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檜葉
(
ひば
)
の木の枝の中には遠い土地香りの中に私の中に
38
万葉の 人に詠まれた 同じ月 やがて令和も 昔と眺む
48
三十年ここで寝たんだ このベッド
主
(
あるじ
)
無き部屋 淋しさつのる \ ようやく独立!
40
芽生えたる 夢を忘れる その前に。 命短し 挑めよ我ら
26
『目には目を、歯には歯を』とか 言うのなら わたしの手には きみの手添えたい
27
内側に残るレッドに先ほどの口づけ思うマスク生活
21
北風の冬の朝には日が澄んで歌の言葉を
解
(
ほど
)
いてくれる
41
クリスマス前に旅立つ人看取る業務の心うち如何許り/介護士
31
久方の 雨の早朝 鮮やかな カイヅカイブキ 緑濃く伸び
30
壁に揺れる光の網を綾取りで取って取られて朝のうたかた
22
真っ白なまが玉のような形して茶の花咲けり初霜の朝
29
「大丈夫?」やさしい顔のこの言葉 どんなときでもイエス一択
28
まだ暗き公園の中見渡せば枯れた木々には鳥たちの群れ
24
必ずや 新大阪で 立ち寄って たこ焼きうどん 勝負めしなり
28
透き通る 飴細工の虹 渡り行き まほろばの星で めぐり逢いたし
27
海馬
(
かいば
)
てふ語を聞くたびに目に浮かぶ光る海原駆けゆく
天馬
(
てんま
)
26
蝋梅
(
ろうばい
)
の 花芽迎へし 山寺に 母の手引きて 歩む石段
38
「キャンセル」の陰気な語感
厭
(
いと
)
わしく 「風呂スキップ」と我は言ふなり
23
風呂桶を少し擦って洗ったと 威張り赦されるの小五まで /五十の大家は掃除もできぬ
18
いつしらに施設の暮らし一年に
義姉
(
あね
)
の肌着の名前薄らぐ
36
原曲が 映画になると 聞きつけて 名曲楓 歌詞を噛みしめ
26
打ち合わせ 終えしカフェの ツリー見て 珈琲一口 パソコン向き合い
29
病みあがりリハビリジムの笑顔にも立てば千鳥の震える枯野
35
やすらかに息づかいさえ聞こゆればそばにゐるだけそれで足りたり
32
はだいろがピンクベージュと名を変えて澄まして座るクレヨンの箱
37
しゃきしゃきの玉葱噛る
兵
(
つわもの
)
は毒に倒れて夢にさまよう / 玉葱中毒?
25
悔しいな真面目なあなたのわがままな部分を引き出せなかったことが
11
地獄には落ちたくないと思えたのなぜならあなたと会うだろうから
10
「障害者」「生保」の札を付けられて「私」の個性堂々生きる
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目をこすりもじゃもじゃ髪のおばさんはググれば名医 明けの明星 / ミスで再掲
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