Utakata
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ユニシロ
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桜木の並木に降るる花吹雪古い団地を淡く抱いて
37
咲ききれば
伐
(
き
)
られる定め
古桜
(
ふるざくら
)
何も言わずにただ咲き誇り
40
本当に美しい日はおそらくは忘れてしまう程穏やかで
44
菩提寺の桜今年も咲き初むる巡る季節と流るる時と
43
春風に乗って漂う風船よどこへ行くのかどこまでも行け
33
ぼた雪に降られこぶしの花はらりぼんやり見てる卒業の朝
50
一塁
(
ファースト
)
はポニーテールの女の子少年野球の言葉ぞ古し
41
硝子戸の中の日溜り白黒の猫眠ってるゆったりと伸び
35
雨音を静かに聴こう春の朝眠りと目覚め
間
(
あわい
)
の中で
44
なるようになるさと言えることもまた勇気なのだと弥生の駅舎
38
春だからてりたまを
食
(
は
)
むバーガーの包み紙にも咲く桜花🍔🌸
39
また一つ冬を超えたね
掌
(
たなごころ
)
皺に塗り込むハンドクリーム
52
傘の下耳を澄ませて聴いている降っては積もる雪の衣擦れ
43
誰からのアンコールかな降る雪に桃の節句は白く染まって
57
澄み切った空の季節よさようならオリオン西に
傾
(
かし
)
いで淡く
48
優雅なる馬車に引かれて春は来る轍にとりどり花々咲かせ
36
午後の日の陽だまりの部屋コーヒーと電子書籍と静けさの中
35
惜別の気持ちを込めてザクザクと踏む霜柱少しおどけて
51
バス停に並び見上げる冬の星
瞬
(
まばた
)
く度に広がる宇宙
35
明日には忘れてしまう
細
(
ささ
)
やかな事等飛び立て言の葉に乗り
43
満天の星空の下バス停にぽつり佇むバスは遅れて
38
冬と春満天の空掻き混ぜて入れ替わりゆく如月の夜
42
満月に誘われるよに南から一等競い春風は吹く
36
冬七に春三分程日の光 少し切なくなる白い色
37
手挽きミルゆっくり回す日曜日眠る我が子を起こさぬ様に
58
自転車を漕ぐ間に昇る朝の陽の熱に溶けゆく真白き吐息
45
ひらひらとなにか舞ってる見上げれば白く小さなあゝこれは雪
32
リハビリの窓に眺める茜雲音も無くゆく日を追いかけて
37
鳶色という言葉知るあの人を思い出してるその眼差しを
33
冬晴れの団地の中の公園は遺跡のようで空は静かで
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