墓参終え伊勢を巡りて帰り来む杖つきつつも春の陽を浴び
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次年度の 事業計画 練りながら 部下のクレーム 溜息混じる
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スギ終わりヒノキまでの隙突いて布団にうららな陽をたっぷりと /花粉はまだ続きます…
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昨日まで蕾も今日は咲いていて眺める吾は歩みを止めて
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間際まで宿題しない夏休みじじいの今も変わっちゃいねえ
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市役所は どこですかと問う 留学生 まっすぐな瞳に エールを送る
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主役より福神漬けのパリパリが勝っちゃうこともレトルトカレー
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かりん茶の湯気に喉をあずけつつ「悪くないよね」インフルの春
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人詠みし歌の葉に知る季節かな花はもも色うたかたの夢
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『ちゃいるど』てふ歯科医院にかかりし子のそのまた子の 旅立ちの春
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枝ぶりの構図瞼に 老木は枯損木となりて久しき
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貼り紙に「子の卒業」と書き まちの接骨院は 春の休診
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施設より帰宅の道を探すよに「どやってきたの」と何度も義姉あね
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エネルギー保存が真というならば 君に渡した 熱の行方は
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白霜の ろうのかげそふ ふゆの夜に 遠くにほへり うらもえのはな
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おにぎりを二つ買ったらお茶オマケおっと嬉しいおこわが美味い
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桜木にそぼ降る雨の染み入りて薄墨さえも春のはじかみ
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富士の嶺にかかる浮雲かくせしを払わざらなむわれならなくに
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ユキヤナギ ぽつぽつ残る 帰り道 風は柔らか 桜咲き初む
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あなたへの届かぬ想いしまい込む朝の光に桜ちらちら
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温室に滴る苺の甘さほど想う気持ちは夏を待てずに
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白湯を飲みほっと息つくマグカップ雪の降らないこの街の白
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君が去り空白ばかりのひと日には花の下にてひとりで歌おう
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美酒なれば春の灯りに寿ぎの影揺れはじむ間集まつりの宴
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ささやかな夢に酔ひたし輝々ききの春あてなき浮世に花を愛でつつ
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薄日射す うつむく姿清々し 野に咲きそむるカタクリの花
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哲学の桜並木を歩む二人は言葉交わさず銀の館へ
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ぼた雪の 椿枝垂れる 春の朝 雪の間に落つ くれない滲む
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したいことあふれぬようにしまう箱さがしておりぬ…はなはさかりに
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年なのになんでそんなにツヤツヤとしているのだと禿見て言うか
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