もう戻ることはできぬと知っているカナカナカナとひぐらしが鳴く
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しょんぼりと 階段のぼる 踊り場の ぼやけた空に 輝く金星venus
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悔いのないように輝く夕の陽へ頬染めエールおくる南雲なんうん
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ゆうなずみ 柘植にやすめるしじみ蝶 秋思う風 羽根にそよそよ
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七月の末の部室で法学部だけの朝には風がやさしい
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恋しくて気持ちあふれて柵越えてノウゼンカヅラ届くといいね
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たそがれに 街影遠く 君は来ず 待つほど遠く の恋の夢 
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一枚の水彩画なり濃淡の緑のにじむ曇りガラスは
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ブラウン管泥にまみれた球児たち火の花開く網戸の向こう
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退職の日の挨拶に添える物あれこれ悩んだ去年の今頃
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四十路にて学びは続く霧晴れて見える世界が拡がっていく
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この地球のどこかにいるはずのあなたへ末永く末永くしあわせで
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立秋が残暑見舞いの起点とか 時候を破壊沸騰地球
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ブラバンにカチ割り氷アルプスの応援席の日差し懐かし/昔母校の応援に
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朝ぼらけ人もまばらの墓掃除 秋はさえずる雨と風とに
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電話越し、君のギターを聴きながら組み立てているプラネタリウム
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移りゆく 季節に君を 忘れても 夏は切ない ままなんだろう 
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穏やかに 笑い合える日 君もまた 忘れぬ記憶 口に出さねど
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喪失の 胸の痛みは 消えねども 想いの深さ 吾に教える
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そびえ立つ山の向こうで暮らしてる君も見ている落ちそうな雲
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軍国に生きたかつての青年は 「優しく在れ」と我が祖父となり
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残暑だというのにまだ灼熱が棲む わたしの未練はこの国の夏
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夏休み 家族みんなで バーベキュー 外で火を焚く 気力が出ない
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課題終え 突っ伏し肌をひっつける 机がひやくて 気持ち良いのだ
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ラジオからひかるいのちの甲子園 澄みてはるけきそらにひぐらし
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くまぜみにすだく小蟻のなりわいを 黙し みまもり向日葵は立つ
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蝉時雨少し弱りて甲子園次々決まるベスト八校
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滅びゆくその日はきっと猛暑日で 冷凍庫に置く大事な想い
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片恋は 真白に燃える あの夏に 見上げた雲に 重なるように/r
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カップルが 2人並んで 歩く間を 突っ切るあたし ハハハ…虚しい
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