綾鷹を 共有していた 唾液とは 濃厚接触 飛沫感染?
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眠たいし とてもキツイし 死にたいし とても怠いし 中川大志
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「外来種」 「絶滅危惧種」 「記念ブツ」 人間さまの勝手な言い草
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青もみじ奥に二三の赤い葉をつけてこっそり秋支度かな
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煌めいた湖面眺める昼どきの席電源オフの石油ストーブ
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GPS付く標識鳥は我が町を発ち八時間休まず飛べり
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美しい夕暮れの空グラデーション青と紫しばし見惚れる
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セルフレジ慣れたはいいが店員のお喋り見るとなにか解せない
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台所だいどこ布巾ふきんを換えに箱開けて母の字を見て時を失う
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信号を待つ間に脇道ふと見れば疲れ目癒すヤマブキの花
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言の刃を ふりまわしたい気分の日 斬ったら切れていたのは自分
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晴天は青か?黄色か赤信号人の気配と頬刺すUV
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三十一みそひとにせまる陽気ようき夕餉ゆうげなる冷奴ひややっここれ百薬ひゃくやくちょう
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ふうわりふパニエみたいなカスミソウ運ぶ私も背筋が伸びる
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目の前のドラッグストアに行くためにフルメイクする吾の滑稽おかしさよ
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近所じゅう田植えで忙しこの時期は納税通知をひたすら処理す/五月は税の季節
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ふる雨に風に乾きにおののきに いやしてあるかの竹の青
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足下にリーフ文様くっきりとこれこそ初夏の始まりの道
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おーい雲白いスニーカーを履いたのよ眩しく輝くお日さま見せて
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すれちがう バスの運転手さんたちの 挨拶 見たくて いつもこの席
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右は右左は左前は前蹴躓かずに生きて行けたら
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ベランダで見上げた空に夢抱き そよ風吹いて今を感じる
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最悪の事態の朝の街角で「冷やし中華が始まったのか」
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「あの恋は尊敬の念の勘違い」 そんな言葉で誤魔化している
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布団上融けてくるくるバターの身夢とうつつを行きつ戻りつ
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不成就日避けて先行抽選に賭ける日曜当たって欲しい
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振り返るハードモードの先週の日々小休止してまた明日から
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晴れたらば歌詠みたがり雨ならばまだ知らぬ語の多きに微笑み
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雨模様錆びた心を動かそう日の目見ずとも力の限り
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シナモンの甘い香りで朝が来る昨日の傷は知らんぷりのまま
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