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多重露光で重ねられたUFOをさしずめ僕のタマシイとする
2
女子が好むモノすべて苦手なきみが重機好きなとこスキ
2
僕らが愛した渋谷という街は地名残してどこか遠くへ
2
救ってよ何度でもまた救ってよ 春に聴くのは「アストライド」
2
嫌なやつ許せないやつに罰下す汚れ仕事は神さまに任せて
2
ゆきどけに水面はあり冬舗道ひかりを受けていずこにも空
28
ゆび先の 当たるつよさは 不安定 だけど気持ちは ショパンかリスト
17
球体の破壊あるいはたんぽぽの綿毛をとばす 遠くへ あるいは
22
簡単な人でありたい薄い雲ばかり行き交う夏空のもと
29
この町の
駅舎
(
えき
)
のライトに照らされてひとりにひとつずつ影はある
42
逆光のなかにある街 清水の舞台の傾斜たしかめながら
10
雲の色をたしかめたくて
水平線
(
ホライズン
)
大きな海のはじまりに着く
14
本棚は古本の香り十五年積み重なった私とあなた
18
後ろ手にまとめた手を引かれ行きいやだいやだと大喜びして
11
バラストの灼ける匂いと風の音ローカル線のホームにひとり
15
おひるねは 怠惰ではない お仕事の能率を上げ 合理的なの
13
海岸の無機質の山 戻せない時間を収める音は無機質
6
街中に 淡き儚き 百合の花 二人の仲を そっと見守る
4
ギター弾く人のうしろを通るとき振り向かないでくれと願った
9
君の蔓 重ね滴る 紅い花 襞の奥から この世の果てへ
8
紫陽花
(
しようか
)
が咲いたら何かしようかな 2ヶ月越えた休職期間
18
恋人の町から雨は降りはじめ、濡れた地面のInstagram
8
人のとなりで何度も目を覚ます夜の、アメリカの山火事、音のない
8
キラキラ号、と名前のついたバスだからいつまでも見送る池袋
5
新しい自分に逢いに行こうよとはさみ片手に髪切り落とし
18
ぽつぽつと地面をぬらす街中に次々と咲く大きい花よ
7
どっぷりと水平線を焦がしては「また明日ね」と夕暮れなずむ
13
蟹の爪ひからびている海岸に薄墨色の雲を数える
14
ありふれるほどたくさんのたくさんがあふれる夏をスポンジで洗う
5
ありふれた色がつま先から溢れ床に広がる赤、白、青、黄
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