単純で 子供のように か弱くて それでもいいか 性格だもの
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見納めに愛を押し売りしたいから明日は屹度キスを頂戴
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知らない事が幸せだったねと片隅の思い出と並べて
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おとこのこのこころから飛び立つなみだはこの星からじうりくをさされて
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真夜中に ふたりの小指 絡めたら 針を飲むのは どちらだろうか
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タコ口を 左右にクルクル 回したら 嬉しい変化が あるかもないかも
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あなたから見えていようがなかろうが 今日のわたしは世界一かわいい
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鞄から くしゃくしゃ原稿取り出して 夢追い人が また旅に出る
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コイン精米の明かりを恃みつつ消えたいくらいただ帰り途
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床の間に 松と大きな 菊飾り 家族の声を 聞く年としたい / 抱負
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見上げれば紅梅咲いてこの空のどこかにきっと精霊はいて
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パンまつり 白いお皿が もう何枚 我が家はしばらく パン祭り
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雪だるま並んで浴びる如月の日差しよ僕も溶かしておくれ
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午前四時 目覚めて月を探したら 孤独を溶かす 蜜のしずくだ
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今日もまた納豆もやしを並ばせて財布の底の静かな反乱
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一年の辛苦に耐えし老い梅の蕾つけしがヒヨドリの
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辛酸を 舐めて麻痺した この舌に 効くものはなし 私は無敵
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若人が雪と氷を友として 命謳歌すミラノコルティナ
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ユーミンの歌詞が優しく飛んでゆく冬と春との間の空に
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はちみつの瓶を透かして見る未来濁りも苦味も僕の隠し味
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「お先に」とまばたきを一つ交わすとき雪の狭路は白くふくらむ
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眼裏まなうらに浮かぶ何かに呼びかける返ること無い返事を待って
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放課後も解けぬ問題 青ペンは数式よりも君の名なぞる
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羊羹の栗大き方きみに遣りふと手の触れし春炬燵かな
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子育ては ハラスメントに 似たるもの  受け手が決める 愛の正しさ
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寒戻り 落ち葉布団に 包まれた 青き新芽を 撫でる指先
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口先に花弁くわへしヒヨドリの落とし拾ふを見る散歩道
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身を起こし背を押し父のぬくもりと「有難う」との声まとうなり
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この街に 何年ぶりかの 雪が降り 小5の僕が スマホを翳す
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両脇に 幼な子かかえる 細腕が かけるメダルは 何色だろう
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