もし君に出会えなかった私なら 今日の青さすら見つけられない 
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この蜜柑可愛いねって幼児おさなごが笑えば今朝は温かい朝
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歳重ね別れが身に沁む吾がいて別れに慣れゆく吾もまたおり
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ナミビア沙漠われゆかねども紺靑の美靑年など泛べ塩湖に
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三十一の文字は牢獄ならずと舎にいへ蒸し焼かる牝鶏
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風邪の子に焼くオムレツの甘い香と休む仕事の後ろめたさと
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モフモフの絨毯に変え炬燵出す なにもせぬ日の夫の居場所
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ぐ空を 到着便が 横切った 日本を想う 小春日和に / 国会
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文化祭の舞台でぼくの決めゼリフ飛ばしたあいつ 今は警官
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テラコッタ色の軽トラ晩秋のオレンジ色の山に溶け込み
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鮮やかな 織物を見て 目が和み ときの移ろい 色で感じる
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田舎町にトパーズ色の光差す夕焼けチャイムの「恋は水色」
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いつの間に 図太くなった  自転車で 近づいてなお 動じぬカラス
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雨音に 慌てて布団取り込めば もう晴れている 遊ばれている
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わがつまはおでんの仕込み初めてで「ふくらむんだね」かわいい気付き
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宰相の本音ポロリに弁解も軍靴のをまどろみに聞く
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頼もしやこの冬初のマフラーは のどむね温め汗ばむほどに
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夫居れば歩くことなどなかったと落ち葉踏みしめ通院の道
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しかたなくビル街を行く祖父の足 踏みたいだろう畑の土を
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枯葉舞い いよいよヒーター 点火して 冬が始まる 霜月の晩
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薔薇のトゲプチッと取ってツバつけて 鼻の頭に可愛いピノキオ
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風と言う 獣の咆哮 低く流る の為に甘き ワイン買い置く
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公園のメリーゴーランド子供らを大人に変えて一人老いゆく
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晩秋の 頼りなさげな日差しでも 燃える赤い葉 心にくれる
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迷いおれば 風をはらみて カーテンは 帆を上げる 今、船出をせよと
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恋の病どんな娘でもつらいから君のすきなバンドの曲聴く
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食べたもの記録初日に衝撃のおやつタイムが5回あったよ/そりゃあ太るわ(笑)
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風邪ひけば酒は駄目だとわかってる わかってますよ理解わかっているだけ
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明日こそは外出すると息巻いて 昨夜準備をしたはずだった
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奮発しピザを取ったがその味が塩分過多で吐きそうになり/味覚障害?
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