Utakata
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ユニシロ
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土曜日の朝の電車は空いていて 金管楽器の包みと座る
7
風穴をぽかりと空にあけたよに 師走の朝に月が浮いてる
8
懸命に衣装箪笥を掘り返し 星のかけらを我が子は探す
3
あなたにも わたしにもある幼さに ガーゼのおくるみ巻いてあげよう
3
カレンダーの1の字はいつも新鮮 余白が1番広い日だから
3
アオハルに一時停止の赤信号 迷える羊の毛布で眠る
2
ここに今 わたしがいると知っている わたしのために
篝火
(
かがりび
)
を焚く
4
夜なべしてノート書き込む僕のもと 霜月の霜 降りて踊らん
2
まばたきを
識
(
し
)
った子どもは親の眼を じっと見つめてまばたきをする
6
中綿のロングコートは繭のよう 仮死のふりする通勤電車
4
唐突に突風が来て地上から 音を消し去る星月夜哉
3
メモ帳は言葉納めた蔵のよう 時の力よ歌を
醸
(
かも
)
せよ
4
ホイールは無限のように滑らかに 回り続けて私を運ぶ
4
白菜と鶏の手羽元圧力で 溶かすよに煮る 霜月の暮れ
8
気がつけば、大気は静か 彼方から届く朝陽をセーターよ吸え
3
ぼよよよんと高く飛び上がり 子どもとともに公園へ行く
4
〝画面越しの
戦争
(
せんそう
)
〟映す画面を守るのは
人間
(
ひと
)
のためには無い保護フィルム
2
病床で歌う「ふるさと」ゆるやかに かのやまの
彼
(
か
)
を
忘却
(
わす
)
れゆく人
9
昼寝する我が子 昼寝するわたし 歌に残そう 温もりこめて
7
一滴の海水に数百の
生命
(
いのち
)
あり 夜の水面に揺れる街の灯
4