この先に 高速インター ありつつも 乗るには歳を かさね過ぎたか
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夏の日に ストローにつく 口紅のあと 蒸発していく 永遠の時間
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水たまりに 映るふたりの 頼りない 白スニいまは もう捨てたかな
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暑さゆえ思考回路は切断し寂しき人は水を摂るのみ
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プラゴミを分別しては人間の一人の力も積もれと念ずる
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掃除機のコードが一気に巻かないなら 身を投げてしまいそうな夜だ
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「可哀想」 なんていうのは 勝ち組の 慰みものだと 捻くれてみる
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辛い時代ときを共に歩みし妹にとりどりの花十三回忌
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あまりにも 生産性の ない今日の 私におやつは おこがましいな
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姑と暮らし覚えた方言は嫁の私の財産となり
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自分から 誘ってみるの 夏祭り 意思と帯紐 固く結んで
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ぐったりの 身だけ寝転び 照明に 吸い込まれそうな はっきりした意識
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暑き日に留守宅の猫気になりてエアコンつけて迷う外出
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背徳感すする激辛ラーメンを疲労度計が振り切れた時
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現実の 壁がいくつも 迫りきて 夢遠くなり うた詠めぬ日々
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帰るのを待っていたかのように雨 泣いていいんだよ一緒に帰ろ
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月遅れ 叶わぬ願ひ 書き留めた 七夕のそら 揺れる短冊 /田舎の七夕は月遅れ
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白絵の具垂らしたようにかもめ飛ぶ空と海との青さ極めて
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アルバムを開き会話の弾む夜 幼を抱きし若き母おり
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あさがおの色水あそび遠い夏 ブルーベリーのジャムを煮る夜
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この夏のOver Drive緩まりて自然の風のめぐるリビング/麻だ。様 懐かしいです
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焼きたてのコロッケパンを買いに行く 娘も吾もおいしいにおい
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白桃の甘き香りの満つる部屋 丹精込めし友送り来し
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八月の静かな雨は音もなく焼けつく夏を消火していく
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さっきまでプーさんだった雲ちぎれ龍になって茜空とぶ
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仕事終え 足を引き摺り 帰る道 草むらの百合 おかえりと言ふ
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幼子にそっと教えし巣のことをドン・キホーテのつばめのひなの
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喪失の 胸の痛みは 消えねども 想いの深さ 吾に教える
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事あらばボランティアにと駆けつけた君の御霊はどこをさすらう
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迎え火に誘われ父母は尋ね来て竜胆の花思い出の家紋
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