硝子越し写る景色が現実で 爪を立てても響かぬ身体
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『あなたには泣かされたよ』と先生が今の娘に違う涙す
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串カツを 味噌鍋浸し はふはふと ほおばる友は 無邪気さ溢れ
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出逢えたと思う 海で街で本棚で 痛みだけが似てる貴方に
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帰宅して扉を閉めて鍵かけて 社会人Aの魔法が解けて
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けば モミの木、イルミ、 ジングルベル… まだ霜月よ? 気が早いって
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久々に会えば思っていたよりも少し痩せてる父のかんばせ
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横になり描きかけの母じっと見る美人と写実迷うさじ加減
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懐かしさ 漂う喫茶 奥の席 コーヒーフロート 至福の一時
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華がない だからどうした漢なら 生き様死に様 背中で語れ
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朝の度植物たちに霧を吹くこれも一つの祈りの形
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気がつけば 朝から食べず 夜半すぎ チョコパイ一つ そっと噛みしめ
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人知れず 産声上げし 機螂獅鮫きろうしきょう 独り銀幕の 波に揺られる /Z級映画『メカカマキリライオンシャーク』
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海面に小石をぽとり落とすときわたしも海も何も変わらぬ
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縁語とか 枕詞とか入れたくて。 なかなかハマらぬ 「旅」と「足袋」の字
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オリーブの深緑色ふかみどりいろ 空き瓶に薔薇生けてみて勤労感謝
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子供部屋 壁紙お魚 幼稚だと 出世魚かな 任期満了
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婚活も転職も停滞してる BL漫画の考察はする
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煮えきらぬ想いを伝える裏技はスープの冷めない星の距離から
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気遣いとノックの文化が無い星から来た宇宙人として生きる
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穏やかな 君の目と声 いつまでも 心に残り 日々をあたたむ
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ぼやけてる西の夜空に浮かぶ月 目を細めたら綺麗な三日月
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休日の 灰色空と ため息に 生姜はちみつ あたたか琥珀
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檜葉の枝杉の木の枝花屋にて並び始めて冬の訪れ
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気がつけば駆け出していたあの頃の無闇に明き三日月の夜
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小春日の温もりは母を 木枯しの厳しさは父を想ふ初冬
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残業の後に限って見たことない光り方してるラブホテル
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まぁるくも 五角形にも 嵌まらない ゆがみもあいす そんな性格/
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角ばって 丸くなれずに 季節過ぎ それでも誰かが 「いいね」をくれる/
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濡れ鼻を ツンと当てくる 老犬は 言葉無き愛で 我を励ます
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