朝方の夢に追われて庭に出ず 一叢ひとむらの水仙ありて呼吸いきととのひぬ
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求めても求めてもまた求めても与えようとせぬ君のプライド
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悲しみて戦地の鳥は見るだろか そこで傷つく大地と人を
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値上がりは 二十円です。 灯油です。 赤紙みたいな 葉書一葉いちよう / 氷点下つづく
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ほどきたる古着の紐を玩具にし 鼠の尾に見立てじゃるる猫
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「誇り高き下等動物」君のことそう呼ぶことで怒り鎮めん
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目覚むれば二日で二尺の雪積みて春は一気に振り出しへ戻る
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いい嫁を 演じるつもり ないけれど 遣う気の分 魂抜ける
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きんたまの陰毛を熱で伸ばす夜←陰毛が黒いって誰が決めたんだよ
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森入らば春鳥の声合図とし日ごと芽吹きは進みゆくなり
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満艦飾の衣着て新船ひと吠えす 三十年振りの壽ぎに児らも集いて
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みーちゃんが来てくれるからおばちゃんは罪滅ぼしが出来る気がする
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ぽんと出す持病の薬がひとつ立つおやっと思ういい日と思う
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脚色の目立つ噂を聞きながら硬いトマトを噛んでるランチ
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ボケてると思われていた爺ちゃんが 誰より綺麗に両手を合わせた
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春陽しゅんよういだかれ つぼみゆるまりて 枝紅らむる 神社の桜
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今はただ 去りて久しき 可惜夜の 余韻に浸る 君を想ひて
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流れ着く果てを知るのか雪解水急ぎ急ぎて目指す下流の
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吾の実家継ぐ人の無き墓ありて今は姉妹で守ると決めし
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名も柄もわれに似ているボケ木瓜の花 木偶の坊にも春の彩り
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ふんわりとロールサンドは春包み赤きリボンを誇らしく解く
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羽々斬はばきりを 構えて大蛇おろち 幻影の 我のクロユリ 断ち切れぬなり
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我が足に 頭のせぐっすり眠る君 痺れがきても 動けず我慢
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雨の日は 晴れを祈って 晴れの日は 雨を祈った 三月の自室へや
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聴き終えたやさしい話に作り手もきっとと思う「ゆず、香る」 /深夜便ラジオ文芸館にて
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保育園 六年間も 行ったのか  い立つせがれ 少し遠くに
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窓越しの 板の間に立ち 温もれる 足の裏から 春入りたり
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時経ちて 陽春ようしゅんうた最中さなかなり 飛び立つ花粉せい黄金こがねに輝く
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ポーリッシュポタリー求めGoogle(Inc.)各地の食器よ我に集まれ
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飲み終えた 川沿いに光る ラムネ瓶 水で満たして 夏が弾けた
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