棺桶に花敷き詰めて春のよな人だったから私の祖母は
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白内障目を患いし我が猫は勘を頼りに平明に生き
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「うるさい」と言って言われて日が暮れて明日の朝は笑うのだろう
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いつの日か風になる日がきたならば君のうえではやさしく舞うよ
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鍋つかみ両手にはめてフォッフォッとバルタン星人真似てた姉貴
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肌と肌触れ合うことの滑らかな心地の中で夜溶けてゆく
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まろやかに 雪はつもるの 塞がれた パンダの遊具や 松の枝にも
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エアコンの温風ならずフィルターを開けてビックリ埃の山で
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川べりのお地蔵さんに赤い花似合わないよと照れてるみたい
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畑よりつま持ち帰る冬の菜を鍋に煮込みて一日ひとひに感謝す
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とつくにの痛みを想うこの友の隣に居られる私でいたい
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祭り也吾が屋根の上をすれすれに轟音立てて飛行機の飛ぶ
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うやむやに されて 忘れたふりをして 筋トレしながら にぎる一票
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朝の陽に蓮を咲かせる泥水の熱おび深く命そそげり
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顔中にご飯くっつけ笑ってる幼よいくさ知らずに育て
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降る中を朝の散歩の柴犬は雪が似合うね目を輝かせ
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止めどなく 垂れては冷ゆる 鼻の奥 息するたび 冬をのみこむ
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猫は好きひっかかないし人見知り聴こえてくるよ猫の鳴き声
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さようなら手を振りその場過ぎ去ればぽつんと終わった速すぎだろう
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コミカルに 介護続ける 親友の 基本姿勢は 恐らく愛情
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連綿と続くや月の満ち欠けは 幾人詠みたり今宵の月を
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雪害の あちらこちらの 滞留は わが脳内の 仕組みに似たり
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川べりに 一羽の鳥が 悠々と 夕陽を浴びて 伝えし自由
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仕事場の 窓から聴こえる 清志郎 あわせて鼻歌 うたう休憩
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遠出して昔の赴任地通りなば 思ひ出手繰たぐりて多弁となるつま
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戦争のできる国にはしたくない婆の繰り言願うは平和
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冬枯れの 木にも命が 脈々と 枝を払いて 春を待ち侘び
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天上の空を陣取る黒雲を店主と見上ぐ公園マルシェ
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O脚とむくみ解消一分のおしり筋トレまだ若いから
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白板を見つめる黒目愛おしい何が起きたか視線ぶつかる
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