前線が迫る桜も他人ごと寒い朝夕白鳥の声
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GPS付く標識鳥は我が町を発ち八時間休まず飛べり
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標識の鳥はカメラを付けられて渡る空から我が町写す
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近隣の町続々と開花して我が町はまだマイペースかな眠れる桜
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美しい夕暮れの空グラデーション青と紫しばし見惚れる
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色のない景色の向こうに繰り出せば花々の色やたら眩しく
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空遥か 予想どおりのしらせきく 春の賑わい 胸ぞ潰るる
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咲きかけの桜も二度寝する春の吹雪冷たく車を叩く/今朝の気温零度
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雨に濡れ一つ二つと落ちる花 庭はもうすぐピンクの絨毯じゅうたん
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合鍵を百本作り鳩百羽と飛ばすね どこ行ったのあなた
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埋まらない孤独の穴さえ愛おしい今のわたしは一人で二つ
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あの人の事掘り起こす考古学鞄の底に眠るクッキー
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切り取り線あなたを安心させるため語尾の「?」を鋏で落とす
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草むしる手を止め見上ぐ空高く飛行機雲が西へと向かう
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何光年どれだけ遠く離れても足首掴む生まれの引力
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植物がこときれるその瞬間に 気付く誰かは いるのだろうか
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オレンジのバックライトに照らされた独自フォントの「8」つるつるの
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生活に流され枯れた一輪を集めて作った罪の花束
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あの人が密かに植えたチューリップ寄り添う様に赤、黄色
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線香の 煙が揺れて 描く文字 きし二人へ 草書そうしょの手紙
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にじむ空 重なる不幸に ふで ふるへ  うたばかりの やぶれし心
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おひとりのフードコートで食べ終えたスプーン見つめ時間を止める
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うらやまし 空舞う鳥を 見上げるは きじつがいか? 仲良き姿
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「あと千歩」まだ歩こうとする父の残りの数を僕も数える
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辛い時 涙を誘う 歌を聴く 心の重荷 流す笹舟
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早苗田の空に飛行機ひとすじの雲を引きつつ雲間に入りぬ
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凛とした 真白きカラーの 花言葉 「清純」… オヤジには縁無き言葉
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塩茹でし 熱々ホクホク 新ジャガを 親父と嫁の 遺影に供へ
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我 田舎わが いなか 夜のとばりは 駆け足で… 都会まちの暮らしは 楽しいですか…?
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雷鳴が 曇天の空 轟きて 燕も我も 軒にて宿り
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