太陽が自動ドアからこの国に入ってきたよおはよう世界
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紫陽花の葉末の露のひかる朝アマガエルじっと緑に染まる
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バスの旅友の居眠り横顔に我のみぞ知る試練があり
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星の夜 姿見になる 店の前 浴衣のおりひめ 前髪直す
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どこかまだ後ろめたいような気がして 辺り見回す寄り道の夜
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炎天下 吾子をプールに 連れて行き 泳ぎ疲れた 吾にビールを
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クーラーで 身体の表 冷やしたら 中まで冷えて 副作用あり
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人住まぬ坪庭の木に絡みつく昼顔の花侘し夕暮れ
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飯作る心構えはカロリーの母さん高く俺は低くと
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「久しぶり」妻の遺骨に 話し掛け 父の遺骨を 隣に納め /父の納骨終了🙏
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「幸せのハードル低い」と夫笑う さき事でも嬉しがる吾を
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詠み人とバンドマンとはつきあうな きみのこともまた歌になるから
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いつかすべて手放すのに欲張ってしがみつくから念で霞む空
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一束の愛を飾って眺めてる 揺蕩うだけの浮草のわたしが
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やはりアレ持たなきゃだめと確信を深くしている王様がいる
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いつもより力を込めて豆を挽く 逃げる夢より目覚めたる朝
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目の前に降りた柿の葉隙間には雨と電線佇む鳥と
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七時半おんぷが空へ駆け登るおどるポンポコ気ままに友待つ
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他のものと一緒に出して置いたのになお探してる冷蔵庫なか
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久々の雨は土砂降り 何もかも洗い流せる清しさの有り
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日ごと濃く長くなってる金運線やっぱりジャンボ買っちゃおうかな
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梅雨晴れや一人だける無人駅18の我 焼きつくホームに/帰省
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雨上がり夕暮れ間際の太陽は不思議な色で空を染めてる
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梅雨戻り心なしか安堵する 季節の巡り変わらずあれかし
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新しい刺激を求め愉しんで飽きたらしまい次を探して
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失って 貴方が感じた その種は 「喪失」ではなく きっと「不便」で
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不確かで 曖昧さまで 飲み込まれ 夢心地さえ 弄ばれて
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夕飯を食べたついでに弁当に明日の昼食詰めて行きなよ
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空の井戸 水をやっても 枯れる井戸 君とわたしの 心と同じ
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桜の葉柿の葉厚く繁っては陽に影作り雨宿りさせ
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