歌のよう 暮らしていこう たおやかに 息するように 詠んでいこう
20
青春と呼ぶには少し曖昧で 完成しない初夏の放課後
33
デニッシュの 画像を見せる 君の手に バンドエイドを ようやく見つけ
18
おみおくり棺の中に居る人の声がいつかは思いだせなく
9
テーブルの ミニヒマワリが こちら向き お疲れ様と 微笑みくれる
26
友からの 暑中見舞いの 便りあり 向日葵の絵に 心ほころぶ
29
コンクリの割れ目に根付く百日紅刈らずにおけば赤き花咲く
35
「大丈夫あなた茶髪が似合うから」 まだそうなのか教えてほしい
11
寝る前にキスをしましょう ひとりよりふたりのほうが生きていけます
12
スニーカー オキシクリーン につけ置きしてる サンダル履きの 日曜の朝
19
どんな国どんな時代になろうとも心で刻め短歌のリズム
16
客先の 庭にひっそり 植えられた 檸檬を見つめ ソーダを一口
24
ほうろくの 傍らにおもちゃ 添えながら 松明灯す 父母のあはれよ
19
紫にきらめく茄子は焼き茄子に ふっくらトロリ生姜を乗せて
29
娘らの 盆の予定が LINEに入り 赤丸つける 次月の暦
23
明け方の雨の雫を葉に残し薄陽の中に蓮匂い立つ
24
この頃の 思い出話 の起点は コロナの前か コロナの後か
17
なつかしくやさしい味と知らなんだ某スーパーの塩あめを初
22
改札に 吸い込まれてく 君の背は 僕の知らない 東京のひと
21
夕焼け空 精霊とんぼの群れ遊び 亡き母重ね お帰りと云う
22
この先に 高速インター ありつつも 乗るには歳を かさね過ぎたか
17
夏の日に ストローにつく 口紅のあと 蒸発していく 永遠の時間
16
水たまりに 映るふたりの 頼りない 白スニいまは もう捨てたかな
15
暑さゆえ思考回路は切断し寂しき人は水を摂るのみ
13
プラゴミを分別しては人間の一人の力も積もれと念ずる
22
掃除機のコードが一気に巻かないなら 身を投げてしまいそうな夜だ
8
「可哀想」 なんていうのは 勝ち組の 慰みものだと 捻くれてみる
11
あまりにも 生産性の ない今日の 私におやつは おこがましいな
9
姑と暮らし覚えた方言は嫁の私の財産となり
16
自分から 誘ってみるの 夏祭り 意思と帯紐 固く結んで
11