夜の話が夢に似て 君が居たはずの空白に座る
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令和の世 宇宙刑事の 再誕に 「若さって何だ?」と また込み上げる
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殺すのも殺されるのも嫌だから逃走決行ホワイトアウト
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よく泣くな スポーツ選手に もらい泣き 泣き虫だらけ 冬の五輪は
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異彩なく異臭を放つバス通る 行きはよいよい帰りはこわい
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えげつない叱責聞こゆ部長よりもっとも遠いわが机まで/パワハラ上司
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空想が音を奏でる楽器なら ドレミだけでも僕の自由に
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鏡に映らないところにあるホクロ
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其処に無ければ無いと宣う 薄利多売の愛である
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散瞳し 検査後霞む 風景は 白く眩しく 切なく見ゆる
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朝ごはん 富士山望むリビングに ちょっと優雅な気分に浸りて
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うやむやに されて 忘れたふりをして 筋トレしながら にぎる一票
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雪害の あちらこちらの 滞留は わが脳内の 仕組みに似たり
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切り捨てて 痛まぬ心の鈍感を 冷静と呼び 鬼もこごえる
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全容の分かっていない細胞を何十兆も抱えて生きる
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「ふくはうち楽しかった」と立春の今日も豆撒く春呼ぶように /吾子三歳
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われの政治に沈みゆく午後の選挙車へ冷たき瞥を送る
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面並べる演説臺のたれかは嫉み読みて辿りぬわが闘争を
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一億の國民たる日を逃れ得ず國家のひとつの家に喀く血も
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立ち待ちの月に引かれし通院の峠に待てり白雪の富士
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時々に頭もたげるモヤモヤも チャリを飛ばして剥がして落とす
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干上がって 茶色だらけの ダムの底 いにしえの村 姿寂しく
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美しき清き臣民にメシアのごと宰相の攣れるほほゑみ
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ナチス廣報戰略大臣ヨゼフ・ゲッベルスの群柏の拍手
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動員へ傾る水晶前夜ナツィストへ語る未來に虐殺の譽
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解けきらぬ霜を踏みゆき貼り紙の冬物在庫一掃セール
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雪国に暮らす息子の雪情報つい見てしまう一日何度も
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小雪舞う 老いの一票投じ来る 願いは一つ平和な暮らし
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説明図まるで解らず 事務椅子の組立てにもう二時間経過
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元気でも慈しまれているような気になれるからおかゆが好きだ
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