ユニシロ
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気の早い初夏の風吹く通学路夏服のよなミズキの白よ
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音楽は救いなのだと二十二時クインテットQuintettoのリズムと響き
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子の歩む速度で木々のを行けば卯月の枝にはや蝉の殻
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パン、トマト、チーズ並べて新しい4月の朝は異国の如く
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詰め込んだ家事の合間のパック寿司慣らし保育という非日常
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海月うみつきと書いて海月くらげと読むような月ぼんやりと春の霞に
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いつの間に我が子が我をトントンと寝かしつけてるうたた寝の午後
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昼食にピザを一緒に食べるだけそれもイベント父子の土曜
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桜木の並木に降るる花吹雪古い団地を淡く抱いて
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咲ききればられる定め古桜ふるざくら何も言わずにただ咲き誇り
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本当に美しい日はおそらくは忘れてしまう程穏やかで
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菩提寺の桜今年も咲き初むる巡る季節と流るる時と
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春風に乗って漂う風船よどこへ行くのかどこまでも行け
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ぼた雪に降られこぶしの花はらりぼんやり見てる卒業の朝
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一塁ファーストはポニーテールの女の子少年野球の言葉ぞ古し
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硝子戸の中の日溜り白黒の猫眠ってるゆったりと伸び
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雨音を静かに聴こう春の朝眠りと目覚めあわいの中で
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なるようになるさと言えることもまた勇気なのだと弥生の駅舎
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春だからてりたまをむバーガーの包み紙にも咲く桜花🍔🌸
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また一つ冬を超えたねたなごころ皺に塗り込むハンドクリーム
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傘の下耳を澄ませて聴いている降っては積もる雪の衣擦れ
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誰からのアンコールかな降る雪に桃の節句は白く染まって
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澄み切った空の季節よさようならオリオン西にかしいで淡く
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優雅なる馬車に引かれて春は来る轍にとりどり花々咲かせ
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午後の日の陽だまりの部屋コーヒーと電子書籍と静けさの中
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惜別の気持ちを込めてザクザクと踏む霜柱少しおどけて
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バス停に並び見上げる冬の星まばたく度に広がる宇宙
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明日には忘れてしまうささやかな事等飛び立て言の葉に乗り
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満天の星空の下バス停にぽつり佇むバスは遅れて
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冬と春満天の空掻き混ぜて入れ替わりゆく如月の夜
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