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他人から 選ばれるのが 嬉しくて 自ら自分を 失ってゆく
6
いにしえの 陽光秘めた 年輪の 揺らぐ炎に 過ぎし日還らん
6
あいつ苦手、仕事しんどい、お金ない。当たり前のことつぶやくキッチン。
6
吹きゆける この北風に 頬
凍
(
こご
)
え 春よと願う 藍の夕空
6
ミサイルも ドローンも要らぬ 一壺の 葡萄の美酒に ただ酔いしれて /オマル・ハイヤームのフェイク短歌
6
あなたには私は使い捨てカイロ せめてストーブのようにありたい
6
めんどうね、ひとにやさしくする癖にひとにやさしくされたがらない
6
娘らはみな巣立ちける今もなほ老妻いはふ雛祭なり
6
「メンヘラの」枕詞に続く語を考える会夜の四時半
6
世の中にあふれる点P死んだ目で動きつづける月曜の午後
6
すりきれたままの命とすりきれた弁当袋で季節をこえる
21
貴方には少し好意を混ぜておく 全部入れたら甘すぎるから
21
眠れぬ夜に抱きしめられて聞くサイレン知らぬ誰かの
運命
(
さだめ
)
を祈る
33
かもめらが 夜の帷を めくりあげ この街の海に 朝がこぼれる
40
放課後も解けぬ問題 青ペンは数式よりも君の名なぞる
28
肉まんを 耳当てがわり 笑わせる お茶目な部下は 還暦間近
32
桜もち思いがけずに賜りて小さき
雛
(
ひいな
)
をそそくさと出す
43
吾を見つけ鴉寄り来る庭の隅「これはないしょ」とパンを分け合う
44
春冷えに白く膨らむ花たちを束ねて行かむ清き風待ち
21
つまらないことは考えないことに挑戦をする古希若いから
32
両脇に 幼な子かかえる 細腕が かけるメダルは 何色だろう
22
宰相は軍拡狂女と謗られど 笑みで返せる肚を据えたり
19
西の空 下弦の月を 眺めつつ 明日を想い 珈琲含む
31
他意の無い「励ましたい」がそんまんま伝わると良いな今度会ったら
27
今は無き
故郷
(
こきょう
)
の古き喫茶店 記憶を灯す 茶色のランプ
39
泣きながら震える声で「お母さん、今行っていい?」察するに余る
31
若さには傷付くことは多けれど堪えるよりも泣いていいんだ
36
暮れ六つの公園 春一番吹く 北に見ゆるは 北斗七星
30
押し入れの闇に目をあく雛人形 光の日々を遥かに見つむ
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「もういい」と夫のことば遮りて目の前の河みないふりする
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