濡れ鼻を ツンと当てくる 老犬は 言葉無き愛で 我を励ます
27
砂浜へ電車ごっこの子ら来れば白千鳥しろちどりそばをトコトコと行く
26
ふわあっと 見上げた空に オリオン座 去年ぶりだね お久しぶりです
25
哀しみを赦せる日々がやってきた 水を湛えたスポンジを押す
10
大陸の 友と語りて笑いあう 小さき外交 祈りかさねて
49
霜月の夜空 冴へをる 一等星 南に土星 フォーマルハウト/魚座の一等星(フォーマルハウト)
23
朝毎に雀にとパン屑まけば痩せ狸来てそれを漁れり
14
熱帯に育ったバナナ冷やすなと異動の君があおるバーボン
18
「幸せになるため人は生まれる」と 電車の遅延が誤魔化した
6
​かじかんだ 淡桃色うすももいろの 吾子の手を 包むこの手で きみ守りたし
28
山茶花の花びら降るる日溜まりの僕に秋の日静かに降るる
46
この顔にピンと来なかったとしても君はそのまま幸せであれ
8
肩触れる 微かな熱に 重ねきし ときの記憶 静かに沁むる
14
令和でも 霜月師走しもつきしわすへ 変わりけり  雪でも舞えば なおぞ嬉しき
12
太陽になれない我は月になり 静かに君を照らし続ける
48
山芋も皮をかなくなりました 手抜き料理は破竹はちくの勢い
36
納豆に日頃の苛々ぶつけても健気に美味い ごめんね。納豆。
27
焼酎のソーダー割に柚子ザクザク「酔いどれ天国」一人気ままに
27
落葉らくようや 一掃されど 道端に 積もり積もりて 秋をえがきぬ
27
夜想曲弾かんとしてもその中に密かに宿る夜は逃げ出す
20
柿の葉をかき集めては思い出すみなで集いて落ち葉焚きし日
18
モーレツを装うスーツ纏っても毛玉だらけのパジャマがイチバン
16
江ノ島は道半ばなるフルマラソン二万のランナー己が道行け / 私も湘南国際M7回程走り、今日も応援!
16
孤独こそ己を守る避難場所 長老の説く平易な言の葉
41
つり革に 初めて届き 喜びて 記念日だねと 言ふ吾子愛し
27
電線に止まる寒鴉かんあの背景に 白き残月 朝の西空
30
秋深み裏のくぬぎも冬じたく枝を震はせ もみじ葉の舞ふ
15
万葉の 人に詠まれた 同じ月 やがて令和も 昔と眺む
49
寒風かんぷうに 耐え抜く蜘蛛へ 落葉らくようは お先に逝くねと その生を終え
27
体温と 同じ温度の 鼻水が 気づかぬ間に 人中濡らす
23