長いこと 我慢してきた 効果かな わけもわからぬ 怒りも萎えて
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婆さんに 調子合せて 一仕事 爺は二人 仲は最悪
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クラシック 理路整然と 美しく ついていけない 気品の高さ
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振り返ることなく静かに歩むふたり決意の別れ背中が語る夕暮れ
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美容師が どこかに行った 瞬間に 目を開けて見る 刈り上げ具合
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退院の 承諾下りれば ばあちゃんが 孫が欠けると 朝から涙
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日中の 関係悪化で 上野から まさかのパンダが 消えるかも?!⋯なんて
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シャンプーと リンスのボトル 同じ量 理解はするが 納得いかない
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嗚呼今日も東西南北五里霧中耳を塞いで逃亡中
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去る電車わたしに見せる焦燥感秋に揉まれし半袖を着る
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野菜室のピーマンようやく救出よ 合間にLINEギフトをポチ>いい夫婦の日
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イヤホンの片耳外し嫌そうな顔して遠く見つめる君は
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いつだって言葉は足らず であっても出会っても 祈りのように そこに置くだけ
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お祈りの終わりのようにまぶた閉じ棒キャンディーの取っ手をなめる
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世の糸の絡まってひとすじ光る君の祈りの美しいこと
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ひとつだけ飛び出た煉瓦 踏み込めばきっと何処かの扉が開く
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トラバー点 ここを通れば自宅へのワープゾーンがある(ことにする)
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ジョギングのクリア報酬!「鉄火丼」 冷蔵庫からお受け取り下さい
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遺骸数多納められてある地下納骨堂に続く青年の奥処を燈れる錫の世紀は
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木葉屑草壁若葉花いきれ 牛迷宮に学生帽は燃えつきにけり
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情緒なくトンズラこいた「夏」のやつ ブラジル行けばまた会えるかな
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ちっぽけなほど良いこともあるのだと マンデルブロの銀河は語る
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長月と競い伸びゆく爪と髪 気付けば俺は狼男
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ふるさとの百葉箱の神様へ。 風がそちらへ向かうようです。
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偶像アイコンを失くした僕ら もういっそ名も泡沫に溶かしてみようか
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百四十字の声が入る封筒ありふれた真白のテキストボックスに 写真一葉今日の昼食のみ添え送る天邪鬼だから「さえずれ」と言われても鳴かず飛ばずで過ごしています
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光線の届かぬ部屋が寒くなり ここが惑星だと思い出す
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なぜなんだ 煮卵入りのラーメンを買って煮卵だけ残す人
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暇四に方侘かびら妬睨みむは赤募目るも 振郭り公ほやど きそ の急青げ巣自ご転と車落 と雛しのて鳴しくま間えに
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こちら側のどこからでも開けられぬ封を切り裂く選ばれし剣
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