いわし雲うろこ雲とか昔日の人々海を愛していたね
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何故なのか分からないけどわたし今ここでこうして元気でいます
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マッチ売る少女の灯す温もりも絶望も無し電子の煙草
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悪くない風が吹いてる小春日は会えない人に会いに出かける
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今宵また 眠れる夜に 想うこと ごくごく普通 夢のまた夢
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冬空に明星一つ煌々と遺す光は地上を照らす /追悼 谷川俊太郎様
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にびいろの冷たい空に湧き上がる憂鬱の霧わたしを閉ざす
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真夏には木陰をくれた くぬぎの葉  お疲れさま と ほうきでなでて
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ファミレスに行って帰っただけだけど じぃじ・ばぁばと大切な今日
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「良かったら」席譲る声一駅ごとに心遣いの下町トラム
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心なる野生があって私なる中途半端な生き物がいる
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ラブレター書く癖ついた春の夜にしたのはあいつ明日逢うけど
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隣人のいびきに起こされ午前四時思いもかけず満天の星
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今日という特別な日よ吾子からの人生最初の〝おかえり〟の日よ
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きび糖の熱い珈琲牛乳の甘さは記憶いつかの冬の
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冬風と戯れるよに舞うとんび 空は遥かに広くて青い
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眠剤みんざい安定剤あんていざいを 少しだけ おおんだら 何が起こるかな
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ママチャリは「ぶたこまにひゃく」連呼する子を積みながら環七下る
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消えろよと 脳の奥から 響くこゑ 消えろよ消えろ 消えろ消えろと
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稲穂を 刈ったあとに また伸びる 稲の芽燃やし 息吹きを殺す
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幾千の瞳が微笑みあっている今宵は一緒に光の中へ
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天気予報 外れて今朝の空は焼け 寝ぼけ眼のシャッターをきる
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年の瀬に にぎわう街の踏切を くぐりし母子 ひきとめる修羅
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来る年は 言祝ぐうたを 詠めるよう 願いを込めて拭き掃除する
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天邪鬼あまのじゃくぶっきらぼうな優しさとすみれを添えて、なんてかわいい!
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一日の限定冬眠食べたきを食べひたすらに眠るひと時
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すり林檎母の差しだす匙舐めた回数分だけ大人になって
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実家から見上げた空が天国に一番近いと知った夕暮れ
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もふもふの愛犬いぬの形の空洞を抱えて生きる ささ身を供える
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手挽きミルゆっくり回す日曜日眠る我が子を起こさぬ様に
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