スーパーは隣町まで行ってます会ってもどうせ目をそらすんで
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久々に目覚まし鳴るまで寝た時はなんだかふわふわ調子が悪い
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父だった人から届く売り言葉 買わずにおいてよかった日よ来い
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人類で 薄めてあおる なさけなさ 主語自分 では 濃くて飲めない
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目を背けたくなる世界を直視する 君を ヘヨカと呼んで見つめる
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諦めと ニヒリズムへの誘惑に  負けるな踊れ 心のヘヨカ
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犬がゆく弟の腕のなかでゆく私がいない日にとおくゆく
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幼子が小声で歌う鼻歌を 聞いてまたたく冬の星々
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弟と拙き論をぶつけ合い仔犬二匹のじゃれ合うごとし
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春暁落雪図庇はばつらぬきとほるまで槍穂を著けと聖霊ふたつ 
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日時計に影 梶尾舟じりじりと炙れ陽炎階段へ靴躙る釘
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絶対的現存在の把握を期して必然死偶然の死ならず・石牢
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箱庭の中へ死にゆきぬ智慧の実も腐りきつたり 食卓のうへ
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川の辺でトランペットを吹く学生 澄んだ音色が空に溶け込む
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朝八時だあれもいない公園をひとりじめする小さな兄弟
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亡き友が焼いた茶碗 温もりに 包まれて飲む 朝の一杯
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このところ会わないご夫婦元気かな 知らず知らずに目が行くベランダ
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長旅はいかばかりか 「ただいま」のひと言残して眠りこける息子
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夏が来る 日課の散歩は老犬よ あなたと私の体力勝負
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長旅の土産は特大洗濯物 連休最後のベランダ飾る
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朝食後 歯みがき洗濯洗い物 天気に尋ねる優先順位
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孫が来る 退散するまで待っていよう 朝の掃除が夕方になる
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七月ののっそり沈む夕陽から種火盗んで夜通し語る
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音も無く陽炎かげろうゆれる濃い桃の百日紅さるすべり咲く 誰も居ぬ午後
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苔の生すへ、軍は果てて死ににけり。夏虫の絶ゑしかそけさ
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「正しい教育と歴史認識のもとにわれわれパリ市民は生まれた」
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「あたしたちのイエスさまが変になっちゃったのよう」魚眼レンズ直視
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復活祭へにがき蕗煮ていもうとはロザリオなどゆめかけざらむ
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純白の彼岸花咲く 夏の陽に秋の風吹く団地の端に
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葬列も散り散りとなり午後三時金木犀の香りの西日
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