結晶を 君が灯さむ彼の町へ ダッフルコートの肩に降り積ませ
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水曜の美術館前 横顔よ 佇む君の頬にひとひら
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爆発だお菓子を一分焼きすぎて煙がでたよ火事になるかも
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大根と 鶏を煮ている 午後3時 夕飯までの 時が仕上げる
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チョコ色のブルが散歩でおでこにはクリームみたいな雪をのっけて
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撫子の湯にぞゆるりと浸かるれば 疲れ溶けてく 明日も頑張ろ
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かつて来し 森の温室 夜は冷えて 君の名付けし 星灯草せいびそう 咲く
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振り返る 君はもういない 帰り道 夜影に灯る あの夏灯籠
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俯きて歩めば光る霜の星 朝日に染まり土に瞬く
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テーマパーク 「つまんないね」と 言う君の 満足そうな 顔を見る帰路
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雪国に嫁ぎし友の四十年春待つ便りに思いはせおり
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ひょっとしてよく間違えるAIは馬鹿のふりして様子を見てる?
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乗り過ごす眠りをさそふ温度よな 電車のシートはまんじゅうふかし
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なるようになるしかならぬ選挙だがどうかこのうえ悪くしないで
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ディズニーの鳩はいくらか肥えていてたぶん僕より豊かな暮らし
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昼休み 売店で買うお菓子食べ 皆とおしゃべり やわらかな時間とき
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パンジーの上に積もった雪をはらう花の黄色に元気をもらう
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雲厚き睦月の空に寒雀飛び立ちゆけり薄き陽の中
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伝書バト荷も重くなる寒きふみふるさと目指し低空飛行
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数人で 会話するとき 全員に 等しく目合わす そんな人、好き
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独り身に還れば義理が通らない重責を負うバレンタインチョコ
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きっと君は女を使い捨てしないでもそのノックに応えられない
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寒波来て 老いの身凍ゆ大寒の 震えて待つは小春日の空 
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感覚も失せる程 凍へし両手かざす ストーブの匂ひ 昔日
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濯ぎてむ 雪に埋もる言霊を 夜明け前こそ君に捧げむ
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5分間フロム鉄道停車あゝショーズの滝にフルドラ踊り
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ひと月ぶりようやく会える単身赴任 会えるときより優しく想う
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デコられたシール手帳を並べだす子ども食堂に集まりし子ら
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芝の上セラピー犬を抱く母 末期まつごの時を薫風はつつみ
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この俺の帽子姿がオシャレだと 帽子を脱ぐと何と言うやら
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