君想い 長く伸ばした 後ろ髪 引かれてどうも 断てないのです
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病む父の横に座りて毛糸編む指もかじかむ大晦日の夜
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歌で知る 歌しか知らぬ あの人も 良い一年で ありますように
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風生まれ そら舞うたてがみ 技ならぬ業より出づる つよき足音
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蜂蜜を紅茶に垂らす一年が穏やかなれと出初めの朝に
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好きなこと、 なりたいものを 笑われて 何がしたいか 分からなくなった今
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いよいよに小さなアパート二人だけ 新婚生活戻ったようで
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22時 大三角形に 星流る「わすれないで」と ささやく様に…
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見慣れない 寝癖つけ走りくる吾子の 涙の跡を見ぬふりし抱く
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結露、結露 滴るしずく拭えどもパッキンの黴ニタニタと黒し
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癌といふ猶予のときの陽だまりに枯れ木の梅の蕾膨らむ
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ストーブに一番遠い季節呼ぶ窓の雪見つガリガリ君を
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オールディーズ聴かばはかど夕支度 湯気に隠るるバブルの昔日
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俺の番人生ゲームサイコロを 振るようにして今日を引き受け
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縁側で三つ編み結ひし母の手の熱を帯びゆく幾春ののち
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見る者も 心ぬくむる 猫と猫 団子の如く 添ひ寝す真冬
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この顔が私は好きだ逆境を乗り越えてきた履歴書だから
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小寒に肉まん探すコンビニは 早や恵方巻き旗がなびきて
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バブルだった。 氷河期がきて ミレニアム、 Zときたか 雪の日の晴れ着 / 成人の日
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大晦日 コタツの中で 大喧嘩 足の蹴り合い 笑顔の二人
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強風の運び来る 春まがひの暖 片腕にて 出番を待つ上衣うはぎ
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五時間目 隣で眠る 君を見る 今日は起きると 言っていたのに
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放課後の音とにおいが好きだった心パンパンだったあの頃
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半年に一度の経過観察は 生き抜くよすが 人生たび宿木やどりぎ
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白ごまがわかめスープに浮かんでるお椀のふちが岸辺に変わる
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甘き色 洋菓子のごとき 薄桃の 薔薇に頬寄せ 爪を塗る夜
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孫達の 創意工夫に 感心す おむつの箱も 車に変える
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うなだれてソファに動かぬ人のあり 笑み控えたり 総合病院
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雪道で三倍かかった通勤も口角あげて無事故無遅刻
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髪型を 変えたカフェの 店長を 気づかずスルー 乙女いじけて
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