次男坊じなんぼの知らせにふふと頬緩む われらは爺と婆になるらし
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背伸びして したこともない 失恋を 感情込めて 歌ってみた日
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コロッケを 出汁に浸して 蕎麦啜る ため息一つ 日付変わる夜
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夕月夜 なれにし袖の梅の香を標とぞせむ 夢の通ひ路
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花笠の紅梅香る木の肌の皺に触れば温き木の精
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「一」足せば「辛い」気持ちは「幸せ」に 下は向かない前に進もう
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髪睫毛 眉毛も抜けし 抗癌剤 ウイッグツケマに 眉シールして
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朝まだきすさぶ心と通院へ闇をぬければ白雪の富士
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両脇に 幼な子かかえる 細腕が かけるメダルは 何色だろう
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宰相は軍拡狂女と謗られど 笑みで返せる肚を据えたり
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花粉など気にせず進む快晴の野鳥の森は出会いの連続
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窓辺にて微睡まどろむ猫を 起こさずにコロコロ使ひ しづかに掃除/粘着カーペットクリーナー😺猫の日
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泣きながら腕に噛みつく吾子を抱き白き歯のあとその背をさすり
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あの人が亡くなってから早一年思い出遠し梅の花びら
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暗闇で主待つ君寂しかろ 灯りとラジオ 小さく点けて出る
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ようやくにカフェインハイの醒めたれば静寂しじまに疼く消去デリート念慮
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ちょっと前 雑草魂 はて今は 個性と防御 サボテン魂
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夢でいい 出来る事なら もう一度 黒羊駝きみの瞳に 己れを見たし
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流れゆく雲の輪郭追い 思う 同じ空には二度と出逢えぬ
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寒暁や布団名残惜し独り言つ 枢に手を掛け氷砕かむ
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お父さん いつも写真に 写ってないね 仕事だったの 休めばいいのに
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心捨て ベルトに乗って 運ばれる 製品ですか 人間ですか
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人助け しているようで 逆効果 そういうことって よくある話
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小さなる 虫歯削らず 抜く如き 扉の処理に 異議を唱えき /管理組合総会予算案
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もひとりの自分の制止振り切りてホテルのタオルくすねんとする /葛藤
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実害はなしと言えども詐欺メールに騙されし事心蝕む /詐欺メール
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暁の豪雨は街を洗浄し 朝の南風はえは滴を払ひぬ
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家の中 あてどもなく 往き来する 記憶消えていくこと哀しいことか?
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あたたかい風が身体の輪郭をなぞり私を春が見つける
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砕かれた器のように美しさ欠けている空強き風吹く
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