街明かり 薄れてなおも 夜の桜 静かなる火を 枝に宿して
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スタンプを押してるような同じ日々貯めたら何かもらえませんか
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水の田に 光りの道が あらわれて 太古の景色 穢すことなく
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透けている血管の青と紫を今更ながら優しく撫でる
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ふるさとに向かう列車に乗るときは十の子どもにわれはもどりぬ
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瞬間にサイズアウトとなってゆくされど愛しき小さき服等ふくら
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原爆忌から敗戦忌へ傾るおほきみに籠る聲の玉音
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水曜の美術館前バス停で春めく君の頬にひとひら
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冒険という名の種族 転んだり笑ったりするそうして生きる
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いただきを 目指せ 困難 有ろうとも 高い場所ほど 風吹くものだ
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カレー鍋かき混ぜつつふと覗き見れば 混沌に踊らされし我の見ゆ             
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春浅き苔の美し信濃路を歩かば一枝桜咲き初む
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三十年住んだ街は懐かしき 愛犬と歩いたあの道この道
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誕生日集い笑えばありがたしデイサービスは日だまりのごと
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朝方の夢に追われて庭に出ず 一叢ひとむらの水仙ありて呼吸いきととのひぬ
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獣らも恋人たちも陽だまりでつがいで暖とる3月のZOO動物園 
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いい嫁を 演じるつもり ないけれど 遣う気の分 魂抜ける
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満艦飾の衣着て新船ひと吠えす 三十年振りの壽ぎに児らも集いて
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脚色の目立つ噂を聞きながら硬いトマトを噛んでるランチ
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美味しいと風邪引く君の声を聞き韮の若芽を春風に摘む
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クシナダは 春の陽を浴び プラチナの 光りを放つ つるぎ のような
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春を盛る君に分かちしヒレカツの熱伝はりて頬も桃色
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霜柱立たぬ乾いた冬を終えやっとと思いの春彼岸入り
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駅降りて 人々は散る それぞれを 待つ暖かな 灯りを求めて
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咲きめば 心乱せし 桜花さくらばな 花吹雪はなふぶく前に 胸にとどめむ
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洗顔の泡をぬぐいてふと見れば 母と見紛う顔ありてじっと見つめぬ
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二年経ち 君 追う様に ミモザ枯れ 温む春風 遊ぶ残り葉
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打ち合わせ 終えて飛び込む とんかつ屋 勝利を願い ヒレをほうばり
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舌先に口内炎がずっと居り ことはなはびの据わりのわろ
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この想い 気付けば崩れる 距離ひとつ 名前をつけず 終わらせた春
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