70余 幾つもの苦難 乗り越えて  今平穏な日々 すべてに感謝
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呑んだとき「旨い」と云つた酒の名を刻むで求む義父誕生日
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教えられ「そうや」と応え叱られる 口癖なのでどうにもならぬ
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掌で包む伊予柑ずっしりと持ち重りして食べきれないほど
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安全が汚染されない空間に連れていってよ大人なんでしょ
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人間と道具の狭間の彼方かな 地に足つかず宙ぶらりんりん
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富士の山 今日のご機嫌 いかがかな 仰げる毎朝 清々し
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晴れわたる空を飛びゆく黒いはね海辺の道の年初めの日
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木を下りて人への一歩を踏む猿が追いかけたかった流星がある
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和歌百首 重荷に感ず 十七や 三十七にて 至宝に感ず
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眼前に 老婆四時間 立ったまま 座らせるには 嘘をつくしか
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YSLのシャツを着て俯いて笑う君に横切るかつて見た鹿の群れ
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やさしさで繋ぎ止めて 地獄の底で一緒に踊ろう ラルララ
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ブーとなり目が覚め出るとアツアツにこんな夜更けにバルサかよ
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欲を出したら「いいね」など貰えない
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「まあ立派こんなに太くてかたい♡」樫の木を見るお前はもう何も言うな
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ポテサラと涙のにおいで満ちる部屋
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会えなくなってからあなたを暴くような冬の光だ
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停止した爺の蠢くパンチパーマ博物誌へと寄稿したまで
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謙遜で 何もわからぬ 人間が ちょっとわかると 鬼の形相
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もう役に立てそうにないから切って落としてぜんぶ忘れてくれよ
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あきらめず 思い貫け 砕けても 天に広がり 煌めく星に
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リナックスを学びきて一年、その軌跡が五年日記の上段に見ゆ
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人びとの残りをもとめ散る花の上を歩いてゆく鳩の群れ
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片耳にマスクをかけて池の面をながれる風に呼応している
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火葬場で焼かれたぼくのからだから探してほしい星のかけらを
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この花を最初に咲かせた人は多分「ユリ」という名の恋人がいた
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ドライブのBGM90's 白髪は気にすなカニ食べ行こう
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五線譜の上じゃ隣は不協和音 離れてみてみ? 綺麗に鳴るから
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手帳では黒字の君の誕生日有給消化で作る祝日
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