青山田歩歩
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令和六年 一月から始めました。
宜しくお願い致します。

夕の風 昼の暑さを詫びるよに しなびし五感に秋ふわり来る
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文字も無く駅そば写真のライン来る立山かまぼこに思ふ旅先
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花散るも宿根草はなほ愛し 繋ぎ咲かすが生き甲斐となり
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虫の音と暁の明星空の色 庭見草にも朝は来るなり
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受験の子眠れぬ夜もあると云う どうにかなるの付箋あげたい
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バス待つ間 風よく通る木陰にて見知らぬ人と雲の峰見る
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夕餉時 昔の常識説く吾を 今時ありえん は呆れ言ふ
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東窓開けし確かむ朝日影 暦に沿うて季節の進む
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盆明けは夏の宿題終わらせた子供の様なり主婦殊更ことさら
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吟行にかこつけ行きたやあちやこち されど叶わず今日の空見る
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幾つもの望遠レンズ連なるや伊吹の山にイヌワシ舞ふ夏
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矢田川に落つる夕陽やてらてらと水面に色付け沈みゆくなり
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風渡りほおずき揺るる菩提寺もいつの間にやら知る顔減りて
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時が経ち訪ね歩かばそのままに珈琲店あり昭和の匂ふ
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青蚊帳あおがやに父母と眠りし幼き吾 記憶の断片盆に浮かびし
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雨の庭ブルーサルビア涼し色炎暑予報もひととき治まり
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あの家のノウゼンカズラ見えたなら歩幅広げし吾の決め事
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ゆるるりと回り灯篭動き出す走馬の影見し宵闇の道
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深窓に育てられたる娘ごと政治家語る雲掴むると
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盆の時期来らば毎年思ふ事近く飛ぶ蝶ご先祖かもと
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夕刻の炎暑残りし公園にサッカー少年 光る汗飛ぶ
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吾もまた直ぐに忘るるあれやこれセオリー通りと返す誕生月
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空白み川辺り歩かばすれ違ふ 翁言ふなり歩は幸甚と
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新聞を見て驚きぬ 戦中生まれ議員六名 おせちの案内
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盆の夜半 城下の町は賑わひて 山城も聞く踊りの下駄の音
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豪雨来てどこに隠れし鯉の群れ水澄む頃に静かに戻り来
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根性論それでは済まぬ現実にたじろぎつつも文月は過ぐ
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若き時ワハハと笑ひしドッキリを不快と思ふは進化か老化か
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在職時 夜の空見て帰る時 曜日を何度も確認する癖
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あと三日待てば採れそな茄子ありて特売の茄子じっと見てをり
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