Utakata
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セットメニュー餃子を分ける君のいて秋晴れの街ぶらりふらり
13
木枯しにスカートが舞う乙女おり生脚のまま寒くなかろか/大きなお世話です
17
感性を豊かにもって君らしく土のアートをしかと歩まん
13
泣きそうで泣けなくてほっぺのあたりまで涙がきてる水曜日
19
珈琲とミルクの境界が溶けてゆく 気持ちの終わりはすべて曖昧で
13
愛してる アイス食う、だよ 噛み合わぬ会話の中で起こった奇跡
11
日記てふ外部記憶はわたくしの形を撫づる
水泡
(
みなわ
)
の記憶
14
まじかいな朝から満席新幹線 さもありなんや秋の晴朗
18
秋の朝影のびのびてガリバーの同行の杖カラコロかろし
18
あらーむさん ピロピロリンとゆったから ちま猫ちゃんは
よーす
(
様子
)
みにくる
16
光る君 父と男の狭間にて
玉鬘
(
たまかづら
)
への
懸想
(
けそう
)
は哀し/『源氏物語』の玉鬘を詠む
10
終末は 天気だ、夜は焚き火しよ 炎をみて
壊心
(
ゴミ
)
を 白灰にする
15
スカーフをリボンの形に結いまして 母のくれたるイヤリングつけ
19
いつも通り 紅のひとつもささないが 舞妓さんの練り香水だけ(少々)
13
ふと席を 立てば今かと 猫さまが 温かさごと 座椅子独占
17
あれこれと工夫するのが大好きでぷちエジソンか似非ダ・ヴィンチか
9
ジャパニーズヘヴィメタなどは認めぬと洋楽マニアかなりうぜえ
9
感想文つまらぬものをつまらぬと書くの一体なにが悪い
14
あるあるを早く言いたい今、言うね(だいたいの霊は黒髪ロング)
10
信号の変わりて一斉歩きだすうちのひとりに私はすぎず
15
散歩道歩数の都合で遠回り傍から見れば只の不審者
17
冷めきった紅茶をレンジであたためる心の温度は取り戻せずに
21
涼しくて網戸のままで 実家にて まだ寒くもない半袖部屋着
20
夜マック君のポテトをつまみ食い サイドはサラダで0カロリー
10
傷跡をふりかざす無神経さと吐息で曇るステンドグラス
7
時間なら進み行くだけ力なら思い及ばぬ天より来たり
8
年老いたウッドベースは飄々と豊かな秋の夕べ奏でる
13
母出てった 小三の瞳 覗きこむ 寂しさよりも怒りに満ちて
14
清純な
乙女面
(
おとめづら
)
した
阿婆擦れ
(
あばずれ
)
と酷な言葉に負けないあの娘
13
いきのこる さいごのねずみ 重い音 おやのねずみか とらっぷさける
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