理解とは「理性で分かる」ということで こころは未だ無知のただなか
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我を越え三児の母となったよ 出産終えて貴女あなたはまぶしい
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年を経し杉の根元は影差して朝日に映える梢の緑
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創作の泉じゃないのよ傷口は カサブタ剝がすのたのしいけどさ
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「チャッチャッチャッ」もう聞かれない足の音 歳老いてキミはひたすら眠る /ののの様へ
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いつからか背に寄り添った諦念の顔をまだ見ぬふりをしている
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伊達眼鏡 さりげなくUVカット 気持ちだけでも お洒落してみる
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赤き実の豊かなる枝にひよどりら集いて遊ぶあした楽しも
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切れぎれの雲の向こうに有明の月が隠れる冬の明け方
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風の吹く夜更けにバスを待ち居れば影絵の森に怯える月夜
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ご一家は路頭にぽいっと落とされてにっちもさっちも尖沙咀チムサーチョイ
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何着よう何話そうどう座る? どころじゃない勉強デート
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目的は勉強だけのはずだよね 妄想止まらずパックで冷やす
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ねえ、留守を守ってくれてありがとね  おかげでここ・・に帰ってこれた
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朝靄の中に光の染み入りて白木蓮の蕾ふくらむ
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相手より余計に好きになったほう 負けみたいだよずっと負けじゃん
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まっすぐに縫えていないと後戻り なかなか進まぬ刺し子の歩み
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脈を打つ音と雨音相まって 眠りに落ちるひとりリビング
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残月の光冷たき広場からほぼ貸し切りの路線バスに乗る
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浅はかについ羨んでは撤回すどの世代にも苦労それぞれ
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雪による倒壊破損が露わなる近所の空き家全貌凄まじ
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今君の 声が聞こえたと 思ったら あの頃に似た 春風でした
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いつまでも群れに入れぬままでいる せめて背筋を伸ばすことしか
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離れても桜見る心は穏やかで 終わりじゃないとわかっているから
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辛いなら私があなたを抱きしめたい ご要望あればいつだって
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喘息は例年通り三月の四週目ごろ和らぐでしょう
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桜夜風に揺れながら聞く君が知ったばかりの神の数式
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合鍵を百本作り鳩百羽と飛ばすね どこ行ったのあなた
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病床の 父の手握る 母 涙はは なみだ 伴侶の慈愛 初めて見せり
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彩りが 日に日に増える 卯月末 足りなくなった 春色絵の具
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