呑み過ぎが因果と承知したるけど 酒なき余命なんぞ愉しや
26
秋空の 雲の切れ間に 差す夕陽 レンブラントが 大地を照らす
22
職場での自動水栓お湯の出て手を洗うごと気持ちほぐれる
27
癌センでとなりの清きシスターにいただく灯り「神のご加護を」
29
他人ひとを乗せ上り下りを行き交へる 鉄路の音をしとねにて聞く
22
バイト先シフト次第で俺以外みんな金髪コールセンター
17
短髪の 鏡に映る 吾の顔は 遺影の父に 似てきた様な
39
縁側は 小春日和の ぬくみ 父の居た場所 子猫の寝床
42
北からの 風にも慈悲の 心あり 小春日和の 立冬となり
41
好きじゃない俳優さんがいい役で活躍しても嬉しくはない
14
校則にうるさい教師ほど授業で教えるのが下手糞だった
14
ブチ殺す最初からそう決めていたで始まる読書感想文
16
集団で叱られるときストラップそっとはずしてエアギター置く
18
僕は今君に手紙を書いてますメンズエステな感じの部屋で
20
錦秋のもみじ映した山の湯にゆれる湯波に吾はほどきぬ
35
白杖はくじょうを 携え歩く ご夫婦の 子を抱く姿 勇気頂く
27
発熱しぐったり寝込む風邪?コロナ? あゝ神ですかポカリとヘルパー
28
この冬もひっぱりだして掃除して 廿四年目アラジンストーブ
32
年重ね 更にパワフル コーラス隊 プロ級ステージ あっぱれ秋の日
25
頂くは 妻の苦手な 果物で あへて・・・供へず 息子と完食
39
登山してる時に元気に挨拶するやつ街ではそれをしない
23
気をつけろ焼き飯を慌てて食うとカッとレンゲが前歯に当たる
19
媚びを売りZ世代を煽てたが蓋を開ければ議席減らした
17
言った事覚えてないと翻すやつをそろそろどうにかせねば 
18
予定より早く終わって暇だから好きなアイドルで打線を組む
17
病院でインフルエンザワクチンを打つ直前に風邪うつされた
23
おも浮かぶ そろばん塾より帰る吾を 頬被りの亡母はは夜道に待ちをり
44
テラコッタ色の軽トラ晩秋のオレンジ色の山に溶け込み
31
のこす べにと同じに つややかな 躑躅ツツジと錦木 くれないの赤
37
走るたび木の葉の踊るアスファルト 秋の陽させば楽しく見えて
27