経済に ぶち壊される 「人の世」を 起ち上がらせる 老若男女
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買ったもの 食わずに捨てる 贅沢か? 食うべき物と 食えない物と
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仏壇の蔭に身を寄す蜘蛛の子よ まわれ右する掃除機の先
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無花果の枝の武骨にそよそよと水仙の白 病める身の春
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三つ折りにかれ燃える線香も うちのひとつぞひとり尽くらめ
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朝露に にじむ街の 宝石など 持たないだろう うたかたの人
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にぎわいの桜の並木何事もなかったような卯月の葉桜
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空覆う 雨雲に似て 気分まで もやる 溺れる 水たまりの奥
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寛解の揺れる想いは溶けぬまま医師は忙しく二分にふんの診察
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兄弟がたくさんおって幸せと話す義姉の記憶は幻
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消えた短歌思い出してはメモに書きまさに推敲二つ三つ四つ
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日曜の 挨拶まわり 小旅行 桜吹雪に 見送り受けて
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花筏かたち変えつつ揺れゆれて たれか棹さし運ぶ泡沫の夢
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コローの絵の 如き森なり 金色こんじきに  かすみて暮るる この夕雲も
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悪女とはすごい美人と限らないとっても悪い女ですもの
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離れても 逢えると願ひ 萌ゆ二人 ありて流るる 恋の川かな
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きみ包む毛布の手ざわり確かめてそっと伸びする日曜の朝
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取り囲む山並み雲に溶け込んでとろり鈍色梅の白冴え
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1首詠み吾の機へ送り受信して吾を振り返る詰め込む明日
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バンザイで新入生を迎え入れ白き花咲く梨の木々らは
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諦めた。次の冬にはインパクトレンチインパクト要るなと思うタイヤ交換/あちこち痛いし
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母と妻のアッシー君を済ませたり 眼科へ耳鼻科へ歩けや、歩け
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見られること飽きたわけではないけれど「もうそろそろ」とはなは散りゆく
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花筏 枝からこぼれる幾日を難波潟 短かき蘆の 節の間も 逢はでこの世を 過ぐしてよとや 19/100 伊勢
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桜の花びらが風に舞い上がるように わたしはいきたい
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髭剃りの泡が足りずに剃りにくい似た失敗をしてきたけれど
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白コーデの日のハヤシライスの緊張感 獅子座の1位が試されるとき
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葉桜の言葉に余る気持ちさえ紫煙たちが解いてく
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食べたことないかえるが鳴いてる飲んだことない水たまりの中で
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二時間四十五分の軟禁ただ君思うことしかできず
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