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入口の 小さな白い 喫茶店 バナナジュースは 初恋の味
22
波多き 人生なれど 刻まれし 愛と記憶は
彩
(
いろどり
)
となる
16
旅戻り早速干しいも作業する無事に感謝し日常始むる
39
小春日の温もりは母を 木枯しの厳しさは父を想ふ初冬
23
初デート ママに内緒でいくからね ブタ公園で君を待つ僕
14
同僚
(
とも
)
からの 旅の土産に 温もりぬ 忙しくとも 足痛くとも
24
断捨離の荷をのせる時軽トラにとまった蜻蛉 秋の終わりの
26
来月で介護3年目に突入 少しはわたし役立ってるかな
37
指先が母になりゆく初冬の夕 ポテトグラタン肉じゃがにする
30
晩秋に木の葉時雨は降り止まず園児のポケット落ち葉の入れ物
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デイケアでおしゃべりはずむ女性陣寡黙な小数男性陣よ
25
聞き慣れた朝のアナウンサーの声 今朝は鼻声 流行りをる風邪
33
批判することは簡単トゲトゲをもて余してはスマホをさわる
23
野薔薇
(
のいばら
)
は寒さに耐えて茎も実も赤くなりけり 空を見上げて
29
麗らかな陽射し翳れば瞬く間 冷える足先 冬を告げをり
29
暗闇のオフィスに光るパソコンでご褒美ポチって今日を終えるの
14
グラコロはコロコロコロっと転がって、冬が来たぞと知らせてくれる。
9
『私はね健康診断だと思う』認知症だと告げられる前は
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寅の刻 感謝知らずの 血筋だと 夢に起こされ ぢっと耳澄ます
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雨はげしい今日は合羽を使おうか買い物するにも事欠く生保
25
道なりにお進み下さい目的地まだ見えません人生なので
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丑三つに やるせなさ持ち 乗るバイク 風が凍てつく 妙に鋭く
18
砂浜へ電車ごっこの子ら来れば
白千鳥
(
しろちどり
)
そばをトコトコと行く
25
白菜の葉から葉へと紋白や ぬくき陽が差す午後の菜園
34
キジトラの シマシマなぞって どこまでも ほっぺにゴール 歯形は褒美か
11
哀しみを赦せる日々がやってきた 水を湛えたスポンジを押す
9
我のため
雑草
(
くさ
)
を摘んでは土産とす
認知症
(
やまい
)
の祖母の不変の愛情
25
半分の 月が私に お似合いと 満月ほどに 完璧でなく
33
風邪気味の喉に優しい布マスク着けて眠らん微熱の夜に /手作りのゆるゆるマスク
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深淵を覗くとき深淵もまたこちらをあれっ?見てない見てよ!
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