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七月ののっそり沈む夕陽から種火盗んで夜通し語る
54
音も無く
陽炎
(
かげろう
)
ゆれる濃い桃の
百日紅
(
さるすべり
)
咲く 誰も居ぬ午後
52
平和論者の唇うすき遅夏もくれなむ重機工場の夕
11
「正しい教育と歴史認識のもとにわれわれパリ市民は生まれた」
9
「あたしたちのイエスさまが変になっちゃったのよう」魚眼レンズ直視
9
純白の彼岸花咲く 夏の陽に秋の風吹く団地の端に
37
葬列も散り散りとなり午後三時金木犀の香りの西日
65
月という隣人がおりその人はそっけないけど美しい人
41
Googleが教えてくれた 去年の今日わが子が初めて歩いた日だと
58
どんぐりを蹴ればカラカラ転がって笑って歩く小道は秋へ
55
マッチ売る少女の灯す温もりも絶望も無し電子の煙草
51
雪景色 から車にて 参時間
土
(
つち
)
黒ぐろと オホーツクの丘
37
冬空に明星一つ煌々と遺す光は地上を照らす /追悼 谷川俊太郎様
51
湯けむりは 増幅させる 泣き笑い いまだに生きる 意味など探し
41
エレジーを嫌う作曲家でいたいALSの妻は作詞家
12
人生のきっかけスマホ音痴だが撮りまくったらあゝラブレター
10
頷くよう しずりの雪が 落ちるとき 始まる予感 気流のうねり
33
魂の 重さでおちる 地球まで 青い空から ふわふわ淡雪
52
陽春の 光りが照らす 雪野原 きらり一粒 遠くの
六花
(
りっか
)
43
幼子を膝に抱えて朝ごはん温もり愛し冬はつとめて
37
人知れず春の種蒔く人のよに雨はそぼ降る日の出の前に
47
星冴えて 雪の
灯
(
あか
)
りが ほの照らす 遠ざけてきた
小
(
ち
)
さきぬくもり
40
冬晴れの団地の中の公園は遺跡のようで空は静かで
57
満月に誘われるよに南から一等競い春風は吹く
39
冬と春満天の空掻き混ぜて入れ替わりゆく如月の夜
43
肉球の 跡をたどって 雪漕げば たたずむ木々の 真白き姿
49
開花待つ 月下美人は 霜焼けの如 葉の先を 紫に染め
26
「ありがとう」そのひと言の破壊力 「優しさ」引き連れ返ってくるね
24
あと3人あと2人とドキドキす 辿り着かないオクラホマミキサー
28
朝の空静かに浮かぶ半月に 我の心と重ね見上げる
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