Utakata
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ユニシロ
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六十年ともに過ごした古ラジオ 時代・時代の歌を聴く
朋
(
とも
)
34
純白の彼岸花咲く 夏の陽に秋の風吹く団地の端に
32
いつだってぼくらはきっと若すぎる 上手くできないことばっかりで
41
子を産んで2年育てた家を越す 壁のシールを剥がすも愛し
46
通勤の改札出れば天気雨 夏の終わりの香りが満ちて
47
茹でたての枝豆を噛む喜びよ 夏という名のご馳走がある
39
降る雨の雫の中に秋がある 清めの如く
轍
(
わだち
)
を染めて
31
どんなにか素敵だろうかあの人に〝ありがとう〟って伝えられたら
40
蝉時雨 ふと立ち止まり目をつむる 矢の如くゆく光陰の中
38
油絵のような大雲黄金色 夏の夕暮れただ息を呑む
36
気がつけば靴も鞄もTシャツも電車柄だね二歳のわが子
36
五輪祭 地続きで鳴る銃声よ
79
年の広島忌
哉
(
かな
)
34
音も無く
陽炎
(
かげろう
)
ゆれる濃い桃の
百日紅
(
さるすべり
)
咲く 誰も居ぬ午後
48
夏休み静けさの中出勤す 校庭には
早
(
はや
)
工事の足場
40
気に入りのクッキー缶に本年の七夕飾りしまい納涼
38
恥ずかしい思い出ばかりが甦る 恥を知らずに生きてきました
37
手を貸すと
いーよ
(
嫌よ
)
いーよ
(
嫌よ
)
と怒られる 吾子は一人でズボンが履ける
39
七月ののっそり沈む夕陽から種火盗んで夜通し語る
50
猛暑日のわたしの頑張り褒めるため コンビニで待つ白熊アイス
44
「バイバイ」とトイレに流す
ちっちー
(
おしっこ
)
に いつも手を振るもうすぐ2歳
41
「7月に家族で旅行に行くんだよ」片麻痺の
朋
(
とも
)
笑って泣いて
36
あせも止め 吾子の体に塗る薬 小さな小さな背中を撫でる
44
生活の刹那そのまま切り取って湯気が立つよな歌詠いたい
50
「駆け抜けてみれば一瞬だったよね」笑える僕らは歴史を紡ぐ
40
一粒の塩を落とした水を飲む 我なる海に夏を伝える
57
夕焼けのサーモンピンク
揺蕩
(
たゆた
)
って 昼と夜との儚い合間
47
校庭に響く歓声 子どもらは朝
8
時から本気で遊ぶ
39
新月と満月ゆっくり行き来する あなたとわたしのこころの継ぎ目
38
18
時半の夕空明るくて 人生全てを一瞬許す
55
ひそやかに小さな本棚組み立てる 幼子眠る土曜日の午後
41
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