実家の柱にかれし落書きは 消せぬか消さぬか あの日のまま
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人の世と 猫の世つなぐ 縁側で 冬用毛布をたたんで くしゃみ
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言の葉を編み込み 悩み 絡ませて ほどひてはつくろ推敲歌すいこうか
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雪を割り芽吹く命のあるごとく老いた父追い日々を越えゆかむ
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春雪と土の匂いで走る夜 終わらぬ道が僕の答えだ
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ほどほどに石橋叩きて歳月とし過ぐも地図捨てた日の欠片もありて
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新たなる 業務管理を 打診され 息つく暇なし 東京出張
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無理をして観ずともいいよ春の陽に 心のままに祈り深めよ
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友訪ね瓦礫の道を行きし春 さざなみ光る海眺めつつ
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向日葵ひまわりの笑顔のような貴女きみだから 黄金色こがねいろした糸で進める/刺し子
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あの余波が 友を飲み込み 連れ去りし 手元に残る 手紙と語る
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「あきらめず頑張ります」と言う友にわたしの言葉は空回りする
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原発にふるさと追われ民去りし荒野に芽吹く沈黙の郷 (3/11)
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春浅き傘交う窓の縁なぞり雨垂れるまま君を待ちおり
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じいちゃんとじいちゃんいぬが歩いてく朝凪あさなぎのみち海のある町
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回る寿司 店の出口に鹿しし威しおどし財布のひもの弛みを打てり
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平穏な生活に花 添へるよに 歌を詠む日々 心潤ふ
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マネキンが着ているワンピ気になって値札チラ見で現実戻る
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窓際の 折り紙の鹿に 迎えられ 八畳の間に 荷をほどきけり /猿沢イン
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もし明日命尽きてもそうするか正しさよりも愛おしきもの
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信号に西日が射して赤青黄分からぬままにままよと進む
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駈けてでも拭いにいくね 私と出会う前に流した涙をぜんぶ
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仕方なく今日ドラ焼きを二個食べた賞味期限を過ぎていたから/昨日だった
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残命は 日々為すことの 帰結点 もやもや払い ぼちぼち行こか ※ゆっくりカタツムリ
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求めても求めてもまた求めても与えようとせぬ君のプライド
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令和ではカットされてる来賓紹介 何者なのかあすこの方々
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串刺しの 十字架2本杖にして 歩いていくよ 道に迷わず
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社員証入れるケースにキティちゃんのシール貼ってるあの子はハタチ。
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ケージの隅おやつを隠している君の丸いお尻に朝日が当たる。
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忘れない 君はここにいる 受け継ぎし 孫のしぐさに 君生きており
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