朝日浴び吊るした柿は耀けりさびしき家にときめきの色
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週一のデイ送迎の車窓より深まる秋の町並みを見る
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引き寄せの法則ありは真実か新刊の見出しにふと思いたる
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仕事終え カフェ出る我に お疲れと 呟くマスター 感謝し会釈
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「躰の細部にも我が宿る」冬 艶色俳句置いてゆく君/出張
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畏れつつ自然のかたちを見過ごして先回りしてまた傷つけし
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無人駅のようにさびれたわたくしのプラットホームに冬降り立ちぬ
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今少し 眺めたきかな 遠き日の 夕雲に似て 山のに沈む
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陽だまりの窓ガラス越しに止まりて 翅休めをる秋 シジミチョウ
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地べたより 水仙の葉が 顔を出す 遊ぶ落ち葉が 布団となりて
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私だけ?笑み隠せないLINE着信 あなたはどうかなと聞いてみたい
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私には、臓器に薔薇が咲いてるの 隠した好きが咲き続けるの
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砂時計さらさら流れる心地して まだいかないで 連れてかないで
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昨晩は咳で目覚めることもなく どうやら抜けたか風邪のトンネル
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手のひらに紅葉ひとひら舞い降りて 秋から冬へ 通院帰り
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灰色と 緋色のドラマ 終わりけり 風にかれて 暮るる夕雲
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ほんさき心の棘の除かれて 見やる夕日の美しさ増す
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車窓から見える山々紅葉す 空気も澄んで水色の空
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イギリスの吾の犬炬燵大好きでジャパンのネコと仲良く潜る
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小春日の 花屋のあるじ上機嫌 嵯峨菊談義 愛おしそうに
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はらはらと さき扇子を振る如く舞ふ 鴨脚樹イチョウの葉 霜月の風
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百均のセルフレジ終えホッとする 家に到着品物がない😩
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華がない だからどうした漢なら 生き様死に様 背中で語れ
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鉛筆で 書く音なぜか 懐かしく 午後の窓辺に 西陽差し込む
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覚めやらぬ 夢の疲れに ぽつぽつと 鹿の子絞りに 鳥は群れ飛ぶ
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降る雪の斜めに吹雪く見つめおり雪明かりの部屋ひとり籠りぬ / 追憶
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庭の花一輪挿しに生けましたそんなささいなことが幸せ
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手袋のパンダが笑う朝日かな白黒つけず好きも嫌いも
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フライパン片手であおるは重くなり右手菜箸さいばし左手にへら
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また今日も 忙しないねと 道すがら ブーゲンビリアの花が微笑む
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