昆布出汁に生姜絞り汁入れるだけ卒業生の知恵を借ります
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「生きてまた会いましょう」まで聴き終えて明日あすの事など 考えてみる/「みんなで引きこもりラジオ」の後に
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亡き父へのダイレクトメールまだ届きとりあえず生きていることにする
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石垣に枝垂れて生りし柿の実に薄雲染めて夕陽差し来る
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文字数が合わずに検索 図らずも知らぬ言葉を知れる楽しさ
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少しずつ防雪柵は組まれゆき里の風景日ごとに狭まり
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何者か 語ることなき そのおきな  微笑みたたえ キジムナー描く
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隠れ家で 鶏すき鍋に 唸る我 野菜の旨味も 出汁に溶け込む
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ひさびさの青空うれし空のいろペールトーンの優しい冬の
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ぐずぐずと寒さのことなど並べ立てベジタリアンと見紛う夕餉
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歳をとる事は嬉しくないけれど 君の祝福が欲しいだけかな
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一日にたった一度のお薬で脳梗塞を防げるだろうか
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経血で己が獣と思い知る 愛は理性の塊だろうか?
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辞めてやる ずっと言ってた 先輩が 辞めるの辞めたと 吉野家で言う
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四十肩患ってはや数ヶ月一喜一憂する可動域
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硫酸の雨とゾンビ化裏切りも 不思議と目覚めは良い夢だった
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変わりなき幸せ想う例年の貰い手の待つ黒豆選別
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あの雲のまるい光は十日夜三月見だとならぬかなるか
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大磯の木立を抜けし小径より海きらめきて落ち葉踏みゆく
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平和な世 壊すのいつも 権力者 に扇動される 普通のおっさん
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良い歌があなたに降りてくるというトリートメントの放置時間に
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視力落ち 眼科訪ねる 待合室 それでもやめぬ スマホ動画よ
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名産の こんにゃく芋を 掘る農夫 腰曲がりても 後継者無く
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妹より届きしお芋 熱々のポトフで食みて元気貰ひぬ
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笑いつつ 手を取り走れば 粉雪が なれが睫毛に 我の睫毛に
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笑った 君は僕より劣ってるのになのに君が目に刺さった
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半月が好きだったから社会から排斥された僕の暗喩メタファー
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その涙「ごめん」がいっぱいつまってる溢れる瞳の奥の青空
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健康になるべく治療を開始してトレードオフの痛みに戸惑う/健康とは?
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誕生日のシフォンでは味気ない筒に隠すはお菓子か札か
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