はみ出さず真っすぐ踏めた足跡を集めて僕を作りたいのに
16
なみだ雨 風情はあれど 蒸し暑さ 運びこみけり 髪も爆発くしゃくしゃ
6
突如湧く フラッシュバック いつまでよ? 早く私を 解き放ってよ
7
蔓延はびこった 草と格闘 そののちに クワガタ顔だす 月夜の露天
45
慣れぬ手で ズボン繕う 雨の午後 空も心も 潤む梅雨入り
38
カッポカッポ お馬の様に歩いたね もうもう動かぬ愛犬キミのその脚
45
近頃の 天の神様 サボり気味 雨/晴ボタンの 切替え忘れる
22
カランと夏の音につられて今も 君の星座を探してしまう
15
うすあさぎ澄みたる囀り飛び立たせ 青き空へとゆづり去りぬ
27
このままの関係性じゃ終われないけど 勇気が出ない高1の夏
15
石鹸のあわ黒くなりし小さきて井戸より出づるスイカの赤さよ
28
母の手のぬくみの残る古き棚かはらぬ場所に我が箸のある
45
ひとりなら、自由で穏やかに過ごせるの 君といる理由を探してるけど
13
大輪の芙蓉ふようが開花 真っ青な空にあいさつ ああ夏本番
43
降りてくる 浴衣姿に 目を伏せて ズボンで登る 駅の階段
14
ふりはらう 女の髪の 仰ぐ香に 吹かれて私 脇役と知る
13
美しい 語彙の源泉 かき混ぜて 生まれ流るる 無数の泡沫うたかた
13
目が覚めりゃ そむけたくなる 日々ばかり 押し寄せてきて 今日も二度寝し
9
相談を 仕掛けておいて この態度 そういうトコに 原因はある
10
「確かに」を使いすぎたらそのうちにカニになるって ジャンケン弱そ
8
夕影の 甲子きのえねの土 踏みしめて 踊れ若人 浜風のごと
20
猛暑日を回避するらし立秋の風涼やかに老いにやさしき
27
トワと呼ぶ小さき命よ永くあれ ヒト科の願ひ水にたゆたふ/熱帯魚飼育
22
各停に揺られまどろむ帰り道 陽の沁む瞼のだいだい色よ
15
銭湯で友と使いし石鹸の減りが嬉しい夏の夜かな
22
木槿咲く庭に出ずれば陽に光りトンボ舞い来て庭石に降り
23
帰り来し子等と連れ立ち盆の朝花や水持ち墓前に集う
26
事あらばボランティアにと駆けつけた君の御霊はどこをさすらう
33
反戦と平和に みんなが飽きるのを リニューアルした 戦前が待つ
64
あぁ行きたい 流れるプールに 海水浴 お風呂掃除が 分相応
20