ねえ、留守を守ってくれてありがとね  おかげでここ・・に帰ってこれた
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朝靄の中に光の染み入りて白木蓮の蕾ふくらむ
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相手より余計に好きになったほう 負けみたいだよずっと負けじゃん
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まっすぐに縫えていないと後戻り なかなか進まぬ刺し子の歩み
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脈を打つ音と雨音相まって 眠りに落ちるひとりリビング
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開花予想23日と言うけれど つぼみはそれを知ってか知らずか
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きっかけは「舞い上がれ朝ドラ」の貴志くん 彼の短歌に憧れ、始めた/明日で投稿丸2年
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残月の光冷たき広場からほぼ貸し切りの路線バスに乗る
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浅はかについ羨んでは撤回すどの世代にも苦労それぞれ
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雪による倒壊破損が露わなる近所の空き家全貌凄まじ
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今君の 声が聞こえたと 思ったら あの頃に似た 春風でした
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いつまでも群れに入れぬままでいる せめて背筋を伸ばすことしか
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離れても桜見る心は穏やかで 終わりじゃないとわかっているから
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辛いなら私があなたを抱きしめたい ご要望あればいつだって
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喘息は例年通り三月の四週目ごろ和らぐでしょう
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桜夜風に揺れながら聞く君が知ったばかりの神の数式
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合鍵を百本作り鳩百羽と飛ばすね どこ行ったのあなた
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病床の 父の手握る 母 涙はは なみだ 伴侶の慈愛 初めて見せり
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彩りが 日に日に増える 卯月末 足りなくなった 春色絵の具
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はじまりの熱が恋しい 色あせた本の頁を片手間に繰る
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帰っても入れてはくれぬドアノブがガン、と伝える鍵の頑強
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ページ繰る音を葉擦れの音として聴いてる初夏の図書館は森
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消えそうな 灯火ともしび 囲み 手を握る「爺ちゃん頑張れ!」寄り添う孫 等まごら
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5時ちょうど 音の鳴らない秒針に合わせて閉めた家出するドア
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藤房が 涙に濡れる 皐月の日 孫に送られ 父は永遠へと…
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今日からは営業マンです今吐いたため息さえも売っていきます
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芋虫の頃かけられた呪い(まじない)を蝶になっても忘れずにいる
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妻の星 探す間もなく 父も散り 映る新緑 モノクロとなり
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月隠す 真綿の様な 白き雲 漏るる光は 清き羽衣
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それだけで判断してくるバカがいて容姿で負けない生存戦略
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