青山田歩歩
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令和六年 一月から始めました。
宜しくお願い致します。

農村の時の遺産の舞台では地元の役者が江戸歌舞伎舞ふらし
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名古屋場所十日目取れたチケットに少し増へたり夫婦の会話
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暑き日は涼みに来いとイオン云う 外に出るなと広報車回る
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本能のままに歌ひて眠りたる鳥の如しに人もなれたら
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道なりの常緑高木つと途切れ 目線上ぐれば青空飛び込む
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おじさんとおじさん化した女子達が互いに笑ふ なんかいいなと
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国宝の映画に思ふ血筋とは 世襲語るに少子化のあり
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朝五時半エンジンかける青年のナンバープレート遠き故郷の
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脳トレのアプリに変へて短歌うた始め花鳥風月探す朝夕 
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スマホには写真にメールスケジュール過去も未来もよりも知りて
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足早に人の行き交ふ地下街に世代巡るを今更に知る
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思ふまま心の淵を詠む人の何処にしまわる優し言の葉
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クーラーの風苦手なり肘痛む 好み度外視七分袖の夏
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空咳は困りし時の合図なり平静装ふ儀式の前の
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下期来て気持ち新たな早朝に採るを延ばしたトマト深紅に
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空撮が追ふ単行列車は海沿いを 待つ人居らぬ駅舎も映り
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真っ直ぐに行かば正解知りつつも右に行きたき たまにそんな日
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エアファンを友にも向けし女子高生 夏より熱くBTS語りぬ
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文月が来らば飾らる七夕の笹を揺らすは青田の風なり
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東雲に鳩鳴く朝の平和なり音せぬ町並み静かに歩く
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反戦を唱うる口で菓子を食み文字だけ拾う平和の国で
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夕の空 短歌うたの神様降りて来ず 早よ帰れよと ただ吾を急かす
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週の明け律儀に梅雨は戻り来てしとしと細く音なく降りけり
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人住まぬ坪庭の木に絡みつく昼顔の花侘し夕暮れ
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草刈りて青野の匂ひに安堵する梅雨の晴れ間の百草手強し
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緑陰を一人出づらば一人来て同じ挨拶猛暑日六月
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ぽつり立つ清流の岸の釣り人に幾年経てども亡兄が重なり
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二時間余二つ県超へ湯に入らば湯煙り向こふの方言温し
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朝市を覗き歩かば懐かしき老人会で編みし伯母の籐かご
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梅雨晴れ間しばし賑わふ公園に赤児はじっと遊ぶ鳩見る
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