輝いて いるところだけねえ、見てよ かりそめ笑顔を振りまく人形
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受けそびれし 全てのボケを 想い出す 君の記憶が ボケる前には
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エンゲルス マルクスレーニン 情けない 資本主義とは お猿の社会
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立春も 余寒が続き 予感欲す
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唇がぷっくりしはじめた君をかわいいと思う、自分死ね。
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貧乏で なにもやらない 父親に 息子の批判 グサリと刺さる
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案の定 今年の抱負 二月目 肩こりのため 一旦休止
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努力ができないなら死になさいよと 全世界の美人に言われる
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吐き気がするのよあんたの顔見ると さっさとわたしを殺してちょうだい
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お金を払って初めて許される わたしがここにいてもいいということ
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人生が200個あっても足りない!と 君が飛び散るビル12階
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夏が死に秋を殺して冬と死ぬ 春もそぞろにまた夏を待つ
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何者でもないわたしを生きること 焦燥・加齢、解放となり
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窓ガラス サイズアウトの服で拭く記憶もなぞる大掃除かな
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行き場ない 迷子の気持ちと 手をつなぎ 耳を澄まして 道場の朝
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台本を 繰り返し詠み さあ開演 実家劇場 ムスメその1
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車窓より二度と出会わぬ町を見つこのままずっと揺られていたい
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母からの「家静かです」ひとことに子も犬も去る実家を思う
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ざくざくと落ち葉踏み手に拾う子も母も父もが葉の海の中
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父母ちちははとむかし泳いだ海街で 獲れた蜜柑を我が子に与う
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おたよりが通じることのありがたさ 心の便秘 しませんように
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大罪人たいざいにんでも殺されぬ人 善人で突然死ぬ人 どうしてだろう
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帰り道、雪に埋もれた路地裏は 何処とも知れぬ 白いまぼろし
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傘持たぬ人しょんぼりと佇ませ赤信号の悠々と光る
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亡くなりし犬のにほひの残る家 庭の白梅シラウメ今年も咲いて
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病棟の 父への葉書に歌一首 余白で伝わるものの多かれ
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「久しぶり」その一言の裏側に僕が知らない 数多の別れ
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ビワの木は挿し木してから二十年 今年もたわわに大きな実を付け
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故郷に今年も咲いた亡き祖父の自慢の深紅の霧島ツツジ
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母とは揃いのバッグでツーショット 嫁ぐ前の最後の旅行
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