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幾春
(
いくはる
)
を 越えれど 未だ芽吹かざる 蕾の秘める恋よ 何色
16
吐く息にいつか消えてくときめきと君が焼いたパウンドケーキ
10
処方箋まだ書けないよ私にはもっと訊かせてなにがつらいか
14
黄泉ばかり見ている人の袖をひくこの身をもちて碇となさん
16
それぞれの背負ふ荷物の重たさを触れずに終わる今日の女子会
72
羊羹の栗大き方きみに遣りふと手の触れし春炬燵かな
26
「母さんがちゃんと手作りしてたから」
料理男子
(
息子
)
のお褒めの言葉
35
背伸びして したこともない 失恋を 感情込めて 歌ってみた日
32
いつの間にわれを気遣う年になり孫は手をふり家を出てゆく
36
青纏い私は綺麗に歪になった 春の売り買いとかしよう
7
針を止め欠伸のひとつ伸びをして夜の明けたるにひとりと思ふ
27
信長記太田牛一の忠義たるおれと比べて米ひとつぶの
21
猫短歌最近詠めぬ感じある詠まない僕にニャンニャンと鳴く
23
ラッキーデイ 君は私を 想ってる 綺麗な夕陽 見えているよね
29
堅雪に追いかけ回る童のころ 幼なじみの声甦る
30
親友がインターホンに映ってる カメラ目線でモデルのポーズ
30
雪洞
(
ぼんぼり
)
に
睦
(
むつ
)
みて座る 人形の 頬の白さの 妖しき花冷え
30
わずか四十五分の体操もきつく感ずる七十五才
27
馬鹿げてる歌と滴と夕やけと眠る夢バナ東大受験
18
暮れなずむ駅の階段 手すりには傷の数だけ笑顔、泣き顔
27
日の当たる土手を歩かば足元に春の便りや
土筆
(
つくし
)
三本
46
考えて 無になるくらい 悩みつつ 藤沢の海 一人で泣いて
32
高速に乗らずに出会えたネコヤナギ見つけた春を君に知らせる
33
目覚むれば 屋根にポツポツ雨音が 乾いた心に染み込むように
23
寒し地の雪は溶けたか二月尽
雪洞
(
ぼんぼり
)
灯る春近付きぬ
42
一時間睡眠増やさな良くないな矢先の寝坊言わんこっちゃない
20
ねこたちは きょうもぬくぬく ねむねむで シニアねこもまた 愛らしきもの
26
花落ちてなおもあとひく椿かな紅溜まり心騒がす
32
夜を待ち 今は光らぬ 街灯は 春待つ花の つぼみに似てる
11
残業の 超過警告 メール来る 仕事終わらぬ 理不尽な闇
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