ひげと毛と 小瓶に入れた 小さな骨 そのうちいくよ 会えたら会おう
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誰からも あてにされない この感じ 自分がまいた 種なんですね
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秋が来て 金木犀が 香っても 削除できない 偽名のファイル
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君がふと あふれるように 笑うから 一滴こぼさず 受け止めに行く
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電線のスズメをぜんぶ奏でたらラフマニノフが聴こえるだろう
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通行人Aにも帰る場所がある 皆足速みな あしばやな初冬のビル街
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我のため雑草くさを摘んでは土産とす 認知症やまいの祖母の不変の愛情
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「納豆を高速回転させるとき 苛々してるの覚えて置いて」
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哀しみに刹那打たれて落丁の次第に増えし人生を生く
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荒波を 掻い潜りきて ふと出会う 優しき交差 宝くじかと
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『目には目を、歯には歯を』とか 言うのなら わたしの手には きみの手添えたい
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落葉らくようのごとく言の葉降ってこい 短歌うたの種なき 硬き頭に
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雨の日の黄シグナルは寂しかろう心の岐路にひっそりと立つ
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なんということもない事なんとなく上手くできないそんな今日です
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火をくべて ほくそ笑む軍需産業 この手にあるは 水か油か
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焼け石に 水でもいいと しぼりだす 言葉 3滴 ジュッと蒸発
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病棟の枝分かれしてく夜たちを引き止めようと非常灯淡く
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なんちゃってケーキだけれど 「母さんのケーキ」と呼ばれ今も昔も
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父さんのお母さんおばあちゃんから僕の子へ繋がっている眉毛のアーチ
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ベランダの 物干し竿に 紙袋 たしかにサンタは 届けてた 愛
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親の前 泣けない子供 たちはどこで 泣いてるんだろう 声がきこえて
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辛かろう 子に疎まれて生きるのは そうなるように 生きてきたとて
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青白い画面が夢を叶えてくれるマッチのように携帯を擦る
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ノンアルで「お疲れさま」って言い合って一緒に過ごす一時間だけ/師走晦日
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それぞれの窓の灯りにおのおのの年末在りて今年暮れゆく
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うたかたで 喜怒哀楽を 共にして 顔知らずとも 心繋がる/皆様良いお年を
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年越せぬ蕎麦アレルギー食べられず初夢見たい姫始いつ
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キミからの「今年もよろしく」届きをり既にいい年始まった我/二〇二六年
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初茜はつあかね 詠みたいところ やはりグレー あまける馬 まなうらにあり / 元旦
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明けやらぬ厨に白き湯気のたち日の出を待ちて両手に包む
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