辛い時代ときを共に歩みし妹にとりどりの花十三回忌
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神様のキスを待つよな雨上がり 遠く 君へと虹が架かるよ
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老いと死を想像するだにぐるぐるとこわくて眠れないときのうた
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下ばかり向いていた日々 笑顔より思い出すのはキミのスニーカー
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人類に文句があるのか この地球ほしは傾げて回る 今日も明日も
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尊いなぁ… こんなに小さな 生命が 手のひらの上 呼吸している
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捨てられたプールの底に溶け残る15の君とざらざら眠る
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君見つけ じっとり魅入る 炎天下 手元のアイスが 溶けてこぼれた
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公園の木陰のベンチに赤き葉のふたつを伴に秋を思ひぬ
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ふくらんだ ホクロの真ん中に 毛が一本 孤島に生える ヤシの木みたい
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はぐれかけの 私も取り込み 囲まれる 体育祭は 永遠とわの思い出
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日々を詠む うたの しずくの 集まりて  渇く心に 慈雨のじんわり
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赤シートに 慣れた眼、視界は アイスブルー 社会は冷酷 受験は孤独
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学校を 休みて母と 飯を食ふ 外の喧騒 茫然と聴く
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温風は破れた蛇腹を抜け放題去年のオペと術式検討
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保証期間過ぎてホースが裂けました『残念ですが施しようが・・・。』
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欠け月の 満ちる姿に 恋重ね 君を想ひて 夜の更けるまで
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綺麗だね 零れた言葉 十五夜に 君には見えない あの満月が
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小倉山霧立ちこむる夕暮れに道踏み惑ひ鹿ぞ鳴くなる
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道玄坂 葱まみれの蕎麦すすり浮かれた夜を正常化する
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秋の宵 吹く風辛く 孤独とて 優しく包む 月光かな
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また一つ増えてしまった不安ごと 息子の健診結果を盗み見
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テスト前 ふと脳内に 浮かぶのは 単語じゃなくて 君の横顔
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泣きたくて 入ったトイレ 汚すぎて 夢かと思った 現実だった
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気にするな って言わない人のやさしさに  育ててもらった 歌詠む 気持ち
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初雁の遅れ啼く聲かれがれに蓬老いたれみそらもろとも
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雨曝し 寒空の下 一人行く イヤホンそっと 孤独を消して
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境内で 走る子供に 重ね見る もう戻れない あの日々たちよ
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ひなたでは暑いんだけど日陰では寒くて 僕には居場所がなくて
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揚げ油にキッチンペーパー被せたら泣き出すみたいに染み広がった
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