青山田歩歩
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令和六年 一月から始めました。
宜しくお願い致します。

川向こふ山藤垂れる木立にて今日聞くウグイスいと美声なり
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川渡る 腹に風入れ鯉のぼり 水戻るごとワイヤーしならせ
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肩の荷を一つ下ろしてまた乗せた三十路四十路のせわしさ懐かし
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花がらを摘みて狭庭を見回らば蕾の横に清しき朝来る
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早朝の日差し出始む公園に生命いのち満たして鳥はさえずり
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村雨むらさめにしとどに濡れし学生の急がぬ歩幅に風邪ひかぬかと
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歳積みて難し事の一つあり も一度ワンコ子犬迎へし覚悟
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花屋にて値を下げ売らる売れ残り ようこそ我が家へ日ごとにいと
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認知予防 目的持ちてここに来て 知らぬ言の葉 ここにて教わり
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青もみじ一樹立ちても美しき連なればなほ初夏の佳景なり
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学校に少しは慣れたか一年生タンポポ色の帽子駆け往く
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春のどか女城主の里往かば地酒とカステラ土産と決めし
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東屋あずまやに雨け入れば眼前に角度変はりてうみの広がる
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吟行に来た人だろか城見上げペンを走らす肩濡れしまま
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感情の共有生まれしこの場所に繋がる人の心柔らか
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柔らかな風の似合ひしラベンダー部屋にも同じ風ふわり入る
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歩きつも急に聞こゆる雷鳴に空青きまま速歩で帰る
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雨の明け すずめの遊ぶ朝の道 桜の花びらおもちゃの如し
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嫁ぎ来て良き隣人が友となり三十年第二木曜朝の珈琲
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湿原の木道歩けばハルリンドウ画像撮る背に春風そよ吹く
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朝の庭 過日植へたる花の苗 見れば花の芽三つほどの春
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忘れども家族案じた亡き母に今は上から花愛でていて欲し
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いつかまた青春十八きっぷで降りし駅 姥捨おばすて駅の絶景もふ一度 /篠ノ井線
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春来れば花見て歩き鳥飛べば空見て歩く幸のささやか
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亀三匹小さき中洲に重なりて指差す幼児の声や弾みぬ
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住宅地 野良猫も減るこのご時世 不意に出くわす昭和の懐かし
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平板なる日常詠むは難しくもその有り難さ知る齢になりけり
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じゃんけんをするかの如し天気かな今朝はあいこの花曇りの日
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思ひ出はいつも季節に寄り添いて春を辿れば桜のありけり
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見た目には元気に見えども痛み持つ ある者体にある者心に
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