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「かわいいね。」白にほんのり乙女色にじみひろがる梅の花たち
28
防空頭巾爛れて千々に孔開きぬ蒙る儘焼かる火に
20
いたずらは得意謝るのは苦手似たもの親子並んで
午睡
(
ひるね
)
54
闘病を支えてくれる診療所 紙のカルテは地層のごとし
33
一九三一年九月画を画き戰端を開きぬ旧宗主の名を日本 といふ
29
雪洞
(
ぼんぼり
)
の
丸
(
まろ
)
き
灯
(
あか
)
りに 伏す君の
手弱女
(
たおやめ
)
の如き 長き睫毛よ
27
風吹けば 揺らぐ心は 今消えて 木の下君の 髪結ぶ花
12
僕たちは 晴れた空にも 気づかない 傘を探して 下を向くから
10
冒険という名の種族 転んだり笑ったりするそうして生きる
39
青年にドア開けられてしずしずと五十五の我乙女となりぬ
34
微笑めば微笑み返すレジ台にやっと届いた小さき子の指
19
青天の
下
(
もと
)
満開の早桜 メジロを
誘
(
おび
)
き寄する 蜜の香
30
ネギ油 炎が上がるカウンター 香ばしい麺 一気に食す
30
一輪車押して
媼
(
おうな
)
は春の道 株に土付くほうれん草乗せ
44
派手やかに 咲く花よりも 紫の すみれ恋しき 春浅き野は
32
ねこ母へ お悔やみ申し上げまする タヌ猫さんへ冥福あれと
19
親を子のようにおもう日 崖っぷち、だけど愛して家事をしている
29
さんとく
(
ジャガイモ
)
を 植へたがる母 拒む我
遅霜
(
おそじも
)
逆算 植へるは彼岸
38
今頃は 火葬の時間 空仰ぎ 故人思へば 風花の舞ふ /3月8日朝に身内が逝去
27
濃桃色
(
こいもも
)
の花零れ落つ遊歩道「
意宇の里
(
おうのさと
)
」なる名の椿らし
30
これやこの
想像ラジオのジングルは
(
行くも帰るも 別れては
)
知るも知らぬもあふ坂の関 /蝉丸✕いとうせいこう 10/100
10
下手なりに 写経に臨む 我を見て 成長したなと 友が微笑む
33
名駅で 最初で最後 二人飲み 男女の友情 転勤前夜
31
頂
(
いただき
)
を 目指せ 困難 有ろうとも 高い場所ほど 風吹くものだ
30
間違いは笑いとばして知らぬ顔シナプソロジー声弾ませて
33
紫の 星のかけらの 散りたるが 朝日を得れば
菫
(
すみれ
)
と咲けり
34
アスファルトの窪みに春を溜めておく 星の数だけ路面、光るよ
28
春あさき 皇居の庭の 「
袖隠
(
そでかくし
)
」 たちまち江戸へ タイムスリップ
/
椿
37
ワンランク、ダウンダウンの化粧水老けも速まる物価高にて
28
巣作りの 支度をしおり 烏たち クチバシだけで 器用に運ぶ
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