もう遅い 出来てしまった首のしわ タオル枕に変えたところで
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風呂キャンにとって試練の夏が来た
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店先に焼き鯖並ぶ半夏生我が家は生姜たっぷりにして
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君の住む 街への仕事 甦る あの日の景色 良きも苦きも
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現実の 壁がいくつも 迫りきて 夢遠くなり うた詠めぬ日々
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君が来る ふるさとの夏 目前に 希望と不安 浅き眠りと
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嵐にも 距離にも負けず 君が来た そのことだけで 何もいらない
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むすめ来て嬉しいあまり夕飯にこさえたものを覚えていない
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午後7時 「暗くなった」と呟いた 鬱で休んで 無駄にした夏
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ババババン、ドーン、と上がれば戦争が仕掛けられても気付かぬ花火
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母知らぬあの子が私を呼びに来る心の底から子供になろう
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歩き出す 君の背中を 見送りて 私は今も ここに佇む
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時は過ぎ 巻き戻せぬと 腑に落つる 一人旅での 静かな夕べ
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小遣いをちょっぴりもらう程度なら母に手伝う事はしない
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晴天だ晴れたら出来ると待ちながらいざとなったらほとんど出来ない
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冗談のように言った好きは今 微妙な色を持って沈んでく
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薄明と だんじり担いだ壮年の 祭囃子に 秋を又聞く
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眠れずに 管巻く私を置き去って 空は薄墨 山際映ゆる
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いにしえに おこし開墾 した田畑たはた 草木くさきがしげり 森へとかへる
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ガラス越し淡く舞い散ることもなく 変わらぬ私 置いてゆく秋
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私には、臓器に薔薇が咲いてるの 隠した好きが咲き続けるの
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穏やかな 君の目と声 いつまでも 心に残り 日々をあたたむ
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新品のマフラー整え 無意識に 君の温もり探してしまう
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三十年住み慣れた家を後にする また新婚ね 小さなアパート
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大勢の大人に叱られた後でもサーモンの刺身は旨すぎる
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前歯ない姪が「ひみつ」と金平糖くれてゆっくり溶ける手のひら
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ピカピカと光る首輪の犬がいて目尻が膝まで垂れ下がる僕
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降る雪の白き光は集まりて紺碧の空に結晶の色
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夏からは病に伏すという君の住む街は雪 今日も明日も
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この先も 君が飛び立っていいように 明日花の苗を買いに行く
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