水玉の間を指でなぞってく 水玉に触れたら地獄行き
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よもぎ摘み 指に残った かおりから  春に邂逅かいこう 今日はい日だ
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父に似た人 二度見して すれちがい 背中見送り 春 ひとめぐり
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居た場所に もう居ないこと 追いかける 言葉はゆっくり 植物に似て
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澄みし朝 小高き丘は 萌黄色もえぎいろ 田舎の桜蕾おうらい まだまだ固し
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岸壁の風に傾く舟宿のすすけし看板生業なりわいの後
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冬越して スナップエンドウ 収穫す ささやかながら 春の楽しみ
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施設より帰宅の道を探すよに「どやってきたの」と何度も義姉あね
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ため池の堤防で詠む春の歌「鳥はさえずりたんぽぽ笑う」
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種こぼれ 花を咲かせた ビオラにも 蝶が舞い降り 得意気な顔
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トランプジョーカーの脚に重りを括り付けホルムズ海峡沈めてみよう
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春風はるかぜに  揺れてうつつの  水仙すいせんの  陽光ひかりを浴びて  夢を見にけり
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したいことあふれぬようにしまう箱さがしておりぬ…はなはさかりに
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自分ではツヤと思えど人からはテカリだとしか見てもらえない
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通院と買い出しお勝手だけだって有るよと語る日々の歌かな
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暴君は 屍の数を 気にもせず 骸の行方 知ることもなし
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外よりも 寒き家内(やぬち)に 身震いし 少し薄手の マフラーを捲く
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手につかみ 口に入れたい 孫三女 満面の笑み 見とれる時間
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曇りでも混む週末よりマシかもと桜並木をゆっくり歩く
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家を出て信号渡り上着しか着てぬ園児と我が母気づく     
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年ふりて 不得手なことが 増えていく 震える手 触れた親切心
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吟醸の酒に稲田と米の香と果実味へ酔う 兄よ有難う  「兄さんから届いた〆張鶴純米吟醸酒 夢見て酔えます」
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震災時 電気水道 応えなく 歩けぬ人は 待ち望むのみ
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地元から 離れてからは 出身が 同じであれば ついえこひいき
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世直しへ 荒ぶる海と 猛し風 名もなき花が 命をつなぐ
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終わり続ける君と終わらない僕の終わりを迎えたちいさな約束
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電卓のボタンを拭けばガチャガチャと、小さな画面に乱舞する数字。
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新米のタップダンサー音楽はセルフサービス 不慣れな足音
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少しだけ長めに引いたアイラインプラムのリップきみからのTEL
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今夜だけあなたの胸で眠らせて夜が明けたらいなくなるから
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