一も二も 明日は大事な 診察日 インフルエンザ 発病するな
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まうしろの きみのかおりに きがついて めかくしされても 本をよむおれ
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彼岸より戻りし切り身に繁栄を 鮪に成りて 男は望む/映画『デッド寿司』
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電気代水道代に交際費ガス代食費住宅ローン
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後ろ手に隠したナイフと本音は時限式ですせいぜい逃げて
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ハードオフ やっぱ中古は 使えねえ ぼろいギターの 前で愕然
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まだ泣けることに安堵する夜
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片そうと触れた布団の柔らかさ、君がよぎるから万年床
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いつまでも変わらぬ愛を詠ってるどんな姿の月であっても
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窓ガラス サイズアウトの服で拭く記憶もなぞる大掃除かな
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行き場ない 迷子の気持ちと 手をつなぎ 耳を澄まして 道場の朝
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台本を 繰り返し詠み さあ開演 実家劇場 ムスメその1
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ソンナコトナイヨ を多めに持参して 思春期の父のご機嫌直し
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あなたの夜は浅いけど波の音色も春風も泡もぜんぶわからないから
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車窓より二度と出会わぬ町を見つこのままずっと揺られていたい
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何とキスしてても好きなの 苦しいよ 心と全部返してほしい
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壁にもたれてあなたの胸のなかで泣く  雨の音 聞きたいな
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母からの「家静かです」ひとことに子も犬も去る実家を思う
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ざくざくと落ち葉踏み手に拾う子も母も父もが葉の海の中
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宝塚歌劇団には華の影幕の裏側潜む過激団
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ごめんとか また明日とか 見慣れない天井 全部無駄にしたんだ
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いつだって好きな誰かを守るため握った拳の外側にいた
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おたよりが通じることのありがたさ 心の便秘 しませんように
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真っ白なみぞれが降って照らされる晩夏の恋をあなたの熱を
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ほうじ茶で凍えた指をあたためる きみの温度を想う雪の日
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大罪人たいざいにんでも殺されぬ人 善人で突然死ぬ人 どうしてだろう
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傘持たぬ人しょんぼりと佇ませ赤信号の悠々と光る
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「久しぶり」その一言の裏側に僕が知らない 数多の別れ
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切り株のくぼみに誰が植えたのか可憐な姿の初雪カズラ
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「できたよ!」と喜ぶ孫に拍手する 私は増える出来ないことが
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