モーレツを装うスーツ纏っても毛玉だらけのパジャマがイチバン
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先人の 運んだ 丸太と岩の道 踏みしめてゆく 三輪山登拝
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神秘なる満月のもと進む帰路一寸先はホワイトアウト/濃霧
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檜葉ひばの木の枝の中には遠い土地香りの中に私の中に
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地震にもクマにも負けぬなぜならば母を守る使命があるから
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次々と 食べ物こぼす 子どもらに なす術もなく 茄子ひとかじり
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恥ずかしい 誰もいない家 ハミングをやめる必要なんてないのに
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人数分お菓子を買って来たのにさ 一人に全部食われて悪夢
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三十年ここで寝たんだ このベッド あるじ無き部屋 淋しさつのる \ ようやく独立!
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見切り米 半額処分に 飛び付くも 見切られてなお 高く感じて
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冬を耐え花を咲かせよ林檎たち陸奥に明るい春を呼ぶため
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内側に残るレッドに先ほどの口づけ思うマスク生活
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崩壊は 偶然に見えて必然で 乗り越えられない作りをしてる
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の机使ひて思ふ引き出しの何処に悩みを仕舞っていただろ
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みみっちくチマチマ節約した金で余計な物をアッサリ買ってる
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やる事とやる気が上手くからまらず「まぁいっか〜」がわたしを救う
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いつの間に「お母さん」とはわたくしのこととなったの覚悟もせずに
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ピークなる疲労の夜に浮かぶ星やさしいオリオン私を照らす
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クリスマス前に旅立つ人看取る業務の心うち如何許り/介護士
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ガンダムのプラモを買った玩具屋おもちゃやも消えた故郷の静かな師走
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久方の 雨の早朝 鮮やかな カイヅカイブキ 緑濃く伸び
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いなり寿司けんちん汁に串揚げを作り孫待つ猫とじゃれつつ
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冬の夜救急に立つ半袖の温きナースのみ手にゆだねる
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青い鳥探したけれど見つからず帰りに白い文鳥を買う
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窓帷カーテンを開ければ 冴へり 冬の朝 細き残月 見ゆる青空
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電話口 後輩の声 懐かしく 深夜残業 頑張ったよね
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必ずや 新大阪で 立ち寄って たこ焼きうどん 勝負めしなり
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透き通る 飴細工の虹 渡り行き まほろばの星で めぐり逢いたし
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あるがまま受け入れようか抗おか 加齢の波にゆらゆら揺れて
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雪深し姉の身案ず受話器より 娘とバトルの元気な声が😆
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