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抱きしめた夢をこぼして五十路なる甘き桃の香包まれ眠る
24
各停に揺られまどろむ帰り道 陽の沁む瞼のだいだい色よ
15
室生寺にて緑濁の池に数匹の金魚よ眼に鮮やかな朱
12
銭湯で友と使いし石鹸の減りが嬉しい夏の夜かな
22
猫を見て 「かわいい!!」などと さけぶ
娘
(
こ
)
よ、 実はおまえが 一番かわいい
10
君がふと 「可愛いね」なんて 言った日にゃ 腹筋だって しちゃうんだからっ!!!
12
あぁ行きたい 流れるプールに 海水浴 お風呂掃除が 分相応
20
目の前を日焼けした子が駆けてゆく慌てなくても夏はあるわよ
31
姉さんに 褒められスルーす 弟は 同じコーデで また出掛け
14
それぞれの 朝を迎えて 支度をし ベルで着席している不思議
18
世に逃げる 十五,十七 ひとときを おめめにパンダ 頭に
山葵
(
わさび
)
10
おっちゃんの こってりラーメン大盛りに ニンニクマシマシ 失恋の味
21
いつまでも続いて欲しい信号が 変わって私今交差点
19
毎朝の 純白の心を 引き連れて 都会の空気に 汚しに行こう
12
月光夜どうしようもなく秋の風あしたは桃を買ってきましょう
29
草は伸び 虫も飛び交う 猛暑日も 進化か淘汰か 我ら人類
16
夕焼けの 沁みた空気の 手触りと 色と香りは 時間を止める
20
人生で 妄想時間 控除せば 有効稼働 いかほどか
15
懐かしい匂いと声に乱されて 危うく君を引き止めかけた
15
十五の夜 隣で眠る横顔の奥に 私と同級の母
13
夢にみし母は吾の手離さじと 握るちからぞ胸貫ける
20
潮風に 季節外れなクリスマスソング流して忘れたふりを
15
やっちゃったクリックひとつで全削除きっとすべては取り返せない
19
人の世も旅路の如し山また山残りの
齢
(
よはい
)
まあるく生きんかな
12
旅途中立ち寄りしあのさくら寺先逝くあなた納めし初秋
11
雪の街たはむる娘眺めつつ遠きかの日にタイムスリップ
12
海崖に荒波打つる東尋坊聴きしに勝る柱状節理
9
おれ人間 向いてないやバッタとか良いんじゃないの とどこぞの二人
12
たはむれに吾を背負ひし四十吾子ひとり身残こし母老い逝けん
16
見せかけの終止形でも 無いよりはましと言いたいのでしょう あなたは
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