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夜ふかしの贅沢おぼえた
2
階部屋 親は
1
階そーっと歩き
3
心臓はシリコンモールド紅い実を葡萄酒で煮て何か唱える
3
数年もストッキングに縁遠くかかとのケアも怠っている
3
日本酒を
四合
(
しごう
)
も呑んで大いびきかいて寝ている私の太陽
5
六畳間 フローリングに敷布団 世界の果ての見慣れた景色
4
雨の日に何もしたくなくなるのは、やる気が水に溶けやすいから
8
青空にひとつ巨大なカリフラワー 降られる前に帰ってきてね
2
「なんですか?」「これはあなたの未来です」「時間は昨日止まりましたよ」
2
駆け落ちてピンクの象を見に行こう まぶたの裏でずっと待ってる
4
「飲み行こう」「いいよ、いつ行く?」 それっきり返事が来ない 三年くらい
9
傘持たぬ人しょんぼりと佇ませ赤信号の悠々と光る
18
ときめきの在処を探し 泥水をまさぐるように心を潜る
5
知らぬ間に抜け殻二つ 部屋の隅 落とし主がまだ家のどこかに
8
吾が友の踏みつけられている人の自由訴う筆頼もしき
15
過ぎた日々 幾度も散った 白い片 君が去りても 花は残りて
13
あの人が密かに植えたチューリップ寄り添う様に赤、黄色
10
「あと千歩」まだ歩こうとする父の残りの数を僕も数える
24
玉音、もはや手後れなる日本に響き――、無条件降伏の八十年 後
19
惚れそうに なるのを止める 臆病で 失恋すらも 出来ぬ身だから
18
秋の夜に明かり灯せし並木道 どこまでゆくか銀河鉄道
12
あの道の グラジオラスより 白きシャツ 君の視線の ただ 眩しくて
14
読まれてもそうじゃなくても満たされぬ ひとり悶えの既読はじゃじゃ馬
17
街角に早くもツリーが登場し 短かい秋が逃げ去ってゆく
18
今朝はまた妻が特別ご機嫌で 良い一日が待っているかな
10
朝の度植物たちに霧を吹くこれも一つの祈りの形
55
白き息 冬田ひらけておろし風
来
(
き
)
し日の友よ いざ疾く
来
(
こ
)
ませ
15
やすき世は箱入りものやかたぬきの 匂い立つなきあはれなりけり
15
今日どれを聴こうか漁るアルバム殆ど全部スピッツだけど
27
コロちゃんは白の豆柴ポテポテと短い足で庭駆け回る
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焼け石に 水でもいいと しぼりだす 言葉 3滴 ジュッと蒸発
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