Utakata
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お供えを食べた鴉がお礼にとお地蔵さんの頭に糞を
16
点々と 続く足跡追いかけて 愛しき
愛猫
(
きみ
)
は陽だまりの中
19
この時期が一番夏を忘れてて 都合良すぎる「夏」に恋する
14
本棚も椅子もベッドも溶けていく 夜に溶けない私は一人
14
うっとりと五感を抜ける潮風に四月の海を確かめている
13
焦げやすいフライパンを捨てる前他の使いみち考えてみる
13
もう少し黒めの薔薇はありますか 忘れたくない人に贈ります
14
眦
(
まなじり
)
が下がり優しさ増す
表情
(
かほ
)
の 老いか愛かは問ふまでもなく
21
日焼けせし八手の若葉が気になりゐて
間日
(
まび
)
なればよしと移植するなり
12
あちあちのシチューの蕪をたっぷりと盛って差し出す小さな復讐
15
くだらない世界が少し輝いた 君が笑って空気が揺れた
12
蝶の舞う 春うららかに つむじ風 明日の行方は 誰ぞ知るらむ
12
額縁を外した名画此処に有り水辺の道で眺める筑波
13
「産むんでしょ」「妊娠したの?」「孫はまだ?」フローリングの蟻をつぶした
28
おしゃべりをやめないひとの右上に『✕』がないかと探してしまう
13
星月夜扉はずっと閉じたままギンヤンマしか棲んでないのに/折句・ホトトギス
10
詠もうとも浮かぶもの無く虚しさがつのってできた夕闇の黒
13
夜なべする人の気知らずねころがり寝やう寝やうと小言鳴く君
9
ゆふぐれに黒を一滴さしたあと不機嫌な雲しっぽをのばす
10
隔てなき空にふと手をかざしみる誰にともなく限りある身で
12
吹く雲のひかる絹糸撚り合わせ風にながすはほのかな心地
16
君想い 夜空見上げて 感謝する 何気ない日々と 些細な日常に
8
柔らかな君の二の腕に焦がれつつフランスパンの硬さに泣くの
8
真っ二つ割れたお気にのマグカップ僕の身代わり傷を引き受け
21
銀色のフックは君に届くかな 天とを繋ぐ伸縮リード
9
洗濯がはかどる天気だ お隣のベランダから微かな鼻歌
17
朝起きて時代劇見て気になりて原作を買う百十円にて/NHK・陽炎の辻
14
縁側で我が良き友とヘボ将棋 詰みを憎んで人を憎まず
13
ダッフィーの緩い温もり抱いて寝る
(
山里は 冬ぞさびしさ 勝りける
)
人目も草も かれぬと思へば /28/100/ 源宗于朝臣
11
雨の夜に 紛ふメジロの 鳴く声に 君の孤独を たとへ覚ゆる
14
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