袴やら スーツやら着た子たちと すれ違う 口遊くちづさむのは 竹原ピストル
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先月より少しだけ安い電気料。暖かい日が増えてきたのだ。
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人は死ぬ 人は生まれる 何のため 何が目的 この人生の
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ほぼ月がない夜だから僕たちもキスをしましょう また会うように
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ひさかたの影入る月に霞立ちながめ降り落ち見るよしもなし
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明けゆけば面影消ゆる空なれどまた来る夜には月も待つらむ
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有明の空うす白くなりゆけば鐘のひびきに夢ぞ破れぬ
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駆けてきた 人生綴る 終曲は 「ありがとう」 「ありがとう」 皆々さま
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ラミネート チューブの端もち 振ってたら 蓋が外れて 歯磨き粉だらけ
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百首ももうたを  みて残るは  ただ一首いっしゅ  短歌うた深淵ふかみに  まどいけるかな
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偽物の山の斜面に立ちながら異国の山羊はただ草を食む
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フラミンゴ二本の脚を入れ替えてつかれてんだね虚ろな瞳
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やっぱりね住めば都だ 片付けを終えて眺める新しい土地
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さよならの 言葉吸い込む 皐月の空 また多分君の 夢を見ていた
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初鳴きのウグイス聞きつつ朝散歩  雪の富士にも春はすぐそこ
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いたずらは得意謝るのは苦手似たもの親子並んで午睡ひるね
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風が吹く風に吹かれるカーテンを透かす光はもう春の色
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デイ行かば欠席多し 寒暖差調整かたし後期高齢
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子供らにおばちゃん遊ぼと迎えられテントで折り紙そうか春だね
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遠き日に 思い描いた 夢多く 白髪混じりて「夢」夢となり
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ゆるるりと自分を満たす一人時間 気ままサプリが吾には効くらし
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手をかざし 守りていたき すみれぐさ 人知れず野に 春げて咲く
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日記帳今日のあれこれ書き連ね 狭い余白に「お元気ですか?」
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老いといふ証の爪のさざなみに 命の色の紅いマニキュア
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ネギ油 炎が上がるカウンター 香ばしい麺 一気に食す
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派手やかに 咲く花よりも 紫の すみれ恋しき 春浅き野は
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陽だまりの たんぽぽひとつ 春が来る 小さな風が そっとゆれてる
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もう行けぬ老いらくの恋は実らない蕾のうちに摘花されてく
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亡き母の語った話とあの頃の懐かしさ共に今日の一日/東京大空襲の日に
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ミステリーを読みふけるきみ 黒薔薇の一輪挿しのように静かに
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