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街頭の ない畦道で 吾子と聴く 虫の
音
(
ね
)
知らす 秋はもうすぐ
16
洗礼名ヨハン・シュトラウス ドナウは昏く靑きゆゑにうつくし
9
万国旗 ゆめのやうなる朝の空へ人は手をさしのべてをりぬ へ
5
われわれは優生学の黄昏に未來過去へのプルトンの鐘を負ふ
6
苔の生すへ、軍は果てて死ににけり。夏虫の絶ゑしかそけさ
5
川底にキラリと光った小魚は流れに逆らい上へ上へと
18
夏という季節が決壊した様な豪雨が僕を叩き続ける
40
叶うなら かもめに伝言 託したし 私は元気と ただ一言を
18
急ぎ旅なれどコスモス風に揺れ吾を迎える ふるさとは秋
35
日替りの社食のデカい唐揚げが嬉しい三十二歳児の秋
12
ものづくり琴線ふれる作品は平明にして気をてらわない
16
山肌
(
やまはだ
)
に 落葉
布団
(
ぶとん
)
を 掛けし木々 裸になりて
雪衣
(
ゆきごろも
)
待つ
37
帰り道
妙義
(
みょうぎ
)
の山が
朱
(
しゅ
)
に映える 綺麗な夕焼
朱鷺
(
とき
)
色の空
38
車窓より見ゆる景色は夢模様 映る我が身はうつつに立てり
17
冬どりのタマネギ甘み格別のように英明さあ食べてみて
10
今日という特別な日よ吾子からの人生最初の〝おかえり〟の日よ
39
きび糖の熱い珈琲牛乳の甘さは記憶いつかの冬の
44
三日月は はるか彼方を みつめたまま 振り向きもせず 慕う
夕星
(
ゆうづつ
)
33
冬風と戯れるよに舞う
鳶
(
とんび
)
空は遥かに広くて青い
40
頷くよう しずりの雪が 落ちるとき 始まる予感 気流のうねり
31
キッチンの小さな明かりで啜る時カップヌードル本領を出す
35
粗大ゴミ置き場置かれた姿見に映る私に見覚えは無く
52
また明日遊ぼうねって今日の日の終わりを惜しみ吾子とつなぐ手
39
いつの日か
鳶
(
とび
)
にとられたコロッケよ二人笑って見上げた空よ
35
「愛してる」言わなくなっていい仲にあと50年古希の初恋
10
泣きそうな 親子に逢ったら 今度こそ 声をかけたい アメと折り紙
47
「うごいたね!」一歳にっこりママを見る キミももうすぐ兄ちゃんになる
38
親という 一番近い歴史見て 繰り返さぬと誓ったんだが
43
なすすべも ないと思える夜にこそ ハチドリ習い 一滴の歌
37
公開は積極的にされてない逃げているのか嘘つきなのか
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