七十路の君の復職迫り来て震える凝りを溶かす山の湯
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姉ちゃんの声は涙で途切れたり『泣いた赤鬼』朗読しつつ
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数十人を巻き込みし亡母はは四月一日エイプリルフール 仰天の遺伝子我に有りや
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今月に入って「すき」と告白を数えきれぬはエイプリルフール
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壊れてるチャリのライトは雨が好き雨の日だけは必ず点いて
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小夜雨のテンポ早まり安定の君の寝息を数え夢見る
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問いかけにAI先生優しくて涙も落ちて気も許しちゃう
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繰り返し たづぬ春にも 年毎としごとに 異なりぬ風 異なりぬ匂ひ
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「一月は行く二月逃げ三月は去る」とことわざまで残るほど/同感
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病院へハート舞う風 並木道 帰りにケーキ春のご褒美
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通院をメインディッシュに一日を盛りつけている老後のふたり
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ゆっくりとバイク走らせトンネルを抜けては眩む目に在りき母
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生姜湯(しょうがゆ)の 腸(わた)に着く頃 眠くなり ひねもす止まぬ 花の雨かな
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誇る花 散る花もあり 野辺の花 人が愛せば 次の世もあり
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目に星と月照る首相のニュース見て寝チャイなそっと告げるララバイ
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まだ要ると買った灯油に高い値と言えば油屋苦虫の笑み
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「殺人は数によって神聖化される」『殺人狂時代』だよまだ/チャップリン
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風そよぐ今宵を照らすピンクムーン花の薫りに揺らぐ月影
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帽子かぶりベンチコート着てマスクして杉林下のゴミ収集場へ
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叶わぬと知りつつ祈る掌はただあたたかき血潮の流れ
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甘さ沁みる 祖母の言葉と シルベーヌ 祖父の背中に 道標得る
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故もなく焦燥の闇這い寄りて歳経るごとに我食み砕かれ
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生命の息吹 緑をほころばす わたしはそのはなも好きです
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来た道を戻ったとこで帰れない こちらにもなく あちらにもない
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あえていま桜をみるか迷うソロ さぁ出かけるか靴が微笑む
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日陰から出られなくなった吾を指して 嘲笑う光の使者たちは群れる
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気配だけ消して俯く透明な 私越しに見ろ歪な校舎
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思わず列車に飛び込みたくなるくらいまぶしい陽気の陰気さ
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昨年の メロンの種を 蒔いたなら 出るは出るはの 可愛い双葉
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花満ちて 光を連れて 卯月立つ
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