入口の 小さな白い 喫茶店 バナナジュースは 初恋の味
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波多き 人生なれど 刻まれし 愛と記憶は いろどりとなる
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旅戻り早速干しいも作業する無事に感謝し日常始むる
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小春日の温もりは母を 木枯しの厳しさは父を想ふ初冬
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初デート ママに内緒でいくからね ブタ公園で君を待つ僕
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同僚ともからの 旅の土産に 温もりぬ 忙しくとも 足痛くとも
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断捨離の荷をのせる時軽トラにとまった蜻蛉 秋の終わりの
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来月で介護3年目に突入 少しはわたし役立ってるかな
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指先が母になりゆく初冬の夕 ポテトグラタン肉じゃがにする
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晩秋に木の葉時雨は降り止まず園児のポケット落ち葉の入れ物
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デイケアでおしゃべりはずむ女性陣寡黙な小数男性陣よ
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聞き慣れた朝のアナウンサーの声 今朝は鼻声 流行りをる風邪
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批判することは簡単トゲトゲをもて余してはスマホをさわる
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野薔薇のいばらは寒さに耐えて茎も実も赤くなりけり 空を見上げて
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麗らかな陽射し翳れば瞬く間 冷える足先 冬を告げをり
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暗闇のオフィスに光るパソコンでご褒美ポチって今日を終えるの
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グラコロはコロコロコロっと転がって、冬が来たぞと知らせてくれる。
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『私はね健康診断だと思う』認知症だと告げられる前は
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寅の刻 感謝知らずの 血筋だと 夢に起こされ ぢっと耳澄ます
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雨はげしい今日は合羽を使おうか買い物するにも事欠く生保
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道なりにお進み下さい目的地まだ見えません人生なので
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丑三つに  やるせなさ持ち  乗るバイク  風が凍てつく  妙に鋭く
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砂浜へ電車ごっこの子ら来れば白千鳥しろちどりそばをトコトコと行く
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白菜の葉から葉へと紋白や ぬくき陽が差す午後の菜園
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キジトラの シマシマなぞって どこまでも ほっぺにゴール 歯形は褒美か
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哀しみを赦せる日々がやってきた 水を湛えたスポンジを押す
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我のため雑草くさを摘んでは土産とす 認知症やまいの祖母の不変の愛情
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半分の 月が私に お似合いと 満月ほどに 完璧でなく
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風邪気味の喉に優しい布マスク着けて眠らん微熱の夜に /手作りのゆるゆるマスク
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深淵を覗くとき深淵もまたこちらをあれっ?見てない見てよ!
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