ユニシロ
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咲ききればられる定め古桜ふるざくら何も言わずにただ咲き誇る
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本当に美しい日はおそらくは忘れてしまう程穏やかで
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ベートーヴェン ピアノソナタ8番の第2楽章みたいだ 春だ
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菩提寺の桜今年も咲き初むる巡る季節と流るる時と
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丘の下何故だか甘く懐かしい 丘を登れば菜の花畑
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春風に乗って漂う風船よどこへ行くのかどこまでも行け
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ぼた雪に降られこぶしの花はらりぼんやり見てる卒業の朝
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降ってきたそばから溶けるみぞれ雪次々降って次々溶けて
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一塁ファーストはポニーテールの女の子少年野球の言葉ぞ古し
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硝子戸の中の日溜り白黒の猫眠ってるゆったりと伸び
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雨音を静かに聴こう春の朝眠りと目覚めあわいの中で
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日の名残り橙色と紫のグラデーションの中の街並み
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なるようになるさと言えることもまた勇気なのだと弥生の駅舎
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二十二時宵暖かく街灯の下白梅の花風に舞う
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春だからてりたまをむバーガーの包み紙にも咲く桜花🍔🌸
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また一つ冬を超えたねたなごころ皺に塗り込むハンドクリーム
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高台の庭に咲いてる水仙の黄色い色の春の足跡
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春は青夏はあかとて何色に染まることなき君といる今日
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傘の下耳を澄ませて聴いている降っては積もる雪の衣擦れ
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誰からのアンコールかな降る雪に桃の節句は白く染まって
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澄み切った空の季節よさようならオリオン西にかしいで淡く
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優雅なる馬車に引かれて春は来る轍にとりどり花々咲かせ
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如月に我が子の歌うジングルベル何でもない日の無事寿いで
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晩冬の夕方にしかないような静かな静かな時間があった
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ディールなる言葉飛び交う昨今に死地へ赴く命の価値は
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城跡の山の公園梅咲いて吹く春風に乗る笑い声
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午後の日の陽だまりの部屋コーヒーと電子書籍と静けさの中
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惜別の気持ちを込めてザクザクと踏む霜柱少しおどけて
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バス停に並び見上げる冬の星まばたく度に広がる宇宙
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明日には忘れてしまうささやかな事等飛び立て言の葉に乗り
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