パンケーキ 深煎り珈琲 副流煙 溶けるバターにベタついた指
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昼時の スマホオーダー 戸惑わず 指でスワイプ 番号の席
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擦る目に 鉛のカラダ 早起きが 宇宙の光に 溶けていく
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幼兒おさなごの シャツの上には ショパン像 意味があるのか テキトーなのか
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道路脇 ライトが点滅 帰り道 上着が汗ばむ サイレントナイト
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なにもかもキマダラカメムシに見える マジ許せない すべてが怖い
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泣き腫れた、君のまぶたと目が合って えも言はれずに ただ見惚れてた
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霧雨の 山の端かかり 春陽射す 青葉色濃き 白銀の玉溢れ 露と消えるや 
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左手薬指 光るそれは恒星
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洗面台の横 ちいさなスポンジ 30年後の自分
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診断書に脂肪肝と書かれて腹の肉をつまみ月に向かって「ごめんなさい」
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薄氷の 弾け砕ける 春日和 淡雪溶けて 雪解川早し 岩を喰む  
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え、お、あ、うん 俺、夢、見ない んだよとは 言えないからさ おお、とだけ言う
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薄氷の 弾け砕ける 春日和 せせらぎ早し 岩を喰むまで 渦を巻き 
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こまるよ そんなこと言われたら僕は何も言えないじゃないか
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新生活 人生初の 給与で買う 六畳埋める シンセ いかつッ!笑
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これヤゴもバクもカエルも浮く池のしるとも知らぬ王様席へ(百人一首・十)
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古くより 春はあけぼの とされども 朝寝で未だ 見ぬ怠けもの
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立ち止まることも厭わぬ駆け引きの横断歩道すごく嫌いだ
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立ちくらみ 免震構造 船の中 逃げる船舶 超える大潮
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ポケットに飲んだ数だけピーナッツいつのだろうか箸置きだった
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死にたいと思っていいし死にたいと言ったからって死ななくていい
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春らしい 服装するも 帰宅する 時間次第で 冬の装い
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無神経な言葉の暴力吐く奴は他人の怒りに気付きもしない
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悔しくてのたうちまわる時でさえ奥底には冷めた眼光あり
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昼でさえ目先に映る光景は色を無くした闇の世界か
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まだ君と さよならできそうにないから すこしさ 春泥棒になってしまおうか
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春風に 舞い立つ心 人々は 浮かれ飛び交う わたげの如く / 新学期
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わたくしの 椿のような 恋心 終わった時に 「落ちた」と呟く
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雨後の夜半よわ 雲を払ひし温風ぬるかぜに当たり 星影望む ベランダ
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