おも浮かぶ そろばん塾より帰る吾を 頬被りの亡母はは夜道に待ちをり
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鳥渡る 諏訪湖の水辺賑わかせ冬を遊べや春帰るまで
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いつの間に 図太くなった  自転車で 近づいてなお 動じぬカラス
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相談は聞くよじゃなくてじゃあ俺が殺しておくねと言ってよ課長
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色々と選びたかった洗い桶さてどうしよか店から消えて/プラ製の水切りかごも
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ヒリヒリと痛む寒さの帰り道あまりにクリアな星に驚く
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冷ややかな 空気に触れる 鼻先を 風がさらりと 撫でて冬来る
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段々に好きを諦む歳となる ならば詠みたし今出来ること
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出逢えたと思う 海で街で本棚で 痛みだけが似てる貴方に
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誰だってまぶたの裏に隠し持つ今よりもっと高かった空
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冷えやすいあしお店の暖房と乾燥着ぶくれ真冬の肌着と/さてさて···
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幼日のご褒美なりしキャラメルを含めば甘く優しい記憶 /森永ミルクキャラメル
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曲流し我流のノリでリズムとる サザンのパワー部屋中満つる
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紅葉を眺めるベストな角度かな座る人なきベンチ微笑む
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多摩川を渡り彼の地で酒盛りや ななとせの縛り介護を終えて
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咳をした 君のとなりに居られるの かみしめながら 一人と 一人
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配達の役割を終へ 我が猫の秘密基地と化す 段ボール箱
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切なさを抱えて入った店内に流れてきたJUJUああもうやめて
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久々に会えば思っていたよりも少し痩せてる父のかんばせ
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黄金の穂を垂れお辞儀するススキ 田畑を山へ連れ還る使者
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早々に日射し陰りし晩秋は日暮れと競ひて晩酌待つ夫
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無人駅のようにさびれたわたくしのプラットホームに冬降り立ちぬ
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私だけ?笑み隠せないLINE着信 あなたはどうかなと聞いてみたい
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菜をつまみ 独り晩酌 テレビ消す 話し相手は 黒縁写真
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辛いのは得られぬ事と思うから与えるだけの恋で止めよう
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見上げれば 編隊を組む白鳥の 規則正しきVの字飛行
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ファスナーの金具の上に膝をつく皿をさすりついたいのとんでけ
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亡き父と 母の誇れる 思い出を  語れる妹が いる幸せよ
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百均のセルフレジ終えホッとする 家に到着品物がない😩
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窓辺から 空を見上げて オリオン座 澄んだ光は 冬のギフトに
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