青山田歩歩
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令和六年 一月から始めました。
宜しくお願い致します。

思ひ出はいつも季節に寄り添いて春を辿れば桜のありけり
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見た目には元気に見えども痛み持つ ある者体にある者心に
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旅先のローカル局の天気予報 地方の呼び名に旅ごころ満つ
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彼の昔小さき苗植へ育て人感謝し歩く桜木の道
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人生の終まい方なぞようわからん乗り合ひバスの翁達笑ひて
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梅の枝切りて小枝をチップとす夫はゆっくり畑に返す
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今年またメダカの売らる道の駅春の合図とつくしも並び
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だんだんに陽射しに力加わりて野花映えさす草の青々
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よそいきの声の会話は弾まずや この春良い人卒業とする
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手際良く落ち葉すくひし老人の水車の音聞くひと日始まる
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三月は三つの命日ある月でその日の天気共に忘れじ
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夢の中いつも異国で迷ふ夢深層心理か夢で良かった
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ゆったりと桃源郷なる山里の小さき川を雲渡り往く
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空き家から売り家に変はるその庭のタンポポの花 降る雨に閉づ
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岸辺にて鳥の案内読みをれば横に人立ち時の挨拶
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山の辺にひばりの声に上向かば春らし色の柔らか空あり
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店内で春の定番ソング聞く冬のしこりのほぐれゆくなり
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菜の花を分けて続きし農道に降りて止みての雨の冷たし
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校舎より六年生を送る歌 ゆっくり歩く曲終るまで
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幼少に祖母と過ごした春の日がふと蘇るセビアの色にて
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春寒も半月経てば落ち着きて予報士知らす蕾の膨らみ
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リビングに雛様並ぶタペストリー和む花月うららの午後なり
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足早に逃げゆく二月もう見へぬ山色変えしおぼろの春は
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小さき木が石畳浮かせ伸びる様 子に説く父は雄弁となり
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この場所で歌人の背景垣間見し生意気なれどエール送りたし
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ウグイスの初鳴き待ちて歩く道 春の音待つ弥生の月に
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つつつぃーと水面を広げカモの行く彼方の雪山目指すが如く
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蔵出しの辛口旨し三千盛フェスタの庭のおでんに行列
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カフェの奥知り合ひし日の想ひ出を語る友の背陽光降り注ぐ
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虎落笛もがりぶえ静まりつある二月尽濃尾平野に眩し陽の照る
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