三日月夜。 月牙鏟げつがさんの 使い手は 沙悟浄だった 成仏のための
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旅路にて 荷を預けたら 身軽なり 引き受けてくれた かたに謝恩の
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我が風邪が伝染った母を案じつつおやつ買ってとせがむ5歳児
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台風が ふたつも来そうな その時に 飛行機に乗る わが身を思ふ
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夕立後 田舎の景色 水墨画 雲間に出る 上弦の月
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一条の 蚊遣火かやりび 星に みえますか 天の川瀬で ひとり待つきみ / もうすぐ七夕
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三角の クチバシ踊る 軒下に 舞ふ親鳥が はぐくむ命
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アジサイが 創る水玉 光り帯び 今日も活きよ 清く生きよと
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明けぬ夜のなきこと思い本閉じる眠れぬこわさ知る熱帯夜
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太極の 老師は九十四歳で 癌でも元気 運転して来る / えぇっ?🤯
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「忘れたな!」箸無し弁当 開けてみる…おむすびだった…「疑ってゴメン😄」/息子よりメール
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たそがれに消えぬ温もり抱きしめて 月に吠える恋の負け犬 
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マイク持ち 詭弁を語る 候補者は 泥だらけの我 見向きもせずに /同じ一票なのに…
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昨晩の夢のおわりの咆哮は自分自身か/蝶だったのか
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お上への 批判集中 そらすため  民の対立 煽り煽られ
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寝る前にキスをしましょう ひとりよりふたりのほうが生きていけます
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風鈴を吊るせぬ事情今さらに知って驚く田舎育ちは
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紺碧の海に注ぐは透明な君の涙に似てる霧雨
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胸中に  俄かに爆ぜる  思い出は  顔を赤らせ  懐古を纏う
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ハンガーに かかった浴衣 出番なく くたびれている 来年こそは
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いつの間に 頼もしい父 年取って こんなに白髪 多かったっけ、
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コーヒーの苦さがうまいと生意気な君 そこにのってるソフトクリーム
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美しい 語彙の源泉 かき混ぜて 生まれ流るる 無数の泡沫うたかた
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目が覚めりゃ そむけたくなる 日々ばかり 押し寄せてきて 今日も二度寝し
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何もせず 夜中になって 後悔を する夏休み 抜け出したい
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相談を 仕掛けておいて この態度 そういうトコに 原因はある
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「可哀想」 なんていうのは 勝ち組の 慰みものだと 捻くれてみる
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黒歴史 思い出しては 叫びたく なる衝動を 電車で抑え
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あまりにも 生産性の ない今日の 私におやつは おこがましいな
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楼閣タワマンが できて久しの 盆踊り 嵐の神の 諌めなりしか
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