青山田歩歩
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令和六年 一月から始めました。
宜しくお願い致します。

菜の花を分けて続きし農道に降りて止みての雨の冷たし
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校舎より六年生を送る歌 ゆっくり歩く曲終るまで
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幼少に祖母と過ごした春の日がふと蘇るセビアの色にて
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春寒も半月経てば落ち着きて予報士知らす蕾の膨らみ
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リビングに雛様並ぶタペストリー和む花月うららの午後なり
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足早に逃げゆく二月もう見へぬ山色変えしおぼろの春は
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小さき木が石畳浮かせ伸びる様 子に説く父は雄弁となり
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この場所で歌人の背景垣間見し生意気なれどエール送りたし
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ウグイスの初鳴き待ちて歩く道 春の音待つ弥生の月に
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つつつぃーと水面を広げカモの行く彼方の雪山目指すが如く
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蔵出しの辛口旨し三千盛フェスタの庭のおでんに行列
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カフェの奥知り合ひし日の想ひ出を語る友の背陽光降り注ぐ
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虎落笛もがりぶえ静まりつある二月尽濃尾平野に眩し陽の照る
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春待ちて春告鳥は歌ひ出す 人や野遊び花便り待ち
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気負い過ぎ空回りする吾を見て楽に行けよと風花の舞ふ
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待ちわびしフリータイムの日々なれど何処かに残る曜日のこだわり
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近年は凍らぬ湖 諏訪湖ゆへ御神渡おみわたり神事水鳥知らずや
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聞き慣れし洗濯終る合図音普通を感謝し今日を始むる
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心配の種など蒔いた覚えなしされど芽を出す春でも無きに
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きさらぎの美し星の凍てる夜も暦いつしか向春となり
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雲の飛びまばゆき空を見上ぐりて どうにかなるのまじない一つ
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亡父ちちくれし娘学んだ学習机断捨離出来ず今吾が使ふ
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山路奥つばきの里に雪降りて白に際立つ花色葉色
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ついと来てついと消へ行く雪雲のみぞれ降る庭つぼみは固し
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福は内 入り忘れた福居ぬか 寒波来る故どうぞお入り
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生くる意味リアルに映すテレビ見て優しさ貰ふ 番組七十二時間
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過ぎし日の想ひ出辿ればいつの日も季節も色も吾の中に在り
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冬送り群生に咲くカタクリに春風吹かば妖精舞ふが如し
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道なりの左右に春待つ桜ありされど凍て空飛ぶ雲速し
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生きをれば気持ちの乗らぬ朝のあり時の薬に癒さるを待つ
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