春風になれたとしてもこの声は あたしのこの手はあなたの元へは
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春の陽にはしゃぎ過ぎたような花びらが 開きし庭の赤いチューリップ
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「高校生のうちに人生楽しみな」そんなこと言う人にならない
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街角でちらほらみえるポスターの 前職の笑顔やけに薄くて
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本当の春はここからと 葉桜をきっかけとするあおき季節よ
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殺してやるゼッタイにという落書きだけ錆びていないガード下公衆トイレ
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サクとろのオムレツサンド食べてはふっ美味いと笑う君の愛しさ
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野次馬の目も抜いてみたいお年頃 給湯室こそ我がガラパゴス
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休日の憩いの場所で湯を浴びてちょっと昼寝のスーパー銭湯
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散り積もる庭の桜に降る雨は風よりもなほいとはしきかな
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萌ゆる野のほのかな髪を撫でる日は風かろやかに吹きながれていく
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「もうしない」しっかりフラグを立ててから今日も続ける人の営み
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オルカにはマグニチュードがあるなんて聞いてなかったアイスも溶けた
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イルカたち 摩擦係数ゼロで泳ぐ 弊社も明日からこうなりませぬか
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新しい手帳にきみの誕生日 書いてないけど気づいてないよ
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ペンライト電池が液もれしていた日 推しだったことを思い出した日
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饒舌な過去と音沙汰無しの未来 二対一に外分してみむとす
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梅の園 梅の香こぼれ メジロさえずり  馬いななき 山里目覚め 空あかね
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誰よりも 優しききみの 未来には わたしと違う 姿ありけり
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さよならと 世界に別れを 告げしとき またどこかで 世界始まる
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世間には 大上段に 決めつける 頑固爺さん 婆さんばかり
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自らの 信念のまま 裁くから 嫌われたって お構いなしに
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熱はなし 体温計が 電池切れ 水銀眺め リアルな結果
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「いま電車?」 永遠に電車です 私は応答しない
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読み切りを読まなくなって 社会を知った
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終わりのない工事 回らないドアノブ
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ガダルカナル島の 餓死者に 合掌
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好きだよと キミに何度も 言ったけど 愛してるとは 言いたくなかった
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恨み言 文句も愚痴も 申すまい 耄碌したる 人の戯言
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休みたい コロナの後の 体調を わかっていても わからぬ事態
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