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名産の こんにゃく芋を 掘る農夫 腰曲がりても 後継者無く
30
三十年住み慣れた家を後にする また新婚ね 小さなアパート
51
前歯ない姪が「ひみつ」と金平糖くれてゆっくり溶ける手のひら
43
三十年ここで寝たんだ このベッド
主
(
あるじ
)
無き部屋 淋しさつのる \ ようやく独立!
47
ピカピカと光る首輪の犬がいて目尻が膝まで垂れ下がる僕
32
降る雪の白き光は集まりて紺碧の空に結晶の色
34
ほお紅く染めて抱きつく妹が本当はいそうな雪の降る午後
38
この先も 君が飛び立っていいように 明日花の苗を買いに行く
20
街角のツリーの星がまたたけば神様のするウインクに似て
26
耳たぶに伝言ひとつ残すためストーブの前動けずにいる
27
五時間を耐えて辿れば 純白の実家(さと)に積もれる 古き思ひ出
36
独り身の寂しさ煮詰めたかのようなレトルトカレー食む寝正月
29
ふやけてる餅を置く皿なでている除菌シートをぼくは信じる
22
寒い街抜けて電車に揺られれば君に会うまで少し眠ろう
30
「さよなら」は言わずに降りる各駅の故郷遠く動き出す窓
29
「赤い糸」なんて信じていなかった 紅茶に溶ける砂糖の白さ
27
悩み事さえもビタミンになるような そんな気がして剥く冬みかん
26
暁がほころんでゆくきっかけとなるべくチャリの明かりを灯す
16
一面に白き寂寞降り注ぐ庭に
紅
(
くれない
)
差す寒椿
16
歯の隙間 誇らしげなる 子の笑顔 小さき前歯 生えし日浮かぶ
28
頬を刺す 風感じつつ お迎えに 陽が長くなり 夕焼けを見る
29
悲しみに遭わないよりも遭ってなお笑える生をあなたに願う
20
語彙不足 リズムも取れず浮かばぬ詩 すぐに書きたい想いの叫び
14
来世とか あるとしたらば 犬かネコ 木とか花とか クジラがいいな
16
冬の午後 君(猫ちゃん)がうたた寝 その横で 僕も静かに 眠気が誘う
21
幻肢痛 中途半端に片付けた部屋にかつてのギターの在り処
19
「ほんとはね」きみの気持ちを知った夜やさしい言葉がわたしを包む
42
お年寄り黙々と雪掻き続く 豪雪画面言葉なく見ゆ
23
一抹の
穢
(
けが
)
れも恐れ世を拒み 気づけば独り
塀
(
へい
)
の中
11
目覚めれば窓に飛び込む雪景色 天が促す清き一票
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