曇天の空のかくしたお月見の宵にさけばむおーい……革命!
9
ありがとう、あなたにちゃんと言ってみる すみませんよりたしかな感謝
34
わかれ駅ハラリハラリと手ふりしそ〜その笑みなの母の阿伽陀
16
本邦初 それだけでまずええじゃない鉄のなでしこサッチャン首相 (そしてお手並み拝見)
9
銀杏いちょうの木 たんと実をつけ母の顔 凛とぬくもり漂わせ立つ
27
友告げしあの街花火無いといふ愛でし処名ところな相生(の)橋「岡山市」
16
海の街夜空に咲く花火はな年十七回あなた亡き街色あせし花火
21
金木犀キンモクセイ今も香っているかしら海風はこぶのともる
23
湯につかり背中の重荷おろそうか 電気を消して鼻歌うたって♨️
30
いつもなら つがいの雉鳩 ぽつねんと 今日は素直に ごめんて言うよ
40
夫婦茶碗サイズを変えて主張する飯のかさなど変わりはせぬに
31
好きよりも嫌いの方が一瞬で伝わるなんてせつないですね
33
入るなり目尻をぬぐう床の母 愛なお負けぬ記憶の病
22
瑠璃紺の サテンの生地に 縫いつけた 銀糸のような 秋の星空
31
貴方あなたへと贈るラストメッセージ 「来世でまたお逢いしましょう」
28
まだココア買ってないんだ いきなりの冬の寒さはちょっと勘弁
52
幼日をさなびはたにあと追い赤とんぼ抱きとめし亡父ちち遠きにありて
21
秋の陽に背を押されおりはた立てば晴耕雨読の亡父ちち訪れ
27
美味そうな食べ物の短歌うたよみながら食むコンビニの塩むすびかな
33
が胸は 遠き潮騒 いだかれて 桜貝となり 眠り漂ふ
25
ケアマネは聞き上手なりの重き口も涼しやことの花咲く
36
響いてる心の雑音消したくて 刺し子をしたり空見上げたり
36
ひざの上に猫がとびのり丸まって 暖とりあって雨音を聴く
31
未来予想 オールドメディアは煽りつつ紙面の片すみ 干支の運勢
38
一日ひとひ経つごとに 寒さは増してゆく 添ひ寝す愛犬 湯湯婆ゆたんぽの如
34
毒母ははが逝き凪の心は時化しけとなるパンドラの箱開けたが如く ①
26
色褪せぬうらみの花は咲き続け冷え込む朝になおも鮮やか ⑤
29
大喧嘩 今だけ脳は 弾薬庫 言葉で君を 撃ち殺すから
10
夕食後のコーヒーに添え半額のどら焼きつまと半分こする
32
軽快な小啄木鳥こげらのリズム 雉鳩きじばとはテノールで鳴く 「よい一日を」 ⑬完
32