「重たいか」心配そうに母の声 荷を持つための我が手なりしも
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鳥の歌いつしかやみて花寒に空の涙の音のみぞする
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山椒の新芽の相違 尋ぬれば 犬山椒いぬざんしょうなる憎めぬ騙し
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雨の中 挨拶回り 君が来る 再会喜び 話止まらず
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企画書で 熱く商談 若手社員 今月退職 素振りも見せず
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微睡まどろみて 隣席りんせきの人に 触れぬやう 眠気覚ましに 歌を推敲すいこう
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人間の 春を見続け 人間の 醜さなんか 知りたくなかった
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我が部屋に干したシーツの洗剤の香りの満ちて雨の音優し
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パソコンはグーグル先生付き添いで牛歩の学び焦ること無く
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痩せないといけないのかな?寝る前にとりあえずやるストレッチだけ
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残雪に うさぎの姿浮かび出で 雪解け水が田に満ち光る 
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雨の日に雨を歌ひし曲聞かば ひととき昭和がワープし戻り来
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入学を祝う鶯うららかに 揃いし蕾ら春風纏ひ/蕾のような新入生を祝って
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汝が心鈍き我さへ絆しけり満てぬ思ひを独り見つめぬ
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夫婦喧嘩 激しさ増して 炬燵猫 瓶飛ぶ前に 縁側へ去る
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毛布で 吾の枕に長々と 寝そべり毛繕けづくろい 初夏と紛う朝
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書くことも 読むことすらも 遠ざかり 私の文字は 未だ汚い
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昼休み ウキウキ見るも今は無き 猫の鳴き声 響く新宿
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今も今 桜前線 北上中 例年よりも 気が早いらし  
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「若さ」といふ通知はこなくて気づいたら「老い」のフォルダに分類されて
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クワガタを 捕獲にいって 穴見つけ 指で手繰れば ゴキブリだった
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クワガタの 幼虫いるか 木の穴に 取り出したるは 芋虫だった
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パンツルック 流行はやりて 街に結果あり 背きて揺らげ スカートの花
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あしひきの山切れるところ古屋連なり 日入る海に雪崩れん如し
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君歌う二つの花の寄り添いを続けるために送るそよ風
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葉野菜の二色の森と糸人参 苺も添えてコロッケどうぞ
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葡萄酒と青いベリーを煮て光るソースでどうぞフィレのステーキ
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音楽が道標とは名ばかりで映画のような詩を作る日々/折句・おみなえし
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春がきて ハートも芽吹き おしゃべりに 文字は口ほどに ものをいうもの
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朝食のテーブルには「これ観てよ」と言わんばかりのリモコンがおり
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