ブラウン管泥にまみれた球児たち火の花開く網戸の向こう
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退職の日の挨拶に添える物あれこれ悩んだ去年の今頃
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四十路にて学びは続く霧晴れて見える世界が拡がっていく
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この地球のどこかにいるはずのあなたへ末永く末永くしあわせで
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夏旅か笑顔はじける子供らのざわめくホームに一人汽車待つ
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十年の無沙汰詫びつつ父母の墓 花手向ければ潮風渡る
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思い出喰い 夢と思い出 再生産 全てを美化して 苦しいままで
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ブラバンにカチ割り氷アルプスの応援席の日差し懐かし/昔母校の応援に
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朝ぼらけ人もまばらの墓掃除 秋はさえずる雨と風とに
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電話越し、君のギターを聴きながら組み立てているプラネタリウム
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移りゆく 季節に君を 忘れても 夏は切ない ままなんだろう 
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三階のボロアパートから見る月は道行く人よりわたしに近い
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よく冷えた麦茶を口に運んだら飲んだ先から夏が熟れゆく
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穏やかに 笑い合える日 君もまた 忘れぬ記憶 口に出さねど
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喪失の 胸の痛みは 消えねども 想いの深さ 吾に教える
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月面を駆け抜ける雲を惑星が成長痛に光浴びせる
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そびえ立つ山の向こうで暮らしてる君も見ている落ちそうな雲
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軍国に生きたかつての青年は 「優しく在れ」と我が祖父となり
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悩みなど特に無いままのほほんと呑気に吾は生きてるんだなぁ
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奮発し夏用ファンデ買ったけどめんどくさくて結局すっぴん
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残暑だというのにまだ灼熱が棲む わたしの未練はこの国の夏
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夏休み 家族みんなで バーベキュー 外で火を焚く 気力が出ない
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ラジオからひかるいのちの甲子園 澄みてはるけきそらにひぐらし
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くまぜみにすだく小蟻のなりわいを 黙し みまもり向日葵は立つ
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滅びゆくその日はきっと猛暑日で 冷凍庫に置く大事な想い
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僕のこと見飽きた晩夏の金魚いて餌持たぬ限り近寄ってこず
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片恋は 真白に燃える あの夏に 見上げた雲に 重なるように/r
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風呂上がり 外で自転車 漕ぐだけで 髪が乾いた ドライヤーかな
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それぞれに宇宙があって 君の見る星が綺麗というのは分かる
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夏の空 眺め意識は いつの間に あの日の君の 横にいたのか/r 
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