君と僕。ホウレン草のおひたしがこれほどうまい幸せにいる
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上野から東京までが遠すぎて ヘッドホンはもうカバンにしまった
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いちじくの葉のちりゆきてひとつあり うれぬみのまま何思う秋
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新米のとぎ汁 植木鉢に撒く いただきますの似合う夕方
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庭のすみやさしい光の浮き上がる黄色く笑むはつわぶきの花
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木枯らしの吹きすさぶのにいのち生むスナップえんどう土わりだす芽
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ここに今 わたしがいると知っている わたしのために篝火かがりびを焚く
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御機嫌と不機嫌半分同居させご機嫌うかがう朝のルーティン
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死んだ後差し歯は焼けずに残るかと九十七歳きゅうじゅうななの母おどけたり
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幼子が小声で歌う鼻歌を 聞いてまたたく冬の星々
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言葉では つい言い過ぎてしまうから  秋色の葉を 貼ってポストへ
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父母ちちははとむかし泳いだ海街で 獲れた蜜柑を我が子に与う
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ため息は深呼吸になるんだよ細く長くね負けたらあかん
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マウントを取って取られて生きてきた ささくれ剥いた痛みの後悔
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老犬と孫は同じパンパース歩けない子と歩き出す子と
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棘のある罪は金平糖に似て 丸い甘さが口に広がる
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大好きな あの人を想い 業務過多 心の支え 春風のよう
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老犬のお尻吊り上げ散歩するリハビリ毎日 私は筋トレ
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そう言われるとわからなくなってくる 川の向こうに独りのカラス
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救われたかっただけ金魚 ポイが破けて掬われなかった金魚
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初恋はそうと思えば初恋で今日の夢では空を飛んでた
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手放していくものごとを決めるのに使うサイコロ1d100
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クソでかいおにぎりを作ったならば全人類と仲良くしたい
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何処に毒秘めているのか 雨の日はひときわ麗し紫陽花愛でる
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金平糖あじさいの葉をあしらって 粋なセンスの亡き友想う
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近所の子だんだん敬語を使い出し 成長見るも淋しさ覚える
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要求を分かってやれぬもどかしさ 老犬何かを訴え続ける
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亡き父の自慢の庭は花爛漫 届いた動画に故郷恋しく
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木の下に食べかすありてヒヨドリが教えてくれたビワの食べごろ
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我が夫短歌うたは詠まぬが短歌うたを読む 私の短歌うたにも厳しい批評
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