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甘やかな愛情も義理も飛び越えたビターな惰性にリボンをかけて
17
雪壁に 小さき
氷柱
(
つらら
)
群れ集い 崩されて
音
(
ね
)
は清明に響く
20
笑ってるだけで幸せ感じてる きみに会えた日心はぬくい
31
デイケアに見知らぬ人の集い来て会話弾みぬ学びの場かな
17
玄関に立てば「おかえり」亡母の声 幾年経れど忘れえぬ声
40
孤高なるお花畑の駒草に寄せる思いの
政
(
まつりごと
)
あれ
26
ナチス廣報戰略大臣ヨゼフ・ゲッベルスの群柏の拍手
19
動員へ傾る水晶前夜ナツィストへ語る未來に虐殺の譽
19
暖かく 陽だまりのごとき 母の部屋 うつらうたた寝 亡き母の夢
29
誰もが皆 心優しい 世界なら 大声も
我
(
が
)
も 張らずにいれる
44
庭の雪に巨大な
氷柱
(
つらら
)
を突き刺して「勇者の剣!」と異世界ごっこ
20
雪国の春
雪原
(
せつげん
)
の凍み渡り これに勝る愉しみは無し/異論は認める
11
雪の下 たんと蕾を芽吹かせて 春を待つかなレンギョウの花
40
昼の月 凍らせ
蒼
(
あお
)
く 吹く風の
膨
(
ふく
)
ら雀の 胸毛返せり
36
うまいこと言えても 生きるの上手くなく 歌で息つぎして また明日へ
45
辛酸を 舐めて麻痺した この舌に 効くものはなし 私は無敵
19
坂道をのぼり終えつく溜息や流るる雲をしばし眺めん
39
木の芽月 陽射し日ごとに力付け グリーン吊るすや明るき窓辺
44
雨降りて 煙る街並み 如月の 寒さ緩みて 頬紅潮す
34
枯れ草の動き静かな小春日は鳥声聞きて歩かば楽し
42
診察で上着
脱
(
ぬ
)
ぐのを考えて重ね着一枚減らす見え有り
27
淋しさを隠して空を見上げてる 私の心この手で包む
30
「雪だべ」と祖母に微笑むドクターのさくら色した往診カバン
30
セルフレジ もっと単純化してくれよ 昭和世代をいじめないでよ
32
独り占めしたい景色を長靴に詰めるみぞれが降る日のために
9
時違わず狭庭に芽吹く福寿草 週の末には寒戻るらし
25
雪解けの カタクリの花ひっそりと 薄紫に春待ちわびて
24
ひなたには 満開の梅 見つめつつ 桜と喜び 孫がはしゃいで
28
やわらかな日射しが窓を温めてる 少し眩しく珈琲啜る
14
介護用電動ベッドは引き取られ そこだけ青い足跡のい草
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