もう二度と逢えない人を想うこと 紅茶を注ぎ口ずさむ歌
20
いや、違う 夏のにおいと思ってた 冬に育てた除湿器のカビ
9
車道側を歩くことが最大限 ごめんねぼくは愛をしらない
5
確固たる不安定さを愛とする ギターソロならカートコバーン
5
何もない もうここからはただ白が無限につづくまとめサイトだ
4
外に出て夏を感じることもなくおとぎ話をボロ屋でうたう
9
冷房の鳴き声がまた聞きたくて布団のかどへ足を伸ばさん
12
給食のキノコのみそ汁ヤダと泣く子を抱っこする金曜の朝
22
人生は周回遅れでもここで飛び降りちゃえばごぼう抜きだね
6
店先に焼き鯖並ぶ半夏生我が家は生姜たっぷりにして
26
夢に出たすでに逝きし友の名を何回となく繰り返す
11
青春と呼ぶには少し曖昧で 完成しない初夏の放課後
33
テーブルの ミニヒマワリが こちら向き お疲れ様と 微笑みくれる
26
ボケ防止 散歩の途中 メモを取る 昨日の夕食 焼きビーフン
10
友からの 暑中見舞いの 便りあり 向日葵の絵に 心ほころぶ
29
コンクリの割れ目に根付く百日紅刈らずにおけば赤き花咲く
35
「大丈夫あなた茶髪が似合うから」 まだそうなのか教えてほしい
11
朝体操 見上げる空に うっすらと 白く輝く 上弦の月
13
寝る前にキスをしましょう ひとりよりふたりのほうが生きていけます
12
客先の 庭にひっそり 植えられた 檸檬を見つめ ソーダを一口
24
娘らの 盆の予定が LINEに入り 赤丸つける 次月の暦
23
芥子粒の 大きさなれど 存在感 はんぱではない 靴中小石くつなかこいし
13
なつかしくやさしい味と知らなんだ某スーパーの塩あめを初
22
この先に 高速インター ありつつも 乗るには歳を かさね過ぎたか
17
暑さゆえ思考回路は切断し寂しき人は水を摂るのみ
13
降りてくる 浴衣姿に 目を伏せて ズボンで登る 駅の階段
14
ふりはらう 女の髪の 仰ぐ香に 吹かれて私 脇役と知る
13
プラゴミを分別しては人間の一人の力も積もれと念ずる
22
掃除機のコードが一気に巻かないなら 身を投げてしまいそうな夜だ
8
「可哀想」 なんていうのは 勝ち組の 慰みものだと 捻くれてみる
11