らしさって縛られちゃうと自滅するものなんですよほどほどがいい
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歯車となりて文句を云い友は回りつづける文句を云いて
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スーパーに行くけど欲しいものはある?エンゲル係数アゲていこうぜ
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初物のデコポン悩んで やっぱ割る 熟し加減が すこし足りぬか
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アスファルト化粧直しの雨上がり北風戻る通院の朝
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情景の言の葉の声 聞けたらば ペンを走らせ 推敲重すいこうかさ
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若き日の取るに足りない出来事を気にもせぬのに夢に見るとは
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「かわいいね。」白にほんのり乙女色にじみひろがる梅の花たち
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「ただいま」のあとの賑やか 就活も卒業も一旦、春に預けて
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雪柳 早も数輪咲きめて 陽射し無き日の慰めとする
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今日はただ 聴く人になり 友の声 丸ごと受けて 笑顔で返す
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明け前の白き煙は立ち上り二本の煙突双子のごとき
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いいことがあって夜明けのコーヒーを飲む暇ありも喧嘩し帰る
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雪洞ぼんぼりに むつみて座る 人形の 頬の白さの 妖しき花冷え
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玄関はタイムマシンだ開けたらもう、泣き虫だった僕に会えるよ
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一口で僕の歴史を辿らせる 母ちゃんのスープは魔法と思う
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今日という一日ひとひ薄めて飲み干せば 猫と秘密の台所ひかる
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「やったか」と言ったばかりに残党の不安がわたしの寝首をかいた
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重だるい幕を開ければ花ばっかむやみに咲いてばかにしやがる
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子の熱に眠り削りて添う母に 豆電球の明かりやわらに
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眠りから覚める合図や梅一輪開きて庭の色づき始む
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君と我 互いのぬくもり分けあって 過ごした時間 減りゆく春へ
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ああそうか木の葉は小さな翼だね散るまで羽ばたく季節の風に
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伏せし妻 匙くちもとへ運ぶ夫  寄り添い生きし 老老介護
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女房より六年長き付き合いの友と酌む酒 梅のほろ酔う
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赤黄青 きららに透ける琥珀糖 母への想い 口にくゆらせ
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赤黄青 きららに透ける琥珀糖 帰れぬ春の 幾たびか過ぎ
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椪柑ポンカンが八つ転がる樹脂の床カビが歯を見せ椪柑ポンカンぺろり
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ほうれん草はやく食べてと葉先からしおれる前に早く茹でてと
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一瞬に聞き惚る歌声 聴き込めばAIといふ なお愛おしく
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