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冒険という名の種族 転んだり笑ったりするそうして生きる
43
透明の水彩画からこぼれ落ちだいじな
欠片
(
かけら
)
うまく
描
(
か
)
けない
22
草を引き 蟻が驚き 目を覚ます その身体にも 春の到来
37
諧謔
(
ユーモア
)
と
忠恕
(
おもいやり
)
さえ あればいい 世界平和は かくも易きに
20
春浅き苔の美し信濃路を歩かば一枝桜咲き初む
50
サックスの深い音色は時をかけ心に届け夢みるごとし
20
若人
(
わこうど
)
よ
無闇矢鱈
(
むやみやたら
)
を 恐れるな
倫
(
みち
)
を守れば あとは自由だ
18
豚こまを 醤油と
葱
(
ねぎ
)
と
大蒜
(
にんにく
)
と 炒め
拵
(
こしら
)
う 即席の薬
15
かすみたる山の端追へば川妬みわれ忘るなと水面ひかるや
16
陸奥
(
みちのく
)
の 花の盛りを 見ぬままに 時は過ぎ去り 十五年
19
ふんわりとロールサンドは春包み赤きリボンを誇らしく解く
25
娘から投函頼まれ必ずと愚直に手で持つ言われた通りに
20
悲哀とは 幸福たちの 存在を 証明し得る 唯一のもの
15
今日もまた足を踏まれることだけが世間とぽくのコミュニケーション
9
有明の夢とぞ憶えし逢瀬なら月満つるまで夜桜に泣く
23
歴史上生まれた人の総計は千百七十億人といふ
21
誰も彼も敵に思えて身構えるそんな自分が一番の敵
22
並ぶほど愛くるしいは雀なり後光を受けてわれにおはよう
23
満開のカワズ桜をLINE送 雪積む庭の写真が返る
27
咲き
初
(
そ
)
めば 心乱せし
桜花
(
さくらばな
)
花吹雪
(
はなふぶ
)
く前に 胸に
留
(
とど
)
めむ
27
何年か何十年後か振り返る今日の不遇は蟻ほども無い
19
春彼岸義父母の墓へ菊の花 我関せずの夫は誘わず
25
菜の花の 苦味が鼻を ぬけてゆく 熱燗にして 「立山二合」
45
情報をすぐに共有する仲になって半年またラブレター
18
あの頃はヒロシマだった広島の戦後八十年も戦前
22
バラ色の未来買うほど暇はなく「広島おんなエレジー」ずっと
25
寄り添いて不味き牡丹餅分かち合う 笑う夫の手の節愛し
27
杖を見て手を貸す人の住む街に小さな春の温もりの宵
40
内定も卒論もただの紙だけど 僕は震える
肉体
(
ひと
)
としている
33
傷が付き触れると落ちる背の
鱗
(
うろこ
)
一つ一つを拾いてあるく
21
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