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気を抜いた背中の写る一枚にどこの老婆と目を疑いし
37
殺すなと 描いた太郎の 缶バッジ 見かけて少し 泣き面に 春
36
戦前の空気を知らぬわれなれど「強い日本」に感じる不安
30
溜池のそばに一樹の春椿
紅
(
くれない
)
燃ゆる弥生の空に
44
コーヒーを淹れる数分 未来には内緒で僕を取り戻す場所
31
注射後にアウアウ鳴いている犬を宥める獣医のやわらかな声
28
忘れたる 箱より
出
(
い
)
でし 大小の 小花のピアス 春は来にけり
32
雪虫と呼ぶを知らない子供らのその雪虫が春に飛ぶこと
34
降りて来ぬ 思い浮かばぬ言の葉を 苦悶の末に一首絞り出す
24
完璧な朝じゃなくてもいいじゃない 光を浴びに靴履く休日
29
「邪魔だよ」と「
退
(
ど
)
けよ」と
翁
(
おきな
)
毒を吐く
他人
(
ひと
)
のささくれ我が身に移る/いつものスーパにて
25
ちま猫ちゃん しっぽぴーんで よいごきげん ゴハンもたべるよ だいじょうぶだよ
25
「寂しさの終てなむ国」など無かったと今なら言えるそれもさびしい
26
すぐそこの春の気配をかき消してびゅんびゅん吹雪く冬のプライド
24
思い出の プロローグあり 住宅街 夕焼けのなか 鍋の湯気立つ
13
震災のあの日を胸に刻みつつ 祈りて閉じる今日のまなざし
31
桜メール既読つかぬまま
去年
(
こぞ
)
の春 長き
空
(
くう
)
の胸に
桜
(
はな
)
や咲くらん
13
涙する 悲しみさえも 食いしばり 負けるものかと 静かに立てり
32
まっすぐな学ぶ姿勢の眩しかり小さき歌会の仲間のことば
33
馬鹿がいい馬鹿を目指して馬鹿を積む馬鹿は前向き馬鹿は希望さ
18
「ごめんね」と言えば「いいよ」と決まってた。いつの頃から「いいよ」で済まぬ
22
戦火の世 平和の夢は踏まれゆく草は倒れつ「イマジン」詠う
29
一粒の梅酒の梅に染み渡る 過ぎ去りし
時間
(
とき
)
の流れを想う
26
ぷっつりと噛めばはじける春の香の 翠の粒やえんどう豆食む
33
ベトナムへ行かぬと決めた「
A
の意志
(
モハメド・アリ
)
」継いでいこうよ全人類で
18
刑事ものデビット伊東出てくればもう犯人はこの人ですよ
25
また来ます または何時かと 訝しむ 吾の脳内は いまだアオハル
15
風の
音
(
ね
)
にひとの声聴き肩越しの白詰草に春告げる陽は
22
実家の
猫
(
タヌ
)
ちゅーるも食べぬ朝が来た まだ生きてくれ まだ生きてくれ
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里帰り 最寄り駅にも ホームドア ところどころに 令和の文化
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