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気を抜いた背中の写る一枚にどこの老婆と目を疑いし
37
防空頭巾爛れて千々に孔開きぬ蒙る儘焼かる火に
20
徴兵遁れられず若き丈累々と希望の旗のもとに殺さる
15
闘病を支えてくれる診療所 紙のカルテは地層のごとし
33
雪洞
(
ぼんぼり
)
の
丸
(
まろ
)
き
灯
(
あか
)
りに 伏す君の
手弱女
(
たおやめ
)
の如き 長き睫毛よ
27
コンビニの温いお茶買うその癖を未来の僕は愛すと思う
24
注射後にアウアウ鳴いている犬を宥める獣医のやわらかな声
28
雪女郎の さよならの声 きいている 淡く大きく 真っ直ぐに昇る
47
彼岸前もう満開の木蓮が手持ちぶさたに風にゆらゆら
28
今週の乱高下する血圧はひとまず忘れカラオケに行く
26
春セーター色鉛筆は十二色画用紙持ってお出かけしたし
22
二日酔いと浮腫み無念極まれりガリガリ君しか食べられぬ刑
26
「ごめんね」と言えば「いいよ」と決まってた。いつの頃から「いいよ」で済まぬ
23
微笑めば微笑み返すレジ台にやっと届いた小さき子の指
19
ゆるるりと自分を満たす一人時間 気ままサプリが吾には効くらし
39
青天の
下
(
もと
)
満開の早桜 メジロを
誘
(
おび
)
き寄する 蜜の香
30
日記帳今日のあれこれ書き連ね 狭い余白に「お元気ですか?」
35
ネギ油 炎が上がるカウンター 香ばしい麺 一気に食す
30
流れてる ラジオを聴いて リズム取り 今朝もカタカタ パソコンを打つ
12
塾へ行く 道に毎日 向かい風 負けてたまるか 待ってろよ、春
27
ねこ母へ お悔やみ申し上げまする タヌ猫さんへ冥福あれと
19
陽だまりの たんぽぽひとつ 春が来る 小さな風が そっとゆれてる
19
親を子のようにおもう日 崖っぷち、だけど愛して家事をしている
29
さんとく
(
ジャガイモ
)
を 植へたがる母 拒む我
遅霜
(
おそじも
)
逆算 植へるは彼岸
38
往き方は調べたけれど間に合わず 疾うに葬儀が始まる刻や
18
ミステリーを読み
耽
(
ふけ
)
るきみ 黒薔薇の一輪挿しのように静かに
26
これやこの
想像ラジオのジングルは
(
行くも帰るも 別れては
)
知るも知らぬもあふ坂の関 /蝉丸✕いとうせいこう 10/100
10
下手なりに 写経に臨む 我を見て 成長したなと 友が微笑む
33
名駅で 最初で最後 二人飲み 男女の友情 転勤前夜
31
頂
(
いただき
)
を 目指せ 困難 有ろうとも 高い場所ほど 風吹くものだ
30
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