弱冠の ひとと呼びたるあすなろと 傾げる猪口の麗しき色
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「人間がひねくれているから」とまず前口上から語る愉しみ
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停留所時刻をなぞる指先に旅の終わりが近づいている
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子に孫に武器を持たせる日が来ると思ったろうか当時の人は
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カッタタタ大樹を叩くコゲラ来て静寂の底に立春の音
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春風と遊ぶわたあめつれもどす道中ぼくはきみに出会った
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ストレスが たまる日々でも 気遣いを グリーンスムージー 気休め程度
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夕焼けが夜にとけてく時間には帰れぬ日々が空に浮かぶよ
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雪国の暮らしの方が長くなり雪ない実家の母は老いたり/帰省
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公園の南天の実はおおかたに喰い尽くされて立春迎ふ
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のらぬ日に一駅前から朝散歩向かい風のに鼻歌をのせ
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「ほんとはね」きみの気持ちを知った夜やさしい言葉がわたしを包む
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万華鏡 桃色柄は恋の筒かさり乱れて目くるめく酔ひ
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煮込み鍋湯気がゆっくりわたくしを人へと戻すボディバッテリー5
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十八歳じゅうはちの我らに教えし「たけませか」若き助教授リタイアと聞く/<撓み、傾斜角、曲げモーメント、剪断力、荷重>の頭文字
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聞き逃し ラジオ深夜便 朝に聞く 昭和の匂い  我、娘となる
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千体の観音を見ゆ回廊に居る訳も無しキアヌ・リーブス
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国道を制限速度で走っても見えないルールが煽る人生
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春近し ワラビぜんまい フキノトウ 土をかき分け 出ておいでー
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思い切る言い訳にする「春なので」あなたを振ってケーキを食べる
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つくられた寒暖差とも生死賭け闘う日々が来ると思わず
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短慮せず閉眼呼吸忘れずに一長一短断ずべからず
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盆栽の舎利抱えて歩けば足元で目を合わせる椿の欠片たち
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早番の日は暗闇で目を覚まし 朝が来るのは職場の窓から
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ゆらゆらと 魂宿る 駅舎にて 今宵も君の 囁きを待つ
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ヨーグルト水を切るのも面倒だ きな粉とミルク混ぜるも面倒
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この星を隠し通せるはずもなく手にできなくてほんと良かった
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破裂する アイドル歌手の 生舞台 高市総理の 晴れ舞台
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春風が 吹くと信じて 散髪に 行ってこようか なけなしの髪
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受けそびれし 全てのボケを 想い出す 君の記憶が ボケる前には
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