朝の公園 あなぐらからかと 思うほど 人を連れてくる 春の魔法か
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昔日せきじつの夜 冷気入らぬよう布団の端 トントン叩く母の手の記憶
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朝食の片付けせぬまま 遠き日に想い巡らす 日曜の朝
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曇り空どうかわたしの心まで圧し潰すなよお願いだから
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牛乳のパックを白い衝立ついたてに豆苗そわせて春の陽増し増し
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春風よ いつまでも疼くこの心 そっと包んで 癒しておくれ
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おむすびをリュックサックに放り込み 勇んで来たがまだ一分咲き
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足下にてんとう虫の歩み観て単車休憩牡鹿の海よ
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わが旅は葉ずれの音の合間より太平洋をはるかに望む
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散る花と咲く花ありて弥生末 じゅんさい池の鴨は羽ばたき
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過ぎし日に 土筆の袴 子らと剥ぎ 湯がいて食した春の味わい
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長い冬 耐えて開きし野辺の花 なんと可憐で愛しき生命いのち
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3時間2万歩歩いて消費した 脂肪はたったの82グラム
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日溜まりのベンチに座りうたた寝し 目覚めぬままに逝けるものかは
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川沿いの桜の開花 行き1輪 用事済ませて 帰りは5輪
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感染後のコンセンサスを得られませんコンセント差し医師が釘刺す
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廃屋をなお護る者たちのあり 庭の樹も草も逝きし人々の想いも
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日も暮れて 最後の魚座 新月が みなのたましい 浄化すべく
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縁側で 水面みなもに影が 飛び跳ねて 静かに時が 流れてやまず
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雨止みて 朝日を浴びるアスファルト 虹色光りて春の匂ひ発つ
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鳥雲に追いかけるように二人して北へ北へと恋の逃避行
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早起きの ベランダ手摺り ぬれてゐる 昨日の雨を 僕は知らない
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連休が 明けた雨の朝 憂鬱を 一手に引き受け クリスマスローズ
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慌てずに指紋を消して血を拭いてあとは凶器とホトケの始末
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開けてすぐじゃなきゃだめと猫殿は銀のスプーンのまぐろ返品/パウチ
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春眠は 「起きたくない」が 入ってる ねこたちの顔 みたくておきる
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飯くれとやかましいので猫さんに旅に出ろよと戸開け促す
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駆け回る 子を先生が 追いかける その歓声よ 未来に続け
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父と母 二人の兄の 思い出を にれがむうちに 中日(ちゅうにち)は過ぐ /にれがむ=反芻する
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故知らず 人恋しくて 茶を啜る 彼岸の明けの 薄日さす午後
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