夜へ放り出した体から落ちる個体液体まざりあえない
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頬を伝う 老父の涙 復讐の 獣に人の 心宿りぬ 「トロイ」オマージュ
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丁寧に畳んだタオルを枕にし 今は生地に悩む毎日
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開けちゃおう ずっと取ってた 良いワイン これ幸いと さぁ祝いましょう
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待ちきれない貴方の時計が何回転も僕の針で進む時
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飲まれたる 私の頭 「Whiskey」ウィスキーに 謝罪したる 「Whiskey」ウィスキー
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ヘクトール! 大地を叩き 咆哮す 甥殺されし男の 復讐の槍 「トロイ」オマージュ
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海峡のことをおもひてゆく呑みの罪深き足取りあたたかき夜
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嗚呼友も我も目悪く卒アルの初恋のひと見つからずゐる
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春なれば 『田村』謡うと 取り上げし 和綴の本の 紐切れて居り /観世流大成版謡本
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空仰ぐ落花の上に傘の花見え隠れする枝の恋しき
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道端に放り出されてたヘルメット拾って見たら実が詰まってた
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片付けは苦手なんです埋もれてもだいたい分かる特殊能力/日々発掘
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屍は衆人環視の荼毘に付し 川に流して輪廻に託す
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駅降りて 人々は散る それぞれを 待つ暖かな 灯りを求めて
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仏壇の蔭に身を寄す蜘蛛の子よ まわれ右する掃除機の先
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君が去り空白ばかりのひと日には花の下にてひとりで歌おう
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無花果の枝の武骨にそよそよと水仙の白 病める身の春
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三つ折りにかれ燃える線香も うちのひとつぞひとり尽くらめ
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春のよの あさき夢にし君が影 満ちゆく月にかかる薄雲
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花弁はなびらが 妻 居た部屋に 舞い入りて 笑顔こぼれる「お帰りなさい」
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雲去りて 沈む心を 撫でる風 照らす望月 光の衣
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立ち止まり迷う私のかたはらに 黙して笑う春の陽の夫
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レコードになったことない作詞家の夢レコードを聴くプレーヤー
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朝露に にじむ街の 宝石など 持たないだろう うたかたの人
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遠くから愛でるだけもう散っちゃった桜にきみに触れたかったな
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何もかも移り変わるよ花開き落ちる木蓮香り残して
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ゆっくりを瞬きをして慰めてくれるか照明店の黒猫
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昨晩のぶんまで見よという月か今宵十六夜煌々として
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病故やまいゆえ1人が苦手雨音を 聞き帰り待つ息子きみは休日
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