この気持ち喜怒哀楽のどれなのか分からないまま涙は流れ
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解体の音もさみしき秋の雨誰かが住んだ家が無くなる
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木犀の香り今年も漂って案外僕らは幼いままで
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海底を二万マイルも行くように静かに静かに寝ます おやすみ
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帰宅してシャワー浴びれば流れゆく私の形の見えない何か
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包丁を逆さに持って皮をぐ ゴボウの白さにいつも驚く
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分厚めの 段ボール箱に毛布敷き  冬じたくして あのミケを待つ
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正気ではやってられない世の中に なじめる狂気 身につけて冬
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真夏には木陰をくれた くぬぎの葉  お疲れさま と ほうきでなでて
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ふつうなら とっくに憎まれてるはずの 前世がたぶん猫だった人
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残高を指でなぞって考える いくらあったら逝けるのだろう
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すこしだけサドルをあげて来年のぼくの視線で走る自転車
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撒いたあと歳のかずだけ食み豆をわたしのなかの鬼にも投げる
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この電車動くと君は過去になる雪がやむころ想い出となり
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君がまだいる頃に買った洗剤を使い切れずに歳を重ねる
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何にしよ? やっぱりカレーね 好物の 夫退院「うまい!」と頬張ほおば
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我を越え三児の母となったよ 出産終えて貴女あなたはまぶしい
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「チャッチャッチャッ」もう聞かれない足の音 歳老いてキミはひたすら眠る /ののの様へ
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風の吹く夜更けにバスを待ち居れば影絵の森に怯える月夜
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食卓に朝を届けてくれるからクロワッサンはさん付けされる
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どす黒くざらりと粗い喉越しの憎しみに似た何かをごくり
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開花予想23日と言うけれど つぼみはそれを知ってか知らずか
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きっかけは「舞い上がれ朝ドラ」の貴志くん 彼の短歌に憧れ、始めた/明日で投稿丸2年
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きっかけは色んなところひそんでる 糸を引き寄せ出逢ったUtakata
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絵が好きなあなたなら絵を乗り越えることのできない壁にも飾る
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幸せはスプーン1杯くらいでいい 紅茶に入れるとほんのり甘くて
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頬を刺す日差しはすでに春日和 無事に彼岸参りを終える
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息子きみ作る オニオンリング ハフハフと 揚げたて隣で 立ち食いをする
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春が来た おニュートップス・ボトムスに 袖を通して行ってまいります!
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てっぺんを今日も迎えて終わらせる 刺し子の魔法が解けないでいる
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