手際良く落ち葉すくひし老人の水車の音聞くひと日始まる
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雨の日もレインコートで歩いたね ひたすら眠る老犬愛し
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子の歩む速度で木々のを行けば卯月の枝にはや蝉の殻
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「罰ゲームで塗られた黒い顔ならば 母さん綺麗に拭いてあげる」
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東屋あずまやに雨け入れば眼前に角度変はりてうみの広がる
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学校に少しは慣れたか一年生タンポポ色の帽子駆け往く
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気の早い初夏の風吹く通学路夏服のよなミズキの白よ
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春雨に濡れ滴って青合羽我も一つの小川となりて
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埋め方がわからないから散らかしたままで寝ている 部屋も心も
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朝出会ふおうな畑の草を抜く丸き背中は土慈しみ
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やみくもに剪定をせし紫陽花は今年も小さき花芽膨らます
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馴染めずにはみ出していく人生のそのどこまでが個性だったか
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暑くとも日射しが欲しや今日の日は干し物揺らす少しの風と
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カッポカッポ お馬の様に歩いたね もうもう動かぬ愛犬キミのその脚
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反戦を唱うる口で菓子を食み文字だけ拾う平和の国で
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店先に焼き鯖並ぶ半夏生我が家は生姜たっぷりにして
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誕生日、クラスラインで知らせても 唯一来ないあなたの祝福
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君の身に絶えず降れよ幸せが流星群のように静かに
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会えなくてはち切れそうで胸が痛いあたしこんなに可愛くなったよ
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午後7時 「暗くなった」と呟いた 鬱で休んで 無駄にした夏
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あす病院タクシーで行けと言う母は私が使えぬチケットがある
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歩き出す 君の背中を 見送りて 私は今も ここに佇む
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時は過ぎ 巻き戻せぬと 腑に落つる 一人旅での 静かな夕べ
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小遣いをちょっぴりもらう程度なら母に手伝う事はしない
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晴天だ晴れたら出来ると待ちながらいざとなったらほとんど出来ない
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痛くない傷に限って誰からも見つかりやすい場所についてる
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冗談のように言った好きは今 微妙な色を持って沈んでく
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薄明と だんじり担いだ壮年の 祭囃子に 秋を又聞く
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眠れずに 管巻く私を置き去って 空は薄墨 山際映ゆる
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人生という名の旅人の休憩地コンビニへ寄る人は様々
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