処方箋まだ書けないよ私にはもっと訊かせてなにがつらいか
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黄泉ばかり見ている人の袖をひくこの身をもちて碇となさん
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隠し財布より 出る遺品の メモ書きは 父に渡した 我の番号
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涙鳥るいちょうの天に舞い立つりくりゅうの光に酔いし明けの金星きんせい/コルティナ五輪
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寒風を漕いで夜行く受験路に十五の春の蕾膨らむ
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笑み浮かべ 逝きしあなたの 面影を 独りたどるは 梅花の旅路
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Pが 振り子のように 揺れるから 猫ミームばりに じゃれつくだけだ
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子育ては ハラスメントに 似たるもの  受け手が決める 愛の正しさ
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「一」足せば「辛い」気持ちは「幸せ」に 下は向かない前に進もう
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寒戻り 落ち葉布団に 包まれた 青き新芽を 撫でる指先
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つまらないことは考えないことに挑戦をする古希若いから
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初鳴きのウグイス聞きつつ朝散歩  雪の富士にも春はすぐそこ
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畑 出はた いずる 長靴履いた 指先に るる物有り 湯たんぽのふた /見つかった!後編 完
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買物に 作業着羽織る 吾の姿 妻は空にて 怒っているか?
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眠ってた春服そっと起こすよに 陽光の差すだまりの部屋
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甘党な人だった天気を心配するような人だった何も言わず去っていったあなた
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忘れてた 窓うつ雨音あまおと 目がさめて 凍土をとかす 歓喜の水の
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ちょっと前 雑草魂 はて今は 個性と防御 サボテン魂
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押し入れの闇に目をあく雛人形 光の日々を遥かに見つむ
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人の世と 猫の世つなぐ 縁側で 冬用毛布をたたんで くしゃみ
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祈りつつ入試のあとの氷雨にも土わり芽吹く蕗のとうかな
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西の山今日青々と色も濃く壁となっては威勢せいをはってる
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人殺す武器の輸出で金儲け泥の道行く美し日本
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原爆忌から敗戦忌へ傾るおほきみに籠る聲の玉音
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嬰児虐殺に残りたる頭の割れて受難人形劇の耶蘇置く
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雪解けの 川面にゆる 灯火に 去りしあなたの 安寧祈らむ
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殺すなと 描いた太郎の 缶バッジ 見かけて少し 泣き面に 春
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畑 終はたおへて 薄暮に浮かぶ 白き月 弥生最初の 望月を待つ
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価値観の違う世代と暮らしいて心揺れるもぶれずに生きる
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どうしたのなぜ箱の中に寝ているの外はざざ降り時間が止まる
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