相対性理論で動く時間割 五億年にも思える五分
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公園の古びたベンチ 熱帯夜 抜けた炭酸 コカ・コーラ二本
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ゼロ距離で睫毛の長さを不意に見て唾飲む音を悟られないよう
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ジェット機が来るよと星は天涯ゆ壺湯に浸かるわれに囁く
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朝日射し 雪間に揺れる 木立影 枝を透かして 白銀眩し 心澄みゆく
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【痛み】にも深い悲しみあるのかな 今すぐここに飛び込んできて
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姿見の私に問うた「私は私なりに生きれてますか?」
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毎朝の外来を請はれ出かけしも二時間余のショートリリーフ
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世は情け個室の中で音たてて雲古憎んで人を憎まず
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原付の猛る鼓動がかき消した 独りの夜を飾る歌声
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あの歌詞とおんなじように人生を できているかな できているよね
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凍らせた感情溶け始め痛む18年目のサバイバルにて
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これでもかこれならどうだと格闘し やっと世に出た我が雲古見る
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蝋梅へ 夜明けのひかり 満ちゆきて 甘やか黄金こがね 濃く匂いたち
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黄砂来て薄汚れたる雪原を 染め直せるか如月の雪
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燻炭を撒いて融雪促すも 新雪積もって元の木阿弥
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初鳴きのウグイス聞きつつ朝散歩  雪の富士にも春はすぐそこ
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ラッキーデイ 君は私を 想ってる 綺麗な夕陽 見えているよね
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樹々の間に小さく聞こゆはそら耳か優し調べは春の声やも
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家族には言えない僕らの「毒」だけをビールの泡で白く、漂白
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気を抜いた背中の写る一枚にどこの老婆と目を疑いし
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大根が頭を切られニョキニョキと春の畑のなまめかしさよ
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原爆忌無精卵を庫に飼はば生まれ死ぬ耶蘇かは知らず
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原爆忌から敗戦忌へ傾るおほきみに籠る聲の玉音
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髪漉けばまだシャンプーの香りして それでも夜ごとお湯を浴びたい
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朝からの細雪舞う二月尽せっかちな春また背を向ける
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我が家には 愛猫きみが定めし序列あり 猫様一番下僕しもべは二番
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春風しゅんぷうを浴びつ散策 梅咲きぬ家の 窓辺にすわる黒猫
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アニメ観るスポンジボブにトムとジェリーいつまでたっても「僕は凡人」
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沈丁花 花の香りを 全力で 主張する様 命短く
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