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冬空に オリオン光る 寒さゆえ はく息白く 夜空に消える
16
音の無き
氷雨
(
ひさめ
)
の
夜半
(
よわ
)
の
窓外
(
そうがい
)
や 星の無き空
雨滴
(
うてき
)
落つ竿
28
年の瀬に
文
(
ふみ
)
のあてさきかぞへつつ 薄墨いろの
白菊
(
しらぎく
)
を見る
25
「寒いね」と受付ギャル(プールの)に言ってみた 「寒いですね」と返され嬉し
21
本心を飲み込まず 吐息の如く 密かに
三十一
(
みそひと
)
に
認
(
したた
)
むる
28
ガンダムのプラモを買った
玩具屋
(
おもちゃや
)
も消えた故郷の静かな師走
31
AIはしれっと言い訳すまし顔 こんな奴には任せられない
20
「2001年宇宙の旅」のAI(HAL)は ミスの指摘にむくれてキレた(怖かった)
16
うっかりと同じ文庫をまた買って微糖のコーヒーなんだか苦い
30
円の価値はゴミクズとため息をつくあなた無職実家暮らしゴミ出し親任せ
7
名も知らぬ星を紙コップのサイダーに落として互いに一口ずついただきます
7
核兵器も物価も知らぬ猫はおおきく手を振り歩く園児に威嚇したり
8
老いて目も うとくなる日々 縫い物はせぬが料理はまだまだいける
35
賀状出す我が人脈も狭まりて卆寿を越せば僅かとなりぬ
23
女子からの手書き便箋手にとれば 五十年余の刹那を隔て
21
緩やかな心中じみたまどろみに選ばなかった向こうを思う
16
ちま猫も添ひ寝の母の甲斐ありて 野生の力四肢に漲る
22
右脳
(
うのう
)
には 声静かなる 人棲みて 我を動かす 物
創
(
つく
)
る
(
)
時
29
夏からは病に伏すという君の住む街は雪 今日も明日も
34
師走はね まことにまことに 師走なんだ 押し寄せる コロナとインフル
12
年忘れ 院長みずから コスプレで 若人たちに 媚を売るのさ
8
真っ白なまが玉のような形して茶の花咲けり初霜の朝
28
「大丈夫?」やさしい顔のこの言葉 どんなときでもイエス一択
26
まだ暗き公園の中見渡せば枯れた木々には鳥たちの群れ
23
湯に浸かり 冷ゆる指先 しみる宵
山茶花
(
さざんか
)
盛り 深まりぬ冬
29
きみの好きな音楽聴く気になった時 この人が好きと強く感じる
10
監督の喝よりずっと効果あり タイムアウトで君を見つけた
25
のぞみにて 作りし資料 確認す 新幹線は 会議室ナリ
25
雲早く 強き風刺し 山が泣く 赤城を覆ふ 白き風花
28
金色に 棚引く雲の 切れ間から 冬の夕陽が 光り輝く
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