思はでも過ぐせるものをなかなかに面影追ひ春の夜の月
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バス停で待つ人に少しみ残し 駅まで歩く1.8キロ
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花冷えの 雨降り出でて 悲しみの ふたたび返る 君が四七日(よなぬか) /挽歌
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明日といふ 日がなきことは 夢ならで 逝きて帰らぬ 君を悲しむ /挽歌
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たまきはる 君が命か ひさかたの 天つ御空に 帚星飛ぶ  /挽歌
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卒業の子と入学の子の在れば涙の親はスイートピーかな
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逢う日まであなたの告げた「待ってね」を我胸べりの小鉢へ育て
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「いよいよ」と思う頃には有料のチケット買うのか…サブスクの罠
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思い出の湯けむりの町一人ゆくあなたとわたし分子になれず
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二千年戯れ過ぎた洋神のその救済に和の八百万
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孫出るか…半年先のイベントの予約サイトへキーボード打つ
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ははそはの母の湯湯婆ゆたんぽしまはれて一万日の日はめくらるる
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桜舞ふ バスを待つあゐだに 愚痴をこぼし合ひ 笑ひ合ふ同僚と
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オルカにはマグニチュードがあるなんて聞いてなかったアイスも溶けた
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イルカたち 摩擦係数ゼロで泳ぐ 弊社も明日からこうなりませぬか
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新しい手帳にきみの誕生日 書いてないけど気づいてないよ
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ペンライト電池が液もれしていた日 推しだったことを思い出した日
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金縛り解くためもがく午前二時 やめて明日は朝から会議
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一夜漬け叶わぬゴルフスウィングのYoutubeなど彷徨いており
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キミ想い清明の空見上げをり新たな年も共に生きたい/卯月六日
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戯れに 答え求めて 幾世紀 今で云うなら 学者馬鹿?
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誰よりも 優しききみの 未来には わたしと違う 姿ありけり
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さよならと 世界に別れを 告げしとき またどこかで 世界始まる
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曇のち頭痛の日には髪の毛を上に引っ張り隙間を空ける
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静寂の産科病棟 響く心音 生命を刻む その力強さよ
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深夜2時、突然バーバーマイセルフ髪切り虫が疼く季節で
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切れ目なく言葉を紡ぐすべもなくうわごとだけを並べては泣く
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火曜日であることを確かめるよう 二カ月続く妻の通院
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春疾風はるはやて 工場こうば通りの 桜散る 道に敷きゆく 薄紅の地図
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休日の特典としていち早くカレーをいただく午前十一時
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