半券をノートに貼ればあの日観た舞台は記憶の標本となり
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掴みたいものはだいたいこぼれゆく 吊革だったらすぐ掴めるのに
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「さめざめ」を高速で溶かして回せば かなしいわたあめになる。食べたい。
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液体の磁石のように自意識が近寄ればとげとげしだす心
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唐突に宇宙へ放り投げられる「どこでも好きなお席へどうぞ」
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ゲームカセットの値下げを報告してる 誰にも届かないアイラブユー
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胸の中を掴まれる感覚が好き。寒い日に吸う煙草の話。
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雨垂れが石を穿つ要領で、きっと空いた靴下の穴
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名月を収めた画面 夜8時 送信ボタンは、まだ押せてない。
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友人が自分の母を褒めている その気遣いには感謝を告げる
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久々に犬も食わないナンとやら 秋刀魚の塩焼き二人で黙食
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朝起きて毛布に包まるうちの子が またしもやけと付き合う季節
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初雁の遅れ啼く聲かれがれに蓬老いたれみそらもろとも
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だいだいの小さき花から漂う そのかぐわしさに胸膨らませ
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「意外とさ、嫌いじゃないねこの味は」 わたしゴーヤチャンプルでしたか
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死んだあと、きっと世界をこう見てる。屋上の景色。羽はまだない。
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茜雲あすも良き日になりそうな迫り来るなり燃ゆる黄昏
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「光あれ。すると光があった。」マジ? お金あれ。「いや、そういうのじゃない。」
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大病をせし弟よや健やかに暮らしておるか案じて祈る
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愛犬の匂いの残るこの布団 そおっと下ろす小さな骨壷
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秋空の 雲の切れ間に 差す夕陽 レンブラントが 大地を照らす
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合わせれば逸らす視線の動線で見えない壁を張る能力者
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秋空は 淡く哀れに 泡のな 今亡き夏の 君の半袖 
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切れるべくして切れてきた縁があり、空の財布と向き合っている。
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政策の詳しいことは分からんが とにもかくにも物価高市
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エアコンの作った空気が苦しくて冬の夜風に消えたくなった
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淹れたての コーヒーの香りは 時を止め 秋空の雲を しばし見送る
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山茶花の花びら降るる日溜まりの僕に秋の日静かに降るる
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恥ずかしい 誰もいない家 ハミングをやめる必要なんてないのに
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人の無い夜中の街で一人きり雪に残った靴跡を追う
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