忘れたい 忘れたいなら 忘れよう 忘れたいなら 忘れることさ
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風の音に なぜか苦しくなる胸も 色づく頬も きっと夏のせい
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待つあいだ 店の情報 知りつくし テンション下がり 食わずに帰る
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彼らの軌跡を辿る人達は何を考え何を思うのか
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家一人 何もしないまま 夜になる いつも憂鬱
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冬の朝 寒梅枝垂れ 牡丹雪 独りゆく 雪の足跡 振り返り
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青空へ向かって伸びる染井吉野は三十路程かな少し若そう
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一年ひととせに一度の福運なる日には列をなしたり来ぬを求め
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子らよ子らその温かき先生(ひと)の手に引かれ桜咲く道を進めよ進め
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昼休み 昨日の夢に 出て来たと 言われる身にも なってみてくれ
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タンポポの 黄色一色 日溜まりに 咲き綻ぶや  坐して酒酌み 草枕
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落ち椿池や山辺を赤く染め春の草花静かに悼む
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足裏を撫でて浚ってゆく砂はどの悪夢から流れ出したか
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蕎麦屋まで道々芽吹く木々あれど 相方のなく ただ此処に春
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鶯の鳴き声聞こえ何処ドコからか頬をかすめる柔らかな風
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ちぎれると胸張り裂けるこの気持ち後悔なのか悔恨なのか
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言葉にはならない気持ち 春風が吹いて撫でてくこの感情を
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食材で買った甘エビ跳びはねて心臓縮む宵のキッチン
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大病を 乗り越え祝う 誕生日 父の破顔に 箸を贈りし
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海沿いの 無人の駅の日曜日 波間にカモメ 白い自転車
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巣立つの幸願い見る春北斗 夜のしじまに沈丁花ちんちょう香る
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街明かりと 星の灯りの ボーダーで グズグズしてる 春分け近し
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レベッカを聴きながらミラを走らせた未来を捨てた十九の私
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クシナダは 春の陽を浴び プラチナの 光りを放つ つるぎ のような
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時経れど尽きぬ悲しみ胸底に沈めて今日も平常心で
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咲きめば 心乱せし 桜花さくらばな 花吹雪はなふぶく前に 胸にとどめむ
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おぼろげな光をまとい 春の月 しんと更けゆく夜を照らしつ
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この想い 気付けば崩れる 距離ひとつ 名前をつけず 終わらせた春
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ヒリヒリの 局面に立つ 細き背を 守りたまふや 雲上にをり
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春浅き君住む街にほおき星 欠片を追ひて永遠の歌詠まむ
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