イヤホンで占領された子の耳に「行ってらっしゃい」は届かなくて
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青田風白鷺一羽田舎みち久し実家をひとり帰らん
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実家にて記者会見同様な質問攻めに毎度辟易
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5歳児のひとりでできる勇ましさやっぱりふいておしり拭いてよ
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飲み込めず噛むるチャーシュー父の喉詰まり涙目あわや訃報に
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グランドのプロの躍動讃えつつ好きこそものの上手なれとは
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あれほどに没頭したりプロ野球 なぜ俯瞰観すいつのころから
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栄光の軍団選手に純粋な声援そして突き上げる腕
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「久しぶり」妻の遺骨に 話し掛け 父の遺骨を 隣に納め /父の納骨終了🙏
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息子には 彩り弁当 作る朝 我の弁当 茹でた素麺
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雨粒が 線に変わりて 我 叩く 振り向く先に 白衣観音
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思春期のおでこをそっと撫でる夜 バレたらやばいがやめられぬ母
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プラレール 街を組み上げ都市開発 5歳が発す「たこ焼き食べる」
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住み慣れた 家の階段 踏み外す 初めて落ちた…老いの始まり😒
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足袋履いて 機械担いで 急斜面 今年は手を突く…老いの始まり😓
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おむかえはおとうさんきて 5歳児の握る手弱しこの病み上がり
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家を決め 分かれし道を 進みゆく かの人も今 何をか思ふ
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庭先に 迷子の蛍 舞ふ夜更け 逢ひに来たかと 亡き妻思ふ
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片足を夏に突っ込むアディダスの鞄の底に海の白砂
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三日月夜。 月牙鏟げつがさんの 使い手は 沙悟浄だった 成仏のための
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旅路にて 荷を預けたら 身軽なり 引き受けてくれた かたに謝恩の
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我が風邪が伝染った母を案じつつおやつ買ってとせがむ5歳児
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台風が ふたつも来そうな その時に 飛行機に乗る わが身を思ふ
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「かわいい!」と 通り過ぎてく犬を愛でる君が一番かわいいと思う
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暑くても眠くても 君に会うために 早寝早起き 手洗いうがい
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お互いに大きな隠しごとがある お互い気づいているかもしれない
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バイバイをして 乗る帰りの急行で もっといい言葉を思いつく
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夕立後 田舎の景色 水墨画 雲間に出る 上弦の月
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一条の 蚊遣火かやりび 星に みえますか 天の川瀬で ひとり待つきみ / もうすぐ七夕
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三角の クチバシ踊る 軒下に 舞ふ親鳥が はぐくむ命
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