曇天と 墨汁なぞる アスファルト 雪衣着て 緑待ちわぶ
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香箱で陽光迎へ猫二匹「背中は任せろ」薄目でチラリ
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繁盛を願ってお揚げで混ぜずしを生姜人参全て有り合わせ/仕込みを明日初午
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邦土ほうどにて 百年越しに開花せし リュウゼツランの跡地に新芽/一昨年の夏の開花騒動以来
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同じこと今夜も話す受話器越し 祖父はただ今二巡目生きる
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都心部を避けて廻るや武蔵野線 常盤木の杜 竹叢たかむらの青
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寒晴れや武蔵野線から見はるかす 筑波の山の二角ふたづのの峰
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調つき神社(浦和)名物うさぎの彫り物は ちょっとかわいく作り過ぎなり
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はらわたに焼けたハラミをブチ込んで心身満たし己を冷やす
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如月きさらぎに 重ねる君の 外套に 常より顔の 小さく見ゆる
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大根の 鋭利な旨味 一筋ひとすじに  集めてからし かいわれ大根 
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痛みさへ消えゆかむかな 微かなる 蜜の香りか君の刺しあと
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五十四歳ごじゅうしの誕生日祝うラインあり幻なのか愛し人から
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如月の朝の光は春近し 夜泣きの孫も一年生に
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今、私、ブルーライトの檻の中 夜明けにそっと鳥になりたい
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値上がりで ゆらしゆらして 3杯目 紅茶のパック 破れんばかりに
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生きるって<その時>までのルーティンと詠めば目にふと梅のほころぶ
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冬の街 手を振りながら 小走りで 追いつく母を 笑顔で待つ君(息子)
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出窓の猫 微動だにせず なに想う いつも変わらぬ 風景眺め
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今どこに墓石へ向かい問えばだだ山茶花ひとつ花びら落とす
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迷っては雪で半分隠れてるこの候補者に入れてみよかと/ポスター
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屋根の雪溶けて垂れては固まって暖冷の冬ツララがデカい
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除雪車の積み上げた山登り見る今が限定パノラマ景色
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ひとりぼっちに させたくないから わたしはね  君より少し 長く生きるよ (愛猫への伝言)
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ザックリと切ったキャベツに混じりおる小さな命大きな悲鳴
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やわらかき種ひそませて頬に風 君とバス待つ二月一日
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シュレディンガー方程式を解きながら短歌のことを考えている
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愛というインクで書かれているらしい二千字かけた百字のエッセイ
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同じ時間に目が覚める体内時計は健在だ 今日に感謝
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北陸の友をおもひて北陸の酒呑む夜のこころの旅路
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