黙るなよタージマハルは綺麗だろ 芸術などと呼ぶなよ石を
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新しい 歳の始まり ここいらで 打ち止めたいな 祝福だけで
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とくに好きというわけでもない色にやたらと縁があって(それだけ)
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梅雨晴れ間猛暑警報親切に草の勢いまってはくれぬ
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蛍光のベストで子らを護る人 頭さがるホタルブクロと
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夏だからおばけのふりをすることでぎゅっと抱いてもあつすぎないの
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ココの写メスマホの壁紙亡き日より いつでも一緒どこへでも行ける
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降り注ぐ怒号にひとり茫然と我ではないとわかっていても
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現在が一番若いと言うけれど若いと元気はイコールではない
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ひとりの時間 何してるの? タダの質問だった お誘いじゃないのか 
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夢食べるバクのお腹の中にはね 私の好きなキミでいっぱい
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在りし日の菜園日誌開き見て夫と汗した畑思いいず
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野菜にも個々に可憐な花が咲く夫の口ぐせ花より団子
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日射し浴び土を耕し野菜愛で笑顔振りまく君はまぼろし
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バスの旅友の居眠り横顔に我のみぞ知る試練があり
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星たちも労うだろう 夏至の陽が大空高く長く在ること
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一日の わざなしおえた 港湾に 海を見つめる 茜のキリン
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クーラーで 身体の表 冷やしたら 中まで冷えて 副作用あり
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飯作る心構えはカロリーの母さん高く俺は低くと
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めんつゆに金箔めきて生姜舞う すする素麵 ひと手間の妙
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「久しぶり」妻の遺骨に 話し掛け 父の遺骨を 隣に納め /父の納骨終了🙏
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「幸せのハードル低い」と夫笑う さき事でも嬉しがる吾を
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詠み人とバンドマンとはつきあうな きみのこともまた歌になるから
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あのひとに 読まれたくない 聞かせたい 寄るべなき夜を 歌に映して
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いつかすべて手放すのに欲張ってしがみつくから念で霞む空
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一束の愛を飾って眺めてる 揺蕩うだけの浮草のわたしが
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やはりアレ持たなきゃだめと確信を深くしている王様がいる
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目の前に降りた柿の葉隙間には雨と電線佇む鳥と
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他のものと一緒に出して置いたのになお探してる冷蔵庫なか
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雨のない 水無月となり 憂いたる 水の足りない 夏にならんや
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