桜咲く路地は夕暮れぼんやりと僕らはいつも世界のとりこ
45
病故やまいゆえ1人が苦手雨音を 聞き帰り待つ息子きみは休日
34
連れ出して欲しいとおもうハルウララ サクラはいまだに咲かないままで
10
聴かれない副音声としてもなおあなたの歌を詠み続けたい
28
桜花に負けじと枝の下にあり艶めき萌えるたんぽぽの花
36
雨の中 カアカアカアと 鳴くカラス その鋭き目 力みなぎる
29
逢えぬ日に抱く微熱の囁きを星ひとつ詠む夜の短さや
23
廃屋の荒れにし庭に水仙の栄華の名残り一隅を照らす
23
6人でグループLINE作ったよ 四六時中が着信祭り
34
消えた短歌思い出してはメモに書きまさに推敲二つ三つ四つ
21
ブロッコリーに おかかを混ぜて つゆをかけ 春の味する 朝の食卓
34
いつの日か通り抜けたし 日本一長い商店街の端にて
29
死ぬ事に不服は無しと豪語せし 我の服薬手のひら一杯
17
「さくら味バウムクーヘン」食べてみたなるほどこれは桜餅味
28
身一つで 武器も持たずに 生きている 愛猫きみは強いね そして優しい
38
降り積もる桜吹雪の公園に光差す午後蝶の飛び交う
46
誰よりも 優しききみの 未来には わたしと違う 姿ありけり
8
さよならと 世界に別れを 告げしとき またどこかで 世界始まる
7
泥んこの童が今日は貴公子に澄まして歩く入園の道
49
トーストは人の生き方ふわふわでもちもちだけがいいわけじゃない
8
出来上がり二、三日後が美味くなるきな粉ねじりは待てば歯ごたえ
32
冬枯れの いばらも蒼く芽を吹きて 待ちにし季節ときよ桜咲くなり 
27
夜明け前 日の出を急かすかのように イソヒヨドリの笛の音響く
13
幼き日「馬のベロ」だと教わって今もそう呼ぶ木蓮の花
36
既読はね、まだ付けないでおくからさ 気が変わったら、そっと教えて
9
チャイムなど鳴らぬ社会へ放たれるインク切れても春が降る、降る
25
ピーという電子音こそファンファーレ干し終えたなら春へ飛び出せ
33
歳を取りお互いほんと笑えないそんな話で笑いましたね
14
不運から愛されている女あり男の裏が見える眼を持つ
35
外来の「ブログはじめました」の張り紙のQRコードにスマホの音なし
11