Utakata
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指切りをする手が蝶に見えるから交わしたあとは春野に逃がす
28
せわしなく検温をしてまわるひと家で待つ子の言えない微熱
20
1日に二回までのバファリンを信じて眠る 雨の火曜日
21
大輪の 薄紫の深見草 甘き香りが我を酔わせり
27
木金を休んで八日の連休を自慢するなよ無職の吾に
23
鏡には信じるものが映るのみ穢れを祓う柏手一つ
15
知ってるかい悪魔が編んだ歳時記じゃ夏の季語だよ腐乱屍体が
16
万葉の 人の嘆きを詠めばなほ 千の月日も 人は変わらじ
19
手のひらを滑り落ちゆく洗顔の泡を見ているやうな一日
32
左手と右手の違い ペンを持つ方と子猫の背を撫でる方
14
おしゃべりをやめないひとの右上に『✕』がないかと探してしまう
30
十月
(
とつき
)
ぶりの投稿駄文の掲載にラミネートして外来に貼る
16
予備一つ常に置きたい玉ねぎに日持ちのしない新玉到来
30
青天が爽やかよりも汗を呼び 春の終わりを夏が追い越す
14
エンドロール 語りたい君 隣には もういないこと わかってるのに
12
世の中は川の流るることながら水に
砕
(
くだ
)
くる
巌
(
いわ
)
も在りけり
12
ISO 認証取って人殺す機械を作れと母は言ったか。
12
春は好き暑くもなくて寒くなくガス電気代かからないから
12
愛犬に余命宣告 あくまでも推測 長生き固く信じる
12
弁当にペットボトルにスマホ2台 日ごとに嵩む鞄の重さ
25
雨あがる 菜の花濡れて
晩春
(
おそはる
)
の のどけき
陽光
(
ひかり
)
頬にも
透
(
す
)
きて
11
幸せを頬張る口にそそられて膨らむ頬を指先でつく
11
日にそよぎ薫りしずかに咲く薔薇の花びらに
透
(
す
)
く淡い蜂蜜
13
手をのばし値札をみては通り過ぐフキもうるいもワラビもタラも
20
夜が来て朝が来る前 ことの葉はあとかたもなくこぼれたあとで
14
漱石に倣えば君は三日月で 笑顔の目元も別れの傷も
10
幸せと感じたことは遥か昔 肩で寛ぐ野生のミミズク
10
うたかたに 登録してみたよ たのしいね 短歌の文字数何文字だっけ
10
花菖蒲ご無沙汰の友思い出す政治談義に花咲かせし日
11
通知切る 軽い言葉の
泡
(
あぶく
)
など 底なき日々を 濁らせはせぬ
15
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