ユニシロ
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水無月の雨に打たれてヤマボウシ一人バス待つ私の横で
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舗装路に青梅コロリ転がっていつか誰かの孤独のようで
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夕暮れのフェアウェイ行く芝刈り機揮発していく六月夏日
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遠空とおそらに白雲むくと起き上がる夏はもうすぐそこに来ていて
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フード越し雨は弾けてパチパチとレインダンスは瞳を閉じて
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梅落とす雨に降られて風薫り山が笑った五月も終わり
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揺れている若葉の枝も魂も五月の風が吹き抜けてゆく
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「ねぇパパは保育園どこいってるの?」帰宅のパパへ素朴な疑問 /吾子二歳
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来る夏の衛兵のごと門前に立ちて優しい立葵かな
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おままごとプラスチックのレモン121時の洗面台に
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束の間に通り過ぎ行くだけだけど五月の庭の薔薇は美し
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新じゃがと新人参と新玉と実は特別母の日カレー💐
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春嵐に吹かれ散りゆくつつじ花五月の雨は生命いのちの香り
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春雨に濡れ滴って青合羽我も一つの小川となりて
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バナナにも背中とお腹があるのだと吾子に教わる春の朝食
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いつだって駆け出して行くわが子かな カメラロールは背中ばかりで
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たおやかな夜風よ運べまごころのグッドナイトGood Nightを君へと運べ
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気の早い初夏の風吹く通学路夏服のよなミズキの白よ
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子の歩む速度で木々のを行けば卯月の枝にはや蝉の殻
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パン、トマト、チーズ並べて新しい4月の朝は異国の如く
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詰め込んだ家事の合間のパック寿司慣らし保育という非日常
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海月うみつきと書いて海月くらげと読むような月ぼんやりと春の霞に
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いつの間に我が子が我をトントンと寝かしつけてるうたた寝の午後
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昼食にピザを一緒に食べるだけそれもイベント父子の土曜
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桜木の並木に降るる花吹雪古い団地を淡く抱いて
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咲ききればられる定め古桜ふるざくら何も言わずにただ咲き誇り
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本当に美しい日はおそらくは忘れてしまう程穏やかで
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菩提寺の桜今年も咲き初むる巡る季節と流るる時と
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春風に乗って漂う風船よどこへ行くのかどこまでも行け
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ぼた雪に降られこぶしの花はらりぼんやり見てる卒業の朝
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