Utakata
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指切りをする手が蝶に見えるから交わしたあとは春野に逃がす
30
1日に二回までのバファリンを信じて眠る 雨の火曜日
23
万葉の 人の嘆きを詠めばなほ 千の月日も 人は変わらじ
22
知ってるかい悪魔が編んだ歳時記じゃ夏の季語だよ腐乱屍体が
16
おしゃべりをやめないひとの右上に『✕』がないかと探してしまう
33
せわしなく検温をしてまわるひと家で待つ子の言えない微熱
21
左手と右手の違い ペンを持つ方と子猫の背を撫でる方
15
青天が爽やかよりも汗を呼び 春の終わりを夏が追い越す
15
木金を休んで八日の連休を自慢するなよ無職の吾に
24
予備一つ常に置きたい玉ねぎに日持ちのしない新玉到来
31
花菖蒲ご無沙汰の友思い出す政治談義に花咲かせし日
14
大輪の 薄紫の深見草 甘き香りが我を酔わせり
28
世の中は川の流るることながら水に
砕
(
くだ
)
くる
巌
(
いわ
)
も在りけり
13
ISO 認証取って人殺す機械を作れと母は言ったか。
12
春は好き暑くもなくて寒くなくガス電気代かからないから
12
愛犬に余命宣告 あくまでも推測 長生き固く信じる
14
幸せを頬張る口にそそられて膨らむ頬を指先でつく
12
日にそよぎ薫りしずかに咲く薔薇の花びらに
透
(
す
)
く淡い蜂蜜
14
街中の天然温泉露天風呂 裸で見上げる伊丹離陸機
19
手のひらを滑り落ちゆく洗顔の泡を見ているやうな一日
33
エンドロール 語りたい君 隣には もういないこと わかってるのに
13
雨あがる 菜の花濡れて
晩春
(
おそはる
)
の のどけき
陽光
(
ひかり
)
頬にも
透
(
す
)
きて
11
漱石に倣えば君は三日月で 笑顔の目元も別れの傷も
10
幸せと感じたことは遥か昔 肩で寛ぐ野生のミミズク
10
胡麻和えを作りし後のすり鉢に冷や飯擦り付けひとり頬張る/調理者特権✌
16
うたかたに 登録してみたよ たのしいね 短歌の文字数何文字だっけ
10
やは肌の君の血潮も映らない写真にいいねを付けない指紋
11
腐れ縁憎まれ口と減らず口破れ鍋一つ綴じ蓋一つ
13
産休で職場を離れる同僚に ろくな言葉もかけてやれずに
20
君と飲む土曜日の夜今ここで言ってしまうか一人で暮らすと
10
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