ひとりなら、自由で穏やかに過ごせるの 君といる理由を探してるけど
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天高し ノートみたいに端っこに明日の献立書いてあるかも
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痛くない傷に限って誰からも見つかりやすい場所についてる
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ベンチ外 ほとんど吾子と 同年代 思ってしまう 「すぐあきらめるな」 / スポーツの日
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初雁の遅れ啼く聲かれがれに蓬老いたれみそらもろとも
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依存せず、期待をかけず、受けいりてすべを覚えし歳月としつきの果て
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生え癖を なんとかしろと 罵られ DNから やり直せってか / 親子
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列王に名を遺すてふみづからの榮代の後までいくさせむ
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じゃが芋を黙々と剥くピーラーは二十余年の現役選手
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陽のひかり、きらめく流れ、雲が差す。輝きは去りて夜が来る
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朝の度植物たちに霧を吹くこれも一つの祈りの形
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もてあそえにしもて子をいたづらに苦しむるとも知らで老いけり
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反論を飲み込んだ日のスーパーで長ねぎグッと折り曲げている
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1122… 溜め息つきて 足袋を履く 遺影の妻へ「行って来るょ!」と…
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きしのふたおやの声おもはする こはるひよりのやはらかな朝
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指先が母になりゆく初冬の夕 ポテトグラタン肉じゃがにする
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亡き父へのダイレクトメールまだ届きとりあえず生きていることにする
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山茶花の花びら降るる日溜まりの僕に秋の日静かに降るる
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霜月の 晦日みそかのAEON 人にもまれ 焦がれる静謐 伽藍がらん御堂みどう
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茉莉花ジャスミンの お茶を飲んだら 汗が引き 繁忙期なり 正月もなく
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雪原のような白鍵さまよひて悲しき調べ一人辿りぬ
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この窓は オリオンが走る ※大六角を立てて 昨夜は月を 追いかけていた
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太陽になれない我は月になり 静かに君を照らし続ける
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夜想曲弾かんとしてもその中に密かに宿る夜は逃げ出す
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これからが寒さ本番膝痛よそんなに暴れないでおくれ、と
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落葉に侘しさ感ず歳になり残り少ない葉をおもひいる
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こんなにも積もっていたと時間差でわかる吹雪で見えてなかった
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寒月のうら寂しげのそのままに今年はいかに凍てつく冬か
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地球ほし照らす 今宵の月は 格別で この満月は 二度と観れずや
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夜ふかしがこんなに楽しいことなんて もう死語となる「花金」たの しむ
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