薄暗い部屋で右手を強打して生きていること感じる痛み
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木犀の香り今年も漂って案外僕らは幼いままで
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海底を二万マイルも行くように静かに静かに寝ます おやすみ
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帰宅してシャワー浴びれば流れゆく私の形の見えない何か
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包丁を逆さに持って皮をぐ ゴボウの白さにいつも驚く
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Googleが教えてくれた 去年の今日わが子が初めて歩いた日だと
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どんぐりを蹴ればカラカラ転がって笑って歩く小道は秋へ
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いわし雲うろこ雲とか昔日の人々海を愛していたね
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何故なのか分からないけどわたし今ここでこうして元気でいます
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マッチ売る少女の灯す温もりも絶望も無し電子の煙草
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分厚めの 段ボール箱に毛布敷き  冬じたくして あのミケを待つ
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悪くない風が吹いてる小春日は会えない人に会いに出かける
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正気ではやってられない世の中に なじめる狂気 身につけて冬
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ラブレター書く癖ついた春の夜にしたのはあいつ明日逢うけど
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ふつうなら とっくに憎まれてるはずの 前世がたぶん猫だった人
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残高を指でなぞって考える いくらあったら逝けるのだろう
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年の瀬に にぎわう街の踏切を くぐりし母子 ひきとめる修羅
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来る年は 言祝ぐうたを 詠めるよう 願いを込めて拭き掃除する
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君がまだいる頃に買った洗剤を使い切れずに歳を重ねる
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手挽きミルゆっくり回す日曜日眠る我が子を起こさぬ様に
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つくづくに北国生まれの遺伝子か雪降る日には何故か落ち着く
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かもめの「か」を盛大に噛みポケモンがあらわれたのでバトルしようぜ
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生き方の 処方箋など ないのだし 考え過ぎず 生きよう弥生
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どす黒くざらりと粗い喉越しの憎しみに似た何かをごくり
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陽がのぞく 僕の心は 明けずとも 濡れてた空は 乾き始めて
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風吹かれ 君の言葉が 頬をなで それでも桜は 君を攫った
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叢雲に 星影覗く 天つ空 何処にいても 星は変わらず
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墓参りみなで行こうと云ってくれ心華やぐ昼下がりかな
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六年の 努力が実り 桜咲く 吾子の健闘 吾の奮闘
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頬を刺す日差しはすでに春日和 無事に彼岸参りを終える
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