原爆展ゆ貴族社會の仔等出でて哂ふも直ぐ襤褸となりぬ
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徴兵遁れられず若き丈累々と希望の旗のもとに殺さる
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原爆忌無精卵を庫に飼はば生まれ死ぬ耶蘇かは知らず
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裸木の坂の途中の大イチョウ剪定されて少し寂しき
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青空を白抜きにする木蓮は 無限の蒼にも混じることなく
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朝からの細雪舞う二月尽せっかちな春また背を向ける
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犬を抱いているときだけずっと冬だったら良いのにと思います。
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​初節句よみついくさしりぞけし桃の力に君を護らむ
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「最高」を上書き続ける夜のなか 平和だなんて僕らが決める
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歌をもて 我を殴るも 諌めるも 知りてなお堕つ 我が影の常
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殺すなと 描いた太郎の 缶バッジ 見かけて少し 泣き面に 春
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大丈夫 ただあなたから 聞きたくて いつも押せない 緑のボタン
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闘病を支えてくれる診療所 紙のカルテは地層のごとし
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落ち込むわ… 店のガラスに映りしは老いて太ったわが姿なり
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寒暖差で乱れる自律神経と花粉黄砂でダルい毎春
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嫁、娘、母の三役こなしつつ、守るつもりが守られる日々
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次々と美しい歌詠む歌人 その感性にふれてみたくて
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春陽しゅんよう抱擁ほうように酔う 様にして 揚々ようよう 今日は 何をしようか
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盃に 身は冴え冴えと 蒼く燃ゆ 内裏だいりに似たる 君と差し向き
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いつもそう君はそうしてなめらかに流れるように嘘をついてる
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穏やかな 春風吹けばいそいそと 農具並べて「いざ出陣」かな
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さうかもう、下の子だけと行く園のヤマアカガエルのひとみはつぶら
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冬茜 くれない燃える 筋雲や 消えゆくあとに 冬銀河
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如月の名残りのがんも半分こ おでん仕舞いは春の合図と
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雪洞ぼんぼりの まろあかりに 伏す君の 手弱女たおやめの如き 長き睫毛よ
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密かなる 自慢のくびれ 今は無く 狸の如き 腹を見つめる
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本年も ボロ服まとい 軽トラで のぞむ税務署 確定申告
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流れてく景色は季節まで進む 満開までの早送りの梅
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寝ていたら日村カットにされそうになったと姉が⋯見てみたかった/笑ったよ♪
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刑務所と閉鎖病棟を指す老婆病棟ここはそれよりずっと苦しい
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