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童
(
わらは
)
より ともに遊びし ふたりなれど ゆゆしき
戦
(
いくさ
)
仲を裂きぬる
2
綿毛の塔に風やわらかく吹き込んで崩れ去るにはまだ早いから
7
芥子の花ひとすじ伸びて吹きわたる風つよければ折れそうなほど
14
揚羽蝶の翅おだやかに振動し何かが始まろうとしている
13
しじみ蝶は絡みあい離れあいながら草々のさきにふれてはなれて
11
とことこと身体の軸をみださずに扉のしたへきえてゆく ねこ
24
しらじらと咲く百合の茎縫いとめて小さな蜘蛛が巣を張っている
20
アメンボは水の流れにさからって泳いでは同じ場所にもどって
22
池の面に蓮の花びらとどまって静かに夏が終わろうとする
22
努力ができないなら死になさいよと 全世界の美人に言われる
5
吐き気がするのよあんたの顔見ると さっさとわたしを殺してちょうだい
1
お金を払って初めて許される わたしがここにいてもいいということ
4
人生が200個あっても足りない!と 君が飛び散るビル12階
4
夏が死に秋を殺して冬と死ぬ 春もそぞろにまた夏を待つ
1
何者でもないわたしを生きること 焦燥・加齢、解放となり
2
鶏肉と半端野菜を鍋にくべ待つ「この恋が実りますよう煮」
8
幸せという字は手枷の形から出来た
飼
(
か
)
育
われてみたい夜がある
9
感情は言葉にして吐き出さないと 勝手に出口を見つけてしまう
16
地獄だと自覚があるだけ褒めてよ。生きてるだけで大惨事でしょ。
5
じゃんけんが好きな君のその指と私の小指は繋がりますか。
2
ソンナコトナイヨ を多めに持参して 思春期の父のご機嫌直し
16
無くなれば 満たしてくれた おやつ缶 空っぽにして まだかな と待つ
24
モコモコのスウェットに袖通したら 秒で治せるタイプの鬱病
10
父母
(
ちちはは
)
とむかし泳いだ海街で 獲れた蜜柑を我が子に与う
34
おたよりが通じることのありがたさ 心の便秘 しませんように
19
帰り道、雪に埋もれた路地裏は 何処とも知れぬ 白いまぼろし
40
そこにある 風じゃない声 耳澄ます 人差し指で評する前に
20
亡くなりし犬のにほひの残る家 庭の
白梅
(
シラウメ
)
今年も咲いて
53
君のそのふざける癖をやめないと薬指ごと噛み千切るから。
5
こんなにも貴方の色に染められた。傷んで価値が消えた髪の毛。
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