朝の公園 あなぐらからかと 思うほど 人を連れてくる 春の魔法か
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田舎道陽射しを浴びてひとり旅 蓮華の紫快晴の蒼
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甲子園 女子高生の 君が代 その歌声に  美しき曲と知る
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居た場所に もう居ないこと 追いかける 言葉はゆっくり 植物に似て
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また不意に 寄せて返すこの悲しみは われら家族を しばらく去らぬ
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塩漬けの 桜を添えて 色も香も 雅になりぬ 酒饅頭は
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手の冷ゆる 彼岸の午後の 徒然に 甘めの紅茶 時かけて飲む
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父と母 二人の兄の 思い出を にれがむうちに 中日(ちゅうにち)は過ぐ /にれがむ=反芻する
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故知らず 人恋しくて 茶を啜る 彼岸の明けの 薄日さす午後
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夜桜が 風にさざめく 根もとには 美しき魔が ひそみ誘う
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インフルBという春休み 五日間家族の声で満たす喜び
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月夜野つきよのは今はなき町 ただ歌を詠むためにあれ文字も響きも
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にぎにぎと はなのもとにて 宴持たむ 花も人世ひとよも はかなくあれば
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暮れなずむ町はいつしか遠くなり贈った言葉は湿度を無くす
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潮風とかけっこをした散歩道 桜散りゆく 3月下旬
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音曲おんきょくに 詩歌に絵にと うたわれし 桜は生きむ 時代を超えて
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菜の花に降りしきる雨車窓より眺めつ向かうデイケア施設
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蕎麦屋まで道々芽吹く木々あれど 相方のなく ただ此処に春
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ポルトガル語わからず黒いオルフェ聴く夢と願いと悲しみ寄せる      「黒いオルフェはボサノバの有名な楽曲です マイナーで暗いニュアンスですが好きです」
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海泳ぐ 弥生尽やよいのつぐの太陽の 目を細くしてシャッターを切る
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「今ここ」の 感覚がなく なりそうな 優しく白む ワシントンの桜
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やっとこさ子らの進学準備終え次は自分の異動の準備
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満開の はなのもとにて 我もまた 息絶えてみたし 望月の頃
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初めての傘は赤色アンパンマンずっと離さず寝るのも一緒 /吾子三歳
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十五夜の下「もと」の桜と頬染める君待ち恋し上弦の月
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渡されしロールサンドの誇らしく赤きリボンを春空に解く
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模様替え したくなる春 『春』の字は 『新』に見えたり さあ、スタートだ
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花前線 桜前線 恋前線 開花の時は 待つ恋に似て
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窓側で赤ベコのように揺れながら寝てる息子をインストール
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山頂に捧げしカフェの湯気へ乞う友との無事の劔の下山
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