土瀝青アスファルトの片隅 さき名も知らぬ白き草花 健気に咲く春
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順番は桜の次に桜桃さくらんぼ咲いたものだが園地はすたれ/後継者無く
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不在の 自由奔放 ヘデラのツル 我がもの顔で隣家のフェンスへ
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チビ猫の 首輪もどっか 見当たらない 買い替えどきを 知らせているか
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泣きながら パンを齧った そのひとに 月明かりみて 影を重ねる
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屍は衆人環視の荼毘に付し 川に流して輪廻に託す
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無邪気にはしゃぐ幼きまごが今 時折目を伏せ もの想うようになり
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蒲公英たんぽぽや庭に届きしわたひとつ植ゑてブタナと知りぬ粗毛あらげ
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絞り出す«ちゅ~る»付着す我が指をむる二匹の舌こそばゆし
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どこからか宅配された髪の毛の束の根元に血がべっとりと
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春風に 誘われペダル 踏むわれは ひとり追い越し ふたり追い越し
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「仲いいな」長袖Tシャツ洗ったら絡みすぎだろ腕と腕とが
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夜桜が映える灯りも消えた街灯りを点けた会社も消えた
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八十歳 大国の長トランプさんの 反抗期 拳振り上げ 銭むしり取る
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桃色の 絨毯踏むを 忍びなく 風に頼みて 道をつくらむ
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神からの怒号は聞かず辿り行け小さな幸に笑う日も来る
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春の陽に 土を持ち上げ顔を出す 旬の筍山の香満ちて  
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見上げれば 朝陽に照らされ綿の雲 萌黄もえぎの葉のにふんわり浮かび
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青空に残雪きわだつ岩木山おやま見てつい掌をあわす吾は津軽衆
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米国に 加担はしない 抗議する 絶対見ない メジャーリーグ
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行く場所とこが ある幸せに 目覚める 爽やかな朝 一歩踏み出す
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目覚めたら 夢だったとか 無きにしも 非ずなんて ある訳もなく
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人知れず初冬に開花 暖春にいだかれ実りはじむ 枇杷の木
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買ってきてと頼んだものはなにもかも忘れてカヌレ買ってきてくれた
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池掃除おこぼれなんて思うのか間近まぢか見守るカラスは二羽なり
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起きたらば ベッドの上に ぼーるさん ちま猫ちゃんが あしょんで遊んでいたの
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持たぬわれ飢えもありやとよぎるなり済民の世の空蝉なれば
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ぼんやりと空に浮かぶは淡色の吹きゆく春の夢にみた雲
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ライブにて推し活す如 いっせいに陽を見て開く 酢漿草カタバミの花
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今日のことあれやこれやと聞いてやるただそれだけでよかったと知る
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