隣から話しかけるその声に師と気づけども知らぬふりする
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既読はね、まだ付けないでおくからさ 気が変わったら、そっと教えて
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ステロイド 効かへんように なったなら 命危なし 喘息持ちは
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白昼の 雅な装い 相反す 月の宴で 魅するまなざし
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父も母もいない花見であまりにも近くに墓があったことに気づく
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背の低い タンポポの方を 手に持って 頑張れよって 息を吹きかけ
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市役所の桜は少し早く咲く いつでも桜は桜でしかない
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反戦と宣戦布告は同じもの 般若心経 よくぞ唱えり
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朝の日の障子に透けるしずけさは黄金こがねのうすい柔らかな夢
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曇天に星を隠した雨夜空 故人偲ぶれ月の命日 /2026.04.08
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悩みとか苦しみなどは余るほど あるから作る自分への「甘」
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車座で何を語るや若き人 花ぼんぼりに明かりを取りて
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聞こへ来るエンジン音さへ春の音 冷気ほどけし朝の向こふの
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私にも家庭と離れる日が来るの朝霧夕霧たつ北の街
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仕事終え 千鳥ヶ淵の 桜愛で お茶を一口 幸せ感じ
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朝靄に身を浸しつつ思ひをり 旅立つ私は一人でいいと
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心痛の夫の食欲戻り来て庭にも一歩 せなに春の陽
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足るを知り 慈雨に感謝す 春の朝 吹く風ともに 年度始めへ
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春盛り髪邪魔になり留めてみて結んでもみて切る洗面台
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雨間あまあゐの風にさらはれ 改札を薄紅にむ 散りし桜花おうか
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花冷えに夕焼け染まるロッカーの名札剥ぎとり卒業とせむ
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春のよの あさき夢にし君が影 満ちゆく月にかかる薄雲
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叙勲いさおしの記章を磨く術もなく 認知わすれの父は私を呼ぶなり
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母の負を父のいさおで拭ひ去り 私は独り介護あしたを編めり
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しづかなる部屋 コチコチと秒針の音だけ聴こゆ いねられぬ夜は
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新年度気になる事は多々たた有れど雨風あめかぜあとの満開桜
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穏やかな待合室で衝撃の事件を喋る準備をしている
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三年前僕もあんなに「ふきのとう」だっただろうか泥を跳ねつつ
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息白き花冷えの朝コート着て空のはずれに薄日をさがす
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テレビから無意味なギャグが流れおる無言で食す夫婦の夕餉
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