ぼた雪に降られこぶしの花はらりぼんやり見てる卒業の朝
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迷ったら必ずだめな道をゆくそんな私を助けてGPS
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春風に乗って漂う風船よどこへ行くのかどこまでも行け
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菩提寺の桜今年も咲き初むる巡る季節と流るる時と
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天井を眺めて嘘を数えてる 羽もないので仰向けで寝る
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薄紅の花びら乗せてくんくんと友の来た道われの行く道
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本当に美しい日はおそらくは忘れてしまう程穏やかで
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春なのに木炭みたいなかたまりが心の奥に鎮座している
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「3番線快速列車がまいります。」季節を運ぶ桃色のかぜ
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咲ききればられる定め古桜ふるざくら何も言わずにただ咲き誇り
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桜木の並木に降るる花吹雪古い団地を淡く抱いて
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思い出と本が詰まった木の箱に別れの札は愛の言葉か
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永き日を共に過ごした本棚に廃棄の文字は弔いのよう
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非常ベル押してしまいたい衝動を抑えて今日も大人でいるよ
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白々と明ける空には鳥の声まだ来ないでよわたしの夜明け
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昼食にピザを一緒に食べるだけそれもイベント父子の土曜
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いつの間に我が子が我をトントンと寝かしつけてるうたた寝の午後
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コンビニのおでんみたいに君のことじわじわ好きが染み込んでいく
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怪獣と呼ばれていても苦手なの虫とか高いとことか孤独とか
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違いこそ個性と言える世界なら争うよりも分かち合いたい
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離れても桜見る心は穏やかで 終わりじゃないとわかっているから
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辛いなら私があなたを抱きしめたい ご要望あればいつだって
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口笛が鳴らない父の咳払い秋風に似て少しさみしい
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ひかりさえ届かぬ場所へ落ちてゆく満たされぬまま死はゆるやかに
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まっすぐに倒れるドミノ見ていると生きるってきっと短い連鎖
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嘘ひとつ見抜けないまま笑ってるまっすぐな瞳が痛い午後です
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フォーク持つあなたの指の白魚の記憶たどれば遠い夏の日
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出会いはきっと偶然 別れさえ必然だった、そう願いたい
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丸いもの苦手なきみが切るトマト曲線はもう別の惑星
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彩りも鮮やかな嘘も隠したいドレッシングの底に沈めよ
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