吐く息にいつか消えてくときめきと君が焼いたパウンドケーキ
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まだ君と さよならできそうにないから すこしさ 春泥棒になってしまおうか
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風のにひとの声聴き肩越しの白詰草に春告げる陽は
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待ち合わせ8時の電車の先頭ね スマホなくてもちゃんと会えたし/昭和時代青春の頃
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はい!と言い 卒業証書を 受け取って 毅然と礼した 涙腺崩壊
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一言じゃとても足りないだとしても 贈る言葉は「おめでとう」
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すすり泣く 生徒父兄に 感化され こんなん泣くわ答辞の言葉
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潮風とかけっこをした散歩道 桜散りゆく 3月下旬
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五時の鐘 二度と戻れぬ場所にいる気がして不意に詩が生まれる
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無花果の枝の武骨にそよそよと水仙の白 病める身の春
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三つ折りにかれ燃える線香も うちのひとつぞひとり尽くらめ
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上向いて落ちる椿の見るものはまばゆい空か蕾の子らか
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本当はすべて綺麗だ 狭量な僕が認めぬ歌があるだけ
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満開の桜が告げる新年度 気分一新それぞれの春
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にぎわいの桜の並木何事もなかったような卯月の葉桜
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桜咲く路地は夕暮れぼんやりと僕らはいつも世界のとりこ
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朝の縁 答えに触れぬ 問いばかり それでも重さ わずか移ろう
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業務スーパーぎょうスーで 異国情緒を カゴに詰め 当たりあるかな 運試しする
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新しきパスワード使いログインす投稿した短歌うたすべてが0ゼロ
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山の端にゆるゆるのぼる月ありて花明かりもさす私の住む町
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6人でグループLINE作ったよ 四六時中が着信祭り
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消えた短歌思い出してはメモに書きまさに推敲二つ三つ四つ
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桜映ゆ 水面に憩ふ 鴨たちも ふと花見とや はしゃぎゐるらむ
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幼気な春の魔女たちたんぽぽの杖を回して笑顔振りまく
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春だから訪問看護師入れ替わり前任者の今ずっと気になる
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術もなくニュース見つめる白鳩の口に咥へし反戦ポスター
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遠近おちこちに残る雪山飛び越えて旅だつ白鳥鳴きかわしつつ
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丸美屋のたまごふりかけかけたならミモザの花がご飯に咲いた
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ワクワクを強要される四月かな ヴァニラのアイスが早く溶けでて
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ピーという電子音こそファンファーレ干し終えたなら春へ飛び出せ
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