あの頃はヒロシマだった広島の戦後八十年も戦前
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バラ色の未来買うほど暇はなく「広島おんなエレジー」ずっと
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杖を見て手を貸す人の住む街に小さな春の温もりの宵
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春の野は思い出たどる宝箱れんげ畑で日がな一日
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内定も卒論もただの紙だけど 僕は震える肉体ひととしている
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春霞 中途半端な この季節 浮かれる人も 落ち込む人も
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柵に干さるる さき白き上履き 二足ふたそく並び 春光浴びぬ
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風呂あがり心の垢も流し去り生まれ変わったオーラを纏う
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何度でも カメラフォルダ 見返して スクロールする 指はやくなる
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貧しくも思いは高くと言い訳し株は疎くて短歌うたに溺れる
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物乞いの 子らいる国に みっちゃんは ただ愛おし慈悲と 日本を乞うて
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冷雨落つ薄暗し朝 車窓より見ゆる春 つぼみはぢくる枝
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教科書にひらがな四つ「てふてふ」と春の扉をひらいたあの日
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誰にでも苦手はあるさ 散歩中猫に出会うと逃げる柴犬
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空腹のこの喜びをたれぞ知る飽食牢を釈放間近
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夜桜が 風にさざめく 根もとには 美しき魔が ひそみ誘う
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春日中はるひなか 二つの川が 交わりて 川面の光 ゆらゆら揺れて
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在来線 「カタンコトン」と 過ぎてゆく 懐かしき日々 時に思い出し
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日本は 幸せだよね でも此処は 資源不足災害大国
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捨てられぬ物も想いもあふれすぎ部屋が心がゆらゆら揺れる
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春うらら 春休みとも 重なりて 平和な日本 みな桜色
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見るものと  思ふこととを  なすことの  すべてを決むる  われにありけり
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人生に 勲章なんて 要らないよ 日々生きること それでいいんだ
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ただ晴れて ただ温もれて 風もなく この一日は 幸せだよね
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宇宙人のガイドブックの片隅に「美しいけど残念な星」
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インフルBという春休み 五日間家族の声で満たす喜び
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墓参終え伊勢を巡りて帰り来む杖つきつつも春の陽を浴び
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スギ終わりヒノキまでの隙突いて布団にうららな陽をたっぷりと /花粉はまだ続きます…
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市役所は どこですかと問う 留学生 まっすぐな瞳に エールを送る
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水清き媼が捏ねし草もちに籠れし富士の霊気を食めり (忍野村)
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