うたごころはや死にしかば現實の實ももたざるはなごろもかな
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さればいにしへの戀はらからの今際の面散る昨日いきてしか
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山の端へけぬるかたへへ花霞たつけふをかぎりのいのちならまし
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まこと亡びとももふ歌たらざりしいきのこりとはわがことならば
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佛頭焚かれ やかれもせずにをのをのがとらはるるは上手ならずや
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人間に意思などあらじ 「むかふ家に百合の黄の花がたつたやう」
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さばさばさばこきくれなゐのはねごろもたててふるなむしらかみのゆき
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雪花ききづたへなる聖靈の耳霜灼けてなほ靑かりしかども
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やっちゃった! 気が弛んだか ぎっくり腰 嗚呼また始まる 動けぬ日々が
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カメムシくん いつからここにいたのかい? 衣替えする半袖シャツに
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やっとこさ寝返り出来たと喜んで でも起き上がれない 嗚呼ぎっくり腰
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雨上がり 草刈りの音に誘われて 心浮き立ち そろーりお出かけ \ぎっくり腰から回復😊
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さはれみづのことば韻文の明くるまで暁星へやかれし涛に
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夜の言葉星くれなゐの花樗そのほそつづらなす窓居に醒めし
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扉閉じ  密かにもゆる  夜の折  火照る体感  肌に伝わる
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祖母の手に見える干し柿焦茶色しわくちゃだけどそのぶん甘い
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情け無い  貴方がそこに  いる事に  目を背けるは  恥じらい隠す
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君が過去詠んだあらゆる葛藤がどうしようもなく私でもある
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松の枝堪えきれずに折れている幹の中身を雪に埋めて
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鍋の出汁沸いて昆布を取り出せば冬はゆっくり時間がすぎる
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この電車動くと君は過去になる雪がやむころ想い出となり
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朝になりジャムもつけずにパンかじる生きたくもなし死にたくもなし
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友からの「HELP!プチ鬱」ライン見て可笑しくはあり聞きたくはなし
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繰返す  韋編三絶  道を征く  挑み結ぶは  或る日の想い
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やわらかく降る雪見ればよみがえる雪かきをする父の姿が
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カレンダー今年初めてめくった日新たな私の老いがはじまる
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地方都市イオンモールと市営バス 屋根のカラスがまた増えていく
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胸痛み必要悪は叩かれる最期に魅せる小林多喜二
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フリクションの音で高鳴る年度末知らないことに飛び込む春に
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怖いのはインフルエンザやコロナより小じわとたるみ隠すマスクで
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