退院の 承諾下りれば ばあちゃんが 孫が欠けると 朝から涙
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日中の 関係悪化で 上野から まさかのパンダが 消えるかも?!⋯なんて
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シャンプーと リンスのボトル 同じ量 理解はするが 納得いかない
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去る電車わたしに見せる焦燥感秋に揉まれし半袖を着る
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アリーナの最前席で待つてゐるよみたき歌ははやくも地層
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永遠に 死ねぬ劫火に 身を焼かれ 輪廻も許さぬ 父騙る鬼
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道の端の 凍みた草木に朝陽照り 黄金に光る 冬の祝祭
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障子窓 やぶれた三角からのぞく 野良猫の目のこちら見る丸
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もしいつか 家族増えたら 花見して 横に並んで 微笑みうかべ
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家と家細い隙間になお細い三日月浮かぶ僕の街角
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白黒で はっきりさせないこともまた 美しさかも 百鼠色
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いたずらに吾子が鞄に忍ばせた丸い積み木が今日のお守り
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垣間見える意志の強さが好きだった あの子は今も高崎にいる
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行く道は次第次第にくらくなり浮かんで消える面影増えて
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気にするな って言わない人のやさしさに  育ててもらった 歌詠む 気持ち
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切る勇気なくて引っ掻いたダサい跡 角度によっては星になる過去
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まだココア買ってないんだ いきなりの冬の寒さはちょっと勘弁
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薄明の空オレンジ色を背景にV字飛行のシルエットたち/白鳥
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長旅を労う気持ちと嬉しさで今年も来たる白鳥目で追い
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椋鳥の大群賑やか大宴会 味をしめたか柿は食べごろ
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いつかまた明るい短歌うたを詠みたいな 秋空のよな澄んだ心で
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未来予想 オールドメディアは煽りつつ紙面の片すみ 干支の運勢
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洗濯機 小春日和にフル回転 空も涙も からりと晴れた
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割烹の女主人に咎めらる丈夫の二尺上の崑崙
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携帯が震えてほしい一心で罵詈雑言の売買をする
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列王に名を遺すてふみづからの榮代の後までいくさせむ
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治世淘汰のいきさつを感極まるに「Great State Great Again,」
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女王蟻に肖し式服の白纏ふ偶像たらむ。宰相寫眞も
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人びとは 縦横無尽に 行き交いて ひとりたたず 駅コンコース
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まるくなるそれはとても難しいケーキのナッペと同じくらいに
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