理不尽りふじんな  孤独こどくかす  看護かんごの手  胸襟きょうきん開き  きずなしん
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春思い  三寒四温さんかんしおんの  よんを待つ  来れど来れども  七寒零温ななかんれいおん
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意味ばかり 受けとる人が置いていく お気持ち 拾って洗って干して
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三月が 三日くらいで 過ぎ去った ような気がする まだ雪が降る
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八重桜 共に過ごした年月が 古き団地に静かに咲いて
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しょっぱいのーその目玉焼き、君のさが。いっぺんここらで心にあまみを。
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人住まぬ坪庭の木に絡みつく昼顔の花侘し夕暮れ
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そこにありて 草木の陰に 冴え冴えと なみだに映る 野菊のいろ
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独りでも 生きよと諭す 声に似て そよ吹く風に 母の恋しき
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灯台の 灯火ともしびなれば 君が手を 離さじと思ふ 世が終わりても
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暗幕あんまくに 散りばめられし 銀の鈴 夜風の揺らす 星の いくつ 
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窓に寄り 鰯雲見れば 君が弾く チェロの低く 空に溶けゆく
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くたびれに拾ひ物あり届けなば探す人ゐて胸ほどけたり
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そんな夜はひっくりかえったスリッパとお話するのさ。おもて向くまで
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愛犬の骨壷を抱く 嗚呼キミもここに一緒に来たかったよね \ 新居に移りました
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黒豆の うるしの如き つやを見て 口にせずとも うまいとわかる
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にゃあと鳴き たまに現れ すっと消え  気ままに見えて 思慮深き君
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『抱っこして』 十年経てば 言わぬのに  してやらぬわれ 今日はしようか  
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鬼は外 多様性の この時代  鬼も内にと なる日も近し
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ナチス廣報戰略大臣ヨゼフ・ゲッベルスの群柏の拍手
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元気でも慈しまれているような気になれるからおかゆが好きだ
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窓覗く 君の街にも 積もるかな 雪よ舞え舞え 想いよ届け
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忘れ物してきたようで落ち着かず春の私はちょっとせつない
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じゃあね、って 手を振った君の 背は遠い ひとり教室 あまりにも恋だ
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ぱらぱらと雫は頬に傘以外のものならぜんぶ持っているのに
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如月は衣を重ねることという一枚一枚ぬいで待つ春
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「母さんがちゃんと手作りしてたから」 料理男子息子のお褒めの言葉
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昼食の支度をせねばと思うほど 突き付けられる身の不自由よ
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子育ては ハラスメントに 似たるもの  受け手が決める 愛の正しさ
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もの言はず追ひ越してゆく息子の背ほのと匂ひて犬見まはせり
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