白鷺は細きあしして草を分けひょろ首伸ばし川面覗きぬ
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また一つ増えてしまった不安ごと 息子の健診結果を盗み見
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右左どちらを見ても詰みだからせめてこの場であがく向日葵
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いつだって 愛伝えたい 最高の 私でいたい 難しいけど
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柔らかな 柿よりガリっと 硬い柿 好きなんだよね 白和えも良し
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紅葉は たわわに実る 銀杏の 落下おさまり 静かに幕開け
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ようやくに家を出る息子に老婆心 あれもこれもと箱詰め始める \ 33歳の自立 羊の皮を被った山羊さん有難うございます
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ひたすらに眠ることと食べること 愛しさ増して 我が家の老犬 \ もうすぐ17歳
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いつもなら つがいの雉鳩 ぽつねんと 今日は素直に ごめんて言うよ
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疲れた〜と 湯船に潜り 笑みこぼす 呟く元気 まだあるじゃん!
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金曜の夜が一番好きと言う小二の息子の選ぶE.T.
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グツグツと 鍋中踊る 栗の実よ 甘くホクホク してますように
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不機嫌なあの子の顔も美しい だからもう少し生きてみようか
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頭上数メートルに浮くもうひとりの僕がうたう レストインピース
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すべすべの小石を拾い上げるように話したことをポケットに入れ
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ひらひらと花の香りに蝶々たち蜜を携え光の中へ
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遠ざけて いたパーカーを ギュッとハグ 今は私を 守るアイテム
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半袖で 風を切るのは 終いかな いまだ30℃ 近くてバグる
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気にするな って言わない人のやさしさに  育ててもらった 歌詠む 気持ち
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冬の香を 感じるけれど 感じない! も少し秋を 楽しませてよ
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秋を越え もはや冬支度 いそいそと 昼寝切り上げ 服に寝具に
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在庫過多 安さに負けて 買い足した 大根をまず ふろふきにして
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米は米 されど新米 その旨味 頭を垂れる 王者の貫禄
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忙しき監房 日の丸の旗の門居楯つればいづこ見張る目
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萬歳三唱の就任ぬけ出でて英靈とふ悉皆靈の惡も反故 か
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神の旗増えゆく駅傳の選手に振りつ國民の傲りたるも見ず
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この蜜柑可愛いねって幼児おさなごが笑えば今朝は温かい朝
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この場所に消えゆく君の痕跡が記憶もうすれ濡れもしない雨
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大好きと 気まぐれにしか 言えぬから  初めて君に 会いし日想う
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仮装して長過ぎシッポを笑ひ合ふ何と平和よこの国ニッポン
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