春忘れ芽吹きを忘れしおれゆく市井の一票どこかに消えた
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赤い花咲く頃そっと手を合わす心はあなたにありますからと
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食欲が戻り口にすトーストの小麦の香りが幸せだったり
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アスファルト染めて椿の落ちにけり音のするよな潔さかな
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遊びつつ寝覚めをすすぐ小径かな雨や花やと筆を滑らせ
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「犯人はあんたなんよ」と愛されたあの夜は昨日もう過去なのか
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恋愛は確かにしづらい年増だが出来ない理由が一応あるのよ
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川面にも春がきらきら漂いて何もせぬまま二月も半ば
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思ひ遣りを 絵画に託し 中吊りに 子どもらの 乗車マナーポスター
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よひやみに花のありかや夜の梅 虎屋の羊羹おもひうかべり
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三日後の 雪はわたしの 怒りみたい 日が当たっても 解け切らなくて
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夜泣いて泣き泣き泣いて泣いたあと 歯ブラシ持って歯を磨く
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ふゆあさの凍てつく道を散歩する犬は四輪吾は二輪
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降りてくる言の葉をこの両の手で 受け止めんとし 空へと伸ばす
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火曜までみじんこだったふりをするうそもほうべん 千本桜/折句
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短歌とは 俺にとっては 啖呵やねん 思ったことを 言葉にのせて
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看取られず 死に至ること 稀ならず 仮に同居し 家族なれども
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吾れ見つめ 顔近づけし 蒼瞳羊駝アルパカや 想いがあふれ 笑顔もあふれ
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アスリートの演技に神の声聞く 舞台降りれば ただ微笑まし
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明け方に川鵜の群が空覆ふ ヒッチコックの「鳥」を思ほゆ
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目も耳も E判定で この先も 雇ってくれる 保証はないな
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無意識に沈んでたのかこの俺は?ふた親おくり幾星霜も
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公示日にパンダは去りてモーツァルトの『別れの歌』を繰り返し聴く
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恵方巻並ぶ売り場に押し寄せて臭きにたかる蝿のごとしも
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誰のせいでもありゃしないみんなおいらが悪いのさとあの選挙結果
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音もなく輝き出した八月に マヌケな顔で会釈しました
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そないにかっかなさるなまあ座れと熱き渋茶を先ず勧めけり
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こっからここまで沢山歩いたね、まだ目がキラキラしてる。あなたって綺麗ね
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フィルターを何度も変えて撮る夜に 掲揚されたエモに浸れば
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ささみ エビ たまごを洗う アライグマ 手抜きで洗わん ヤツもいるけど
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