青山田歩歩
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令和六年 一月から始めました。
宜しくお願い致します。

カフェの奥知り合ひし日の想ひ出を語る友の背陽光降り注ぐ
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虎落笛もがりぶえ静まりつある二月尽濃尾平野に眩し陽の照る
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春待ちて春告鳥は歌ひ出す 人や野遊び花便り待ち
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気負い過ぎ空回りする吾を見て楽に行けよと風花の舞ふ
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待ちわびしフリータイムの日々なれど何処かに残る曜日のこだわり
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近年は凍らぬ湖 諏訪湖ゆへ御神渡おみわたり神事水鳥知らずや
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聞き慣れし洗濯終る合図音普通を感謝し今日を始むる
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心配の種など蒔いた覚えなしされど芽を出す春でも無きに
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きさらぎの美し星の凍てる夜も暦いつしか向春となり
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雲の飛びまばゆき空を見上ぐりて どうにかなるのまじない一つ
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亡父ちちくれし娘学んだ学習机断捨離出来ず今吾が使ふ
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山路奥つばきの里に雪降りて白に際立つ花色葉色
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ついと来てついと消へ行く雪雲のみぞれ降る庭つぼみは固し
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福は内 入り忘れた福居ぬか 寒波来る故どうぞお入り
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生くる意味リアルに映すテレビ見て優しさ貰ふ 番組七十二時間
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過ぎし日の想ひ出辿ればいつの日も季節も色も吾の中に在り
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冬送り群生に咲くカタクリに春風吹かば妖精舞ふが如し
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道なりの左右に春待つ桜ありされど凍て空飛ぶ雲速し
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生きをれば気持ちの乗らぬ朝のあり時の薬に癒さるを待つ
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声を上げ相撲観戦つまとする出張ばかりの仕事終わりて
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冬の朝登りの坂を走り来たマスクの子等の荒き息聞く
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いつの間に六十路を超へし変わりたる嗜好に思考これ摂理なり
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セキレイの後に続きてのんびりと抜かさず歩く冬の温き日
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行かぬのに風雅なる宿一泊かビジホ二泊か居酒屋談義
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過ぐる日の冗談めかした辛辣を忘れていて欲しあの時の友
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国内外 観測史上最大の風 雨 雪 火 世界震える
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病院の待合室は皆黙るフェイクの花にも少し癒さる
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寒きほど春来る喜び格別と雪降る町の若きの言ふ
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春来れば庭を彩るムスカリの優し紫指折りて待つ
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やっとやと護岸工事は鎮まりて深場のフナは春まで眠りぬ
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