Utakata
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ユニシロ
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明星の方に向かって漕いでいく今日もなんとか稼いだ帰り
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祈るよに
抱
(
いだ
)
きよせるよ言葉にはならぬ気持ちに突き動かされ
36
人知れず春の種蒔く人のよに雨はそぼ降る日の出の前に
43
故郷の冬は寒くて冷たくて夜は暗くて星が綺麗で
47
来し方の出逢い全てが星となり瞬いている真冬の銀河
44
街角を曲がれば丸い冬の月僕の心臓浮かんだようで
36
幼子を膝に抱えて朝ごはん温もり愛し冬はつとめて
34
心臓を切り取る様なメロディよ鳴り止まないで冬夜の鼓膜
32
玉響
(
たまゆら
)
の雨が今宵を包み込む眠れる僕も眠れぬ君も
34
祖父祖母の昔語りをしんと聞く時の彼方は夢幻のようで
31
少しだけ居心地悪い義実家も年賀の味と交わす盃
36
日常は泡沫なれどおもうより沢山のうた此処に集いて /良いお年を。
44
氏社
(
うじやしろ
)
幟
(
のぼり
)
提灯
(
ちょうちん
)
飾られて 年神迎う一夜のまつり
38
染みついた密かな陰を隠すよにイルミネーション輝き白く
32
少しだけゆっくり刻む玉葱も今夜のシチューは特別だから
43
青色のトラック星でラッピング
吾子
(
あこ
)
よサンタは今年も
楽
(
たの
)
し
32
感情は殺せないだろ大人でも吠えたい夜に見上げれば月
65
いつの日か
鳶
(
とび
)
にとられたコロッケよ二人笑って見上げた空よ
35
また明日遊ぼうねって今日の日の終わりを惜しみ吾子とつなぐ手
39
粗大ゴミ置き場置かれた姿見に映る私に見覚えは無く
52
キッチンの小さな明かりで啜る時カップヌードル本領を出す
35
冬風と戯れるよに舞う
鳶
(
とんび
)
空は遥かに広くて青い
39
きび糖の熱い珈琲牛乳の甘さは記憶いつかの冬の
44
今日という特別な日よ吾子からの人生最初の〝おかえり〟の日よ
39
心なる野生があって私なる中途半端な生き物がいる
50
ファミレスに行って帰っただけだけど じぃじ・ばぁばと大切な今日
37
にびいろの冷たい空に湧き上がる憂鬱の霧わたしを閉ざす
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冬空に明星一つ煌々と遺す光は地上を照らす /追悼 谷川俊太郎様
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悪くない風が吹いてる小春日は会えない人に会いに出かける
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マッチ売る少女の灯す温もりも絶望も無し電子の煙草
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