かお皐月さつきの空に遅桜人目もあらでひとり散り失す
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初孫の 我をもっこに ひょいと載せ 野良の仕事に 連れゆきし祖父 
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明日には もういなくなる お別れに 思い出すのは いつもの笑顔
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月めくり世界遺産のカレンダー行きたい国が毎月変わり
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葉に残る春の名残りを洗い去り五月の雨は緑を濃くす
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病みて知る 健常なる日の傲慢ごうまんを 今なら添えし心病むひと
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もやい解き子ら旅立てば食卓に影のひとつが縛られてゐる
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レンギョウの明かりのともる通学路転ばぬように迷わぬように
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焦げているさやを両手で引き裂くとふわふわのわた並ぶそら豆
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黄緑の朴葉をつたう春時雨 連休なんてないほうがいい
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気がつけばもうすぐ五月 慌てつつ予定立てるもまた一人旅
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なんとなく死にたくなった僕がただ見上げる夜に君はいるかな
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麗らかな 陽光満ちし菜園に 春を告げたる葱坊主かな 
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花びらにほのかな霧の咲きなびく紫淡い胡蝶の蘭や
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間違えて間違い抜いて辿り着く住めば都で眺める虹よ
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文庫本十冊売りて 原田ひ香 百円足して連れて帰りぬ
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ベランダで 陣地争い オセロゲーム 黒のハシブト 白の干布団
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鉱脈に添いて残りし手掘り跡生野銀山濡れた足音
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なにひとつ明日に繋がる歌の作れぬ日は目玉焼きの黄身に殻が入っている
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連休の天気予報に雨マーク悔やまぬことを悔やむべきなり
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婆さんはボケ、爺さんは寝たきりで介護嫌った嫁家出した
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幼き日の孫動画見る かたはらの眼差し見れば 子も親なりぬ
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ひたすらに幸せだけを詰め込んだ箱庭の中微睡んでいて
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もういない人の好みの味付けで 私のために作る肉じゃが
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ひたむきに生きた証が散らばった服や文具の配置に宿る
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かたまりにさじいっぽんで立ち向かう一年振りに開けた砂糖と
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コツコツと シール集めて 皿もらう ヤマザキ春の パン祭りなう
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見終わった後の映画の半券は当時を思い返せる栞
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雪溶けて桜ちりたる四月尽。今年は残り三分の二か
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五月病を乗り越えられなかった僕の分まで背負い僕は働く
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