珈琲の湯気ゆらゆらと 夜に溶け 遠くに灯りのともる日を待つ
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リヤカーを引いて行商半世紀句を歌を詠みまた見せている
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切り株が そろそろ休めと声かける 疲れし人を労ねぎらふがごと
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群青の 心とそらは 比例して 淋しき今宵こよい 上弦の月
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思春期の 中学68年生 卒業試験に苦戦しており
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夕食の酒のあてには温しもの ふと思いたる雨の午後なり
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鳥歌ひ魚は泳ぐ思ふまま我ら持ちたし自由と平和
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山々の 隙間から湧く 白雲は 悲心ひしんつづる 付箋ふせんの様で
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老犬は一生懸命生きている 介護しながら癒される日々
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空中に絵を描けるペン、マジである!絵空事って、未来の話。
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やっぱりねゴミには出せない 眺め入る箱一杯の子供の作品
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星ならば 見えて届かぬ あたりまえ 君との間 30光年
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30年前の君から 今届く 宇宙の中ではすぐ そこに居る
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パリの夜 歯車合わず無念でも 静かな焔 泪で揺らし
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逃げ水が ゆれる歩道に 一人立つ 麦わら帽子の 丸い濃い影
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親と子が 孫とひ孫の顔になり ひいじいちゃんの思い出話
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「正しい教育と歴史認識のもとにわれわれパリ市民は生まれた」
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父殴てる馴犬哀し。頸枷に「愛われを創れり」彫られて
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歴史喪失そののち四月朔へと雪 長靴の裡入るけがれ
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八月は虫の音色がかわりだす幾万年の星の夜の下
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素人の文字の看板海の家斜めに落ちて夏も終わりつ
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箸袋たたむ指先夏惜しむ冷たい蕎麦の美味かったこと
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寝ることが仕事の老犬昼時は しっかり目覚めてオヤツをねだる\体内時計?
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悩みごと悲しいこともないはずが秋めく景色胸が切なく
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一歳が初めて言った「パッパッパー」アンパンマン お熱の今日もしゃべり続ける
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早々はやばやと鳥は見つけた秋の味 庭に散らばる柿の食べかす
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サルビアはまた恋をして散ったとて風に舞っても紅を忘れず
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雲を見て 浮かぶ面影 時とまる 溜息一つ… 地下足袋を履く
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秋風がかさりと揺らす蟷螂とうろうの光なき目に映る青空
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外国語 学び初めて知る 母語の 身近にあふれる月とお日さま
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