くちびるを 噛んで溢れる 鉄の味  吐き捨て空を 見上げ流さじ
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露天湯の 縁に上りて 山峡(やまかい)に 白く泡立つ 段瀑を見る /山水館露天風呂
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999スリーナイン メーテルは今朝 乗り込みて 春の切符は 宇宙そらの果てなり
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神仏は 全ての人に 宿りたる 善人悪人 同じ人なり
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コロコロと笑い転げる孫につられ 我も声出し笑う 至福の時間
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バッサリと剪定されし並木道見晴らし良きが影の短し
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やっぱりね住めば都だ 片付けを終えて眺める新しい土地
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人の世と 猫の世つなぐ 縁側で 冬用毛布をたたんで くしゃみ
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自虐風自慢を頭の中で吐き空に歌えば、新しい今日
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洗濯機回っているけど洗剤を 入れたかどうか思い出せない/歳なのか、最近の良くあるある…
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気を抜いた背中の写る一枚にどこの老婆と目を疑いし
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殺すなと 描いた太郎の 缶バッジ 見かけて少し 泣き面に 春
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畑 終はたおへて 薄暮に浮かぶ 白き月 弥生最初の 望月を待つ
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追徴の 確定申告 決定し つまと見上げる 喰われゆく月 / 皆既月蝕
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のそのそとわらじ虫出で明後日あさっての啓蟄しらすや夫に捕わる
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バーテンに 夫婦と思われ リラックス 打ち合わせの夜 話弾んで
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母の肩 めば上手うまいと 褒められり 亡き後に残る 感触寂し
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春寒の冷たき雨のそぼ降りて 独り逝かれし翁を送る /ご近所さん
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手伸ばせば 届く君の肩 波打った 鼓動のせいで 話しかけられない
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朝食の支度のじゃまを やめたねこ 楽だけれどね らしくないんだ
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はからずも一人の時間ネトフリでサザンの曲のボリューム上げて
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朝はチャリ昼は無心で夜は外 風と寒さに歌を教わり
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店の壁草間彌生が来たようにペイントをした大きな作品
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また来てと言われてカットを予約する床屋は実家と言うアーティスト
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宝くじ買ったかみたい図書館へフォトブック持ち行ったら夢に
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啓蟄に松のこも焼き英明も嫌われ虫かしょっちゅうフラれ
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エビのよに きゅっと丸まる 寝姿よ けさはさむいね 我が家のねこたち
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曇天のもと 椿の鮮やかなあか 余寒の朝に 彩り添へり
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食欲を増進させる薬出し 絶対それを認めない医師/「自己責任です」
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目移りし買えずに帰る縁日の氷川神社や提灯揺れて
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