平凡でありきたりだと捨てた日が懐かしき詩の一節となる
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意味ばかり 受けとる人が置いていく お気持ち 拾って洗って干して
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春風に揺れるカーテン眠る犬私は静かにオカリナを吹く
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朝一番テーブルの上にはバラの花 静かな善き日 古希を迎える
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しょっぱいのーその目玉焼き、君のさが。いっぺんここらで心にあまみを。
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さばさばさばこきくれなゐのはねごろもたててふるなむしらかみのゆき
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ころされたいのちをかへせいまのいまもころされてゆくいのちをかへせ
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来し方の出逢い全てが星となり瞬いている真冬の銀河
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教室に 居ても馴染まぬ 私には Utakataここがホントの 居場所と思ふ
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闇迫る秋明菊の白魂しろたまが仄かに揺れるハロウィンの宵
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週一のデイ送迎の車窓より深まる秋の町並みを見る
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好きな人そうでない人同居する歌という名の楽曲の群れ
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そこにありて 草木の陰に 冴え冴えと なみだに映る 野菊のいろ
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独りでも 生きよと諭す 声に似て そよ吹く風に 母の恋しき
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灯台の 灯火ともしびなれば 君が手を 離さじと思ふ 世が終わりても
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暗幕あんまくに 散りばめられし 銀の鈴 夜風の揺らす 星の いくつ 
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窓に寄り 鰯雲見れば 君が弾く チェロの低く 空に溶けゆく
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くたびれに拾ひ物あり届けなば探す人ゐて胸ほどけたり
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球速も球質も追う英明はエースなりたい引退間近
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もう少しあと少しだけ光ってて 今年最後の夕日が沈む
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そんな夜はひっくりかえったスリッパとお話するのさ。おもて向くまで
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われの政治に沈みゆく午後の選挙車へ冷たき瞥を送る
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北向きの 玄関先に立つ梅の 固き蕾は これからひらく
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水滴を 吸い付くように吸い尽くす ニトリのマイクロファイバークロス
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もの言はず追ひ越してゆく息子の背ほのと匂ひて犬見まはせり
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初鳴きのウグイス聞きつつ朝散歩  雪の富士にも春はすぐそこ
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晴れやかな 歓喜と平和の祭典を ガザから眺む 人々想う
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気にせずに いられた時の 懐かしく 祭りの陰で 武器売る準備
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「かわいいね。」白にほんのり乙女色にじみひろがる梅の花たち
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防空頭巾爛れて千々に孔開きぬ蒙る儘焼かる火に
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