ぐったりの 身だけ寝転び 照明に 吸い込まれそうな はっきりした意識
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暗がりに 見つめる一点 ナツメ灯 私は何を してたんだっけ
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神様のキスを待つよな雨上がり 遠く 君へと虹が架かるよ
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クーラーで 冷やされている 青灰の 空気にそっと 包まれている
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「遊ばん?」と 言えば前なら 「あそびたい!」 といってくれた。 今では 「いいよ」
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半纏を 脱いで家路に 帰りゆく 夏祭り終え 白ダボ揺れて
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両腕の蔦であなたに絡みつくのを抱擁とわたしは呼んだ
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目の前の ポテチ我慢し 痩せるより デブも愛せる 人を探したい
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不合格 狭き門なり 火の設備士 されどならねば  我が家の危機よ
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宝石を 探すのでなく 原石を 磨くのにこそ 時間を賭けよう
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現実の 壁がいくつも 迫りきて 夢遠くなり うた詠めぬ日々
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炎天下 冷水求め 蛇口まで たどり着いたが 待ってた温水
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温暖化 暑すぎ!エアコン つけたけど 電気使うので また温暖化?
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八十の夏を数えた ひとつめは「あの夏」でなく 地続きの夏
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溜めに溜め 積み重なった 積乱雲 雨よふれふれ 私の代わりに
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白絵の具垂らしたようにかもめ飛ぶ空と海との青さ極めて
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下ばかり向いていた日々 笑顔より思い出すのはキミのスニーカー
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お互いに点を奪いあう甲子園クーリングタイムスタート
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歌にして飲み込んでしまいたい気持ちに限って言葉行方知れず
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さっきまでプーさんだった雲ちぎれ龍になって茜空とぶ
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三階のボロアパートから見る月は道行く人よりわたしに近い
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最悪が重なり合った今日だって夜の終わりはいつだって朝
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よく冷えた麦茶を口に運んだら飲んだ先から夏が熟れゆく
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夢を見た。妙にリアルな夢だった。君が幸せそうで良かった。
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忙しない駅で何かを忘れたような まさぐるポケット 切符の角先
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雨降って喜んだろか青稲は わたしは少し憂鬱だけど
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嵐にも 距離にも負けず 君が来た そのことだけで 何もいらない
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穏やかに 笑い合える日 君もまた 忘れぬ記憶 口に出さねど
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喪失の 胸の痛みは 消えねども 想いの深さ 吾に教える
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月面を駆け抜ける雲を惑星が成長痛に光浴びせる
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