天井がなければオレの頭には降り注ぐだろうクソ
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雪溶けて 冬リフレクション コレクション
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砂たちや 舞って我が目に 小シロッコ
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寒響や 一歩の音を 二歩に聞く
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午後六時孤独のグルメの五郎さんの相伴に預かり夕飯を食む
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責任は各人適宜適切に取る手筈だから心配するな
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まよなかのよるべゆるりとまろい月ひそひそたゆたうるりのお歌ね
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ねんころりねんねんころりとねむりたいあんよもじょうずに頑張ったから
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君の期待応えられない応えたいまだあきらめてほしくはなくて
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闇にいる あなたの気持ちわかります、いつまで経てど終わらぬ吐き気
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手に残る触れた感覚を確かめたくて 見返す写真は平面のまま
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人類で 薄めてあおる なさけなさ 主語自分 では 濃くて飲めない
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ニンジンの 新芽の横でニンゲンも 朝日を浴びて水を飲む今日
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眠たくて 首もげそうなこの人に 右肩を貸す 次の駅まで
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降る雨の 奏でる音色 背景に 一心不乱に パズル解く我
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梅雨空に 古疵痛み 年齢とし思ひ 慌てて布団に ダイブする我
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夏休み 強者どもが 夢のあと ソファの下に トリケラトプス
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君がふと あふれるように 笑うから 一滴こぼさず 受け止めに行く
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電線のスズメをぜんぶ奏でたらラフマニノフが聴こえるだろう
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我のため雑草くさを摘んでは土産とす 認知症やまいの祖母の不変の愛情
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「納豆を高速回転させるとき 苛々してるの覚えて置いて」
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哀しみに刹那打たれて落丁の次第に増えし人生を生く
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『目には目を、歯には歯を』とか 言うのなら わたしの手には きみの手添えたい
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落葉らくようのごとく言の葉降ってこい 短歌うたの種なき 硬き頭に
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雨の日の黄シグナルは寂しかろう心の岐路にひっそりと立つ
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火をくべて ほくそ笑む軍需産業 この手にあるは 水か油か
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大群の羽音を追いて空観れば北風彼方故山の威風
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ほうれい線ひっぱり鏡にかつての私呟きたくなりアイラブユー
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降り積もる雪に溶けゆく夕映えのオレンジ色を鞄に詰めて
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くり返しミセス聴く子の傍らで小さく歌う「母の家計簿」/井上あずみさん
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