青山田歩歩
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令和六年 一月から始めました。
宜しくお願い致します。

どの家も玄関明けらばその家の安堵と云ふ名の匂ひがありて
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横文字の洒落た料理は苦手らし冒険いらんと夫は言ふなり
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一列にまとまるムクドリ鳴くを止め首傾げ見る駅向かふ人
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寝つかれぬ虎落笛もがりぶえをも聞こえぬ夜三十一の糸編んではほどく
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六十路なる吾の通信簿 理音四 国美社が三 数体下がり二
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年六度 季節の行事を飾る棚 心ほんわり温き場所なり
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滝の音聞こへ来そふな油絵の水霧飛び来て吾にかかるごと
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新聞の暮らしの作文音読す五回つかへし自分の声聞く
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の机使ひて思ふ引き出しの何処に悩みを仕舞っていただろ
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五平餅売らる茶店の灯も落ちて紅葉祭りも日暮れて終わる
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同級のえにし途切れし友の居て似た人見らば後悔募る
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孤独こそ己を守る避難場所 長老の説く平易な言の葉
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不揃いの里芋なれど届けたし母看る友へ干し柿添へて
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友集い 顔だけ日除けて日向ぼこ 青き空よりヒヨドリ笑ふ
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裏起毛 温きズボンでペダルこぐ 人来ぬ道で小声で歌う
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良く見らば水かさ少なき川の辺のヨシの隙間で何見る鴨よ
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近づかば ささっと飛んでこちら見る 嫌われカラスに遊ばる小春日
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整形とハリの先生真逆言ふ気持ち泳ぎて画像に目凝らす
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忘れ花 凍蝶とまりて動かずや 越冬できらば 春野飛びゆけ
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市民展 友の切り絵の見当たらず 老々介護の苦悩を見たり
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風に乗り学校チャイムの聞こへ来る の一限目家庭科実習
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喫茶店 落ち葉降り落つ窓外そうがいを 見をれば冷めし舌焼くコーヒー
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晩秋に木の葉時雨は降り止まず園児のポケット落ち葉の入れ物
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旅戻り早速干しいも作業する無事に感謝し日常始むる
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早々に日射し陰りし晩秋は日暮れと競ひて晩酌待つ夫
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引き寄せの法則ありは真実か新刊の見出しにふと思いたる
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秋日和 風無き庭にメジロ二羽 残りし花の狭間たわむる
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曲流し我流のノリでリズムとる サザンのパワー部屋中満つる
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岬下り 浜を歩かば海の家 氷の文字見し 早も懐かし
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未だまだ苅田の草は青きまま木枯らし吹きて冬田となりけり
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