ガニ股が染みついてる君の上目遣い
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人身事故で寄る辺なくした番たちピンクに誘われ数を合わせる
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闘鶏の如き心を持ちており穏やかに語る人に恥ずかし
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水滴のようないじわる いじわるにいじわるを返すわたしでいたい
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いつもなら通勤二十分の雪道が今日は五十分、さすがに大寒
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うっすらと雪の積もったヴェランダの放置の鉢に ハコベの緑
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キーボードを時折たたく手の甲の 滑らかなるを飽かず眺めてる
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滑らかな 喋りなんてさ 出来なくて でもそれで良い きっと良いんだ
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生きていて"ごめんなさい"と"よかった"を反復横跳びしてる僕たち
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日本酒を四合しごうも呑んで大いびきかいて寝ている私の太陽
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汗ばんだ身体の重み不確かな夜を繋ぎ止めている錨
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真夜中の部屋は世界から隔離され私以外のすべてが仮想
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六畳間 フローリングに敷布団 世界の果ての見慣れた景色
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雨の日に何もしたくなくなるのは、やる気が水に溶けやすいから
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見上げたら今の私と同じ色裏切られること空もあるのね
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立ち上がれ転んでもいい走り出せ向かい風ゆく君はまぶしい
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進める日進めない日があって良い 右脳と左脳寄り添いあって
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青空にひとつ巨大なカリフラワー 降られる前に帰ってきてね
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「なんですか?」「これはあなたの未来です」「時間は昨日止まりましたよ」
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一葉のかたち様々アゲハ飛ぶ緑の密度高い日曜
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この痛み夜空に放り投げればいい一生圏外という逃げ道
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この白き部屋も終わりと知る母の最期の珈琲砂糖多めで
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靴底で「じっ」っと震える振動は何日分の命か 蝉よ
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レントゲン義母の肺には白き花いつか茂って義母を覆うか
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子の喉にビー玉一つ隠されて思春期だとか反抗期とか
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飲み干したノンアルコール缶軽く軽く買われて軽く捨てられ
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折りたたみ傘をしまえば萎れてく庭の朝顔とうに枯れてて
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秋陽に干され始めた柿の実よ父の孤独が今ならわかる
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私より彼女を好きになったこと恋が終わって おかえり息子
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枝豆を夏の名残りと固茹でて青い景色を口に広げる
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