あなたとの思い出ひとつ消すたびに消しゴムはきっとまた黒くなる
20
湯気の立つ カウンターでの 一人鍋 ポン酢の香り 引き付けられて
24
甥からのフランス土産チョコレイト絵柄エッフェル包みし甘さ
14
ここは海じゃないこと知っててこんなにも僕を癒してくれるの海月
28
死ニタイナ嗚呼死ニタイナ死ニタイナ 死ネテイナイナ死ニタイノニナ /2025.07.13
12
五平餅売らる茶店の灯も落ちて紅葉祭りも日暮れて終わる
39
ライブまで のこり9日と なりました 痩せてられない 太ってられない!
17
ぐずる吾子の 鼻汁はなじる啜りし 母の愛 知らぬと嘯き 子は逞しく
20
手術後の院内感染父コロナまさかの坂をひとはのぼれり
17
残月を捕まえんとし上昇す 白き巨人の手の形の雲
28
チャリに乗り詩を紡いだ樹々小鳥だんだん友達増えてくようで
21
やわらかな 陽ざし差し込む 窓際で 予報外れて じんわり嬉し
22
ハンカチのしわにアイロンすーっと当て あすの予感をそっと畳みこみ
18
カリカリと もっと食べなよ ちま猫ちゃん せっかく体重 すこし戻った
21
真っ直ぐな瞳で見れば澄む未来 心に鳥を悟りの境地
21
掘りてなほ砂に埋もれり歌の果て溜めた息なら砂漠の空へ
20
猫母のロリコスプレに首かしぐ 「猫だまし」とや人は言ふらむ(「猫だまし」は、相撲の技)
17
この夏に 花を咲かせし 百日紅 冬の鉢植え 実でも彩る
30
最悪も「さいあく」って書くとなんだか比較的マシに思えてくる
15
風散れる イチョウ並木の 向こう岸 彼女は消えた 冬を残して 
14
好きだとは告げないままで死ねるのか告げずに消える美学と言うもの
25
崩壊は 偶然に見えて必然で 乗り越えられない作りをしてる
13
十日間風呂にはいれず父帰るせめて洗車をしてから迎ふ
14
わたくしの「今」を共有したくつて旧友ではない友と呑む暮れ
19
北風は 行きずり水面 騒がせて 白鷺は行く 何処かの夏へ/r
13
おかあちゃん おきるの そっとまっている 愛らしわが 護ってみせる
21
西の空 ぽっかり残る 残月や 風が強いね 雲が早いよ
25
「満を持して」には不甲斐なき なかやすみ 大腸検査後 四日目…少し
16
一晩を ぬるま湯で過ごし ちょこなんと 嘴突き出す 発芽玄米
21
アレクサてふ友寄り添いて レコード盤なき二時間の ポール・モーリア
16