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次々と 食べ物こぼす 子どもらに なす術もなく 茄子ひとかじり
26
安らわむ 硝子の月に 息をかけ 貝の小舟で 眠りの海へ
25
三十年住み慣れた家を後にする また新婚ね 小さなアパート
38
ほろ酔えば いつものきつさが 苦しくて 心のベルトを ニ穴
緩
(
ゆる
)
める
25
シクラメン 冬の寂しい 窓際に 鮮やかに咲く 赤さ強くて
23
湯気の立つ カウンターでの 一人鍋 ポン酢の香り 引き付けられて
25
それぞれの少年それぞれの少女どちらもドンキホーテのように空へ傘を刺す
6
全部そう 胃に入れちゃえば見ずに済む いつまでそんな感じでいるの
8
死ニタイナ嗚呼死ニタイナ死ニタイナ 死ネテイナイナ死ニタイノニナ /2025.07.13
13
眠いのか、血圧/血糖下がったか 判らぬ程には寒くひもじい
16
まだわたし道を聞かるる人にあり冬海岸にほのと
南風
(
はえ
)
立つ
48
芽生えたる 夢を忘れる その前に。 命短し 挑めよ我ら
25
少なめに淹れた珈琲さえ冷めた 時は止めてたつもりだったのに
10
娘
(
こ
)
の机使ひて思ふ引き出しの何処に悩みを仕舞っていただろ
59
北風は 行きずり水面 騒がせて 白鷺は行く 何処かの夏へ/r
14
満たされぬ心
(
インナーチャイルド
)
が悲鳴あげている そして爆買い爆食またも
30
時は流れ止まったままの心など非情なまでに置き去りにする
30
一年のトッププレイリストから 流れるのすべて君とのあの日々
10
伸びた髪切らずに纏め黒リボン きみがリボンの子と呼んでくれたから
6
お別れはなにも言わずに微笑みたい だってアウトロはピアノソロがいい
8
ひとは思う 死が物語の終わりだと 死ぬまで終わらぬとは限らないのに
5
ひとりだけ住む人の手で丁寧にただ撫でられているカーペット
15
犬の世話以外は何もできなんだ それでもこれが僕の一日
28
ほほ笑みは 生後三日の
児
(
こ
)
が語る キユッ とあがった ピカピカの頬
45
暖房が寒さに勝てぬ布団から 小一時間も出られずにいる
30
遠くまで来ちゃったなって思うから浜辺を歩くのってこわいよ
11
やる事とやる気が上手くからまらず「まぁいっか〜」がわたしを救う
34
夜の来て明かり灯らぬ両隣り空家となりてひさしくなりぬ
16
闇の中光が横を流れゆく僕も一緒についてゆきたい
13
冬空に オリオン光る 寒さゆえ はく息白く 夜空に消える
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