懐かしき テレサの歌声流る宵 酔ひしれる我昭和の人なり 
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からまった イヤホン解(ほど)く もどかしさ 本音の声の 一歩前
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てってってっ チリチリチリンと 音がする ねこが起こしにくる音がする
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青空に四月の風は吹き抜けてスーツ着こなしニューフェイス行く
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疾風にさらはれ 人の行き交ひぬ歩道へ舞ひ込む 店の貼り紙
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芝桜ほどよく酔えばうたた寝の目覚むる妻や高麗駅あたり/羊山公園を後にして
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五時の音がくだらん体を通り抜けこだわりなくてひと時身軽
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雄弁な嘘 最後まで綺麗に飾りきったらそれは本当になる
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愛のない単なるオスの事件には同時代者はついてゆけない
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朝の陽へ撒きし餌へ舞う群れ鳩と触れ合う爺の影は伸びやか
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くしゃくしゃに笑ってみれば寂しさを吹き出し笑うあなたが好きだ
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おはようの音を奏でるサックスの銀色褪せてセピアなる朝
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擦り傷の膝に手を当て塗る祖母のキランソウだよ遠き日消えず
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ポケットに賢治の詩集お守りに深夜は道の真ん中歩く
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花散りて 桜の枝先若葉萌ゆ 季節ときは巡りて新緑の風 
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父が刺すボタン外れしワイシャツも窓打つ雨もみずいろの濃し
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「帰ったら『だれかきた』って言われた」と昭和の父の乾いた笑い
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生足のミニスカ娘に気を取られ 狸寝入りは薄目を開けて
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三十一みそひとに込めれぬ想い溢れすぎ山に向かって相談してる
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右手チョン 左手もチョン ねこベッド とてもかわいい 眺めであるよ
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ラジオでの球場響く応援が沈んだ気持ちにじんわりと効く
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戦争の足音がする日々増して 止められるのは私とあなたと?
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交差点 信号脇にポツンと献花 消え去りしいのち そっと手を合わす
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「殿様」トランプ氏の世界改革 理不尽な犠牲伴い 何処どこぞに落ちる
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カラオケのなぜに歌えぬプロの如喉の力みにさよならはいつ
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公園で駆けるおさな子 後を追うじいじの笑顔に 緑の風吹き
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有り余る時間と切れる鎌あれば 嫌いじゃないよ草取りだって/あれば、ね
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創作心 滲む作者のお人柄 磨いているのは己の心
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あと何度観たい映画を見逃せば天への道が開かれますか?
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しくじった! 君の魅力を 見くびった 結果 いつしか 超首ったけ
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