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新築の お墓に
主
(
あるじ
)
納めれば あかねの空に しろいアジサイ
42
一匹の
蟋蟀
(
こおろぎ
)
の声 ききながら 眠りにおちる
咎
(
とが
)
なくて死す
32
山の端の ちっちゃな青空を めざして 雨を泳ぐよ くじら
12
号
/
ドライブBGM
33
ゆるるりと回り灯篭動き出す走馬の影見し宵闇の道
40
掌
(
てのひら
)
に収まる小さなスニーカーそんな季節もそろそろ終わり /吾子三歳
44
あの家のノウゼンカズラ見えたなら歩幅広げし吾の決め事
45
掃除機の手を止めじっと立ちつくす今この時刻原爆落つと
53
トマト枯れ 空いたところに 半額の ヒョロきゅうり苗 植えたらすくすく
37
山並みが 重なるはるか 遠くまで ここにいるよの 木霊を待って
/
山の日
34
月
灯
(
あか
)
り むせび泣くよな 虫の
音
(
ね
)
は 夏のおわりを 告げる絶唱
44
夕闇の波間漂う灯ろうの仄かな灯り我が想い乗せ
23
そよぐ風植えた覚えは無いけれど裏庭に咲く白百合の花
36
あちこちと旅する夢を語りしが君亡き今は夢のまた夢
39
文字も無く駅そば写真のライン来る立山かまぼこに思ふ旅先
39
エアコンを切らば朝まで虫の声こうして秋は日々近づきぬ
38
愚痴一つこぼす夕暮れ茜空ひぐらしの声みちてくるなり
32
バス停は人影も無くこの夏を閉じ込めるよに降る蝉時雨
38
この夏も仕舞いの市民プールからふわり飛び立つシオカラトンボ
44
みまかりて三十余年経し夏に初めて訪いぬ
亡父
(
ちち
)
のふるさと
34
行くことは叶わぬけれど
山車
(
だし
)
が出る長月二日今夜宵宮
30
新米と秋刀魚購いささやかな幸かみしめる十三夜かな
40
何を美と するかは人に よるとして。 私は酢豚にパインを許さぬ
24
「女だし 告白なんて しないわよ」 あぐらかいてちゃ 先を越される
22
秋茄子の光る畑や熟したる無花果見つつ通院の道
36
デジタルの目覚まし時計を逆さまにして眺めてる夏が終わる日
50
ひりひりと波立っていく心なりほんの些細な出来事なれど
45
雷光の度に強まる雨音を一人聞いてる音の無い部屋
55
かなしいな 短歌づくりに気をとられ お肌の手入れちょっとおこたる
13
石垣に垂れ下がる葛花咲きてシジミ蝶いく蜜を吸いつつ
30
亡き夫の好みしおはぎ供えんと朝から小豆コトコトと煮る
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