あの店のこのパン一個で表せる小さく大きな今日のしあわせ
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いつもならチーズ牛丼つゆだくが 寒さのせいで 納豆そぼろ丼
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いはばしる 水面に移りし 我がすがた 飛沫が問うて いまふくかぞと
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秋風に すすきが茂り 玉鉾たまぼこの 道に行き人 影をみるかな
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みづどりの 落書がはいりし 鴨川に 三船も来たるや 人は恋しき
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あまとぶや 青空ゐぬいて たかはずれ 雲を狙いし 終わりつねらむ
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くさまくら 旅行くつねは 心なり ひしゃくも片手に 伊勢にとゆかん
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つゆじもの 玉緒の命と はかなげと 消えゆく灯火 かげろうか
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うちよする 笠をも被りて 旅するが 日光照らして 猿騒がしき
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生きること 朝昼晩と ご飯を食べる 隣りに並ぶは 冷たい椅子で
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だいだいの小さき花から漂う そのかぐわしさに胸膨らませ
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空中に ふわりと浮かび 揺れもせで 時とどめたる コスモスの花
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家族って何なんでしょうか最小の 群れの中でも私は独り
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愛し合う 二人で一組 じゃなくても 私は私を 愛しているし
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責任と愛は別物ではなくて 死ねない訳も同じであって
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ひなたでは暑いんだけど日陰では寒くて 僕には居場所がなくて
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歳重ね別れが身に沁む吾がいて別れに慣れゆく吾もまたおり
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雨に散る金木犀はまだ濡れて仄かに甘い香りの朝で
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女王蟻に肖し式服の白纏ふ偶像たらむ。宰相寫眞も
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あの人に逢えない時が苦しいと こぼす涙が眩しくうつる
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綺羅星の愛しさ溢れ胸に抱く 君の姿もまた眩しくて
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鈴のよな声出し鳴くやすゞ虫は秋の夜長を我に教えし
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縦列に ひょこひょこ動く 黄色帽 ひよこの列で幸せな朝
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砂かぶり動かない ママの卵焼き ぼくひとりレジャーシートをたたむ
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繰り返し感じてしまう苦しみも 今世だけのラストワン賞
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昨日観た映画の続き生きる様、絶望じゃなく、希望を持って
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切り花のコスパ日割りで考えるそんな僕にも秋のひだまり
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君はなぜ 過去変えたいと 悔やむのだ 明日なら今でも 変えられるのに/友人の言葉
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下の名を呼ばれることが減るにつれ 背広が皮膚に溶け込んでいく
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愛犬の匂いの残るこの布団 そおっと下ろす小さな骨壷
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