次々と 食べ物こぼす 子どもらに なす術もなく 茄子ひとかじり
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安らわむ 硝子の月に 息をかけ 貝の小舟で 眠りの海へ
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三十年住み慣れた家を後にする また新婚ね 小さなアパート
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ほろ酔えば いつものきつさが 苦しくて 心のベルトを ニ穴ゆるめる
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シクラメン 冬の寂しい 窓際に 鮮やかに咲く 赤さ強くて
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湯気の立つ カウンターでの 一人鍋 ポン酢の香り 引き付けられて
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それぞれの少年それぞれの少女どちらもドンキホーテのように空へ傘を刺す
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全部そう 胃に入れちゃえば見ずに済む いつまでそんな感じでいるの
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死ニタイナ嗚呼死ニタイナ死ニタイナ 死ネテイナイナ死ニタイノニナ /2025.07.13
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眠いのか、血圧/血糖下がったか 判らぬ程には寒くひもじい
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まだわたし道を聞かるる人にあり冬海岸にほのと南風はえ 立つ
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芽生えたる 夢を忘れる その前に。 命短し 挑めよ我ら
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少なめに淹れた珈琲さえ冷めた 時は止めてたつもりだったのに
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の机使ひて思ふ引き出しの何処に悩みを仕舞っていただろ
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北風は 行きずり水面 騒がせて 白鷺は行く 何処かの夏へ/r
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満たされぬ心インナーチャイルドが悲鳴あげている そして爆買い爆食またも
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時は流れ止まったままの心など非情なまでに置き去りにする
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一年のトッププレイリストから 流れるのすべて君とのあの日々
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伸びた髪切らずに纏め黒リボン きみがリボンの子と呼んでくれたから
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お別れはなにも言わずに微笑みたい だってアウトロはピアノソロがいい
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ひとは思う 死が物語の終わりだと 死ぬまで終わらぬとは限らないのに
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ひとりだけ住む人の手で丁寧にただ撫でられているカーペット
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犬の世話以外は何もできなんだ それでもこれが僕の一日
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ほほ笑みは 生後三日の が語る キユッ とあがった ピカピカの頬
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暖房が寒さに勝てぬ布団から 小一時間も出られずにいる
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遠くまで来ちゃったなって思うから浜辺を歩くのってこわいよ
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やる事とやる気が上手くからまらず「まぁいっか〜」がわたしを救う
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夜の来て明かり灯らぬ両隣り空家となりてひさしくなりぬ
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闇の中光が横を流れゆく僕も一緒についてゆきたい
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冬空に オリオン光る 寒さゆえ はく息白く 夜空に消える
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