潜って潜って漸く掴んだ魚には知らぬ右手の火傷跡
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言語化を するべきことと しないこと 言葉にならない 今夜のふたり
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レンチンの スープばかりの 身に沁みる キミが作った 温かいスープ
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「忘れたの」「いや、多分。まだ」そう言って 貴方と目下、ただの、朝焼け
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羨んでいいから人の真似したりないもの欲しがったりはやめよう
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外は極寒 温水プールの ストレッチ カチコチの身体 徐々にほぐれゆく
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「今朝も寒っ」 起き出す勇気 いまだ無く ぬくぬくむさぼる ハッピータイム
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資本主義、豆まき恵方巻喰らひバレンタインには恋も商売
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きっと嘘 きみの言葉は み空色 はく息白く 刺さる溜息
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歯磨きも 入浴もせず 一日中 海を眺めて 暮らしてみたい
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穏やかな 紳士のような 人物に なれると思う こんな心で
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悲しみを 背負いて生きる 人々は 報われる日に 勲章を受け
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融け馴染む メルティステラと薬指 きみのいたあと さよならのあと
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このままでいいのだろうかと立ち止まる 尋ねる先は我が胸の内
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君宛てのルーズリーフの書き置きの余白に託す語りえぬもの
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部屋に置いたBluetoothスピーカーはエールをくれる僕の友達
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他の人よりも夜勤をこなすから オリオン座など星座が分かる
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畦に立つ翁笑顔で「温いけな」モンキチョウ飛ぶ冬の菜園
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上階で移動させてる家具の音再び家の建具が開かない
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「お母さん、ごいりょくってなんの威力?」持ってる全ての語彙でうんちく
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共テ前 前泊の子らのグループの 楽しげな声に 心で「頑張れ!」
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嫁してより五十二年を生きし町新たなる地に雪は積もらぬ
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「死ね」と言い「死ぬか」と返してそののちの梨の白さを君に剥くなり
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手拭いのユーモア格言可笑おかしくてフレーム探しに自転車で百均
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偉そうに のけぞる父の手のひらの震え思えば怒り溶けゆく
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雪のしずく競うごと落つ賑やかさうたた寝の午後ふいと目覚める
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負けるまで続けてやると言いたいが一度も勝ったことのない古希
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ため息をつきて曲がれば白き富士雲を払いて満天の青
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真夜中に 救急呼ぶかと 悩む腹痛 今朝はいちおう カフェインレスで
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大寒の朝に 暖房1℃上げ だあれも風邪を 引かないように
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