木製品はしのすべてが丸い訳教えてくれた塚本先生
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役立てず吾は猫なり窓のそば日向のなかに外を眺むる
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居るだけで役に立ってる植物にあこがれを抱く今日はそんな日
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窓の外降る雪眺めあたたかなマグ包む手に思い出す体温ねつ
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人生は たった一度と いうことを  常に思えば 今よりおかし
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呑み込んで言わずに終わる後悔と思うまま言った後悔どちらも重く
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妻と母 語らい尽きぬ 昼下がり ひかりの束の 天窓の下
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はやぶさが 日翳ひかげぞらで いさかうを  地べたでながむ ただの人
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彩雲さいうんを まといし冬日ふゆひ 現れる  る昼さがり 良き昼さがり
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絶版の歌集をさがす 白樺の林のような古本屋にて
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目的をクリアに持てば大丈夫思考も晴れてまた歩み出す
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降圧剤 父の記憶を小分けして 同じ薬をお古のケースへ
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「寒いね」と 言えば彼女が 手を出して 「手、繋ごっか」と 君は笑うの
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共テ前 糧食おやつを買い込みに ちょっと遠足みたいでスキップ
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君×私=0 僕の恋の中心(0.0) あなた  
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地下鉄で啄む鳩よ何処で降り何処に飛ぶのかこっそりおしえて
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テスト前 勉強せずに 後悔し 誓う勉強 三日間
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影二つ 夕日を馴染ませ君の髪 揺れる頃には夜の街並み
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浴室に波の音目を閉じ聞き入れば私の癒し貸切露天
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健診が 精密検査を 受けてこい エコーで見える 肝臓の影脂肪肝
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結婚が 見えてくる歳 焦りつつ アプリを始め 消える栄一
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ゴミの山カラスの群が誇らしげ宝の山だと陣取り続け
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死して尚 満ちることなき胃袋や 顕世に留まり止まぬ潮騒/映画『ゴースト・シャーク』
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ダージリン 疲れた体 染み入って 香り佇む 夜の事務所に
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あまおうが見世棚赤く染め上げて私が苺と誇らしく見え
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店先に 苺の菓子の 敷き詰めて どれ摘もうかと 頬ゆるむ午後
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三月で期限が切れる菜園で気の早き人片付け始める/他人事
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黒豆の うるしの如き つやを見て 口にせずとも うまいとわかる
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ほんとうの美がどこかしら隠れてる悪と濁りと嘘の世界に
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ICは思考する巨大都市であり 無数の素子のひとつがあなた
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