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直接は話さず話せず触れられず緑の通知が私の明かり
8
ひたすらに眠ることと食べること 愛しさ増して 我が家の老犬 \ もうすぐ17歳
45
空を飛ぶ夢など見たことないけれど自転車からはいつも落ちてる
8
依存せず、期待をかけず、受けいりて
術
(
すべ
)
を覚えし
歳月
(
としつき
)
の果て
41
「三人で来たかったね」と逝きし
妹
(
こ
)
を偲びつつ行くコスモスの道
40
誰だってまぶたの裏に隠し持つ今よりもっと高かった空
27
雪原のような白鍵さまよひて悲しき調べ一人辿りぬ
21
夜想曲弾かんとしてもその中に密かに宿る夜は逃げ出す
22
頼まれて買物提げて娘来しシンクの汚れを見かねて磨けり
21
動かざる思ひ知りたる雨の歌ひとり受けたし
歩
(
あゆみ
)
静かに
30
父さんの
お母さん
(
おばあちゃん
)
から僕の子へ繋がっている眉毛のアーチ
50
こたびこそ根雪ならむと思ひしに
三度目
(
みたびめ
)
の雪もはや融けにけり
14
便りあり支えなき父歩けぬと冬柿の枝さぞ細かろう
32
蜂蜜を紅茶に垂らす一年が穏やかなれと出初めの朝に
62
いよいよに小さなアパート二人だけ 新婚生活戻ったようで
46
止まらずに まわり続ける 暴れ駒 張り手一発 作法はそこから
29
白い空をじいっと眺めている猫のうしろ頭をにんまり眺め
23
見上げれば紅梅咲いてこの空のどこかにきっと精霊はいて
50
高3生 決意を胸に あとにした 教室に光 しづかに満ちる/明日、共通テスト本番
33
肌と肌触れ合うことの滑らかな心地の中で夜溶けてゆく
55
行った店 歩いた道に観た映画 記憶の花が咲き誇ってゐる
14
晴れ空に老若男女集う日の美よ美のままであれ航空祭
14
平行線交わらぬまま居心地の良き安寧の日を静かに重ね
33
目を見張る艶髪であれど床の上落ちてしまえばぞっとしかせず
21
来世とか あるとしたらば 犬かネコ 木とか花とか クジラがいいな
14
「いい子ねぇ」 言われ続けて 癒着した 仮面気づけば 剥がせなくなり
33
悲しみの 雨にうつむき 泣いてては 空に昇った 虹に気づけぬ
31
きさらぎの 神に捧げる
榊
(
さかき
)
には 新芽がのびて 雪のふる春
48
方角も 無言もなしの 恵方巻き 美味しく食べて 幸せであれ
28
最期まで ごはんを炊いて 味噌汁を つくって食べる 老いさらばえても
/
立春の朝
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