登りきれば そこが楽園 かといえば わからぬままに 必死に登る
37
初夏日和 家へ歩く手に ちんすこう 「沖縄フェア」の ポップにつられ
10
昨夜のスーパーマーケット酒不足 米不足 保育園も不足
7
還暦の君に逢ったら問いたくて 知りたい人生質問60
34
梅雨入りを待たず降り出すなみだ雨 きっと誰かの涙のかわり。
10
行っちゃうの? ぼく置いてくの? と愛犬が 鏡のなかからじっととらえて
32
フル・ムーン 「もう赦して」と 願っても 御仕置つづく 変われぬ私
33
君は一輪の花 その間にある、有刺鉄線の壁は心
5
2本持った傘 君も持ってたのかよ
4
たずね土やはらかに微笑めば庭の友らが豊かにいそしむ
30
雨音に包まれながら目を閉じる 雨のメロディー音符が踊る
41
経験を したのに同じ 傘の下  護られるはずの いのち 時雨て
38
聞こえないフリをする。呼吸が楽ね
8
風に飛ばされた春を見送って、雨と共に落ちてきた夏を拾った。
8
脇を抜けていく車が、紫陽花色に染まる
4
雨の後に、少しだけ日の射した庭で遊ぶきみねこ
11
もう夏か足止め見上ぐその空に 入道雲が連なり並ぶ
39
風になびく君のくろいかみ 少し振り向いて、あかいくちびる
12
学校も 試験もなんにも ない生活 もうおばけなのか ただ汗はでて / おい!鬼太郎!!
30
五月なら車で昼寝も出来たのに今は暑すぎマックで涼む
25
もうそろそろ 自分のために 生きていい 座学ばかりの 頭でっかち
46
雨上がり夕暮れ間際の太陽は不思議な色で空を染めてる
27
近頃の 天の神様 サボり気味 雨/晴ボタンの 切替え忘れる
21
かのひとにやさしきひびもあったろうそうおもうこともゆるされぬのか
24
轟音のいつものくしゃみに遮られ 歌にならない母よ 元気で
42
湿原の花目指し行く道中は清らかなブナの森に包まれ
23
触れてみるのっぽのブナの滑らかな木肌優しい温もり感ず
30
アクセルを踏み込み登坂車線行く三十三度は二十八度に/国道の気温表示計
18
満開のブーゲンビリアひさし借りここだけ少し南の座標
54
言の葉が実を結びゆく歌となる不揃いだけど私の果実
51