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他人が思い通りに動かぬと牙を剥ける奴になど負けぬ
3
哥らしき 哥は詠めども よき哥ぞ 年経(ふ)るなべに 詠みかたきかも
3
目の前は身ぶり手ぶりのエンドレス私は死んだ人と対話す
3
ざわざわと四月の雨の冷たきに
鼬
(
いたち
)
轢かれし道にそぼ降る
3
日がなぱたぱたぱた水の落ちる音いつかひとつの大曲となる
4
集団的自衛権の発露とし不登校児にいちりんの菊
4
おきざりの夏蝶ばかりわれをおき帷子色の屍ひしめかせたり
5
水の井の上澄みにしか掬はれず兵隊となつてゐる蟻一列
6
つまらないおとなになったあの時のかえらぬ傷が疼くのだった
7
マヨコーンピザのコーンが転がってどこかへ消えた金曜の夜
9
やかましい小さな点の集まりの ひとつだ僕もプラネタリウム
11
音楽になりたい 何もしなくても美しいまま存在できる
12
永遠にしたい一瞬なんかない お湯が冷めてく湯船に浸かって
5
引き出しをひっくり返し散らかしたガラクタ一つ一つ捨ててく
8
枯れていく花と目が合う 今週は一緒に年をとっていたんだ
15
ブランコが高く上がれば上がるほど 美しくなる 重力の虹
39
キャトルミューテーションを指示せし宇宙船内に呻きて置かるトランプの脳
4
女子会で 今の子みんな美形だと 昭和の普通が口々に言ふ
30
北海道に新婚旅行夢見てた妻とハワイも今は難病
7
ゆるるりと昭和漂う喫茶店 同じ匂いの友と語らふ
21
幼き日
姉弟
(
こども
)
が登った桜の木 伐採前に最後の開花
14
春待ちの列車に揺られ僕たちは 良い日、悪い日、行ったり来たり
64
夏木立 陰のみどりは 黒ぐろと 海を思わす 深い深い海
24
浄土にも セミの
時雨
(
しぐれ
)
は あるかしら つんざくような エンドレスコール
30
恐竜の 絶滅みたい セミの声
花野
(
はなの
)
に息吹く
虫たちを聴く
31
アジサイが まだ青々と 咲いている チクチクするよな 酸性の土
32
無花果
(
いちじく
)
のほのかに甘い風香る 無花果の木の小さな木陰
39
血の海に 子を落としたる
縁
(
えん
)
ありか サンゴ草咲く 海原に立ち
31
魂の 傷がその人
誑
(
たらし
)
めて そこはかとなく 悲の彼岸花
47
愛用の お花鋏も 四十年 いちども研がず チカラワザで切る
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