行き戻る三十一文字みそひともじはブランコにさくら吹雪に犬は鳩追う
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セルフレジ慣れたはいいが店員のお喋り見るとなにか解せない
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泣くそらが 淋しきかなで 耳残る 満月隠す 寂寞せきばくの夜
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V字型インパルスの先頭に飛ぶ白鳥になる夢の空見る \ プー子様の歌からUgly Ducklingの夢
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ケンカしない。 体力消耗気力もゼロ何もいいことないではないか/反省
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あっという間に今日も終了 お疲れ様のスタンプ押したい
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たくあんを切りつつ一切れぽりと食む私の内に母が息づく
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花梨咲く薄桃色の透き通るプラトニックのラブの面影
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都市を経し寒村の老婆は慾るCartierの首飾の留石 まで
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パンジーが 咲いて新緑 眩しいよ 伝えたい父 青空に居て
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ほぼ初夏の陽射しの日々をりながら花々見れば卯月は卯月
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手を合わす 墓前に父の 笑顔見ゆ 母の隣に 今日から眠る
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すき家にねでっかい張り紙ありました「毎日清掃!」ちょっと笑った
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本当に会いたい人に会いたいと言わぬ誓いをなぜしたのだろう
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一矢いっしではむくえぬならば二矢にし三矢さんし たばねればやすく折れまい
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会えないを会わないとして閉じたからあなたはずっと居なかった人
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予告なく来たらシャワーと夕ご飯だってあなたと母娘ですもの
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みどり萌え長き病と決別しメロンを食し君は旅立つ
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桜色薄茶の里を塗り替えて棘々の心を丸くしていく
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温暖化成れの果てにはどうなるか『氷河期』になる理由を説く師
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村雨むらさめにしとどに濡れし学生の急がぬ歩幅に風邪ひかぬかと
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毎年のことかな満開迎えれば花冷え強風気温十二度
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眠れない私の身体太らせる明治エッセルスーパーカップ
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花がらを摘みて狭庭を見回らば蕾の横に清しき朝来る
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降る雨にしかめ面して人の波 われ鼻炎もちひそやかに笑む
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ネガティブはもしもの保険危機的な事象起きうる心の準備
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映画館 都会ばかりに密集す 高速乗らねば手が届かん
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川渡る 腹に風入れ鯉のぼり 水に着くごとワイヤーしなりて
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語彙力も文才もなく飛び込んだ短歌の世界まこと楽しき
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葉桜の土手の下には春紫苑はるじおん 愛でられずとも揚々と咲く
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