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今生を辞してあちらの歌会に持ち込むための詠草を編む
6
仕事辞め日向ぼっこで短歌詠む 理想は遠く現実はみじめ
5
新刊の出ない隣のブースから伸びた行列ばかりが見える
7
鉄骨のジャングルを縫い白黒の検非違使は追う咎人のかげ
5
ゆめ知らず智慧の階段踏みしめて錬金化学に塩基無水・素
5
その
背
(
せな
)
にちいさな羽のあることを知らない君はあの町を出ない
9
ビデオにも戦争がありいくつかの戦後をくぐるこの部屋がある
6
百億の花粉を載せて春風は鼻腔の奥に受精を目指す
7
口もとの ブルーラインが お気に入り 白いマグカップ 珈琲たっぷり
31
やどかりにとって浜辺は限りない事故物件が並び立つ街
8
幼子は狭き我が家を駆け抜ける まだまだ寝ないと親から逃げて
37
八重桜 共に過ごした年月が 古き団地に静かに咲いて
54
千の風 愛しき人の元に吹き 涙乾くが一番嬉し事らしき
18
そぞろ行く のぼりはためく城下町 つがいの鳩も食べ歩き楽しと
18
ゴーカート 君の最初のドライブは、僕の〝人生最高〟になる
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そのへんの言葉じゃサイズが合わなくて 裸の気持ちがくしゃみをひとつ
40
長旅の土産は特大洗濯物 連休最後のベランダ飾る
19
朝食後 歯みがき洗濯洗い物 天気に尋ねる優先順位
13
新しい友を得たよな気になって 歌詠み始めて間もない私
20
辛い日も「置かれた場所で咲きなさい」の言葉を胸にスタートしてみる
14
「はい、これ」と寡黙な息子さりげなく手渡すピンクのカーネーション
16
久々にフルート吹けば思い出す仲間と演奏あのステージを
17
歌詠みで
他人
(
ひと
)
の生き方垣間見る改めて知る短歌の世界
22
ポケットの奥底にある重力の 行き着く先が誘蛾灯でも
6
マスク取る日常戻り薄化粧 日除けの帽子は深めに被り
13
一人では気づいてくれない会う人が セットなんだね私と犬は
18
染みついた タールのような 悲しみが 不意に顔だす
皐月
(
さつき
)
の青空
34
世界中飛び回っている息子でも 出発の朝の変わらぬ寂しさ
14
あの時が 最後だったと思い出す 未来が見えて だきしめる今
25
思わない 方に転がる 一輪車 クリもナナカマドも 花は真っ白
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