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朝靄に身を浸しつつ思ひをり 旅立つ私は一人でいいと
37
暁
(
あかつき
)
に 寝覚めて 十首詠みて恋ふ 雲と見まごふ 白き
花枝
(
はなえだ
)
33
トゲのない言葉を探す会話するへとへとになる今日も一日
29
弥生末 ねこたちまだまだ 冬ベッド ふたりなかよく 暖を取りたる
27
花冷えに夕焼け染まるロッカーの名札剥ぎとり卒業とせむ
33
五00キロ 離れし友を訪ね行くプチ家出だと高一の孫
35
叙勲
(
いさおし
)
の記章を磨く術もなく
認知
(
わすれ
)
の父は私を呼ぶなり
27
母の負を父の
勲
(
いさお
)
で拭ひ去り 私は独り
介護
(
あした
)
を編めり
29
ふきのとう、教えてしまえば僕だけの春が二人の景色にかわる
29
雨音が響く暗がりリビングで 君へのメール読み返してる
39
息を止め箸で土筆を裏返す採取するのは緑の胞子
28
四月来て店内明るく賑わふもウソも混じらぬ値上げのリアル
42
窓枠に切り取られた空の青 雨に洗われ 何と清々し
24
らっきょうを 添えたカレーは 春の味 疲れも取れて ギア入れ直す
31
2
シーズン着ずの冬服断捨離し すっきり整う箪笥と心
34
花冷えの夜空ふわりと映ゆる月 風雨忍びし桜讃える
33
AIに
吾
(
あ
)
の歌の意味尋ねれば吾も気づかぬ真意答えぬ
18
青々と 次々伸びゆく小松菜の 蕾膨らみ春を告げをり
27
月明かり部屋の中まで差し込んで今夜は春を纏って寝よう
32
なんだかね自分の息をかいでるようでむかしの
短歌
(
うた
)
はちょっと照れます
26
立ち寄り湯人のまばらな薬湯に知らぬ媼と桜を語る
31
姑の植え残したる椿の木赤と緑が春の陽はじく
28
西行の歌を
諳
(
そら
)
んじ老夫婦 桜尚舞う羨む我に
16
何であれ通院てのは疲れるねぇ夕餉の支度出足遅れる
26
すぐそばに桜の名所ありながら毎年スルーものぐさゆえに
28
羊羹とチーズぺろりとたいらげる脂質糖質まみれのカラダ
28
譲り合ふ人同士 初対面なれど 会話生まるる 車両の座席
29
夢の中 ぐらい良い夢 見たいもの ピンチ連発 寝ていられない
18
春の果て 城の桜を縁どりにシャッターを押す君の指先
24
五月雨やボタン外れしワイシャツに針刺す父の指見つめをり
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