この先に いったい何があるのでしょう。 鯛が釣れた 夢をみました。
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ねこたちは ご用が済んだと おもってる すまんねオヤツ あげたら出るね
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暑苦しと わかっていても 待っている 夏一番の 蝉のうぶ声 / 北の夏
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父だった 人のケロリに もて余す 名もなき感情 炭酸で割る
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生命せいめいの 重さをかたる 一方で どこかこの世に 見切りをつけて
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鍵盤を ひとつ弾けば ポンと鳴る 閉じた窓から 流れるゴスペル /
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階下降り 籐ラグ涼しや 虫のこえ 音痴が一匹いちひき 耳も耄碌もうろく
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すす汚れ すす涙が 渇れている。 泣きつくしたよな 記憶もなしに
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遠くから フジという名の 友が来て 山坂越えて 駐車場まで
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やけくそか アリ避けの粉も 何のその 働きアリや そんなのアリか
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あのオバチャン只者じゃないレジ打ちがメチャクチャ速いスーパーウーマン
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菅原や伏見の里に月冴えて生駒いこまたけを渡るかりがね
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二人して 十勝岳ゆく 登山道 記念の写真 のみ撮り 下山
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山の巣に帰る鴉の声絶えて野寺の松に月出でにけり
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振り捨てし世の恋しくぞなりまさる伏見の里の鈴虫の声
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稲妻の閃光 雷神の怒号で ビビビとゆれて 静かな夜に
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戦争に秋深まりぬ咲き及ぶ石蕗の先しがみ付く蟷螂
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エリカ黄色に咲きシベリア抑留に死せる俘虜同胞を売り祖父帰る
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橙のダチュラ砂地に吊り下がり砂に呑まるるまでを幾尺 
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きときとの バスは満員 坂道を 右にひだりに ゆれて頂上 / 除幕式
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姑を入所させたとまだ言えず窓に額をつけて月みる
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淡桃のみぞれはすでに脳にあり八度八分の唇は待つ
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物置きの奥の奥にはスノボーがもう戻れない冬の香りす
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トラックの東京に近付きてゆくAmazon.coがハヤカワ文庫も旧りぬ
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晩熟を滴る麦と稲が穂のふたつわかれになりにけるかな
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一九三八年四月一日かつて国家総動員法の制定されき
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ぜんそくのこどもの病室あかりがみえる 明けないよるをなみだぬぐいて
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めいわくをかけてもいいという人に 肩ちからぬけ安堵のためいき
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口ずさむ孫のミサ曲やさしくて 生きる深きを海面にえがく
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リハビリのジムにときめく冒険は コードがともの宇宙遊泳
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