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紅葉を眺めるベストな角度かな座る人なきベンチ微笑む
44
多摩川を渡り彼の地で酒盛りや ななとせの縛り介護を終えて
25
咳をした 君のとなりに居られるの かみしめながら 一人と 一人
36
配達の役割を終へ 我が猫の秘密基地と化す 段ボール箱
34
切なさを抱えて入った店内に流れてきたJUJUああもうやめて
19
久々に会えば思っていたよりも少し痩せてる父のかんばせ
41
黄金の穂を垂れお辞儀するススキ 田畑を山へ連れ還る使者
17
早々に日射し陰りし晩秋は日暮れと競ひて晩酌待つ夫
47
無人駅のようにさびれたわたくしのプラットホームに冬降り立ちぬ
25
私だけ?笑み隠せないLINE着信 あなたはどうかなと聞いてみたい
9
辛いのは得られぬ事と思うから与えるだけの恋で止めよう
31
見上げれば 編隊を組む白鳥の 規則正しきVの字飛行
30
ファスナーの金具の上に膝をつく皿をさすりついたいのとんでけ
21
亡き父と 母の誇れる 思い出を 語れる妹が いる幸せよ
17
百均のセルフレジ終えホッとする 家に到着品物がない😩
27
朝の度植物たちに霧を吹くこれも一つの祈りの形
49
短針が
5
さし長針
2
をさせば 母帰りきて
点
(
とも
)
る電灯
40
確かめずレジに立つなりその数字ごぼう二本の四百円超え
25
わたくしの口から出でた言の葉に切られて疼く後悔の傷
29
訃報欄思い出深き人の名をしみじみ眺む秋深き日に
36
打ち合わせ 終えてカフェで メール処理 右手にチャウダー ふぅーと息噴く
23
窓辺から 星を見あげて 無になって 画面に向う 課題山積み
28
晩秋や
東
(
ひむがし
)
の空 オリオンは 大凧の如 昇りゆく
夜半
(
よわ
)
30
薬箱に一週間分ふりわけた薬はあっと言う間にカラに
30
杖たより丸太階段登りきれば余呉湖に映る紺青の山並み
22
限られた 時間の中で 人は皆 命を燃やし 言葉を
遺
(
のこ
)
す
30
休耕地揺れる秋桜くすくすとナイショ話をしているみたい
24
夫と行く散歩を兼ねたお買い物 小春日和に歩を緩めつつ
27
七竈
(
ななかまど
)
、野薔薇、南天、
山帰来
(
さんきらい
)
秋深まりてそれぞれの赤
29
い
(
1
)
い
(
1
)
夫
(
2
)
婦
(
2
)
… 溜め息つきて 足袋を履く 遺影の妻へ「行って来るょ!」と…
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