真っ白なみぞれが降って照らされる晩夏の恋をあなたの熱を
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ほうじ茶で凍えた指をあたためる きみの温度を想う雪の日
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老犬と孫は同じパンパース歩けない子と歩き出す子と
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棘のある罪は金平糖に似て 丸い甘さが口に広がる
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老犬のお尻吊り上げ散歩するリハビリ毎日 私は筋トレ
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そう言われるとわからなくなってくる 川の向こうに独りのカラス
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救われたかっただけ金魚 ポイが破けて掬われなかった金魚
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初恋はそうと思えば初恋で今日の夢では空を飛んでた
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手放していくものごとを決めるのに使うサイコロ1d100
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クソでかいおにぎりを作ったならば全人類と仲良くしたい
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園庭は水遊びする子らの声 泥んこになって さあ、もう夏だ!
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園庭に色鮮やかにザクロ咲く 花を集めてままごとする子ら
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何処に毒秘めているのか 雨の日はひときわ麗し紫陽花愛でる
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金平糖あじさいの葉をあしらって 粋なセンスの亡き友想う
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近所の子だんだん敬語を使い出し 成長見るも淋しさ覚える
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要求を分かってやれぬもどかしさ 老犬何かを訴え続ける
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亡き父の自慢の庭は花爛漫 届いた動画に故郷恋しく
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木の下に食べかすありてヒヨドリが教えてくれたビワの食べごろ
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我が夫短歌うたは詠まぬが短歌うたを読む 私の短歌うたにも厳しい批評
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「この夏を乗り切ってね!」と掃除する 唸りながらも頑張るエアコン
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青年はたは未亡人喪家ゆあらはれて娼館へ入るまでのいきさつ
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捌かれて子宮の轢かるうすむらさきの牝馬の亡骸へと車輪
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「かあさん、あなたの落とした真っ赤な櫛が、青い鳥を梳ってはやまないのです。」
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「僕は自分の死が見たい!僕は迷子になったのかな、御嬢さん、ねえ御嬢さん。」
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「死体拘置所、死体刑務所、死体死刑室、死の衛生博覧会はこちらへ☞」
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牛乳販売業の青年嗣ひとり開拓地へシャープペンシルの替芯吊る 飼育
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星ならば 見えて届かぬ あたりまえ 君との間 30光年
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30年前の君から 今届く 宇宙の中ではすぐ そこに居る
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お祭りと虐殺 同時にこの星で  人類はまだ スイカ食べてる
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親と子が 孫とひ孫の顔になり ひいじいちゃんの思い出話
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