雨の打つ小箱ひらいて子猫抱き寝息に胸の温む遠い夜 「チャー君」
18
一泊の兄の寝床に酔い覚めの温冷保つボトルを2本
20
ぐちゃぐちゃの豆腐顔して爆発だ 君だけにしか見せない自分
18
たばこ火の終えしまでにピーヒョロとトンビを真似て仰ぐ空かな
19
大地揺れ遠きあなたを照らす目が上下左右に彷徨いやまず
19
5回死と遭遇したが目が覚めて思った神は不確かだった
21
ジョーカーを引いてしまってトランプの引き際見えぬ切り札虚し
23
昔日せきじつの 幾多の苦悩消えていく 我気遣う息子 母でよかった
25
団塊の端にも春はひかり満つ 妻とおとなうたまゆらのはな
20
桜舞い欅は芽吹くさわさわと御宮をわたる風の依代
19
通院の日にテレワークは有難し ねこのおひるをやる人がいる
27
鉄橋を壊すついでにひとが死ぬ石器時代にもどす野蛮に
13
訪れし かの要塞ゆ 四五キロの フジャイラ港に 上がる爆煙 /3月14日イランドローン攻撃
11
春霞む 天つ御空(みそら)の 退(そ)きへにて 天翔(あまかけ)るらむ 君が御魂(みたま)は /挽歌
14
淡い地に野の花そよぐ紋様の羽織ながれる春のそよ風
13
「よかった」と 「よかったね」との 微妙な差 「ね」に言われるの 他人事ひとごとと/偏った感性です、悪しからず
8
牛の背に老子が夢のかへるかな幽魂見たりなめくじの跡/府中市美術館長沢蘆雪展にて
13
入り組んだ策略無しに僕はただ愛しき月を君と見たくて
13
貴方といる 「美しさ」を『当たり前』にする度、そっと花が散る
5
朝の縁 答えに触れぬ 問いばかり それでも重さ わずか移ろう
6
元彼と 別れたワケを 訊く俺に タネも仕掛けも ございませんと
5
ブチュチュチュチュなくなりかけのケチャップのチューブのように解き放つ下痢
3
自らの 信念のまま 裁くから 嫌われたって お構いなしに
3
熱はなし 体温計が 電池切れ 水銀眺め リアルな結果
3
「いま電車?」 永遠に電車です 私は応答しない
3
読み切りを読まなくなって 社会を知った
3
終わりのない工事 回らないドアノブ
3
ガダルカナル島の 餓死者に 合掌
3
好きだよと キミに何度も 言ったけど 愛してるとは 言いたくなかった
3
恨み言 文句も愚痴も 申すまい 耄碌したる 人の戯言
3