陽を浴びて遊歩道行かば蝶多し夏には夏の花数多咲く
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真っ直ぐに行かば正解知りつつも右に行きたき たまにそんな日
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つややかな佐藤錦をいただいて夏の風吹く君のみ前に
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店先に焼き鯖並ぶ半夏生我が家は生姜たっぷりにして
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足早に人の行き交ふ地下街に世代巡るを今更に知る
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路地脇の緑葉の中青柿が顔のぞかせて夏の陽を浴び
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洗濯物干して何気に目をやれば雑な性格ぶら下がりをり
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この星の裏では餓へる人をりて平和の国は大喰い競ふ
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誕生日、クラスラインで知らせても 唯一来ないあなたの祝福
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降りてくる 浴衣姿に 目を伏せて ズボンで登る 駅の階段
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君が居ぬ 夏祭りなど 意味もなく 花火の音が 心底を突く
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相談を 仕掛けておいて この態度 そういうトコに 原因はある
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「可哀想」 なんていうのは 勝ち組の 慰みものだと 捻くれてみる
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君の身に絶えず降れよ幸せが流星群のように静かに
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早朝は哀しさ含み カーテンに包まれ濾され壁に染み入る
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わたくしの心の苦さに古本の甘いミルクがとけてカフェオレ
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課題終え 突っ伏し肌をひっつける 机がひやくて 気持ち良いのだ
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つくつくぼうし影法師 風鈴、風鈴! おれのために鳴ってくれ
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あらかじめ 己の自尊心プライド 捨てとけば 何をされても 傷つかなかった
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てくてくと 歩くカラスの 一匹に ちいさな影が ついて来ている
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憂鬱が 肺の底から 押し寄せる。 苦しくなって ため息を吐く。
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自転車を 漕ぎつつひっそり 息を止む 右前方に ごみ収集車
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尊いなぁ… こんなに小さな 生命が 手のひらの上 呼吸している
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あす病院タクシーで行けと言う母は私が使えぬチケットがある
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心療内科の扉抜けて風を追う 秋溢るる木々に陽溶け
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嬉し朝 猛暑に耐えたか ようやくに ツンと顔出し彼岸花咲く
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秋の夜に明かり灯せし並木道 どこまでゆくか銀河鉄道
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小遣いをちょっぴりもらう程度なら母に手伝う事はしない
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晴天だ晴れたら出来ると待ちながらいざとなったらほとんど出来ない
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痛くない傷に限って誰からも見つかりやすい場所についてる
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