セットメニュー餃子を分ける君のいて秋晴れの街ぶらりふらり
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木枯しにスカートが舞う乙女おり生脚のまま寒くなかろか/大きなお世話です
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感性を豊かにもって君らしく土のアートをしかと歩まん
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泣きそうで泣けなくてほっぺのあたりまで涙がきてる水曜日
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珈琲とミルクの境界が溶けてゆく 気持ちの終わりはすべて曖昧で
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愛してる アイス食う、だよ 噛み合わぬ会話の中で起こった奇跡
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日記てふ外部記憶はわたくしの形を撫づる水泡みなわの記憶
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まじかいな朝から満席新幹線 さもありなんや秋の晴朗
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秋の朝影のびのびてガリバーの同行の杖カラコロかろし
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あらーむさん ピロピロリンとゆったから ちま猫ちゃんは よーす様子みにくる
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光る君 父と男の狭間にて玉鬘たまかづらへの懸想けそうは哀し/『源氏物語』の玉鬘を詠む
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終末は 天気だ、夜は焚き火しよ 炎をみて壊心ゴミを 白灰にする
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スカーフをリボンの形に結いまして 母のくれたるイヤリングつけ
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いつも通り 紅のひとつもささないが 舞妓さんの練り香水だけ(少々)
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ふと席を 立てば今かと 猫さまが 温かさごと 座椅子独占
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あれこれと工夫するのが大好きでぷちエジソンか似非ダ・ヴィンチか
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ジャパニーズヘヴィメタなどは認めぬと洋楽マニアかなりうぜえ
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感想文つまらぬものをつまらぬと書くの一体なにが悪い
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あるあるを早く言いたい今、言うね(だいたいの霊は黒髪ロング)
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信号の変わりて一斉歩きだすうちのひとりに私はすぎず
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散歩道歩数の都合で遠回り傍から見れば只の不審者
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冷めきった紅茶をレンジであたためる心の温度は取り戻せずに
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涼しくて網戸のままで 実家にて まだ寒くもない半袖部屋着
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夜マック君のポテトをつまみ食い サイドはサラダで0カロリー
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傷跡をふりかざす無神経さと吐息で曇るステンドグラス
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時間なら進み行くだけ力なら思い及ばぬ天より来たり
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年老いたウッドベースは飄々と豊かな秋の夕べ奏でる
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母出てった 小三の瞳 覗きこむ 寂しさよりも怒りに満ちて
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清純な乙女面おとめづらした阿婆擦れあばずれと酷な言葉に負けないあの娘
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いきのこる さいごのねずみ 重い音 おやのねずみか とらっぷさける
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