Utakata
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新緑の清しき風を吸い込みて五臓六腑が青に染まりし
22
生ぬるく塩からくてもこれは雨、感情線を埋めるのは雨
14
喪っただけの衝撃ではなくて葬儀を終えて駆け走る街
13
晩春の小雨に烟る藤の花夜の灯りで見れば異世界
12
美術館の 学芸員のように 澱みなく キャベツを語る 君の熱量
18
花曇り雑草取りの果てに立ち汗ひきゆけば初夏の風かな
15
亡き父を 頬に感じて 受く風の たてがみ揺らす 空の大帝
11
白雲をまばらに隠す鳥たちは天国なんて目指していない。
19
マスクから出てる部分を武装してマスクの中で本音を叫ぶ
18
吹き荒るる連休初日はとりあへず朝飯済ませ寝床へもどる
10
もやい解き子ら旅立てば食卓に影のひとつが縛られてゐる
26
暁に 勤めに向かい 横見れば 宵闇に居た 猫が見送る
14
ホームにて人身事故のアナウンス聞こえてくるよ「次はお前だ」
8
五月雨が洗い流した思い出は取るに足らない男の慕情
8
谷川にずらり吊るせし青と赤 鯉の目刺を干したるがごと
17
友として 黒柴我を認めたり 耳を倒して
匍匐前進
(
ほふくぜんしん
)
14
イメージが希望を形作るよに五月の風になる鯉のぼり
8
店員がうるさい服屋嫌だけど聞かれないのも寂しいんだな
8
大阪に
筋
(
すぢ
)
ぞ多かる御堂筋牛筋煮込みその筋の人
14
もう見ない屋根より高い鯉のぼり今は河原で遊んでるらし
26
七十四歳
(
ななじゅうし
)
未だ試験の悪夢見ゆ 紅蓮の炎 埋み火なりと
14
「そんなに仕事仕事って言うなら仕事になっちゃえばいい」と犬が
9
二週間買い忘れたる紅茶オレ バターロールとほっと一息
23
五月ならそんな季節と水菜買い小さなおまけの虫二匹居て
23
夢見は風船の形 頂点で破裂してから地に落ちるまで
7
カーテンを開けて今日へと切り替える 連休初日 時計見ぬ朝
13
見上げれば肉球のついた四肢を投げ 好きに振る舞う毛玉と目が合う
7
割り箸を折らずに捨てた弁当が指定ゴミ袋でする蜂起
12
その商品 節約詐欺だと教えても 聞く耳持たない 確証バイアス
11
来し方
(
こしかた
)
を 父が嬉々とし 少し語る 腰肩の痛み 忘れた風で
6
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