いつの日か通り抜けたし 日本一長い商店街の端にて
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楽園の如く花たち咲き香り二季というのは寂しい言葉
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死ぬ事に不服は無しと豪語せし 我の服薬手のひら一杯
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「さくら味バウムクーヘン」食べてみたなるほどこれは桜餅味
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身一つで 武器も持たずに 生きている 愛猫きみは強いね そして優しい
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泥んこの童が今日は貴公子に澄まして歩く入園の道
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出来上がり二、三日後が美味くなるきな粉ねじりは待てば歯ごたえ
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冬枯れの いばらも蒼く芽を吹きて 待ちにし季節ときよ桜咲くなり 
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宵闇の月下の花は色褪せぬ 影も見ぬままただ散るを待つ
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桜花なり 僅か十七逝きし友 存えながらし身は恥の多くて
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退勤の時に出やすいじんましん ホッとしているサインらしくて
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ワクワクを強要される四月かな ヴァニラのアイスが早く溶けでて
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既読はね、まだ付けないでおくからさ 気が変わったら、そっと教えて
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夜桜に映えし君の横顔を じっと見つめ みたらしを食ふ
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外来の「ブログはじめました」の張り紙のQRコードにスマホの音なし
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葉桜や川辺をゆけば陽を浴びて水面みなもを飾る花筏かな
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ひさかたの光散らしむ 忘れないよりも忘れるほうが優しく
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人の世の 常とはいへど無情なり 親しき友の鬼籍の報せ 
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はな咲くも 風雨が散らし 形無かたなしに  憂世うきよを写す 春嵐しゅんらんの候
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ほろ酔いの花渦まいて桜みち春の嵐に蒲公英の咲く
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夜を裂く百足起こしの春雷よ何もせぬから刺すなと告げて
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花は散り 桜の珈琲淹れる朝 淡きにほいに 満たされていく
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豪州の肉を噛みつつ和牛とはかくも遠きか年金の日々
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「重たいか」心配そうに母の声 荷を持つための我が手なりしも
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玄関を出るたびひらく花がある「がんばれよ!」 と隣のじいちゃん
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大丈夫サンタのいない子供たち僕もこうして何とか生きてる
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山椒の新芽の相違 尋ぬれば 犬山椒いぬざんしょうなる憎めぬ騙し
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雨打たれ 散った桜は 悲しげも 隣に咲いた 藤は輝き
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風呂上がり鏡を見れば小太りの新大学生 かなり厳しい
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好きだった彼女の声を聞きたくてまだ捨てきれず昔のガラケー
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