午後の陽を羽に透かしたキタテハを目で追い行けばコスモスの花
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ねぇ、ばあちゃん 貰ったものは何一つ残ってなくてこの血が形見
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萩の露荻の上風うはかぜ虫の声もののあはれは秋ぞまされる
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姉さんに 褒められスルーす 弟は 同じコーデで また出掛け
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明瞭に誰の役にも立たない日 ガチャを一つ引く、天使を
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尊いなぁ… こんなに小さな 生命が 手のひらの上 呼吸している
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水捲くと 待ってたようにやって来る 散歩の小犬 足裏冷やす
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風の中 揺れても消えぬ 結び目は あなたと私 ほどけぬ糸よ
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流行り病 隔離生活 空しくも 4日遅れで 陽性となり
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いま僕に また明日と言う太陽は 別の誰かに おはようと言う
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その色で 秋色にして 赤とんぼ 青空の下 君にお願い
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過ぎて行く真夏の日々と引き換えに一面に咲く白い花々/蕎麦畑
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夏リフト見おろす町は風景画みとれる間だけ怖さを忘れ
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十三さい 最後の夏が過ぎてって 塾のワークに海を見つける
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涼風よ 夏の終りを 幾度も 重ねて君を 忘れていった
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運命を結果論だと切り捨てた占い師とは長い付き合い
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エアコンを切らば朝まで虫の声こうして秋は日々近づきぬ
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虫食いの あとは涙の かたちして くもり空にも 朝顔は咲く
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秋色の風が吹く頃コンビニに並ぶスイーツ刺激が、ふふふ
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わたくしの気持ち次第で蝉の声 憂いにも悦びにも聞こえ
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ぬくもりが 途切れた筒に 乾く蜜 何がいいのと 目尻は笑う
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炎天下 アスファルトより 陽炎立ち 蝉の声さえ 重く響けり
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鬼退治行くはずだった桃太郎 僕のお供は「居ぬ」「去る」「来じ」
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8Kのテレビの方が現地より綺麗に見える花火大会
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夏の末 鳴き出した 最後の蝉が 遮る 二人最後の会話
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押し付けの微塵も感じぬ優しさにお礼の代わりチョコ一つ置く
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ポテポテと床に押された足あとは風呂まで吾を追いかけし猫の
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冬と共に迫り来る別れ あの人は 春迎えても隣にいるとは限らない
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私、関西弁 汚い方言 関西弁 でも暖かいから皆んな大好きやねんな
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授業中 あなたの情報逃さずキャッチ! 何気ない雑談の中 あなたの誕生日
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