お返しがマシュマロだったとしても愛 すでにむつみあう仲であるため
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なごり雪 あと数分で 消えるだろう 見えない姿 信じてほしい
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雲切れて 空青くなる 月曜に 彼岸此岸の 境を思ふ
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天空から 呼びとめられて ハッとする 陽をね渡る 四羽の白鳥 / 一番乗り着ました
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異国での 暮らし始まる 友からの 言語の壁の 高さの嘆き
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悠久の 時を経てなお 伝はるる 他人ひと思いやる 立体曼荼羅
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息子きみ作る オニオンリング ハフハフと 揚げたて隣で 立ち食いをする
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待ち侘びて花壇に植えし花々は寒の戻りに首を垂れて
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穏やかな 日曜の朝 出勤し 鶯の声 吾を励ます
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最後の一巻きだけ綺麗に巻いた たまご焼きみたいに生きている
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美ら海と 優しい島人しまんちゅ 支えられ ナンクルナイサと 教えらし日
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青い海 悲しいほどに 青い空 時流れても 鎮魂の歌
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「好きになったのに理由なんてなかった」ってことは、嫌いになるのにも理由なんて?
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さらさらと 木々のささやく 音がして 思い出詰まる 弥生過ぎゆく
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妻の目に 涙あふれて 「優しいね…」 互いに涙 介護の思い出
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静寂な 田舎の夜は 淋しくて 雨東風あまこちと 秒針の音
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本棚を 整理してみた それだけで 風の通りも 変わる春の日
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師の遺す「歌削るとう苦悩」とは今に知る傲慢なりし四月
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三日前 ガムを盗んだ少年がボールを見逃し一塁にいる
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咲き残る桜の愛し花見かな あと幾たびぞ上弦の月
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あらかたの根雪も消えて麦畑、牧草畑の緑まばゆき
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トランプの国の豚肉三割安買いたくないがついつい手にし
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若い母の 苦労をこめた 英和辞典 慈しむように 表紙を捲る
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北目指す白鳥の旅いく日ぞロシアの空も自由に越すか
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散り際の色濃き花弁さくら降る先に 春を継がんとムスカリの青
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行き戻る三十一文字みそひともじはブランコにさくら吹雪に犬は鳩追う
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色のない景色の向こうに繰り出せば花々の色やたら眩しく
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泣くそらが 淋しきかなで 耳残る 満月隠す 寂寞せきばくの夜
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V字型インパルスの先頭に飛ぶ白鳥になる夢の空見る \ プー子様の歌からUgly Ducklingの夢
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喉元にチャックが噛んで春雷に蛍光色の虜囚となった
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