十六夜の月に照らされ我を招く秋の夜桜あなたを思う
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貧乏は 味わうものとの 名言に 節約生活 これまた楽し
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大人しく 寂しく見える 豆柴に 哀愁感じ 心痛めて
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髪を結い田舎手踊り装束の娘は偽装清純派女子
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あなたには わからないわと 言い放つ わかってほしいと 言えばいいのに
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漸くに 降りし秋雨明け方の 雨樋の音秋近づきぬ 
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自転車で横切る誰かの柔軟剤 わたしの「会いたい」上書き保存
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睾丸に メス入れ取り出す 精子達 妻に着床 喜びひとしお 
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しとしとと 雨の降る日は 鮮やかな 木々の緑に 季節の移ろい
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いきほいをつけておきるや平蒲団 厠にながす夢の残像
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持ってけと農家の差し出すズッキーニ、前腕ほどの迫力に引く
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網膜のフィルター越しのセピア色 世界は眩しい羨むほどに
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丁寧に終わりを描きだす絵筆 いつか滲んでも美しいままで
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前任者が残していったロボットが泣き出したが止め方がわからない
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電車の窓 並走するビーグルが 気持ち良く滑らかにシンクロ
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残暑の朝 寝付けぬ昨夜よべの 寝不足に 通勤列車 微睡む座席
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踏む人の 途絶えし庭に 草そよぎ  空を仰げば 秋はしのびぬ
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あなたの背に手をまわし気が済むまで 今この不安が和らぐまで
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PCに シールいっぱい 貼ってるの ダサいと言われ 2日寝込んだ
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たった今 キモがられるのはいいけど 見てない未来まで勝手にすな
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鳩もいない 雀二羽ほど見たばかり 野良ニャンたちや どうか無事でいて
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「明」の字をいかに使うか思案中 「明星焼きそば」ふと浮かびたり(詠進歌・・)
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虫の声リリリと響く夜の庭秋は来にけり夏は居座り
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機種変でUtakataサイトは開けないきれいな月の歌詠む夜に
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内手首、黒子ほくろがふたつ腐れ縁 「蛇に噛まれた」などとうそぶ
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立ち止まり振り向きざまにめつけてゆっくりと去り無頼やせ猫
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雷の雨音叩く犬怯え嚔くしゃみをしたら翔んで吠えられ
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全員が誰かの大事な人でありみんなのどうでもいい人である
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食洗機 シリコンプラは 苦手なり 便利な物は 無くても平気
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人形も人形なりのプライドで抗っているクレーンゲーム
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