ガラス戸の夏の光が肌に染むフローリングに虹が映りぬ
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脳味噌の長らく使ってない箇所を鍛えられている猫と暮らして
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18時半の夕空明るくて 人生全てを一瞬許す
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40歳の知的障害いい子です撮りまくっては写真を義母に
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「ゴキブリにはツィクロンb」資生堂にごきぶり色の髪の青年
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自動印刷機より出づ少年誌疑はず読む青年の服のタグ
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「うるせえな、生きろ」と続けざまに東宝シネマの台詞へ鸚哥
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アリウムの 悲しき意味を 遠ざけて いつか色づく その日を胸に
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喜びの 光るシリウス 薬指 永遠ちかう あなたとともに
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新月と満月ゆっくり行き来する あなたとわたしのこころの継ぎ目
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校庭に響く歓声 子どもらは朝時から本気で遊ぶ
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蝦夷梅雨の季節でしょうかあの人のお名前忘れ紫陽花をみる
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夕焼けのサーモンピンク揺蕩たゆたって 昼と夜との儚い合間
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感覚と言葉がうまく結べないちょうちょ結びは斜めになって
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一粒の塩を落とした水を飲む 我なる海に夏を伝える
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気に入った傘はいつでも見失いビニール傘をさし続けてる
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蝶のように舞い蜂のように刺すのつもりでくだるビルの階段
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子カラスの 巣立ち終わりの 静けさよ 朝が来たのも 気付かぬまでに
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寂しさはカラスの目の色空の色打ち捨てられた空瓶の色
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人の和に入るも入らぬも人のまま 椋鳥もよし百舌もまたよし
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自らの糞を喰らいて回り生くユープケッチャの夢見ゆるあさ
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思い出す 本音隠して君のこと「嫌い」と言った十四の夏
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この夏の流行りならむと胸張るも 男の日傘顔隠しゆく
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おっさんよ「納豆記念日」よく詠んだ 歯の浮く本歌に一石投ず
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本堂の法要さぞかし暑かろと うちわ配りぬ住職も汗
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豆の香の木綿豆腐は堅くあれ もさり武骨な益荒男ますらをの味
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昨今の天地暴れる国救ふ 手立ては無いかシンクタンクよ
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「かきつばた」。語感の良さにお腹すく。梅雨も過ぎゆき、向日葵愛し。
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陽が射すと、疲れた心も溶けだして。ふと見上げたら瑠璃色の蝶。
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素麺を茹でる君のおでこには一日分の愛がありけり。
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