雲流れ 冷たき風の 吹く春も 無常のままに 時の過ぎゆく
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僕たちの間を桜の花弁はなびらが舞って君との遠さを知った
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沸騰を待つ数分を味方にし 未来を少し待たせておこう
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デイ行かば欠席多し 寒暖差調整かたし後期高齢
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遠き日に 思い描いた 夢多く 白髪混じりて「夢」夢となり
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涙する 悲しみさえも 食いしばり 負けるものかと 静かに立てり
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宵闇に散り際を急く花ふらし ゆく春惜しみ並ぶ歩早む
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運命の残酷はしみじみとした共感も脅かす凶器だ
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キラキラとまばゆ水面みなも見上げると 飛行機雲が果てなく延びる
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塾へ行く 道に毎日 向かい風 負けてたまるか 待ってろよ、春
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きっかけも動機もあって進めない生活保護は優しい束縛
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夕方はすみれ色してまほろばの如く優しく染まる街角
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蝋梅へ 夜明けのひかり 満ちゆきて 甘やか黄金こがね 濃く匂いたち
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詰んでいる寒くて辛く悲しいと言うあてが無くなるとはこれか
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縁ありて 繋がりし友 再会し 辛い話も 笑えるほどに
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月もなく 猪口に映るは 闇ばかり  ひらりとりし 花びらを呑む
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春を編む文字の飛び込みはっとすは闇夜に詠みしやさしこころね
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ほどほどに石橋叩きて歳月とし過ぐも地図捨てた日の欠片もありて
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春あさき 皇居の庭の 「袖隠そでかくし」 たちまち江戸へ タイムスリップ / 椿
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「ありがとう」言える距離には君がいて 蛇口をひねれば水が出る春
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こころから自分を恥じて振り返る白木蓮の忍耐強さ
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この身吹く風の音が聞こえる そうかそうなのか 友の逝きし夜
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あの余波が 友を飲み込み 連れ去りし 手元に残る 手紙と語る
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雨雲が虹を内包するように君への憎悪も恋の病だ
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聞こへ来る門出の歌はどれもみなシニア世代のをも励ます
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まだ何も 踏まぬ足うら ふわふわと 雲の上む 母をみつめて
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特番の「風の電話」に涙して震災の日の夜が過ぎてく
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テレビ消し、静かな部屋に雪が降る見ない優しさ認めてほしい
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三月の まばゆい春の 昼下がり 懐かし友と 心が通ふ
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カレー鍋かき混ぜつつふと覗き見れば 混沌に踊らされし我の見ゆ             
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