Utakata
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もういない人の好みの味付けで 私のために作る肉じゃが
42
ぽつとぽつ 草木が「降るぞ」と噂して 私は散歩の
踵
(
きびす
)
をかえす
20
釣り銭を 正しき額で 差し出せず 我に財布を 開きし老婆
20
雨だから君が頭痛にならないか心配をした 変わる信号
19
君の居ぬ間に食べる辛ラーメン ひとり暮らしの風が吹く夜
16
葉に残る春の名残りを洗い去り五月の雨は緑を濃くす
18
いろいろな憂さを抱えて貼り付けた笑顔の裏の重たい身体
12
気だるさとめまいで自由を奪われて 自由に動ける奇跡に気付く
14
暗幕を閉じてはじまる理科室は星のスライド尾を曳いてゆく
14
公園で曇りのしたで遊んでる義務感じみた家族団らん
11
早朝の植田に映る山影を踏みしめていく
烏
(
からす
)
が一羽
11
別れ際に彼はどうかと尋ねれば 施設にいると寂しき報せ
10
サワガニが横に進んだ道なりを 前に進んで追いかけて行く
18
万葉集真似て短歌を詠んでみたやはり俺には難しきかも
14
長年の役目をおえて去る
女性
(
ひと
)
の過ぎし苦労は喜びにかわる
20
父さんの言いたいことが分かるのは私だけよと母さんの声
11
二組の万年布団の片方が謝るように畳まれている
28
夜のカフェテラスで君を待つあいだ 私はずっと幸せだった
8
もし藤が雨だとしたらわたくしの一生涯に傘はいらない
9
祭日は 一人のこぎり 片手持ち 道を塞いだ 竹と格闘
8
すくむ足背中を前に押したのは健気につよく咲いた一輪
8
水音の透ける煌めき細やかな窓辺の鳥の歌うさえずり
9
ひたむきに生きた証が散らばった服や文具の配置に宿る
9
二人して料理した日朧げに いまはひとりで鍋作り頷く
14
にょきにょきと立派なアスパラ顔を出す 昨秋の施肥のお陰なら嬉し
13
万葉の 人の嘆きを詠めばなほ 千の月日も 人は変わらじ
39
風薫り妻には妻の予定でき子どもとべつで集うママ友
16
通知見て あなたとあの子の 婚約を 横断歩道の 真ん中で知る
7
人生の秋にいても毎年芽吹く若葉の様に学んでいたい
9
オリオンの 窓から見えた
星
(
地球
)
は今 まだ青いかい? そして平和かい?
9
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