犬のこと 喪中にせぬと 決めたれど 年賀の言葉 空々しかな
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励ましはときに気力をうばうもの友に伝える言葉をさがす
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開けたての長くからまる塩こぶにザクリと入れておく手間の有り
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寒さゆえ 自販機のお汁粉 求めて出るも 売り切れ表示よ
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排水溝から立ちのぼる白い湯気ゆるまぬ寒さ初春月よ
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よいしょ、でも持ち上がらないこの心君に半分持ってほしいな
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息子よ、ごめん。完璧じゃないから「お母さん」を一緒に育てていこう
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声弾む友の電話はすぐそこにいる気がしてる距離も時間も
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「ご飯だよ」呼ぶ声さえもさえずりに聞こえる朝は奇跡と思う
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服着ても暖房つけてもまだ寒い 開いてる窓には翌朝気づく
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曇りのち雨でもいいよ君となら相合傘の口実になる
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突然に降ってくる日もあるもんだ可愛い仔猫に傘を譲って
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大腸に酒の残滓が居残りて 仕事始めは低空飛行
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ポタージュの缶の底にぞ残りたる つぶつぶコーンはいかにして喰む
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在りし日に キットカットの空欄に 「しかたねーやるよ^^」と書き 友へ
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一瞬だけ 全てを忘れられたなら この身の不調も 明日への不安も
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はからずも連れて帰った参道の 玉砂利たちは靴底におり /「初詣」
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年明けの酒盛りのあと 臓腑をば いたはもたらす 七草粥
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かりそめの私を剥いて 楊貴妃の白き裸体がしたたるライチ
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お転婆な吾子の遊具か背の記憶 三十年みととせ経ちて今ふとありぬ
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置き去りにしてきた感情ひとつずつ拾い集めて海へ返そう
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魔法など信じぬ君は大人だね きっと魔法にかかっているのさ
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部屋中に カラフルなおもちゃ 溢れても 君選ぶのは 絨毯のタグ
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「ポリープが良や悪でも構わない」 涙の子らの抗議に まだ、生きねばと
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仕舞い込み 蓋で封じた 慟哭を 錆びたナイフが 引っ掻いてくる
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スピーチで 緊張解こうと 咳払い 返って注目 浴びて緊張
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「田辺っち!!」と教卓から高い声 うら勇ましき女グループよ
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ねむすぎるそんな朝でも君の声聞いてるだけで元気になれるよ
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叫んでた「ここにいるぞ!」と実在を 遊芽ゆめ公園の遊具の上で
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夜な夜な土足で他人様の畑に踏み入り足跡で「いいね」と書き去る
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