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床に落つ白髪一本つまみ上げ抱きしめましょう我の人生
28
月光夜どうしようもなく秋の風あしたは桃を買ってきましょう
27
風呂上がり ブローがさほど苦じゃないし汗も吹き出ぬ 秋なんだなと
24
中華まん夏に食べるも一興だ明日セブンで立ち食いしよう
23
船の往く中川運河の倉庫群 荷役に残る昔の
欠片
(
かけら
)
32
リンゴ酢の空きビンごみに出てたから親近感がわく出勤前
25
我ながら美肌だなあと自画自賛アラ還なれどシミしわは無し/リンゴ酢効果?
25
シクラメン居心地いいのか十ヶ月 次々現わる小さなつぼみ \ 11月からずっと咲いています
27
生かされて何とは無しに生きている防災準備は何もしてない
26
木々の枝葉がわたくしの頭を撫でて慰めようとしていた土曜
14
納豆を食べる程度の気構えでぜひ面接にいらしてください
18
掬
(
すく
)
われて向こうに行けと流される小魚になり途方に暮れる
21
日々を詠む うたの しずくの 集まりて 渇く心に 慈雨のじんわり
61
シャリシャリと月の形の梨を喰む夜暗がりに小さく泣いて
26
同クラは出ない 水泳決勝戦 大歓声に プールが割れる
17
澄んでいる空のかなたにいる人へ 見えるか 私が抱いた赤薔薇
15
秋の夜に見上げた月の正円を最初にきみに伝えたかった
14
敬老の心こもるる飾りつけ集う笑顔に感謝あふれて
17
あんたってなかなかひどい奴だよね
高天原
(
たかまがはら
)
を向いてむくれる
9
手に入らないならなんで光ったのって言いたくもなる
眩
(
まばゆ
)
い瞳
12
青薔薇を地上で眠る横顔のとなりに置いて消えていきたい
6
「異常なし」を確かめに行くクリニック心配性の病は治らず
19
透けている血管の青と紫を今更ながら優しく撫でる
16
先生が答えを省いたあの午後にほんのりすりむいたままの胸
7
草むらで大合唱の虫たちは短き秋を知りて鳴くやも
19
死ぬまでにやりたいことのリストから「青い紅茶を飲む」を選んだ
9
終端が近づく。茄子を育てたい。区民農園申し込みする
13
本当は粉薬だって飲めないし、なりふり構わず泣きたかったし
11
話すこと紙にメモしてこんな事最後の日に言うことじゃない
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テレビ前 後ろで手を組む父と
息子
(
こ
)
は おんなじかたち やっぱり親子 \ 世界陸上観戦
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