この路は 分つ先へと 繋がりて 紡ぐ短歌は 貴方を繋げど
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駐車場 手持ち無沙汰の 両の手を 隠しきれずに ポケットのなか
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行き先は いつもと同じ 各停の がらんと手摺り 揺れる緑
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ふと寂しくて 愛を探すよ 本の中 君との会話 五十音表
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阿片アヘンなり 砂糖まぶせし落花生 ほうけ喰む我 止める術なく
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あさもやの 薄墨流し 春時雨 はこべ色濃き 濡れて滴り 玉の露
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寂しさも寂しさのまま老いてゆく死にゆく人を見守るように
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膏薬を貼ってる腕はまくれずに長袖シャツの散歩は暑い
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連日の行軍のせい痛む脚ゆっくりでいいただ止まらずに
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病故やまいゆえ1人が苦手雨音を 聞き帰り待つ息子きみは休日
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桜花に負けじと枝の下にあり艶めき萌えるたんぽぽの花
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空覆う 雨雲に似て 気分まで もやる 溺れる 水たまりの奥
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楽園の如く花たち咲き香り二季というのは寂しい言葉
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庭の花小さき花びんに投げ入れて春を招けり卯月の風と
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泥んこの童が今日は貴公子に澄まして歩く入園の道
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いつだって手を伸ばしたら触れられる 夢の中でも温かい君
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退勤の時に出やすいじんましん ホッとしているサインらしくて
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幼き日「馬のベロ」だと教わって今もそう呼ぶ木蓮の花
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花散らし 頬を撫でるあの風を 僕の手中に収めたくなり
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満天の星になれずに真っ黒な池の水面に浮かぶ花びら
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玄関を出るたびひらく花がある「がんばれよ!」 と隣のじいちゃん
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花のふる風情を犬も知るやらん木の下に伏し花を浴びをり
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別れとて黒・黒・黒に囲まれてもう還らない君の笑顔は
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雨風あめかぜは今がピークかお勝手でじきに帰るだろ家族を思う
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回覧板 入れるにしては 難儀する 小洒落たポストと 格闘してきた
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チャリ通で見過ごす鳥居と石仏は誰も知らない由縁ゆえんを残し
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卯月とて夏日に嘆く心辺も夕へ突く音の寺鐘に消ゆ
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汽車を待つ あなたの肩に 舞ひ降りし 花びらに願ふ 無事の帰りを
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すべての窓 パーッと開け放ち 家中に卯月の風を招き入れる朝
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愛想ないきみが笑顔を向けている奴を地獄に突き落としたい
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