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この世には善人なんて居ないのかそう思わせる人的受難
3
苛立ちを三日こらえて立ち止まれ先人の言う知恵に鎮める
3
一日にほんの小さな一錠で脳梗塞を逃れてる母
3
『だし昆布多いと美味しい』こんぶ茶は予防食だと知ってて褒める
3
甚平をちょいと着こなし七歳児 少し前まで指吸ってたのに
2
幸薄き 定めの中の 幸せな 数は少なき 思い出集め
11
春よ来い 早く来いとの
童謡
(
わらべうた
)
リピートされる 電気代なり
12
武士
(
もののふ
)
の 魂宿す 鎧かな つくも神さま
天下無双
(
てんかむそう
)
よ
9
ひっそりと この胸に秘める この想い 今の
関係
(
ふたり
)
を 壊したくない
11
「ねえ元気?」「めっちゃ元気」「噓!」スプーンで掬ってくれるようだ優しき
14
線路だけつづいているよ毎日を歩いてだけどコンビニはどこ?
8
どくだみの花咲き初むる朝の雨心は道に惑ひぬるかな
26
イヤホンで占領された子の耳に「行ってらっしゃい」は届かなくて
38
毎朝の 純白の心を 引き連れて 都会の空気に 汚しに行こう
12
あからひく ユアザオンリー アイハドシーン 君のことは 忘れないよ
7
今朝の雲 いわし雲っていうのかな 忙しいけど 空でも見よう
22
ベンチ外 ほとんど吾子と 同年代 思ってしまう 「すぐあきらめるな」
/
スポーツの日
30
遠くまで来てしまってから気付く これは誰かの物語だと
16
手離してしまったものの温もりをいつまで憶えていられるだろう
19
椋鳥の大群賑やか大宴会 味をしめたか柿は食べごろ
51
十七年たくさんの幸せ有難う!
愛犬
(
キミ
)
のお家よ 骨壷を置く
51
善悪などとうの昔に手離して もう少しだけ軽くなりたい
12
墓前にて頭を垂れる父の背にこの
二十年
(
はたとせ
)
の星霜の積む
18
鈍色の空に真っ赤な柿一つ少し痛んで魂の如
49
誰だってまぶたの裏に隠し持つ今よりもっと高かった空
23
人間が出来てる二人思いやりで譲り合った最後の餃子
42
偉くなど 成らなくて良いわ 風を浴び ぬくい光に くるまれてたいの
27
指先が母になりゆく初冬の夕 ポテトグラタン肉じゃがにする
33
新品のマフラー整え 無意識に 君の温もり探してしまう
21
胡麻酢和え。酢と思てたら 白だしドバァー 虚無が創りだす 黒い卵焼き。
/
黒ゴマだった🙄
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