白昼の 雅な装い 相反す 月の宴で 魅するまなざし
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かなしんぼですかという解答欄に「常にそう」と答えたい猫もいないおるすばん
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咲けば散る 愛しきゆゑの 儚さに 夢か現か 桜花日月
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転勤で夫と別居一人行く桜の花は今年で四度目
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「デスノートあったら誰の名前書く?」「あんたにだけは教えられない」
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竜宮に未練たらたら泳ぐ海 振り向き投げるキスが重くて
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葉桜や川辺をゆけば陽を浴びて水面みなもを飾る花筏かな
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難民は そこら中に おわします スマホ分別 SDGs
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車座で何を語るや若き人 花ぼんぼりに明かりを取りて
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聞こへ来るエンジン音さへ春の音 冷気ほどけし朝の向こふの
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私にも家庭と離れる日が来るの朝霧夕霧たつ北の街
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仕事終え 千鳥ヶ淵の 桜愛で お茶を一口 幸せ感じ
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朝靄に身を浸しつつ思ひをり 旅立つ私は一人でいいと
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心痛の夫の食欲戻り来て庭にも一歩 せなに春の陽
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足るを知り 慈雨に感謝す 春の朝 吹く風ともに 年度始めへ
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春盛り髪邪魔になり留めてみて結んでもみて切る洗面台
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雨間あまあゐの風にさらはれ 改札を薄紅にむ 散りし桜花おうか
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花冷えに夕焼け染まるロッカーの名札剥ぎとり卒業とせむ
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春のよの あさき夢にし君が影 満ちゆく月にかかる薄雲
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叙勲いさおしの記章を磨く術もなく 認知わすれの父は私を呼ぶなり
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母の負を父のいさおで拭ひ去り 私は独り介護あしたを編めり
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七十路の君の復職迫り来て震える凝りを溶かす山の湯
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新年度気になる事は多々たた有れど雨風あめかぜあとの満開桜
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穏やかな待合室で衝撃の事件を喋る準備をしている
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三年前僕もあんなに「ふきのとう」だっただろうか泥を跳ねつつ
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テレビから無意味なギャグが流れおる無言で食す夫婦の夕餉
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ささくれた人の世に問う一粒を詩作の新薬効けばいいなと
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吾の焼いたシフォンの脇にホイップと苺で君はまばゆい笑顔
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イヤホンはちいさな鎧世界からぼくをまもって壊れぬように
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1声「せい」の1灯「び」の打てし1鍾「しょう」を果て無く伸ばす1音1首
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