疲れたと床に寝転び一休み、いや三休み、五つ休みか
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みつめあう ねことねこのて にぎってる このまま永遠に ここより永遠に
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みどりごのはだかの足がぶらさがり 若い夫婦のリュックの脇に
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喫茶店 シックなスーツ 着こなした 雅な漢 思わず惚れる
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この世には フフと此方こちらが 微笑みを してしまうほど 素敵な人が
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暗き底の 深海魚なる 我なりき 人知られずが 今、光得て
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ひさかたの光さざめく波間にも 君が御髪おぐし手繰たぐれ我がかい
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記憶なく 履歴もなくて 宅配の 配達予告に 疑心暗鬼す
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救急の惨事を告げばデイケアの瞳の奥に涙の光り
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サンタさん夢見る子にはいい夢を見れない子には靴下編んで
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ははかたの祖父は学徒動員でちちかたの祖父出征の時代とき
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珈琲の蒸らす時間の惜しかりし 浮かぶフレーズ 歌へドリップ
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蝶の舞 優雅に夜空 舞い上がり 姉さんのこと 忘れないから
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なにもかも すててしまえば 楽ならん この肩の荷を ぶちまけたし
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道場の 上座に座り 思い出す 宇宙を求めし 青い時代を
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生憎あいにく雨催あまもよひ 予定揺るがす 今宵はつまと イルミネーション
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楽しめと 主治医は言うよ でもね やりたいことみぃんなやっちゃった 思い遺すの なぁんも無いよ
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下戸だけどバッカス買った酔いたくて 心を満たすほどじゃなかった
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さだまさし「案山子」を聴いて考える 世にこんな親いるのだろかと
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聞く話す笑うそれだけのこと それだけのことで繋がる日々
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クリスマス 何それそんなの関係ない うそぶきつつも 手当たり次第の クリスマスソング
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外は雨8階ベーター前ひとりゴルゴな気分で間隙狙い
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山茶花も戸惑うほどの日差しにてコート持て余す師走の陽気 /20
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来年の自分に対し展望す出来ないことはやらないことと
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風邪の芽を摘んと飲みし葛根湯 両の手のひら仄かにうるむ
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自治会に汗かく面々生き生きと 老いへの歩み 半歩ほど停め
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人波にマスク重なる交差点行き交う日々に祈る幸あれ
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孫登場 雑事さておく重力は 相対論的 時空のゆがみ
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太陽は僕の詠久エネルギー夜雨には負けない歌って漕いで
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コイン精米の明かりを恃みつつ消えたいくらいただ帰り途
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