ピクリとも 動かぬ森の 木々たちの 沈黙の底に 流る水の
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魂の 入れ物ひとつ ぼんやりと  駅のベンチで 電車 見送り
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虫食いの あとは涙の かたちして くもり空にも 朝顔は咲く
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あした咲く つぼみさがして 安堵する 半分いじょう かれてる朝顔
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隣家となりやの 煙突屋根の 三角の 影がとどけば 開く秋の戸
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白黒で はっきりさせないこともまた 美しさかも 百鼠色
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稲刈りの すすみ具合が あいさつの 田んぼの町の お通夜の席の
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露結ぶ 中秋の月 おぼろげに 絶えた虫の音 静かに包む
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錦繍を バックにわれを 撮るつまの 落ち着きのなさ 笑う十勝岳
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溶け残る角砂糖こそ甘かりし夜更けてそこに灯る思い出
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熱闘は 悔し涙に たそがれて 雪のにおいの 空を見上げる / 日ハム
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雪道の 峠のカーブ 右ゆけば トンネルあかく 我を吸うなり
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人びとは 縦横無尽に 行き交いて ひとりたたず 駅コンコース
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桜葉さくらば 一葉ひとはのこらず 落ち果てて 届かぬ手紙 どどと着くよに
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風邪の子に焼くオムレツの甘い香と休む仕事の後ろめたさと
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バレンタイン あなたの為にリボンつけ 気持ちに蓋をし自分で食べる/「真心」
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白壁の土蔵を覆う蔦紅葉きらめき揺るるそよ吹く風に
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積雪は 十九センチ きのうまでの 浮かれ気分は 静かに埋まる
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替えの効く生を受けても 代替のそいつは僕を詠えないだろ
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檜葉の枝杉の木の枝花屋にて並び始めて冬の訪れ
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大陸の 友と語りて笑いあう 小さき外交 祈りかさねて
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雪よりも一足先に白散らせ 月夜が照らす 八重の山茶花
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五平餅売らる茶店の灯も落ちて紅葉祭りも日暮れて終わる
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ほほ笑みは 生後三日の が語る キユッ とあがった ピカピカの頬
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老いて目も うとくなる日々 縫い物はせぬが料理はまだまだいける
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玄関は吹き溜まりなり 帰り来て最初の仕事落ち葉の掃除
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フード越し風が鳴るのを聴いている星瞬いて流れて消えて
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一列にまとまるムクドリ鳴くを止め首傾げ見る駅向かふ人
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どの家も玄関明ければその家の安堵と云ふ名の匂ひのありて
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親の前 泣けない子供 たちはどこで 泣いてるんだろう 声がきこえて
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