ひもすがらネット揺蕩う老人の終の住処か雲井の空は
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生きづらさまったく感じていないなら人間やめて迷惑だから
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朝ラジオ 『ジャマイカ療法』教えたり 魔法のことば 『じゃ、まっ、いいか』
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車窓には鶯谷のホテルネオン 次は大宮 雪深き地へ
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書店での逢瀬重ねる春の夜 新潮文庫の天はギザギザ
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水温む 水面にマガモ降り立ちて 藻屑ついばむ のどけき風景
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レンジからさじ入れたままのマグカップひやり起きたら休まなあかん/無事で何より
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曇天のもと 椿の鮮やかなあか 余寒の朝に 彩り添へり
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五円玉十円玉の幅きかす駄菓子選ぶや子らの王国
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通院の帰りのご褒美 アイスかな セブンティーンアイスのある駅
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寒緩み買い物帰りにセカストで明るき色のコート手に取り
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食欲を増進させる薬出し 絶対それを認めない主治医いしゃ/「自己責任です」
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手を引かれ商店街の西はずれ 焼き鳥タレの指舐めし日よ
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目移りし買えずに帰る縁日の氷川神社や提灯揺れて
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母親が昼夜逆転 真夜中に何度も起きる 効けよ!眠剤/介護
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宇宙(そら)に咲くアカシアの黄よ夢ならば漂ふ香こそ瑞々しけれ
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愛犬きみが為 惜しからざりし命故 旅立つときも共にありたい
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水曜の美術館前バス停で春めく君の頬にひとひら
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ぽつぽつと小さき緑の見ゆる庭それでも明日からまた雪予報
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手から落つ桜色したさかずきの散った破片が花びらに似て
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ボーナスは あなたの芝居 そこにつき イランアメリカ 筋書き進む
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一戸建て 庭の代わりに 駐車場 それは出るよな 猪鹿熊さん
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弛めたる 身体に沁みる 歌もあり ラジオの時間 一人の時間
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生きてきた証と思うしみ、しわも 鏡の前の薄化粧の春
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白髪を櫛けづる手もおぼつかぬ老ひが養ふ子の五十ごじうかな \8050問題
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忽然と 現る栄華 桐の紋 滅びし城は 蜃気楼のごと
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豆苗の子々孫々に感謝して水を換えつつ三代目待つ
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救いとは苦しみの果て「ほんたうのさひはい」さがす『銀河の図書室』
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戦争も花粉も我の上をゆくどこまで鈍感でいられるか
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銀魂の 映画館にて 暗闇へ 隣を見ると 眠る友人
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