夕焼けの 陽の矢射し  引いては寄せる 貝殻ひとつ 拾いてこぼれ 秋の夕暮れ
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亜麻色の 出尻鳩胸 押し寄せる 陽のあたる坂に ジャスミン笑み交わす
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亜麻色の 出尻鳩胸 押し寄せる 陽のあたる坂に その影長く ジャスミン香る 乙女去りぬ
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賞味期限の中で目一杯踊ればきっと忘れないヒカリゴケ
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私には特権なのさ思うまま悩み苦しむすべてが自由
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また歌集出すの?!やめてよねえあなた退職金が底尽きそうよ
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遅刻した 理由を聞けば ひょうひょうと 「道に迷って…」 Zモンスター
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春の宵 霞かかりて  朧月  その影射し 桜舞い散り  水なき空に 花いかだ
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しらべこそ歌がいのちと思ひなばわが耳問ふてうたひ続けむ
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寝返りを打つたび揺れる胸の内 もう辞めてやる ここは我慢だ
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父だった人から届く売り言葉 買わずにおいてよかった日よ来い
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人類で 薄めてあおる なさけなさ 主語自分 では 濃くて飲めない
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目を背けたくなる世界を直視する 君を ヘヨカと呼んで見つめる
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諦めと ニヒリズムへの誘惑に  負けるな踊れ 心のヘヨカ
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薔薇の名に天津乙女とあり少女天翔る雲こそをうとみをれ
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犬がゆく弟の腕のなかでゆく私がいない日にとおくゆく
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マヨコーンピザのコーンが転がってどこかへ消えた金曜の夜
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やかましい小さな点の集まりの ひとつだ僕もプラネタリウム
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音楽になりたい 何もしなくても美しいまま存在できる
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永遠にしたい一瞬なんかない お湯が冷めてく湯船に浸かって
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引き出しをひっくり返し散らかしたガラクタ一つ一つ捨ててく
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枯れていく花と目が合う 今週は一緒に年をとっていたんだ
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父母ちちははとむかし泳いだ海街で 獲れた蜜柑を我が子に与う
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帰り道、雪に埋もれた路地裏は 何処とも知れぬ 白いまぼろし
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弟と拙き論をぶつけ合い仔犬二匹のじゃれ合うごとし
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春待ちの列車に揺られ僕たちは 良い日、悪い日、行ったり来たり
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白木蓮あはあはと滲みいづこより来しものぞ燕尾垂れをり
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霊柩の冬雷に冴ゆ喪家葬式の花だしおらばたづねびとあり
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春暁落雪図庇はばつらぬきとほるまで槍穂を著けと聖霊ふたつ 
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日時計に影 梶尾舟じりじりと炙れ陽炎階段へ靴躙る釘
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