因縁の対決は大盛り上がりだったカメラじゃなくみなスマホ
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巧妙な手口はしかの感染はコロナインフルよりも強力
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もしいつか 家族増えたら 花見して 横に並んで 微笑みうかべ
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新卒で 忙しき日々 目が回り 帰路の楽しみ 肉まんのため
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窓映るシャツの膨らみ犯人は春風らしく夕焼けの街
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天井を眺めて嘘を数えてる 羽もないので仰向けで寝る
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本当に美しい日はおそらくは忘れてしまう程穏やかで
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春なのに木炭みたいなかたまりが心の奥に鎮座している
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咲ききればられる定め古桜ふるざくら何も言わずにただ咲き誇り
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目が合った あなたの綺麗なその顔と 忘れられない正月になる
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桜木の並木に降るる花吹雪古い団地を淡く抱いて
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思い出と本が詰まった木の箱に別れの札は愛の言葉か
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永き日を共に過ごした本棚に廃棄の文字は弔いのよう
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左手に残るやけどの傷痕を添えるあなたの手が隠す事
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非常ベル押してしまいたい衝動を抑えて今日も大人でいるよ
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白々と明ける空には鳥の声まだ来ないでよわたしの夜明け
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昼食にピザを一緒に食べるだけそれもイベント父子の土曜
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いつの間に我が子が我をトントンと寝かしつけてるうたた寝の午後
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海月うみつきと書いて海月くらげと読むような月ぼんやりと春の霞に
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コンビニのおでんみたいに君のことじわじわ好きが染み込んでいく
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怪獣と呼ばれていても苦手なの虫とか高いとことか孤独とか
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違いこそ個性と言える世界なら争うよりも分かち合いたい
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詰め込んだ家事の合間のパック寿司慣らし保育という非日常
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口笛が鳴らない父の咳払い秋風に似て少しさみしい
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ひかりさえ届かぬ場所へ落ちてゆく満たされぬまま死はゆるやかに
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まっすぐに倒れるドミノ見ていると生きるってきっと短い連鎖
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嘘ひとつ見抜けないまま笑ってるまっすぐな瞳が痛い午後です
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パン、トマト、チーズ並べて新しい4月の朝は異国の如く
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フォーク持つあなたの指の白魚の記憶たどれば遠い夏の日
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出会いはきっと偶然 別れさえ必然だった、そう願いたい
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