自動印刷機より出づ少年誌疑はず読む青年の服のタグ
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「うるせえな、生きろ」と続けざまに東宝シネマの台詞へ鸚哥
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アリウムの 悲しき意味を 遠ざけて いつか色づく その日を胸に
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喜びの 光るシリウス 薬指 永遠ちかう あなたとともに
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新月と満月ゆっくり行き来する あなたとわたしのこころの継ぎ目
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校庭に響く歓声 子どもらは朝時から本気で遊ぶ
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蝦夷梅雨の季節でしょうかあの人のお名前忘れ紫陽花をみる
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夕焼けのサーモンピンク揺蕩たゆたって 昼と夜との儚い合間
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感覚と言葉がうまく結べないちょうちょ結びは斜めになって
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一粒の塩を落とした水を飲む 我なる海に夏を伝える
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気に入った傘はいつでも見失いビニール傘をさし続けてる
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蝶のように舞い蜂のように刺すのつもりでくだるビルの階段
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子カラスの 巣立ち終わりの 静けさよ 朝が来たのも 気付かぬまでに
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寂しさはカラスの目の色空の色打ち捨てられた空瓶の色
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本堂の法要さぞかし暑かろと うちわ配りぬ住職も汗
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昨今の天地暴れる国救ふ 手立ては無いかシンクタンクよ
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「かきつばた」。語感の良さにお腹すく。梅雨も過ぎゆき、向日葵愛し。
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陽が射すと、疲れた心も溶けだして。ふと見上げたら瑠璃色の蝶。
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素麺を茹でる君のおでこには一日分の愛がありけり。
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ベルサイユ 紳士の優雅な馬術見し 高貴は望めぬ ポニーも吾も
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抜け殻の蝉の意識を取り戻す 「センセイ、ありがと」 夏の陽炎
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空爆で殺戮さつりくされる子ども達 チャンネル変えれば五輪の歓喜
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盆の時期とんぼや虫が近付けば もしやと思ふ少し本気で
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平凡な一日でした日めくりがめくられるよう散るチューリップ
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わたしヒトラー。わたしロベスピエール。もしもし。ユダヤ人を――
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揺さぶられ倒れし墓を撫でる人 ニュースに映る被災地の盆
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神神に主神のあらば 靑藍の仔を降しまづ人間を亡ぼす
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戰乱の臭ふ 澁谷交差点群衆も靴鳴らしかへらず
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呪はるる國民たるを耐へず戰争の責任転嫁さる 死者へ
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下駄の音と徹夜躍りの夜は明けし 風の盆待ち夏は過ぎ往く
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