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犬だけに吠えるという
犬
(
こ
)
に吠えられて「私は人間 犬の匂いする?」
19
老犬はおやつもパスして寝てばかり 心配よそに夢心地かな
18
捌かれて子宮の轢かるうすむらさきの牝馬の亡骸へと車輪
6
「かあさん、あなたの落とした真っ赤な櫛が、青い鳥を梳ってはやまないのです。」
8
「僕は自分の死が見たい!僕は迷子になったのかな、御嬢さん、ねえ御嬢さん。」
5
「死体拘置所、死体刑務所、死体死刑室、死の衛生博覧会はこちらへ☞」
5
牛乳販売業の青年嗣ひとり開拓地へシャープペンシルの替芯吊る 飼育
6
コンビニエンスストアへ三十六個のクピドの刎首の罐詰の茹豆
7
星ならば 見えて届かぬ あたりまえ 君との間
30
光年
24
30
年前の君から 今届く 宇宙の中ではすぐ そこに居る
25
お祭りと虐殺 同時にこの星で 人類はまだ スイカ食べてる
27
親と子が 孫とひ孫の顔になり ひいじいちゃんの思い出話
33
望月なんて望まんさ
(
せんづき
)
繊月の 欠けたることを
(
いと
)
愛しおもへば
9
本日で「子」を卒業する 火葬場の床に寝転び泣きじゃくりたい
46
「去ったか」と思わせといて夏は居るホラー映画のお化けみたいに
12
外国語 学び初めて知る 母語の 身近にあふれる月とお日さま
28
夜のびて 雨雲 空を隠すとも 月日はいつも この世 照らして
26
疱疹
(
ほうしん
)
は赤く
脹
(
ふく
)
れて我に告ぐ「このお
身体
(
からだ
)
はお疲れですよ」
57
とぐろ巻く 気持ちがとびだしそうになり 父と離れる時間を買った
31
吾子からの人生最初の「ごめんね」は、「(ママの牛肉食べて)ごめんね」
43
水たまりぴしゃぴしゃ弾むステップで吾が子は踊る時を忘れて
38
水たまり遊び帰って吾が子ふと「
あめ
(
雨
)
いたねー」とつぶやき笑う
36
葬列も散り散りとなり午後三時金木犀の香りの西日
63
月という隣人がおりその人はそっけないけど美しい人
39
この気持ち喜怒哀楽のどれなのか分からないまま涙は流れ
39
解体の音もさみしき秋の雨誰かが住んだ家が無くなる
54
多じゃなくて個になりたくてもがいてた 白い校舎に捨てた青春
20
ブレーキをかけてしまった感情にもういいよってねぎらう夜更け
19
見た目より中身が大事と言う口で綺麗なパンを選んで食らう
21
ホラー映画見て寝られなくなっている自分 なんだか愛おしいよな
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