ユニシロ
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感情は殺せないだろ大人でも吠えたい夜に見上げれば月
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いつの日かとびにとられたコロッケよ二人笑って見上げた空よ
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また明日遊ぼうねって今日の日の終わりを惜しみ吾子とつなぐ手
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粗大ゴミ置き場置かれた姿見に映る私に見覚えは無く
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キッチンの小さな明かりで啜る時カップヌードル本領を出す
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冬風と戯れるよに舞うとんび 空は遥かに広くて青い
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きび糖の熱い珈琲牛乳の甘さは記憶いつかの冬の
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今日という特別な日よ吾子からの人生最初の〝おかえり〟の日よ
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心なる野生があって私なる中途半端な生き物がいる
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ファミレスに行って帰っただけだけど じぃじ・ばぁばと大切な今日
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にびいろの冷たい空に湧き上がる憂鬱の霧わたしを閉ざす
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冬空に明星一つ煌々と遺す光は地上を照らす /追悼 谷川俊太郎様
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悪くない風が吹いてる小春日は会えない人に会いに出かける
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マッチ売る少女の灯す温もりも絶望も無し電子の煙草
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何故なのか分からないけどわたし今ここでこうして元気でいます
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いわし雲うろこ雲とか昔日の人々海を愛していたね
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どんぐりを蹴ればカラカラ転がって笑って歩く小道は秋へ
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Googleが教えてくれた 去年の今日わが子が初めて歩いた日だと
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包丁を逆さに持って皮をぐ ゴボウの白さにいつも驚く
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帰宅してシャワー浴びれば流れゆく私の形の見えない何か
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海底を二万マイルも行くように静かに静かに寝ます おやすみ
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木犀の香り今年も漂って案外僕らは幼いままで
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解体の音もさみしき秋の雨誰かが住んだ家が無くなる
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この気持ち喜怒哀楽のどれなのか分からないまま涙は流れ
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月という隣人がおりその人はそっけないけど美しい人
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葬列も散り散りとなり午後三時金木犀の香りの西日
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水たまり遊び帰って吾が子ふと「あめいたねー」とつぶやき笑う
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水たまりぴしゃぴしゃ弾むステップで吾が子は踊る時を忘れて
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吾子からの人生最初の「ごめんね」は、「(ママの牛肉食べて)ごめんね」
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疱疹ほうしんは赤くふくれて我に告ぐ「このお身体からだはお疲れですよ」
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