付いて来るコラボの紙のエプロンが目当てで夜ご飯はバーガー
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難しい「なかなか」上手くいかないの「なかなか」がかなりの「なかなか」だ
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百均は愛してますなとこだけどあの娘の力奪ってるとこ
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だれもみな 命をかけて 生きている それはそうだわ 産まれてきたから / 夢路
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死にたくなる 事はないかと たずねても 「ぇ」とひと言 こどもの日
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黄砂の日。もやる空にも カッコウの 二音におんは空から 降るようでいて
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一年半ぶりに母がしぼりだした言葉は 私の名前だった
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幼き日「おばあちゃんにならないで」と泣いた 吾子は優しい今もいつでも
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母の指輪を着けて臨む 白あじさい輝く子の結婚式に
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ふるさとの海 島影に沈む夕陽 グラデーションが薄れていく
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家中のお掃除終えて倒れ込む カンフル剤はチョコ味パピコ
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ふるさとの地方大会 校名が変わり過ぎてて どこがどこやら
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足りないくらいだった 四人分のレシピ 材料半分にして
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夏休み 息子の昼食 鉄板メニュー ラーメン、素麺 ほぼほぼ麺類
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お互いの誕生日にはメッセージ最後の会話今も心に
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選ばれて黄泉へ立つのか痩せ細る貴女を想像するは難かた くて
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夜明け前 日の境目を知りたくて始発に乗りこむカメラを提げて
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「秋だよと」と吾亦紅告げツンツンと行き合いの空つついて伸びる
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乗り込んだ始発の客は眠りこけ終わりと始まりが交錯する
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駅を出て暗い港にたどり着くカメラのモニターちいさく灯る
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朝のもとが水平線の一点に吸い込まれて朝日となりぬ
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会議室へ「失礼します」と大声を残して入る学生ひとり
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彼岸会の父母に逢う日の空高く紛うことなく帰りていよう
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「滲み画」の手ほどきうける秋の夜の上手くはいかぬが不思議な時間
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スマートな秋刀魚高値の大根にため息も出ず秋は進みぬ
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思春期の頃思い出し図書館で手に取ってみる立原道造
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家を出た 10年ぶりに借りた部屋  ドアまでスキップ 新しいカギ
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詠み人の数多の人生垣間見る その場所で咲く意味の深さよ
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朝早く 豆腐売りの 笛聞こえ 道に飛び出す 主婦と野良猫
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拝まれてもこんなに多くはきけません 初詣にて神様ぼやく
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