もう二度と 書けぬ名前が せつなくて 唇を噛む 国勢調査
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とくべつな夏を忘れぬラベンダー再び咲きて雪虫の舞う
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共生が難しいのは同じこと険悪なれば家族も切り合う
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名称をAIとうに教え乞い「言の葉日和」の会を立ち上げ
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けものへん付いていること忘れたかソファーの上で丸くなる猫
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ようやくに家を出る息子に老婆心 あれもこれもと箱詰め始める \ 33歳の自立 羊の皮を被った山羊さん有難うございます
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『総入れ歯、ホントに楽よ合ってれば。』いっそ全てを抜いてしまうか?
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行く道は次第次第にくらくなり浮かんで消える面影増えて
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どんぐりを拾う媼の声弾み童に帰り秋の野遊び
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物価より定数削減先ですかラジオ相手にひとりごつとて
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瑠璃紺の サテンの生地に 縫いつけた 銀糸のような 秋の星空
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長雨で電波が途切れえんえんと跳躍してるラジオ体操
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目標を達成しても幸せになれるわけない公式違う
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4年前ここのマンション302で起きた事件そこに置き配
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一時過ぎ 栄養剤など服用し 五秒で眠る 受験期の日々
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利きわけて相寄る友を待つあひだ戯る木葉こばの環にまぎれたり
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「私が死んだら悲しんでくれる?」なんてわざわざ聞くことじゃないよね
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椋鳥の大群賑やか大宴会 味をしめたか柿は食べごろ
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テレヴィのなかの日の丸にほほゑめる首脳に光差す優生卵
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孤独 孤独 孤独 あれ、会話ってどうすればいいんだっけ
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女王蟻に肖し式服の白纏ふ偶像たらむ。宰相寫眞も
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牛乳は 私の生活を見ていて 一番困る時に底つく
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葬儀屋のネオンサインは煌々と大河の様な国道の脇
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青春を共に歩んだ筈なのになぜ年老いぬ竹内まりや
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ゆく秋の硝子を透かすしづけさと 色づく柿に落つる涙と
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悩んでる徴候だろうまた君は窓際に来てメガネ拭いてる
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くもらせて雨を降らすも人ならば 晴らせて照らす故も人なり
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あの山も この山もまた 唐松の 黄金おうごんの山 ドンと座したり
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我ごとく友を喜ぶ吾子清しグリーンカードのあの日の勇者
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なんてことない風景が愛おしいうどん屋さんで心ぽかぽか
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