雪残る山道歩き道端に慈愛に満ちた地蔵様佇む
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トランプで 引いてはいけぬ カードあり 「Pique Dameピケ ダーム」 スペードの女王
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後頭に 野分の如き つむじある 白髪頭が 目の前にある /珍しいつむじの位置
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君を知る 父母も知らぬ 君の世界 はじめて触れる 君築きし歴史
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包装の 角が刺さりて 血が滲む 指の肌(はだえ)の 老いて衰う
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「将来の夢は大谷」と答える子 水面がゆらめくが如く まぶしさ
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昔好きだったあなたを想起した ブルーフィルム中字字幕付き
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やっぱりね住めば都だ 片付けを終えて眺める新しい土地
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ぱらぱらと雫は頬に傘以外のものならぜんぶ持っているのに
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気を抜いた背中の写る一枚にどこの老婆と目を疑いし
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殺すなと 描いた太郎の 缶バッジ 見かけて少し 泣き面に 春
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三月の イオンモールの 賑わいに あてもなく買う 春色ブラウス
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戦前の空気を知らぬわれなれど「強い日本」に感じる不安
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溜池のそばに一樹の春椿 くれない燃ゆる弥生の空に
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心臓が 耐えられぬなら、と 結局は 変える未来より 安静を選ぶ
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はからずも一人の時間ネトフリでサザンの曲のボリューム上げて
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啓蟄に松のこも焼き英明も嫌われ虫かしょっちゅうフラれ
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ヒーターの 前に陣取る 愛猫きみの脚 少し寒いね 春は近いね
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仕事には 工夫するほど 深みあり 効率上がり やる気も上がり
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ぽつぽつと小さき緑の見ゆる庭それでも明日からまた雪予報
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手から落つ桜色したさかずきの散った破片が花びらに似て
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人殺す武器の輸出に耐え得ぬと矜持の道ゆく社長の光り (3/6)
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ぼんやりと 車窓流れる雲見つめつ 春の夕暮れ 君待つ我が家へ
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思い出の プロローグあり 住宅街 夕焼けのなか 鍋の湯気立つ
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桜メール既読つかぬまま去年こぞの春  長きくうの胸にはなや咲くらん    
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セピア草 匂ひ惑ゑば玄関へ 訪ふ先生ボクと通園
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地上より 奈落の底へ 向かうかに 大阪メトロ 地下へ下りぬ /堺筋線柴島駅→天神橋筋六丁目駅
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頬つたう涙は花粉のせいだけで乾きし暮らしに涙少なし
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ノーベル賞 受賞記念の 講演を 逸早く友に 知らせたらずや /3月8日坂口志文特別栄誉教授ノーベル生理学・医学賞受賞記念講演会
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君送り 帰りし駅の 道すがら 裸眼に溢れる  右の横顔
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