傷口が広がらぬよう虹見れば窓の雨滴がゆるり流れて
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白絵の具垂らしたようにかもめ飛ぶ空と海との青さ極めて
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いのち在り 祝う暗闇 ともされぞ 我が消すそよかぜ いのちのともしび
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さっきまでプーさんだった雲ちぎれ龍になって茜空とぶ
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新品の白タオルでは切なさの吸収力が少し足りない
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三階のボロアパートから見る月は道行く人よりわたしに近い
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最悪が重なり合った今日だって夜の終わりはいつだって朝
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砂浜で足を取られた君の背を光る汗ごと抱きとめる夏
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室生寺にて 緑濁の池に数匹の金魚よ 眼に鮮やかな朱
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感動をフィルタに通して整形し詠える程のゆとりもない日々
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亡き人を 偲ぶ心に 洗われる 生きてる我が 最優先で
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或る歴史敗残の誤謬くりかへす島嶼の軍事基地に祷るも
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時はて 掃除洗濯 こなす我 鍋 洗う時 まなこうる
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もう帰れないじいちゃんのすがりつく手があの日没した兵に重なる
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隣人の 早朝ラップに 悩む日々 聞こえなくなり 淋しく思う
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盂蘭盆会 亡母と遊びし手花火の 火薬の匂ひ蘇りをり 
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打ち上げて 散りゆく花火 儚くも 恋の行方を 映すかのよう
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石ころの中にも稀に狐石磨けよ磨け玉なれずとも
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人肌が 恋しくなると 外に出て 満員電車が 少し寒くて
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天井に 向かい風吹かれ 起きれないや 言い訳ばかり そんな日もあるか
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茄子なすの牛 手綱引く我 盆送り ひぐらしと 咲くキツネユリ (キツネ剃刀カミソリ)
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つつがなく精霊送るしるべとや 京の五山に送り火灯る
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昨年は来れた叔母も訪れず吾ひとりきり送り火を焚く
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消えてるかともり続けているのかも 知らされぬまま2度目の盛夏
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会の歌誌それぞれに読み合評もいつもと違う例会もまた
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山寺へ 御霊みたま送りて そら見上みあぐ 下弦の月は 雲に隠され
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賑やかに盆行事終え静かなる朝のコーヒー香りよ届け
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あぁ行きたい 流れるプールに 海水浴 お風呂掃除が 分相応
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なかなかに厳し残暑の中聞こゆ つくつく法師に救い求める
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コンビニのインドネシアのナシゴレンあたためて食べる国際関係
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