ひとりぼっちでたたずむわたしに あなたは声をかけてはくれない
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ねぇ、だあれ?隣にいてもスマホばかり。フリック音がひどくうるさい
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既読はね、まだ付けないでおくからさ 気が変わったら、そっと教えて
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ステロイド 効かへんように なったなら 命危なし 喘息持ちは
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熱が出て コロナと言われ がっくりと モード切替 妻は病人
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夜桜に映えし君の横顔を じっと見つめ みたらしを食ふ
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サーティワン 新作おもろい なんか味、夏っぽくね?と言い合いするほど
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短歌って単価ゼロ円でも何故か啖呵切れない31文字
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乱舞する 花竜巻はなたつまきを まん中に 子ら駆け描く 同心円や
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たくさんの「はじめまして」に出会う春きみが桜に見えた気がした
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納豆を食うからからしすぐに減り刺身食えんでわさびは減らん/物価高
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本命になれないところ百均のコスメに似ててサイアクあたし
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ひさかたの光散らしむ 忘れないよりも忘れるほうが優しく
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本来の 役割果たせず やさぐれて フテ寝している エアロバイク 
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雨の音 煙るにおいと甘い味 みんなわたしを気にも留めない
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両親に預けてますとお隣さん子どもの姿も悲鳴も絶えて
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綺麗だろこの剥製たちこのようにして永遠とわの美を君も得るんだ
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山深き岩垣躑躅いはがきつつじひた燃えに燃え尽きぬとも人知らめやも
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君が去り空白ばかりのひと日には花の下にてひとりで歌おう
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初めての傘は赤色アンパンマンずっと離さず寝るのも一緒 /吾子三歳
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雨降る日 ラジオ体操 休みなり ほっとするやら 物足りぬやら
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朝靄に身を浸しつつ思ひをり 旅立つ私は一人でいいと
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心痛の夫の食欲戻り来て庭にも一歩 せなに春の陽
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足るを知り 慈雨に感謝す 春の朝 吹く風ともに 年度始めへ
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雨間あまあゐの風にさらはれ 改札を薄紅にむ 散りし桜花おうか
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花冷えに夕焼け染まるロッカーの名札剥ぎとり卒業とせむ
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少しでも 形違えば 規格外 それでも良いと 寛容大事
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母の負を父のいさおで拭ひ去り 私は独り介護あしたを編めり
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七十路の君の復職迫り来て震える凝りを溶かす山の湯
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数十人を巻き込みし亡母はは四月一日エイプリルフール 仰天の遺伝子我に有りや
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