菜の花とカラシを和えて皿に盛り 気分だけでも食卓に春 /寒い
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追憶が層を成しては花弁に ハレもケもない春の呼び声
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「もし私が 猫になったら どうするの」 「アレルギーすら 治してみせる」
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硝子戸の中の日溜り白黒の猫眠ってるゆったりと伸び
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春雷の この高原にこだまして 雪も降ったり 明日卒業式
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だるいとかじゃないんだもっとぐにゃぐにゃでわたしのかたちがたもてないんだ
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アンコール一回だけはお約束 またも戻るか野暮なこの冬
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旅立ちの 朝はスッキリ 晴れ渡り マイナス8度 でもかまわない / 南へ行くから
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とぼとぼと歩く母の背小さくて  すこやか祈る 春の風吹く
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自分では眠るつもりはなかったが目覚めて恥じる職場のうたた寝
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愛さずに愛されようと思っても そうはいかない浮世の定め
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素通りは決してさせない存在が君のいる街降り立っていた
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だんだんに陽射しに力加わりて野花映えさす草の青々
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切りすぎた前髪おさえ笑ってる君に吹く春白シャツなびく
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朝ぼらけ石塔せきとうに香を焚く西へ去りゆく月を背にして
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よろづなる悲喜交々ひきこもごもや春のの照るきざはしを駆けて舞へ舞へ
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砂浜にヒールが埋まり、身長とこころの内が今暴かれる
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君のそのせりふまわしに弱くってわたしはくるくる踊らされ死ぬ
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一度だけ言われた「死ね」を百億回わたしがわたしに言ってるね、「死ね」
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朝の陽に雷に雨雪あめゆきに会い氷雨日溜ひだまり彼岸の一日ひとひ
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電線が 夕焼け光を 反射する 濃い蜂蜜で 描いた絵のよう
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雪解けに言葉を次々掘り出して諍いの日の声よみがえる
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二十歳なり。かたちを変えた青春を十秒前で君は待ってて
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今日の月 ピロシキにしか 見えないの これは意外と 素敵な人生
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たまに来て どかりと座る セロトニン そうよ私は あなたの奴隷
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花持ちて春陽はるひのみちを行き行けば梅咲き残る今年の彼岸
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水温み 春が背伸びを するように 空も草木も 背伸びしている
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読み終えしなれの長編手のひらにずしりと重き感触残し
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不機嫌を振り撒く人よその口を 何で塞げば静かになるか?
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予報士の詳しく語る涅槃西風ねはんにしその風に乗り亡兄姉けいしも帰るや
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