船内の露天風呂より日本海眺むる先に故郷が待つ
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亡き父の自慢の庭は花爛漫 届いた動画に故郷恋しく
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我が夫短歌うたは詠まぬが短歌うたを読む 私の短歌うたにも厳しい批評
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老い忘れ放物線を描き飛ぶイメージ外れふらふら落ちる
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孫が来る 退散するまで待っていよう 朝の掃除が夕方になる
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頭頂がちょっぴり薄くなってきた 言うのは止めとこ 夫の散髪
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百歳は寝ているだけでも疲れると梅雨だるの季に翁つぶやく
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母よりも子育て上手にやっている 娘を見ながら懐かしむ日々
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鳥たちは頭寄せ合いついばんで 草刈りの後に残ったご馳走
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愛犬の為と夫は仕方なく 冷え冷えの部屋で布団にくるまる
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車窓には 田んぼの緑 果てしなく 来世をさがす 旅のはじまり
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回転寿司積み上げられた皿数多あまた 会計票はじいじのお手て
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昭和にもこんな暑い日あったよと忍耐語る夫は鈍感
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クセ強の つわ者どもは カヤの外 云えば噛みつく 云わねばのさばる
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許さぬと かたい文箱 ひも解けば から念佛と 白髪のわたし
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喜寿祝い子らより受くる大谷のキヤップとシャツではにかむ夫
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ささいな言葉幾重にも積み重ね やがて大きなささえ木と成り
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4ヶ月で10キロ減を達成す アラ還だってやれば出来るぞ💪
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仰ぎ見るレンガ造りよ まぶしさよ 身じろぎもせず染みる目に耐え/東京駅
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堂々たる 王様みたいな 月の下 たくさんの虫の 声はさまざま
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葉月末孫水浴びや水やりの水道代が重く気になる
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覗き込むメダカが群れてソワソワとこのおじちゃんエサくれる人
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なすりつけ あって別れた あの人が 大事なカバン 届けてくれた
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ひんがしの 透きとおる星 月の舟 濁りに慣れた 我があら
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気にやんだ心もいつか風になる 月見バーガー食べに行こうか
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「介護やり体を壊す人もいる」ケアマネ言うけど、どうすりゃいいの/(介護)
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気にしない。そう思えば思うほどに いろんな場面でアレと出くわす
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えらんだよ 二人で行った 信濃路の コスモス街道 遺影の背景
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賢人が知識は武器になると云う 少し足りぬがコクリ頷く
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趣味短歌始め四つ目の季節巡り来し 何より嬉しは続けをること
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