穢された記憶は消えず白かった 過去の光が私を殺す
15
画面越し 勉強中の 君の瞳 「きゅっ」ってなるのは なんでなのかな
18
本日の 心予報は 曇り模様 念には念を 心の傘を
27
畑よりつま持ち帰る冬の菜を鍋に煮込みて一日ひとひに感謝す
49
うやむやに されて 忘れたふりをして 筋トレしながら にぎる一票
35
厳冬に 麹扱う 味噌造り 仕込期間は 納豆厳禁
41
この疲れ汚れにあらず生の証 泥を蹴りつつ我が家へ帰らむ
41
感性の 鐘が鳴らねば 一句とも できぬ短歌の 恐ろしさかな
13
せっせっと低い踏み台作ったよ 落ちた筋力取り戻すのだ!/無理はしない
32
「そのバッグまだ持ってたの?」ママ友よ一生出汁巻き失敗してろ
30
段々と 寒さに口が 固まって 身体が勝手に 奥津軽弁
17
凍空に 遠く聞こえし鉄の音 始発電車に一日ひとひ始まりぬ 
27
魚屋にひと皿残る雲丹鮪 宵待ち光るの誕生日
29
その笑みを 向けられたなら もう僕の ほおは桃の実 君の虜に
20
止めどなく 垂れては冷ゆる 鼻の奥 息するたび 冬をのみこむ
19
哀しみは捨てずに抱く わがししの芯を創れる光なるゆえ
26
逆向きの電車に乗せる我が心 我が身はしっかりいつもの戦場ほう
15
冬の朝まるで雪中寒すぎる毛布をかぶってもう無理だ
12
「当然」と言わるる日々に削られてわが手はカサリと冬の音す
35
さようなら手を振りその場過ぎ去ればぽつんと終わった速すぎだろう
18
味噌汁の汁の旨味の疲れとれ落ち着きこころさといもあるか
14
イヤホンを 付けずに歩く 街の音 聞きながら行くも 心地よきかな
15
春はそこ鼻にティッシュを詰めたまま 電車に乗ってる若い娘が
22
爆ぜる音 重なりゆくは我が鼓動 君から逸らむ蒼き花火は
16
午後10時 罵声発する 君がいる 翌朝君が ハグして「ごめん」
15
湯気の立つ釜揚げ蕎麦を運び来る茶髪の彼の白き指先
27
レコードにならない作詞家をずっとしている古希よまたもフラれて
17
受話器持つ指の震えをそのままに 友の笑い声もう還らぬ
26
希死念慮 浮かぶのは夜だからだと 言い聞かせながら ふとんにもぐる
9
泣きたくて猫を抱けば、僕だけが不純物なり。窓外は銀河
29