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闘病を支えてくれる診療所 紙のカルテは地層のごとし
31
まぶしげに めをほそめたる ねこのてを そっと握って 気持ちを交わす
30
落ち込むわ… 店のガラスに映りしは老いて太ったわが姿なり
28
沈丁花 花の香りを 全力で 主張する様 命短く
36
嫁、娘、母の三役こなしつつ、守るつもりが守られる日々
36
次々と美しい歌詠む歌人 その感性にふれてみたくて
32
物陰の沈丁花憐れむにあたらず その香りの主張 我と
違い
(
たが
)
て
8
春陽
(
しゅんよう
)
の
抱擁
(
ほうよう
)
に酔う 様にして
揚々
(
ようよう
)
今日は 何をしようか
16
幼馴染と心ほどける居酒屋の隅っこが僕の避難所だった
41
穏やかな 春風吹けばいそいそと 農具並べて「いざ出陣」かな
27
メンタルによっては毒にも薬にもなると思うのあなたの言葉
23
寝るときに 足にそおっと あご乗せる ねこの愛しさ 日々替え難く
29
報道の「死亡」が夜には「殺害」と変わる単語の不穏な空気
30
階段を一個飛ばしでいく春の初出勤のをのこの背中
18
大型車 巧みに操る その腕は 華奢で
靭
(
しな
)
やか 若きドライバー
33
はれやかに高校生は卒業し混むはずのない道は混みゆく
20
如月の名残りのがんも半分こ おでん仕舞いは春の合図と
32
雪洞
(
ぼんぼり
)
の
丸
(
まろ
)
き
灯
(
あか
)
りに 伏す君の
手弱女
(
たおやめ
)
の如き 長き睫毛よ
25
密かなる 自慢のくびれ 今は無く 狸の如き 腹を見つめる
27
朧月と寄り添うように山々は佇んでいる穏やかな夜
31
本年も ボロ服
纏
(
まとい
)
軽トラで
臨
(
のぞ
)
む税務署 確定申告
31
「さあ記憶なくせば無罪してあげる」そう言われたら何でもできる
16
言葉放つ嘘では無くも半分は好印象欲し本音もありて
34
落とし物 気付かずに去りゆく背中 「待って」の
小
(
ち
)
さき声も届かず
30
オレンジをオレンヂと書く母のメモふわり漂う昭和のかほり
28
初孫を抱けばミルクの匂ひして「あ」と「ぶ」でかぞふ雛人形ゐ
13
締切と 雑務に追われ ひと月が 過ぎて気づけば 花香る春
18
せわしない令和の音に逆行す余白の多い音符の心地/ラジオから
25
涙腺が弱まってるのもホルモンか「もぐらとずぼん」(←絵本)読んでウルウル
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ひさかたの 雨の予報の ひな祭り 月食阻む 雲し恨めし
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