恐るべきクエチアピンの副作用 豚の飼育のように太らす
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欠ける月 いとしい人よ いまもまだ たったひとりでいるのだろうか
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ちょうど良い気温にやる気の満ちてきて 掃除はかどり充ちた休日
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爽やかな朝の光が差し込んだカウンターにて食むエッグマフィン
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副作用?食欲の秋?どっちかな? この浮き輪肉どうしましょうか
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身体中痛くて痛くて泣きたい日 誰かに頼り甘えたい日
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バスに揺られ外を見ていると何モノかが迫り上がって来て気持ちを塞ぐ
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さぁ行こう 心を紡ぐ 物語 みんなと進む この物語
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叶わない願いというのもあるんだと納得しながら絶望する夜
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たはむれに吾を背負ひし四十吾子ひとり身残こし母老い逝けん
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家と家細い隙間になお細い三日月浮かぶ僕の街角
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揚羽蝶 運ぶ蟻たち 粛々と 夏をとむらう小さな葬列
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姉に手をひかれ初登園父なき子にしなくてよかった愛しきかの日
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白黒で はっきりさせないこともまた 美しさかも 百鼠色
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そよ風が揺らすカーテン おはなしは ハッピーエンドでやめておいてね
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スパゲティを巻く 色んなものが一緒になって 仲良しになればいい
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雑踏の中を駆けていつものベンチに辿り着く今日も生きてる
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純白のセントラルヒーティングで層があたためられていく芯は
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うつむきの露草にまでなお我は元気を乞ひぬいつまでも
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年を一つ重ねて年輪という  友を重ねて友輪ともだちと呼ぶ
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懐かしく夢にあらわる あの青い 花冠はなかんむりあかりに揺れて
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絶対やずっとを口にできる若さ 短所は案外綺麗だったね
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高速のトイレ休憩置き去りに 修学旅行が一人始まる
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いたずらに吾子が鞄に忍ばせた丸い積み木が今日のお守り
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掬い取る三日月の影を栞にし鉄道に乗る帰る明日に
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感情は 気づかぬうちに 環状となり  とどまることも いつしらで
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ヒペリカム 夙に知りては 悲しみは 続かぬことを いまも信ぜり 
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梨切りて 盛り付けさへも おぼつかず 綻び顔と やさしき瞳
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本日は快晴じゃないけど晴れているそんなところでいいんじゃないか
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自転車が重い荷物でよろめいた一寸先を突き抜ける車
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