どしゃ降りの 雨の朝にも 四十雀しじゅうから ピーツピーツと 鳴き続けおり
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朝っぱら レノアビーズを ぶちまけて 家じゅう花の 香りいっぱい
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鉢植えのブルーベリーの紫が濃くなりてら鳥の如食む
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赤き花見覚えあると思いつつ つぶら実生りて柘榴と気づく
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路地脇の緑葉の中青柿が顔のぞかせて夏の陽を浴び
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八十路なり亡姑はは 患いし認知症 脳トレに我短歌うた楽しみて
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ささやかな ミニの願いも 立ち枯れて トマト引きぬく 般若波羅蜜多
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台風の後を飛んでく黄揚羽の後に続けと自転車を漕ぐ
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薄墨に さかづきをもつ君がいて 光るわたしと 二人きりの空 / 三日月と明けの明星
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もう戻ることはできぬと知っているカナカナカナとひぐらしが鳴く
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自分から 誘ってみるの 夏祭り 意思と帯紐 固く結んで
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ゆるるりと回り灯篭動き出す走馬の影見し宵闇の道
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てのひらに収まる小さなスニーカーそんな季節もそろそろ終わり /吾子三歳
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あの家のノウゼンカズラ見えたなら歩幅広げし吾の決め事
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掃除機の手を止めじっと立ちつくす今この時刻原爆落つと
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夕闇の波間漂う灯ろうの仄かな灯り我が想い乗せ
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そよぐ風植えた覚えは無いけれど裏庭に咲く白百合の花
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あちこちと旅する夢を語りしが君亡き今は夢のまた夢
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文字も無く駅そば写真のライン来る立山かまぼこに思ふ旅先
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エアコンを切らば朝まで虫の声こうして秋は日々近づきぬ
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愚痴一つこぼす夕暮れ茜空ひぐらしの声みちてくるなり
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何を美と するかは人に よるとして。 私は酢豚にパインを許さぬ
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いくつもの花びら風に舞ってゆく夏の化身の百日紅ひゃくじつこう
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「女だし 告白なんて しないわよ」 あぐらかいてちゃ 先を越される
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かなしいな 短歌づくりに気をとられ お肌の手入れちょっとおこたる
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亡き夫の好みしおはぎ供えんと朝から小豆コトコトと煮る
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随分と 薄れた空の 青色と 薄れた君の 声や面影 
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えいやっと私の中の風呂キャンを背負い投げした午前3時
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馬鹿みたい われを縛るは われ自身 力を抜いて 勇気を出して
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雨続き秋は静かに深まりぬハロウィンを待つかぼちゃのランタン
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