弱き支配到る處に晒されて候補の顏がよごれて立てり
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朝一番 全国ニュースに故郷の名 暴風雪の町を案ず
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先輩の時間割を見て絶望し 退部届が目の端に映る
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放課後も解けぬ問題 青ペンは数式よりも君の名なぞる
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月面のゴルフボールが見えたとて人のこころの襞は見えない
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勾配は何 パーミルかその先に何が見えるかまた明日が来る
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Pが 振り子のように 揺れるから 猫ミームばりに じゃれつくだけだ
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他意の無い「励ましたい」がそんまんま伝わると良いな今度会ったら
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今は無き 故郷こきょうの古き喫茶店 記憶を灯す 茶色のランプ
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透明人間になって君が読む本のページを眺めていたい
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奥歯欠け 型取りまでに 二週待ち 接着までに もう二週とは
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思ひ出と共に 今も手元に残る あるじなき 祖父母の家の鍵
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原爆忌から敗戦忌へ傾るおほきみに籠る聲の玉音
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こちらへと色あざやかに菜の花が 春を招くよ川辺の小道
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夜に発つ白鳥姿は見えなくとも子犬のような派手な声量
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コンビニで冷やし中華を見かけたよ 今年もきっとたくましい夏
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せわしない令和の音に逆行す余白の多い音符の心地/ラジオから
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義母とゆくお墓参りの道のべにおおいぬふぐり見つけ摘みたり
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春ゆくをまわり道せむ 手を繋ぎ月の蒼きに追ひかけられたし
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久々に 風邪をひいたか 重い腰 上げて加湿器 お手入れからだ
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何処ゐづこから 風にさらはれ こぼる種 健気けなげに咲く 道端のビオラ
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「花は咲く」ピアノかなでる学生の仙台空港弥生の空に
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凍らせた感情溶け始め痛む18年目のサバイバルにて
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川沿いの 河津桜に 見とれつつ 和服の貴女 想い微笑む
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庭園を 和服の貴女と 散策す 夢見て目覚め 幸せな朝
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鎮魂の祈りを捧ぐこのひと日 心に刻む活きてる大地
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わたくしを甘やかしてはくれないの蜂蜜チューブは白く固まる
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「もう」なのか十五年とは「まだ」なのか震災の日から十五年過ぐ
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落涙し 絵になる女と ならぬ我 顔面格差に なお泣けてくる
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ちぐはぐな組み合わせだね冬コート 春を先取り白のタイトスカートタイト
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