人間の嫌なところをこうぎゅっと凝縮したよな女だあんた
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日常を 普通と思ふ 幸せが 戻らぬ事に 気付く年の瀬
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目覚めればまだ付いている取れてない抜けないたまり場脳疲労宴
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絵手紙を描いて再会不倫にはしたくないから愛して欲しい
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来る日々をせわし暇だと呟きて矢の飛ぶ速さで春夏秋冬ひととせは過ぐ
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土をわり芽吹く緑のえんどうの産声聞こゆ木枯しの笛
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好きだから時間をかけてやわらかくふっくらくらと黒豆を煮る
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吾の雑煮 息子美味いと 好評価 妻の遺影に 笑顔で供へ
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子の帰省に ついて意見が 対立し 言葉通じず  異星人に見えた
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さみしさと 煩わしさを 比べたら 前者がマシと ひとりごと言う
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図書館で多めに借りていた本をようやく読める一月五日
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冬ざれの色無き山のふところに黄色に灯る八朔たわわに
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ひび割れた 吾の手のひらの ぬくもりで いやせるものが 有るのだろうか?
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挨拶もせずにふらりとやって来て母の好物プリンがふたつ
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昭和ドラマ 演者のその後の 人生を ひとりひとり 検索してみる
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雪の中直会なおらえの菓子配り行き祓いの神事一つが終わる
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少しずつ 距離を置こうと してた事 わかっていたよ 今元気かな
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初雪が名残りの柿を白く染めめぐりそこねた季節を隠す
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カ―テンを開けても外はまだ暗く月と星との時間の最中さなか
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そういえば授乳の頃も思ってた せめて一晩ぐっすり寝させて
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父母ちちははと弟たちと住んだ家ドアを開ければみんないるよで…
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親なんて自分を棚に上げないとできないものとつくづく思う
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次々とコロナインフル花粉症マスクの下で皺を重ねる
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休憩も 取れず働き 疲れ果て 大寒の風 更に冷たく
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眠れない眠れないから何かして上手く行かずに追加の眠剤
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早朝の三時にやっと眠くなるホットワインの催眠術師
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渡り鳥 国境越えて 羽ばたきて 世界平和を 託してみたし
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大根と 鶏を煮ている 午後3時 夕飯までの 時が仕上げる
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ホットミルクに似た声の人だった まろやかに溺れてくみたいな
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将来を見て酸いも甘いも言えぬから「自分らしさ」と呟いている
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