限りない星また星の中一つ僕に向かって光る星あり
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骨折れた母はしばらく石膏で腰の型取りミロのヴィーナス
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二週間はやい稲刈り大型の待合室のテレビつたえり
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ニット帽母の手作り喜ばぬ私であった後悔と逢ふ
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詰め替えたばかりのウェットティッシュに告ぐ 人見知りせず続いておいでよ
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三歳の娘が布団で海老反りすアシカショー見た日の夜のこと
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ほんのりと塩対応の血のプリン 推しの「豬紅ジューホン」スープと踊る
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朝夕に耳朶を掠めるそよ風の 淡い冷気が秋をささや
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君という アプリを消した スマホから iCloudに データを残し
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同じ夜 同じ手癖で抱いたもの 思い出せないのもう僕だけじゃ
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亡くなれば悪く言うのは慎むが 罪の事実は変わらないのに
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きみ作るピザは無骨で四角くて色とりどりの家族愛あいに溢るる
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稽古花はすすきのようなパンパスよ花生けながら 初秋感ず
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同類を育てる教育疑問持ち 拒否することで抗う戦士 /不登校の子どもたち
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秋風の鱗に頰を撫でられて確かに違う風の熱量
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随分と減った子どもの靴の裏毎日駆けたひと夏思う
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あのころがぐーぐるふぉとでよみがえる このごろよりもあきいろのせて
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秋風に南部風鈴揺れにゆれ今年の役目の終わりを告げる
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今日の日は昭和九十九年の九月九日、明日繰り上がり
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颯爽と走る若者つい見とれ 背中を見送る私と老犬
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「今日の作業終わりました」が午後3時ご褒美2時間ゆったりと過ぐ/排水管更新工事
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サルビアはまた恋をして散ったとて風に舞っても紅を忘れず
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たまにはね、健康志向ヘルシーぽいことやってみる 秋限定のスムージーとか
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よく眠れました。悪夢は我々を葬ることが出来ませんでした。
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部屋中を白い光が這っている 喉が渇いた 白湯は不味いわ
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言葉の力 ごめんねを言えば 許さなきゃいけない空気にしちゃう
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いずれ癒える傷 でも 許すな 今の私を忘れないで 許すな
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すべてをゼラチンで固めて冷やします お菓子作りは大失敗です
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頻繁にポストを読みながら生きてる ホントはログアウトして生きたい
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仮じゃ無い硬い床板有り難い養生シート越しの感触/排水管更新工事
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