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いつの日か通り抜けたし 日本一長い商店街の端にて
29
楽園の如く花たち咲き香り二季というのは寂しい言葉
51
死ぬ事に不服は無しと豪語せし 我の服薬手のひら一杯
17
「さくら味バウムクーヘン」食べてみたなるほどこれは桜餅味
28
身一つで 武器も持たずに 生きている
愛猫
(
きみ
)
は強いね そして優しい
38
泥んこの童が今日は貴公子に澄まして歩く入園の道
49
出来上がり二、三日後が美味くなるきな粉ねじりは待てば歯ごたえ
32
冬枯れの いばらも蒼く芽を吹きて 待ちにし
季節
(
とき
)
よ桜咲くなり
27
宵闇の月下の花は色褪せぬ 影も見ぬままただ散るを待つ
28
桜花なり 僅か十七逝きし友
存え
(
ながら
)
し身は恥の多くて
15
退勤の時に出やすいじんましん ホッとしているサインらしくて
33
ワクワクを強要される四月かな ヴァニラのアイスが早く溶けでて
33
既読はね、まだ付けないでおくからさ 気が変わったら、そっと教えて
9
夜桜に映えし君の横顔を じっと見つめ みたらしを食ふ
8
外来の「ブログはじめました」の張り紙のQRコードにスマホの音なし
11
葉桜や川辺をゆけば陽を浴びて
水面
(
みなも
)
を飾る花筏かな
19
ひさかたの光散らしむ 忘れないよりも忘れるほうが優しく
11
人の世の 常とはいへど無情なり 親しき友の鬼籍の報せ
25
桜
(
はな
)
咲くも 風雨が散らし
形無
(
かたな
)
しに
憂世
(
うきよ
)
を写す
春嵐
(
しゅんらん
)
の候
18
ほろ酔いの花渦まいて桜みち春の嵐に蒲公英の咲く
18
夜を裂く百足起こしの春雷よ何もせぬから刺すなと告げて
28
花は散り 桜の珈琲淹れる朝 淡きにほいに 満たされていく
19
豪州の肉を噛みつつ和牛とはかくも遠きか年金の日々
20
「重たいか」心配そうに母の声 荷を持つための我が手なりしも
20
玄関を出るたびひらく花がある「がんばれよ!」 と隣のじいちゃん
32
大丈夫サンタのいない子供たち僕もこうして何とか生きてる
15
山椒の新芽の相違 尋ぬれば
犬山椒
(
いぬざんしょう
)
なる憎めぬ騙し
9
雨打たれ 散った桜は 悲しげも 隣に咲いた 藤は輝き
36
風呂上がり鏡を見れば小太りの新大学生 かなり厳しい
11
好きだった彼女の声を聞きたくてまだ捨てきれず昔のガラケー
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