春山の 色はにぎわい 気はおどる  消える屈託くったく こころざし
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悔しいよマイクを持つと歌えない爪の先まで唄っているのに
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花は散り 桜の珈琲淹れる朝 淡きにほいに 満たされていく
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風生の 句のそのままに まさをなる 空よりさくら しだれつるかも /富安風生
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連れ立ちて 幾年春を 惜しみけむ 今年独りの 花の下道 /挽歌
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コスプレでサラリーマンをやってみたつまらなかったあれはやめとけ
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山椒の新芽の相違 尋ぬれば 犬山椒いぬざんしょうなる憎めぬ騙し
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好きだった彼女の声を聞きたくてまだ捨てきれず昔のガラケー
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その姿 酌量の余地非ずして 厭われし者 朱色の百足ムカデ
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世界中 似たような事 起きていて 進化はしても 猿の末裔
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深更の道の赤色前にしてわたしの足を止めるのは誰?
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李徴さんお疲れ様です。今日ケータリング差入れあります 袁傪
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床に伏し痛む背中に天井 ウグイス鳴いて桜散るかな
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雪吹雪 ゆらゆら揺れる かずら橋 凍つ風おろし 枯れ木は黙し 春を待つ 
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草原に 寝てる俺には あたたかく 進む俺には 風は冷たい
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雪吹雪 山嶺音なし 冬の夕暮 独りその影 雪の足跡  振り返り
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影法師 コートの隅に 取り残す
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春風に 背中を押され 前進め
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堕天使と 人になりたい 死神の キミと俺との ロードムービー
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割り切った 関係なんだと 思ってた 子どもをあやす 俺に向かって
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空襲の 焼跡なれど 青き空 天と人との 営みの妙(たえ)
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豆喰えば腹膨るるを知る午の留守居の我に春は過ぎゆく
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「美学なき 作品・人に 色気なし」 肚落ちしちゃう ここまで生きたよ
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ゆび先の 当たるつよさは 不安定 だけど気持ちは ショパンかリスト
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どっぷりと水平線を焦がしては「また明日ね」と夕暮れなずむ
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それぞれの軌道を見せてゆるやかにつばめ散開する町はずれ
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わだかまる胸のかたまりタップして「すべて12個のタブを閉じる」
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ひとと待ち合わせる朝の 浮き上がる今日の世界は 肩よりも上
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高機能紫外線加熱調理器具 ターンテーブルの上にいます
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何となくそこが海だというだけで 肋骨が開く心持ちする
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