30年前の君から 今届く 宇宙の中ではすぐ そこに居る
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苛立ちを隠しもせずにふて寝する。朝陽が射して消えますように。
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パリの夜 歯車合わず無念でも 静かな焔 泪で揺らし
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逃げ水が ゆれる歩道に 一人立つ 麦わら帽子の 丸い濃い影
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親と子が 孫とひ孫の顔になり ひいじいちゃんの思い出話
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「正しい教育と歴史認識のもとにわれわれパリ市民は生まれた」
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父殴てる馴犬哀し。頸枷に「愛われを創れり」彫られて
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歴史喪失そののち四月朔へと雪 長靴の裡入るけがれ
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八月は虫の音色がかわりだす幾万年の星の夜の下
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素人の文字の看板海の家斜めに落ちて夏も終わりつ
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箸袋たたむ指先夏惜しむ冷たい蕎麦の美味かったこと
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寝ることが仕事の老犬昼時は しっかり目覚めてオヤツをねだる\体内時計?
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悩みごと悲しいこともないはずが秋めく景色胸が切なく
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一歳が初めて言った「パッパッパー」アンパンマン お熱の今日もしゃべり続ける
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早々はやばやと鳥は見つけた秋の味 庭に散らばる柿の食べかす
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サルビアはまた恋をして散ったとて風に舞っても紅を忘れず
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雲を見て 浮かぶ面影 時とまる 溜息一つ… 地下足袋を履く
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秋風がかさりと揺らす蟷螂とうろうの光なき目に映る青空
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外国語 学び初めて知る 母語の 身近にあふれる月とお日さま
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眠れない夜ひとり作るオムライス 丁寧に丁寧に慰める
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庭を跳ね 時に寄り添い 見つめ合う 仲睦なかむつまじい セキレイが二羽
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ここで皆きらりきらりと歌を詠みそれぞれの人それぞれのうた
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来年のカレンダー買い怖くなる一年後僕はこれを見てるか
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朝起きて弁当作ってまた眠る。夢のつづき、黄身を頬張り
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しょっぱいのーその目玉焼き、君のさが。いっぺんここらで心にあまみを。
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ことばにも硬度はあって軟水のようなきみの短歌が好きだよ
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涼風が 雲を流して 月える 少しえたる 十三夜の月
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走馬灯 八万年に一度だけ降る星を見るあなたのまつ毛/アトラス彗星
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いつだって希望は俺の手の中に。あるよに見える友がまぶしい
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夏冬の衣類入れ替えし始めてやる事の無い断捨離のあと
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