安心は見慣れた景色感動は見知らぬ景色 靴ひも結ぼう
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人の世の 如何なる言葉 より君の たつた二文字ぞ いかに嬉しき
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居るだけで役に立ってる植物にあこがれを抱く今日はそんな日
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この道を選ばなければ…なんてまだ言ってる私しっかりしろよ
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ヒイッヒイッと名残りの柿にひよどりが飛んで帰ってまた大騒ぎ
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初雪が名残りの柿を白く染めめぐりそこねた季節を隠す
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選択し洗濯してのくりかえし心のシミは落ちにくいから
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カ―テンを開けても外はまだ暗く月と星との時間の最中さなか
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そういえば授乳の頃も思ってた せめて一晩ぐっすり寝させて
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父母ちちははと弟たちと住んだ家ドアを開ければみんないるよで…
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すれちがう受験の子らにガンバレと心の中でエールを送る
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越前と近江を越えて雷鳥は 摂津の国にちゃんと着いたり
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頑張れはもう聞きあきたはずだからいちご大福そっと手渡す
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お金では私の傷は治らないこのトラウマも脳障害も
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やっと来た群れ作らずも良き時代 至福となりや一人の時間
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その努力復興なんて言葉ではあらわせるまい三十余年
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千切れゆく毛糸の端のそれぞれを私みたいな夫婦と思う
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ヤンキーの定義がどうもちゃんみなのような気がする母の中では
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習い事ともに学びし青年の病いに伏せつつ心痛しんつうきわむ
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前世の 記憶を垣間かいま 見たような 霧と光を からめたる風
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これからが これまで決める 苦しみを 御恩に変えて 滅度に至る
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新雪をキシキシと踏みバスを待つ零下の町に北風小僧
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「働いて…働く」女史は働かず解散告げて寒中みそぎ
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容赦なくうなじに息を吹きかける 雪女のごと北風の吹く
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小さくて取るに足りない幸せを寄せ集めては満ち足りるいま
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音楽を 聴きつつ思い出す恋は へんに美化され 苦しくなるの
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真冬日の道の駅には人けなく我ら二人のコーヒーも冷め
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日暮後に 微笑ほほえむ月は 足早で 冬の星座に 席を譲りて
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嵩高に積まれる雪を眺めては大きイチゴをひと口に食む
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エアコンの温風ならずフィルターを開けてビックリ埃の山で
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