一戸建て 庭付き無しが 趨勢すうせいも 庭の有る家 少し豊かに
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春の上飛行機雲と電線があやとりをなし蒼空ほぐす
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ブロッコリーに おかかを混ぜて つゆをかけ 春の味する 朝の食卓
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黒き羽ゴミを見張って塀の上 話しかければ春の友達
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春風になれたとしてもこの声は あたしのこの手はあなたの元へは
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真夜中に イタズラ叱った 次の朝 より念入りに ねこを撫でよう
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ルビーレッドキウイの季節がやってきた 紅く紅く紅く あまき果実よ
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人生で最後の春休みが終わり大人の重みを背負うリュックだ
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死ぬ事に不服は無しと豪語せし 我の服薬手のひら一杯
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ははそはの母の湯湯婆ゆたんぽしまはれて一万日の日はめくらるる
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気を張って電車の中で踏ん張ってみんなロボットテリブルトーキョー
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夜半よわにふと 伸ばした手の先君が居る そっと背を撫で また夢の中
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コローの絵の 如き森なり 金色こんじきに  かすみて暮るる この夕雲も
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嬉しさも半分ほどの春陽気 マスク・メガネのフィルター越しの
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「今日は四月六日ですね 今年も一年よろしくお願いします」/三十一音届く
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今日だけは逢いたかったし今日だけは声が聞きたいキミから着信/ありがと
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名物のおみやげお菓子個包装 明日あすの君への口実を買う
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誰よりも 優しききみの 未来には わたしと違う 姿ありけり
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さよならと 世界に別れを 告げしとき またどこかで 世界始まる
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多種国語まとめて作る 新種語 の淘汰 抗え桜の我ら
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雲の無き空の寂しく里の瀬に母を思わば涙こぼれて
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悪女とはすごい美人と限らないとっても悪い女ですもの
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離れても 逢えると願ひ 萌ゆ二人 ありて流るる 恋の川かな
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終と始の同居の刻む微か音に星の生き詩を抱く砂時計 
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1首詠み吾の機へ送り受信して吾を振り返る詰め込む明日
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上半期ノルマを早くも達成し 何食わぬ顔これぞダンディ
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様々な 事のひとつが 落ち着けば 安堵も束の間 また案じ事
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トーストは人の生き方ふわふわでもちもちだけがいいわけじゃない
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花筏 枝からこぼれる幾日を難波潟 短かき蘆の 節の間も 逢はでこの世を 過ぐしてよとや 19/100 伊勢
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君に似た 後ろ姿に二度見した 今はなんにも 感じないから。
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