哀しみも いつかは僕の 風となり 冬春夏ふゆはるなつと 流れてゆくよ
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人生の次のターンを予測する あなたは見つけないわ、わたしを
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「楽しい」の同意語「嬉しい」そんなんじゃないの気付いて「休みたい」って
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きっと一生の友達になると思っていた お元気ですか
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初めての法事に少し緊張の 娘は知らない写真の祖母を
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たましいを分け合うようなさみしさはあなたが生きた痕跡でした
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「おかえり」と言えば待ってたことになる だから言わないあなたにだけは
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老い友ら守られし籠の中のことあれこれ語るランチと称し
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雲間から 射し込む光は 天からの 迎えか 誰ぞ 召されてゆくのか
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何を得て何を知るのか春は来ぬ我は何を求めんか
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あっさりと 背徳感はいとくかんも 味わえる 夜中よなか、ラーメン 最高すぎる
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魂をフォトショに売って人生で初めて笑う私の遺影
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歌謡祭 テレビが映し始めたら 今年も終盤 気を引き締めよう
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ハワイより地獄の方が近いからなんとか君の手を繋いでる
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「めっちゃいい!」 自己満歌に 限ってさ 〝いいね〟は伸びない 不思議な法則
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冷蔵庫 出入り激しい はずなのに 忘れてしまい タイムカプセル
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snsの投稿ボタンが押せなくてメモ帳の容量重く沈んで
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運動会「おいなりさんがよかった」と言わずに食べたよ母のおにぎり
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ひとり住む母の背中を見送れば丸く小さくおむすびに似て
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言うべきか言わぬべきかと悩みおる我の後ろで時計は進む
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父親の薄くなりたる頭髪に木枯らし吹けり新月の夜
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結露した窓から見える曇天どんてんに思い出すのは雪のふるさと
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地図指して「いい空気」って意味らしいブエノス・アイレス 君の笑顔
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一滴の海水に数百の生命いのちあり 夜の水面に揺れる街の灯
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突然に 火蓋を切った 介護道 スタートダッシュで 既に息切れ
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願望とリスクをはかりにかけたまま今夜も僕は夢を見るのだ
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ただ一度ラブレターじゃなく恋文を書きたかった人ホスピスにいる
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冬立てる 朝明あさけの空のり色は 限りも知らぬ染織せんしよくなりけり
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とりどりに 喜怒哀楽が ありてこそ 有難きかな 世を去る時は
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故郷まで何度も読みたい小説の目次のように見てる駅名
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