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人生の 単位足りずに 留年し 神様からの 居残り授業
32
戦争にゆかさるるわれらの平和 「今そこにある危機」を忘れて
5
父母優生学に分別すはなはだしくおそろしき医師ある
13
老犬
(
キミ
)
はもう聞こえてないのね雷が 逃げ回ってたあの頃懐かし
29
あいどるの靴のなかを調べたら五寸釘のひとつやふたつ
6
メイクして着飾るよりも起きたての君の顔こそ魅力じゃないの?
7
桜木の並木に降るる花吹雪古い団地を淡く抱いて
39
突然の雨に二人は目を合わせ 同時にひらく傘がぶつかる
16
大の字に寝っ転がって昼寝する 風鈴チリーン 涼風運ぶ
40
カートから 桃をもどして キウイにし 豆大福は 空気となった
52
チチチチチ 朝一番の台所 何処にいるのか ここにも秋が
35
来週は秋のお彼岸らしいけど積乱雲は山盛りのまま
15
彼
(
か
)
の岸も
此
(
こ
)
の岸もなし 海原を 白銀に染める 羽田の朝陽
42
たくさんの具材をそれこそ生姜まで千切りにして
金平
(
きんぴら
)
ひとつ
35
伝説がはじまりそうな顔の子が駅のホームにつま先で立つ
11
シャーペンで引いたみたいに細く降る雨の日だけは詩人になれる
21
ひきだしの奥のフリースひっつかみ季節は急ぎ
3
マス進む
25
虚空から何を招いているのやら 逢魔ヶ刻に揺れるススキは
17
じゃがビーとジントニックがあったらな 月のほかには何も見えない
12
一つ石二つ体を寄せ合いて一つ衣の夫婦地蔵よ
46
電線のスズメをぜんぶ奏でたらラフマニノフが聴こえるだろう
18
寝る前のポテトチップスばりばりと 月と一緒に太る晩秋
27
冬の夜救急に立つ半袖の温きナースのみ手にゆだねる
38
壁に穴母の眉間に皺ふたつ少年たちは大人になりぬ
12
あさまだき夜と朝との境目でまどろむ時間わたしの時間
16
寒い朝父の寝床は天国で煙草の匂いきらいじゃなかった
17
ふるさとに向かう列車に乗るときは十の子どもにわれはもどりぬ
24
幼らは今日も哭いてるあのまちで世界は何もできないままで
12
昇っては沈みあしたもまた昇るお日さま私がんばれるかな?
18
一面に白き寂寞降り注ぐ庭に
紅
(
くれない
)
差す寒椿
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