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▼なべのふた ▼さいばしのつえ そうびして クエスト★★★★★ ▽「からあげづくり」
4
八月
(
はちがつ
)
の光る地面に百日紅
梢
(
こずえ
)
の影を揺らして燃える
20
われ義しき國民なれば崇拝すクリスティアーノならず 墓を暴かむ
5
復活祭へにがき蕗煮ていもうとはロザリオなどゆめかけざらむ
4
父殴てる馴犬哀し。頸枷に「愛われを創れり」彫られて
5
神神に主神のあらば 靑藍の仔を降しまづ人間を亡ぼす
5
奇蹟のかけがへは誰がつぐなふか瞭然と蘇りなき慰霊碑の石
6
戰乱の臭ふ 澁谷交差点群衆も靴鳴らしかへらず
5
呪はるる國民たるを耐へず戰争の責任転嫁さる 死者へ
6
増長すこの若者らみづからを皇帝と呼ぶすめろぎ擱きて
4
ハッとした 能面のよう母の顔 もう一度見たいよ昔の笑顔
21
歩けぬが可哀想とは言わないで
老犬
(
キミ
)
は大事な我が家の希望
28
寝ることが仕事の老犬昼時は しっかり目覚めてオヤツをねだる\体内時計?
23
窓際で外に向かって最敬礼 思わず笑みがこぼれた
豆苗
(
とうみょう
)
20
老犬
(
キミ
)
はもう聞こえてないのね雷が 逃げ回ってたあの頃懐かし
27
種々
(
くさぐさ
)
の虫の音色を聞き分けて秋の
夜
(
よ
)
夢の中で覚めたり
15
青柿の枝をはなれて地に落つるまでの時間を思い遣る朝
18
一歳が初めて言った
「パッパッパー」
(
アンパンマン
)
お熱の今日もしゃべり続ける
26
早々
(
はやばや
)
と鳥は見つけた秋の味 庭に散らばる柿の食べかす
25
夕立に涼む身を突く蝉の声 わずかばかりと雲追う心
9
すわ陽炎 冷え込む耳朶にサイレン音 野分祭りか窓辺の午睡
8
虫の音が 誘う枝葉のさざめきに 薫る季節の色を想う
10
颯爽と走る若者つい見とれ 背中を見送る私と老犬
25
画面には笑顔溢れる
娘
(
こ
)
と孫が 心によぎる会えない寂しさ
23
翔平の 刻むベースは晴れやかに 押して迎える秋の朝
6
秋探す 夕の陽のジョグ 息急いて 脚止め迷う夜道かな
8
満月に ウサギを描く心持ち 子犬の毛にも ススキを愛でる
13
人と街 遠き近きで 移ろいで 風に尋ねる 秋の訪れ
9
眠れない夜ひとり作るオムライス 丁寧に丁寧に慰める
10
歌いつつ自転車を漕ぐ人が行く秋の真昼の心地よければ
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