遠き日の 思い巡りて せせらぎの 秋風立ちて 葦の葉戦ぎ 川の音ね消えゆき 夏終わる
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まだ恋にしたくない春 夕焼けが綺麗に見える謎はそのまま
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馬鹿馬鹿しい 話ばかりが 捗々しい 墓を相手に 誰憚りなく
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師と母が仲良くなると自分まで愛され続けおこぼれの酒
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幼き頃、我が主役と疑わなかった 母は脇役だったのだろうか
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「うそだよ」と 笑う瞳の 奥にある 震える熱を 暴けずにいる
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「うそなのか(笑)」 笑顔張り付く 泣き顔で 期待募らせた 自分を恨んで
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逝く時は 一緒だよって 抱き合った ああ俺ごめん 先に逝きます
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一昨日を何度も何度も懐かしみ消しゴムの角は削れてゆく
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何回も線路に戻り走り出し、Kummerspeckに車輪をずらされ
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人形に確かな意思があるのなら彼は私とハグをするのか
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標識の読み方について深く知り最寄りの標識を今日も無視する
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虹纏う凧を見上げて息をする意味を知ってる人の隣で
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海に島 種は燃料 火が点けばUtakataロケット発射台まで
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二度童子 背中をなでて ゆっくりと 父だった人の 母親になる
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父だった 人のケロリに もて余す 名もなき感情 炭酸で割る
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生きてれば ほめてもらえたあの頃を  夢見て眠り 目覚めて泣いた
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ここに今 わたしがいると知っている わたしのために篝火かがりびを焚く
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いつからかドアがきしんで声を出す度に知らせる家族の帰りを
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ピーラーで薄く皮剥くアスパラの 緑と白と 春は此処にも
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額買って子どもの描いた絵を飾る 夏が始まる今日を祝って立夏
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追伸に 今でも好きと 本音書く 長い手紙は そのためのもの
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追いかけてくれる優しさ期待してゆっくり歩く駅までの道
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砂の城 潮が満ちれば 崩れると 気づいた吾子が 水際で泣く
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ふんわりとおさまの匂いにくるまれる 布団を干して今日は幸せ
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夕空はグラデーションに変化して波打つように星を迎える
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さり気なく身支度何度も確認し 改札口で君を待つ夜
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ドアの鍵 内から閉まる音響き 見送る愛のないことを知る
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熱々の肉まんひとつ君と分け ぶらぶら歩く紅葉の街
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ジャムの香のかすかに残る空き瓶にコスモス挿して秋を愉しむ
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