サックスの音色の響くライブにはナベサダさんの柔和な笑顔
21
誕生日集い笑えばありがたしデイサービスは日だまりのごと
20
よもぎ摘み 指に残った かおりから  春に邂逅かいこう 今日はい日だ
21
携帯も 本も見ずただ 穏やかな 景色を眺む 各駅停車
30
電車内 見知らぬ外国人が会釈する 牧師の夫に何かを感じて?
42
父に似た人 二度見して すれちがい 背中見送り 春 ひとめぐり
58
駅降りて 人々は散る それぞれを 待つ暖かな 灯りを求めて
26
幸運を祈っているよ自らの春を目指して飛立つツグミ
54
メイドイン ジャパンの武器で あの子らが ころされる前に やめてください
41
眠りから 気合いを入れて 起きる朝 アプリおみくじ 大吉嬉し
30
農園で甘き香りの苺買い好みし夫に供ふ命日
48
春浅き君住む街にほおき星 欠片を追ひて永遠の歌詠まむ
26
ぼた餅のあんをこなして黒ゴマときな粉を添えて三種供えり
35
いつまでもプレスコードと闘った被爆作家はひまわりだった
17
貧困と暴力とあゝファベーラのただなか早く春よ来てくれ
21
バラ色の未来買うほど暇はなく「広島おんなエレジー」ずっと
25
独り言いつの間にやら多くなり 茶碗を洗う手に春の風
39
偶然に彼と出会った雨宿り神様からのご褒美かしら
14
春の野は思い出たどる宝箱れんげ畑で日がな一日
31
先輩はマンガ喫茶かサボりつつ結果出すのがプロだと言って
33
春霞 中途半端な この季節 浮かれる人も 落ち込む人も
31
罰なんて今日まで信じて居なかった舅が首を吊ったと聞くまで
30
貧しくも思いは高くと言い訳し株は疎くて短歌うたに溺れる
37
やんでると見まがうような降りでさえ傘にはちゃんと雨粒の跡
27
気付いたら 雨が降って いたんだね 並んだサンダル 澄んだ息する
12
カッターで青い画用紙切るようにツバメが一羽飛んでいく朝
31
ミサイルが空を裂こうと、庭先にブルーベリーのひかりは伸びる
33
珈琲の向こうに君の笑い顔 世界をちょっと許せてしまう
31
夜桜が 風にさざめく 根もとには 美しき魔が ひそみ誘う
24
たくましき 大樹に注ぐ 月あかり 零るる泪 乾かし給ふ
16