを 並べ置き 誰ふるまう事なく カモミールの茶
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繰り返し感じてしまう苦しみも 今世だけのラストワン賞
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薄氷うすらいの ごとき夕月 ふち欠けて 羽虫の飛びて 闇に溶けゆく 
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君はなぜ 過去変えたいと 悔やむのだ 明日なら今でも 変えられるのに/友人の言葉
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だけど、まだ、歩けるんだと言い聞かす がらんどうに埋めた強がり
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ドライヤー 髪巻き込まれ 焼け焦げた 臭いが我の 火葬の香かも、と
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