はるあらし とびます飛びます ミサイルも とばしたいのは まきつくズボン
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ちんまりと 箱におさまり 寿命待つ 宇宙を背負しょって 生まれたはずも
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暗やみで 卵産むだけ あたえられ 助けてくれぬか 白い防護服 /
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中翼なかよくはめんどくさくて右左  傾きながらどこへ向かうか
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意味ばかり 受けとる人が置いていく お気持ち 拾って洗って干して
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さんざめく 人ごみの中 一人きり 海のみえない 砂浜をゆく
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黄砂の日。もやる空にも カッコウの 二音におんは空から 降るようでいて
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ああ言えば よかったというわだかまり コップの茶渋と一緒にこする
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木の影が 芝生にふかく 濃くおちて 裏までとどくか 黄泉の国まで / 初夏
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朝食時 ねこが私の椅子にいる 笑って撫でて 向かいにすわる
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ちま猫や 一時帰宅だ ひさしぶり 姉猫あねと仲良く ねんねしてたの
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この先に いったい何があるのでしょう。 鯛が釣れた 夢をみました。
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ねこたちは ご用が済んだと おもってる すまんねオヤツ あげたら出るね
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暑苦しと わかっていても 待っている 夏一番の 蝉のうぶ声 / 北の夏
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手術日に 名残りの大風 吹きつけて 軽々しきもの みな去りゆきて / 瘤除去
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流れさる 景色ばかりを 見ていたから 星がこんなに 増えてたなんて
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赤裸々に わたしを写す 水鏡 かき混ぜてみる 指先ひとつ
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待つ宵の 月はおぼろに 霞んでも ほのかに 照らす 夜の世界を
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神無月の フィナーレを飾る 月の夜に 輪唱響く 白鳥の声
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エリカ黄色に咲きシベリア抑留に死せる俘虜同胞を売り祖父帰る
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懸命に ひと筆書きの 星をく 十萬里ときく あなたとの距離
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橙のダチュラ砂地に吊り下がり砂に呑まるるまでを幾尺 
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ボーダーを 越えてとうとう 雪景色 それならそれで また生きるだけ
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堤にて 荷車を押す 上がらない 何度勢い つけても上がらぬ
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そこにいる 三尺四方さんじゃくしほうの 立方体 厄介なのは 透明だから
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弾丸のパレスチナの医の救いびと傍観のわれ思い沈みし
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母を見て泣きじゃくる子を外に出す辛き日々ある母を知らずに
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朝露にきらめくおちば陽のあたる ひと目につかす輝いており
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よるふけて下宿にかえる苦学生 おばさんの 味おにぎりのまつ
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ベッタラよ こがれてつけし老いふたり 十キロのダイコンふらつきつつも
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