登りきれば そこが楽園 かといえば わからぬままに 必死に登る
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蝋燭の 灯りをそっと 包むよに 心の灯りを 灯しませんか
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はみ出さず真っすぐ踏めた足跡を集めて僕を作りたいのに
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蔓延はびこった 草と格闘 そののちに クワガタ顔だす 月夜の露天
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慣れぬ手で ズボン繕う 雨の午後 空も心も 潤む梅雨入り
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「ごめんな」と言われても、もう 何度もなん度もなんども何度も
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フル・ムーン 「もう赦して」と 願っても 御仕置つづく 変われぬ私
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君のいた夏があるから君のいない夏がうまれてここにあるのだ
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幼児おさなごを膝に抱えて二人して歯磨きしてる今日は父の日
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七月に 天変地異が 起こるらし ファールで粘る 給付は弐萬 / そして生活はつづく
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カッポカッポ お馬の様に歩いたね もうもう動かぬ愛犬キミのその脚
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学校も 試験もなんにも ない生活 もうおばけなのか ただ汗はでて / おい!鬼太郎!!
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ごめんねもありがとうもまだ言いきれず かすり傷以外負いたくないの
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かのひとにやさしきひびもあったろうそうおもうこともゆるされぬのか
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風邪ってさあ、こんなにしょっちゅうひくもんか?月の終わりに上がる熱
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人生はタイムカプセル 後悔は忘れた頃にまた目を覚ます
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咳鼻水咳鼻水咳痰 早く治っていただけませんか?
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いらいらを沈めていつもの顔作る君がポテチを食い荒らす間に
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石鹸のあわ黒くなりし小さきて井戸より出づるスイカの赤さよ
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如月のあの日の会話 ひとくちもらったアイス 外は寒かった
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母の手のぬくみの残る古き棚かはらぬ場所に我が箸のある
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思い出の彼はとてもやさしくて あれがいいの、今の君じゃなく
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大輪の芙蓉ふようが開花 真っ青な空にあいさつ ああ夏本番
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降りてくる 浴衣姿に 目を伏せて ズボンで登る 駅の階段
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ふりはらう 女の髪の 仰ぐ香に 吹かれて私 脇役と知る
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いつの間に 頼もしい父 年取って こんなに白髪 多かったっけ、
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美しい 語彙の源泉 かき混ぜて 生まれ流るる 無数の泡沫うたかた
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目が覚めりゃ そむけたくなる 日々ばかり 押し寄せてきて 今日も二度寝し
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相談を 仕掛けておいて この態度 そういうトコに 原因はある
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「確かに」を使いすぎたらそのうちにカニになるって ジャンケン弱そ
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