木立打つ雨音枕辺に迫り 澱みたる悔いの念立ち現れたり
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一年が一日ならば夜明けならむ今日は春分、彼岸の中日
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あの方は今はどうして居るのだろう連絡先も知らないくせに
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清貧で正しきことを知る人とまた歩けてる今年この春も
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積み重なった悔いの層一枚づつ剥がしてくれるのは 子の笑顔ありがとうのひとこと
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枝先に 萌黄色のちさき若葉 心細げに 春風に震え
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ご飯屋で  スタッフ蔑む  形相の 4人家族に  ゾッとしてもた
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近くに見ても 遠くに見ても 美しき 光、闇さえ 従えしはな
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クラスの子みんな知ってる恋なのに貴方は言うまで気付かなかった
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魔術師は春風に乗り現れる桜の花に躍らされるたみ
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一羽だけ鳴いているのか白鳥が私の耳は何を聴いたか
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麗しく花鳥風月詠みたくも春のおぼろに霞む言の葉
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いねられず 咳止まぬ我が背中をば さすりぬ母の手 幼日の夜半よわ
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田舎道陽射しを浴びてひとり旅 蓮華の紫快晴の蒼
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足下にてんとう虫の歩み観て単車休憩牡鹿の海よ
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桜咲き桜散る狭間を愛でる日本にはそんな四季ありて
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アウターの人半袖の女性ひともいて横浜は今春の入り口
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先輩はマンガ喫茶かサボりつつ結果出すのがプロだと言って
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助手席の私を越えて春の山 見えぬ動物けもの呼吸いきに霞めり
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風呂あがり心の垢も流し去り生まれ変わったオーラを纏う
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廃屋をなお護る者たちのあり 庭の樹も草も逝きし人々の想いも
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これほどに 待ち望む花が 他にあらむ 古きより胸に 刻み込まれて
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いち早く心肺蘇生を行った貴方が嫌いなわたしの娘
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嬉しきは鳥の囀ずり聞く朝と狭庭に開く花を見し午後
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猫を撫で コーヒー淹れて ウタカタを あとは天気が 上がるのを待つ
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物乞いの 子らいる国に みっちゃんは ただ愛おし慈悲と 日本を乞うて
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病院の待合室みな健康に前向きなひと治そうとしてるひと
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平和の世ねがふ口もて謗るわれこころやいばや鞘ぞいづこに
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水たまり キラキラ光る 春の朝 森羅万象 神々宿る
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教科書にひらがな四つ「てふてふ」と春の扉をひらいたあの日
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