「納豆を高速回転させるとき 苛々してるの覚えて置いて」
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もう過ぎた十一月に降る雪は私のようにきえてゆくもの
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夜想曲弾かんとしてもその中に密かに宿る夜は逃げ出す
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秋のの 夏より強く我さそふ 果実かじつかほり、血を吸う薮蚊ヤブカ
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北の国 貰いし土産 食べ頃に インカのめざめ 調理に迷う
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死にし後 人は何処いずこへ 皆行かむ 薔薇色の雲に 問えば消えゆく
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揺れる木々 りては渦を巻く枯葉 もりに満ち満つ冬の音聴く
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半日で解けきる雪のふがいなさ 役員会の行きつ戻りつ
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明日から 子供の頃をやりなおして あなたみたいに息を吸えたら
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朝焼けの グラデーションに 言葉なく 絵画のごとく 空に描かれ
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公園のならの落ち葉の乾く音もオレンジ色に染まる夕暮れ
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五円玉 穴から覗いた幸せは 蝋石・チウインガム・紙芝居
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残余てふ時を数える年の暮れ 「忘年会」を誘う罪びと
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護るチカラ この手に宿れ 月光よ 月よ星よ風よ 無限の力を
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ちま猫ちゃん けさも にうにう牛乳 のみました ごっきゅごっきゅと いいおとたてて
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地に眠る白き裸体を温めて 蕩けるこの身 どうぞ召しませ
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気持ちよく寝過ぎた朝の腰痛に悩みせしまに師走となりぬ
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葉牡丹も 冬の寒さに ギュッと凍ゆ ベーグル持って お散歩行こう
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陽当たりの良き敷地には 紅白の山茶花さざんか 師走のバスの車窓
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嫌われるカラスの色は濡羽色ぬればいろ 人は見てない無限の色を
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港町のスーパーにしか売ってないお惣菜を見に行く朝の
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ドキューンと胸を打たれる恋がしたい!僕の女神は何処におわすや
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荒波を海の嵐を乗り越えて船の航路は歌に任せて
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風邪ひかないようにね、と 膝小僧気遣われ ちょっと面映し 49歳>八百屋にて
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「生きていた言葉」に献げる徳利のセーター チョッキ ちゃんちゃんこ など
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信じれるこの人ならばとピンと来る人はなるべく信じちゃダメよ
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未来ってここにあった例えば屋上駐車場でキミの首にかけた白いマフラー
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無印で目と目が合って恋に落ち あゝシュトーレン今年も会えたね♡
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地にありて月に届かぬ夢ひとつ八十億は風に吹かれて
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お馬さんレースを控えゴロゴロと馬房でくつろぎ走って勝って
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