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思はでも過ぐせるものをなかなかに面影追ひ
来
(
く
)
春の夜の月
15
バス停で待つ人に少し
笑
(
え
)
み残し 駅まで歩く1.8キロ
13
花冷えの 雨降り出でて 悲しみの ふたたび返る 君が四七日(よなぬか) /挽歌
20
明日といふ 日がなきことは 夢ならで 逝きて帰らぬ 君を悲しむ /挽歌
17
たまきはる 君が命か ひさかたの 天つ御空に 帚星飛ぶ /挽歌
16
卒業の子と入学の子の在れば涙の親はスイートピーかな
25
逢う日まであなたの告げた「待ってね」を我胸べりの小鉢へ育て
27
「いよいよ」と思う頃には有料のチケット買うのか…サブスクの罠
16
思い出の湯けむりの町一人ゆくあなたとわたし分子になれず
14
二千年戯れ過ぎた洋神のその救済に和の八百万
14
孫出るか…半年先のイベントの予約サイトへキーボード打つ
14
ははそはの母の
湯湯婆
(
ゆたんぽ
)
しまはれて一万日の日は
捲
(
めく
)
らるる
10
桜舞ふ バスを待つ
間
(
あゐだ
)
に 愚痴をこぼし合ひ 笑ひ合ふ同僚と
28
オルカにはマグニチュードがあるなんて聞いてなかったアイスも溶けた
7
イルカたち 摩擦係数ゼロで泳ぐ 弊社も明日からこうなりませぬか
6
新しい手帳にきみの誕生日 書いてないけど気づいてないよ
6
ペンライト電池が液もれしていた日 推しだったことを思い出した日
9
金縛り解くためもがく午前二時 やめて明日は朝から会議
12
一夜漬け叶わぬゴルフスウィングの
Y
o
u
t
u
b
e
など彷徨いており
15
キミ想い清明の空見上げをり新たな年も共に生きたい/卯月六日
20
戯れに 答え求めて 幾世紀 今で云うなら 学者馬鹿?
18
誰よりも 優しききみの 未来には わたしと違う 姿ありけり
8
さよならと 世界に別れを 告げしとき またどこかで 世界始まる
7
曇のち頭痛の日には髪の毛を上に引っ張り隙間を空ける
9
静寂の産科病棟 響く心音 生命を刻む その力強さよ
23
深夜
2
時、突然バーバーマイセルフ髪切り虫が疼く季節で
22
切れ目なく言葉を紡ぐすべもなくうわごとだけを並べては泣く
11
火曜日であることを確かめるよう 二カ月続く妻の通院
13
春疾風
(
はるはやて
)
工場
(
こうば
)
通りの 桜散る 道に敷きゆく 薄紅の地図
17
休日の特典としていち早くカレーをいただく午前十一時
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