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雪の中
直会
(
なおらえ
)
の菓子配り行き祓いの神事一つが終わる
26
君の来ぬ カフェで飲むホット チョコレート 帰れぬうちに 雪は吹雪ぬ
29
空洞のある老木なれどポツポツと白梅咲けりぬくき日差しに
36
星屑の 銀の
階
(
きざはし
)
昇りゆき スノウフレイクの 銀河で踊らむ
27
冬日和常は通らぬ路地入らば色鮮やかに葉牡丹並ぶ
29
親なんて自分を棚に上げないとできないものとつくづく思う
25
次々とコロナインフル花粉症マスクの下で皺を重ねる
25
嫁してより五十二年を生きし町新たなる地に雪は積もらぬ
38
野苺の 野で初めて 君に会いし朝 良きことで今日が 埋まる気がして
24
枝切られいびつになるも空目ざす枯れ木の夢は
風花
(
かざはな
)
のなか
35
渡り鳥 国境越えて 羽ばたきて 世界平和を 託してみたし
34
オレンジの皮を前歯に貼り付けてキャッキャッ笑って日曜日なり /吾子三歳
44
寒太郎
(
(北風小僧の)
)
山を泣かせて 逃げてゆき 静かな
夜宙
(
よぞら
)
上弦の月
37
天上の空を陣取る黒雲を店主と見上ぐ公園マルシェ
45
ホットミルクに似た声の人だった まろやかに溺れてくみたいな
12
仕事終え 空見上げれば まるい月 残業だけど 月が明るい
35
きさらぎの 神に捧げる
榊
(
さかき
)
には 新芽がのびて 雪のふる春
50
将来を見て酸いも甘いも言えぬから「自分らしさ」と呟いている
11
弱き支配到る處に晒されて候補の顏がよごれて立てり
28
朝一番 全国ニュースに故郷の名 暴風雪の町を案ず
28
母さんが千の風になってたら怒るだろうか鍋を磨けと
31
池に立つ鷺の白さとしなやかなフォルム美し天の賜物
30
咲き初めのしだれ梅にもぼたん雪つかの間だけの白き世界よ
35
桃いろのプリマのごとき梅の木の燃える想いを冷やし雪ふる
35
婚前に 君にもらった ミントチョコ 潤むまなこで 遺影に供へ
42
絶景の桜に
被
(
かぶ
)
せしキャッチコピー駅構内で春につかまる
52
「お先に」とまばたきを一つ交わすとき雪の狭路は白くふくらむ
33
先輩の時間割を見て絶望し 退部届が目の端に映る
10
処方箋まだ書けないよ私にはもっと訊かせてなにがつらいか
18
黄泉ばかり見ている人の袖をひくこの身をもちて碇となさん
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