大根の 鋭利な旨味 一筋ひとすじに  集めてからし かいわれ大根 
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やっぱりね住めば都だ 片付けを終えて眺める新しい土地
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最期まで ごはんを炊いて 味噌汁を つくって食べる 老いさらばえても / 立春の朝
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ハクモクレン 寒さの先に 春を待つ つぼみ美し 花はまだ先
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デイケアに見知らぬ人の集い来て会話弾みぬ学びの場かな
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玄関に立てば「おかえり」亡母の声 幾年経れど忘れえぬ声
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母さんが千の風になってたら怒るだろうか鍋を磨けと
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生きること 喜びあえる山めざす 道の左右に 駒草咲いて
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小雪舞う 老いの一票投じ来る 願いは一つ平和な暮らし
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瞬間にサイズアウトとなってゆくされど愛しき小さき服等ふくら
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咲き初めのしだれ梅にもぼたん雪つかの間だけの白き世界よ
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桃いろのプリマのごとき梅の木の燃える想いを冷やし雪ふる
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冷ゆる朝「つららや」の声 外見れば 春待つ枝に白雪の花
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うまいこと言えても 生きるの上手くなく 歌で息つぎして また明日へ
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北向きの 玄関先に立つ梅の 固き蕾は これからひらく
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一年の辛苦に耐えし老い梅の蕾つけしがヒヨドリの
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終日を静かな雪を窓に見て春はどこまで来てるだろうか
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ユーミンの歌詞が優しく飛んでゆく冬と春との間の空に
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婚前に 君にもらった ミントチョコ 潤むまなこで 遺影に供へ
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夫逝きて三年みとせ目の春紅梅の咲きて嬉しや命の満ちる
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「お先に」とまばたきを一つ交わすとき雪の狭路は白くふくらむ
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先輩の時間割を見て絶望し 退部届が目の端に映る
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処方箋まだ書けないよ私にはもっと訊かせてなにがつらいか
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黄泉ばかり見ている人の袖をひくこの身をもちて碇となさん
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隠し財布より 出る遺品の メモ書きは 父に渡した 我の番号
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放課後も解けぬ問題 青ペンは数式よりも君の名なぞる
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涙鳥るいちょうの天に舞い立つりくりゅうの光に酔いし明けの金星きんせい/コルティナ五輪
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寒風を漕いで夜行く受験路に十五の春の蕾膨らむ
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笑み浮かべ 逝きしあなたの 面影を 独りたどるは 梅花の旅路
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Pが 振り子のように 揺れるから 猫ミームばりに じゃれつくだけだ
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