雪国の厳しさ少しは知った今春の気配に浮かれもできず
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頼りなく我のコートに着地する結晶愛でて睦月の終わり
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高さこそ突きつけらるる峰の花 霞の中にてとくと見据えん
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ふらふらで何がどうだか解からずに高次脳機能障害者行く
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誇らしき造り花より棘を持ち咲けるサボテン愛でて生きたし
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洗濯機音をたてつつ暴れおりこのまま外へ飛び出す気配
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水揺れて 一人寄りかかる ビート板 眺めた背中は 僕のずっと前
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ひと月と二ヶ月ごとと半年と一年ごとの経過観察/みんな別の病院です
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何もかも 一休みしよ 日曜日 ホットミルクに蜂蜜入れて
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髪留めの赤つけて笑む君といるサイゼのランチのひだまりが好き
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参道に鈴の音ひびき蜜を吸うメジロは集う早咲きの梅
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コンビニの アイス溶け出す 海岸線 君の手掴み 走り出す初夏
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ゆらぎとかあそびの息のおっとりと聞こえたやうな如月の風
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冬の午後 君(猫ちゃん)がうたた寝 その横で 僕も静かに 眠気が誘う
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推している チームの限定 ユニフォーム 安く手に入れ 心複雑
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散歩道いつものルート公園は傍で演説ちょっとやかまし
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おだやかな日々の暮らしをかみしめる しみじみ思うなんと尊い/平和
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いつもならなんてことない夜なのに独りでいるのが耐えられなくて
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人生は 舞い上がる時 もなければ 墜落もない 低空飛行
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平和時に生きた己の無節操 ナショナリズムを止める者なし
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すれ違う 触れる離れる 繰り返し 男波おなみ女波めなみに いまは漂う
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組み立てに、必ず二人用意して。ネジを締めたら戻れないから。
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恐ろしや 鬼が子供を 支配する 死屍累々の 小さな心
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よくもまあ 素性の知れぬ 爺婆に 子供を預け 社会進出
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子育ての 資格もなくて 訓練も なくて人類 世代交代
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紙コップを潰さないで持てるので手を握っても大丈夫でしょう
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仕事では 細かいルール 遵守する 人も無視する 制限速度
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喫茶店 大声電話 ダサ女 話す内容 学なきバレる
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春が来ぬ 自転車パンク 直す度 もらったテレビ 映る瞬間
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神様に背中を向けてでも君のことを見ていたい2月某日
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