雪の中直会なおらえの菓子配り行き祓いの神事一つが終わる
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君の来ぬ カフェで飲むホット チョコレート 帰れぬうちに 雪は吹雪ぬ
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空洞のある老木なれどポツポツと白梅咲けりぬくき日差しに
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星屑の 銀のきざはし 昇りゆき スノウフレイクの 銀河で踊らむ
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冬日和常は通らぬ路地入らば色鮮やかに葉牡丹並ぶ
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親なんて自分を棚に上げないとできないものとつくづく思う
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次々とコロナインフル花粉症マスクの下で皺を重ねる
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嫁してより五十二年を生きし町新たなる地に雪は積もらぬ
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野苺の 野で初めて 君に会いし朝 良きことで今日が 埋まる気がして
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枝切られいびつになるも空目ざす枯れ木の夢は風花かざはなのなか
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渡り鳥 国境越えて 羽ばたきて 世界平和を 託してみたし
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オレンジの皮を前歯に貼り付けてキャッキャッ笑って日曜日なり /吾子三歳
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寒太郎(北風小僧の) 山を泣かせて 逃げてゆき 静かな夜宙よぞら 上弦の月
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天上の空を陣取る黒雲を店主と見上ぐ公園マルシェ
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ホットミルクに似た声の人だった まろやかに溺れてくみたいな
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仕事終え 空見上げれば まるい月 残業だけど 月が明るい
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きさらぎの 神に捧げる さかきには 新芽がのびて 雪のふる春
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将来を見て酸いも甘いも言えぬから「自分らしさ」と呟いている
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弱き支配到る處に晒されて候補の顏がよごれて立てり
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朝一番 全国ニュースに故郷の名 暴風雪の町を案ず
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母さんが千の風になってたら怒るだろうか鍋を磨けと
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池に立つ鷺の白さとしなやかなフォルム美し天の賜物
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咲き初めのしだれ梅にもぼたん雪つかの間だけの白き世界よ
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桃いろのプリマのごとき梅の木の燃える想いを冷やし雪ふる
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婚前に 君にもらった ミントチョコ 潤むまなこで 遺影に供へ
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絶景の桜にかぶせしキャッチコピー駅構内で春につかまる
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「お先に」とまばたきを一つ交わすとき雪の狭路は白くふくらむ
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先輩の時間割を見て絶望し 退部届が目の端に映る
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処方箋まだ書けないよ私にはもっと訊かせてなにがつらいか
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黄泉ばかり見ている人の袖をひくこの身をもちて碇となさん
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