ユニシロ
449
270
投稿数
148
額買って子どもの描いた絵を飾る 夏が始まる今日を祝って立夏
41
ツツジ咲く 幼きわれが通り過ぐ 花をくわえて通学路往く
33
ゴーカート 君の最初のドライブは、僕の〝人生最高〟になる
53
ピーラーで薄く皮剥くアスパラの 緑と白と 春は此処にも
47
八重桜 共に過ごした年月が 古き団地に静かに咲いて
53
幼子は狭き我が家を駆け抜ける まだまだ寝ないと親から逃げて
36
ぽつぽつと落とすパン屑真似るよに 日々を歌って道標どうひょうにする
51
もう少しお昼寝しよう 午前見た桜の丘の夢でも見よう
39
春待ちの列車に揺られ僕たちは 良い日、悪い日、行ったり来たり
60
春嵐も過ぎゆき晴れの門出かな 澄むよに青い空よ続けよ 
45
卒業と入学のの春風は、こぶしの白い花を揺らして
43
イヤ、イヤ!と どこか得意気一歳半 言葉が気持ち運ぶを知って
41
亡くなりし犬のにほひの残る家 庭の白梅シラウメ今年も咲いて
51
子どもとの昼寝に勝るしあわせは 中々無くて家事は山積み
47
家人寝て、一人コトコト小豆炊く 静かな夜の季節を惜しみ
41
帰り道、雪に埋もれた路地裏は 何処とも知れぬ 白いまぼろし
39
落花生 投げては拾いまた投げて 吾子はよびこむ わがいえの春
39
一歳半 床に突っ伏し駄々こねて 小さな神様 にんげんになる
54
暖かき寒の入り日に里帰り 我が子と歩む故郷新し
28
断乳に張り裂けるほど泣く吾子を 抱きしめる夜 卯の小晦日こつごもり
40
ブロッコリー トマトにみかん パン うどん 一歳児にも食の歳時記
43
人間は いったい何本人生で フライドポテトを食べるのだろう
30
ブランコが高く上がれば上がるほど 美しくなる 重力の虹
36
一歳の我が子は全ての食べ物を ば・な・な、ば・な・な と呼んで笑うよ
33
父母ちちははとむかし泳いだ海街で 獲れた蜜柑を我が子に与う
30
幼子が小声で歌う鼻歌を 聞いてまたたく冬の星々
34
ここに今 わたしがいると知っている わたしのために篝火かがりびを焚く
31
病床で歌う「ふるさと」ゆるやかに かのやまの忘却わすれゆく人
31