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雪国の春
雪原
(
せつげん
)
の凍み渡り これに勝る愉しみは無し/異論は認める
13
昼の月 凍らせ
蒼
(
あお
)
く 吹く風の
膨
(
ふく
)
ら雀の 胸毛返せり
37
流麗な詩文のような
女性
(
ヒト
)
がいて微かに香る花の色香が
10
一年の辛苦に耐えし老い梅の蕾つけしがヒヨドリの
餌
(
え
)
に
17
着信の 画面を伏せて 深呼吸 愛していると 逃げたいは、似る
30
ピーと鳴り炊飯ジャーを空けた後卵一個で地上の奇跡
29
山茶花の花びら積もる坂道をのぼりつつ聞く鳥の囀り
36
りゅうこつ座 古き時代の 英雄に 想いを馳せる 深夜二十五時
9
花屋にも春の色合い並ぶ時期少しお洒落をして出かけよう
10
食欲が戻り口にすトーストの小麦の香りが幸せだったり
32
あたたかい気持ちを色にしたような たらこもバターもたっぷりパスタ
30
春色の陽射しに背中押され行くリハビリ散歩で気持ちも
解
(
ほぐ
)
れ
28
独り占めしたい景色を長靴に詰めるみぞれが降る日のために
11
白湯啜り いっぱしの風邪 なりおれば 家の静寂が わたしを包む
23
おじいさんとおばあさんが手をつなぎゆっくりイオンを後にする。ほろっ
28
下敷きに推しの切り抜きはさみこみ昭和の子らは恋をしている
19
満開の山茶花並木は
紅
(
べに
)
燦燦 冬のフィナーレ飾る如くに
33
ふるふると揺らされ具合いを伺ってカラメル伝う小皿にスプーン
37
つちの戸をたたき春告ぐきぬの雨 うんと伸びする草の子の朝
19
切りたての君がショートの襟足よ 春空仰ぎ吾頬赤め
18
鮮烈な 甘みは喉を 焼き焦がす わたしの恋は チョコより甘い
21
きらきらと春呼び寄せる陽光にスカートの裾ひらりと揺れる
37
鼻の粉さえ厭わずに口つぐみ羽根こそ狐と君の焼き上げ
14
ころころと笑うあなたの手料理の熱々ポトフにまろき芽キャベツ
32
萎れたるポインセチアの花殻を摘みて春光注ぐ如月
24
やはらかな小春日和のぬくもりに 眠る氷河は空を夢見る
23
桃色の 花を飾りて 春が来る 長き冬の日 忘れるほどに
37
忙しき夫の背中に手を合わす 湯気立つ飯を 絶やさぬ祈り
32
故郷にも 今では建ちぬ 住宅地 我が想い出の 畦道いづこ
14
生きるのに絶望しても血税で死後の処理とは何か苦しい
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