雲流る切れ間に覗く星空よ 紺の深さは海溝のよう
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気にするな って言わない人のやさしさに  育ててもらった 歌詠む 気持ち
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冬の香を 感じるけれど 感じない! も少し秋を 楽しませてよ
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あの店のこのパン一個で表せる小さく大きな今日のしあわせ
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もし神が いるとするなら 嫌いだね 俺を作って 楽しかったか
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悪なんて 端から居ない いつだって 正義の逆は 別の正義さ
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たった今地球が過ぎた軌道には君の笑った声が残った
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見上げれば遠い記憶が蘇る遥か彼方で呼吸する星々
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近頃の 秋は玉響たまゆら なればこそ  鱗雲うろこぐもさえ はかなく見える
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甘いのと辛いのとどちらが好き?卵焼きって奥深いよね
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人生はゲームと違ってリセットもセーブも出来ずに詰んでばかり
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米は米 されど新米 その旨味 頭を垂れる 王者の貫禄
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秋空の 青と白とに 刺さりたる  常磐緑ときわみどりの 松葉鮮まつばあざやか 
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体温に気付きてけなげ灯をともす 人感センサー無機なる心
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吸湿し 発熱するはず この毛布 寒くてどうした あたしの代謝
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雨曝し 寒空の下 一人行く イヤホンそっと 孤独を消して
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境内で 走る子供に 重ね見る もう戻れない あの日々たちよ
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静かにお揃いの空気に溶けていく、君と私の最期の夜
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やっているのに上がらない 模試結果を見て呟く
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秋眠も暁覚えぬこの頃は夜長を楽しむことも夢なり
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この想い 姿を見ぬと 伝えたい  姿を見ると 伝えられない
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覚えてる 声も仕草も やさしさも ずっと忘れず わたしは生きる
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願望か 狂いなのかな 糸はまだ 切れていないの 風ささめくから
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姉の名の ふりかけある事 嫉妬して 拗ねた紫色の思い出    (ゆかり)
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ひなたでは暑いんだけど日陰では寒くて 僕には居場所がなくて
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わたしという小さな天体のせているペロペロキャンディみたいな銀河
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揚げ油にキッチンペーパー被せたら泣き出すみたいに染み広がった
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雪道の 峠のカーブ 右ゆけば トンネルあかく 我を吸うなり
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ナミビア沙漠われゆかねども紺靑の美靑年など泛べ塩湖に
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風船ガムを膨らめないでいた僕はまだオトナになれない
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