ご主人は何の仕事をしているのそれ今ここで必要ですか/上の句いろいろあるよねー
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風運ぶ 青さが少し薄れゆく  ホットコーヒー 夏に句点を。
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辛くても息を抑えて手づかみでホールケーキを呑んで眠るの
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外国語 学び初めて知る 母語の 身近にあふれる月とお日さま
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幸せは自分で決めるものだから 私を守る猫とコロッケ
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薄暗い部屋で右手を強打して生きていること感じる痛み
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木犀の香り今年も漂って案外僕らは幼いままで
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海底を二万マイルも行くように静かに静かに寝ます おやすみ
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帰宅してシャワー浴びれば流れゆく私の形の見えない何か
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包丁を逆さに持って皮をぐ ゴボウの白さにいつも驚く
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Googleが教えてくれた 去年の今日わが子が初めて歩いた日だと
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どんぐりを蹴ればカラカラ転がって笑って歩く小道は秋へ
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いわし雲うろこ雲とか昔日の人々海を愛していたね
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何故なのか分からないけどわたし今ここでこうして元気でいます
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マッチ売る少女の灯す温もりも絶望も無し電子の煙草
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分厚めの 段ボール箱に毛布敷き  冬じたくして あのミケを待つ
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悪くない風が吹いてる小春日は会えない人に会いに出かける
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冬空に明星一つ煌々と遺す光は地上を照らす /追悼 谷川俊太郎様
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にびいろの冷たい空に湧き上がる憂鬱の霧わたしを閉ざす
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正気ではやってられない世の中に なじめる狂気 身につけて冬
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ファミレスに行って帰っただけだけど じぃじ・ばぁばと大切な今日
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「良かったら」席譲る声一駅ごとに心遣いの下町トラム
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心なる野生があって私なる中途半端な生き物がいる
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ラブレター書く癖ついた春の夜にしたのはあいつ明日逢うけど
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隣人のいびきに起こされ午前四時思いもかけず満天の星
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ふつうなら とっくに憎まれてるはずの 前世がたぶん猫だった人
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残高を指でなぞって考える いくらあったら逝けるのだろう
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幾千の瞳が微笑みあっている今宵は一緒に光の中へ
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天気予報 外れて今朝の空は焼け 寝ぼけ眼のシャッターをきる
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年の瀬に にぎわう街の踏切を くぐりし母子 ひきとめる修羅
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