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わたくしを甘やかしてはくれないの蜂蜜チューブは白く固まる
12
バスの外いつも通りの街と人 いつも通りがありがたい今日
19
「もう」なのか十五年とは「まだ」なのか震災の日から十五年過ぐ
31
風止んで 瞬く空や 暖を取り スマホ立て掛け 聴くドビュッシー
20
落涙し 絵になる女と ならぬ我 顔面格差に なお泣けてくる
24
ちぐはぐな組み合わせだね冬コート 春を先取り白の
タイトスカート
(
タイト
)
で
39
サックスの音色の響くライブにはナベサダさんの柔和な笑顔
23
若人
(
わこうど
)
よ
無闇矢鱈
(
むやみやたら
)
を 恐れるな
倫
(
みち
)
を守れば あとは自由だ
20
いかにせむ眠れぬ子へと伝へよう 恐るることはないと言ふのに
10
人肌を忘れたてのひら愛されぬよりも愛さぬことをこそ憂う
7
いい嫁を 演じるつもり ないけれど 遣う気の分 魂抜ける
25
携帯も 本も見ずただ 穏やかな 景色を眺む 各駅停車
33
陸奥
(
みちのく
)
の 花の盛りを 見ぬままに 時は過ぎ去り 十五年
21
街明かりと 星の灯りの ボーダーで グズグズしてる 春分け近し
47
名も柄もわれに似ている
ボケ
(
木瓜
)
の花 木偶の坊にも春の彩り
39
悲哀とは 幸福たちの 存在を 証明し得る 唯一のもの
17
死ななくていいんだよって
理解
(
わか
)
らせて機械になりきってきた身体に
8
クシナダは 春の陽を浴び プラチナの 光りを放つ
剣
(
つるぎ
)
のような
44
春祝ふ君に分かちしヒレカツの熱伝はりて頬も桃色
24
今はまだ他の楽しび知らねども 新芽のやうに伸ぶるてのひら
10
幸運を祈っているよ自らの春を目指して飛立つツグミ
56
今までに捨てたレシートを集めて 何度折ったら月に届くか?
9
野花詠み妻偲ぶひと我に沁む はじめて知った「狐の剃刀」/キツネのカミソリ
11
春浅き君住む街にほおき星 欠片を追ひて永遠の歌詠まむ
28
菜の花の 苦味が鼻を ぬけてゆく 熱燗にして 「立山二合」
48
いつまでもプレスコードと闘った被爆作家はひまわりだった
19
情報をすぐに共有する仲になって半年またラブレター
20
貧困と暴力とあゝファベーラのただなか早く春よ来てくれ
23
無駄足を何度も踏んだ野心家はしつこく古希の初恋をまた
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バラ色の未来買うほど暇はなく「広島おんなエレジー」ずっと
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