親の前 泣けない子供 たちはどこで 泣いてるんだろう 声がきこえて
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一晩中 雪の明かりに 照らされて 白夜なのかと 見紛みまごうほどの
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蕎麦買いに 蕎麦だけ買うの 忘れきて おおむね詰めの 甘い一年 / 反省
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床の間の無い我が家のテーブルでちょっと場違い迎春の花
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吾の雑煮 息子美味いと 好評価 妻の遺影に 笑顔で供へ
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蜂蜜を紅茶に垂らす一年が穏やかなれと出初めの朝に
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冬ざれの色無き山のふところに黄色に灯る八朔たわわに
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空蝉や枯れ葉に乗りて舞いきたか睦月の山の白き雪の/低山歩きの孫のライン画像
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この上なく 遠いお空に 下弦の月 むせび泣くよう 寒夜かんやに揺れて
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七福神めぐりて引いたおみくじの短歌を胸に今年も一年/大吉
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君の来ぬ カフェで飲むホット チョコレート 帰れぬうちに 雪は吹雪ぬ
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空洞のある老木なれどポツポツと白梅咲けりぬくき日差しに
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見上げれば紅梅咲いてこの空のどこかにきっと精霊はいて
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星屑の 銀のきざはし 昇りゆき スノウフレイクの 銀河で踊らむ
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「今や癌は二人に一人」その一人自分だなんて思いもせずに
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習い事ともに学びし青年の病いに伏せつつ心痛しんつうきわむ
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嫁してより五十二年を生きし町新たなる地に雪は積もらぬ
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肌と肌触れ合うことの滑らかな心地の中で夜溶けてゆく
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野苺の 野で初めて 君に会いし朝 良きことで今日が 埋まる気がして
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この国の先にも平和ありますか任せていいのあの人たちに
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渡り鳥 国境越えて 羽ばたきて 世界平和を 託してみたし
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「お先に」と誕生日過ぐを報せくる友よ間もなく吾も追いかける
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寒太郎(北風小僧の) 山を泣かせて 逃げてゆき 静かな夜宙よぞら 上弦の月
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ラブソングみたいな空だ冬風に星瞬いて輝く空は
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天上の空を陣取る黒雲を店主と見上ぐ公園マルシェ
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ホットミルクに似た声の人だった まろやかに溺れてくみたいな
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仕事終え 空見上げれば まるい月 残業だけど 月が明るい
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大根の 鋭利な旨味 一筋ひとすじに  集めてからし かいわれ大根 
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やっぱりね住めば都だ 片付けを終えて眺める新しい土地
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最期まで ごはんを炊いて 味噌汁を つくって食べる 老いさらばえても / 立春の朝
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