洗濯機回っているけど洗剤を 入れたかどうか思い出せない/歳なのか、最近の良くあるある…
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気を抜いた背中の写る一枚にどこの老婆と目を疑いし
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チグハグな今日のダメ押し 牛乳が余ってタマゴ買い忘れてる
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我が家には 愛猫きみが定めし序列あり 猫様一番下僕しもべは二番
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「核兵器持つは許さぬ」アンタには言われたくないよとひとりごつ
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吾の奥の 影を認めて 撫でてやる 筆を手となし そっと書きおり
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あなたとこなたその隙間 埋めるもの 言葉であるか それともなにか
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春色に染めたネイルの手の甲は幼き日に見た祖母と同じ手
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盃に 身は冴え冴えと 蒼く燃ゆ 内裏だいりに似たる 君と差し向き
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初鳴きの鶯の声つたなくて梅も笑って花びら散らす
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さうかもう、下の子だけと行く園のヤマアカガエルのひとみはつぶら
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こちらへと色あざやかに菜の花が 春を招くよ川辺の小道
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美味いもん 食ってナンボの 人生と わが狸腹 肯定してみる
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痩せなきゃと 言いつポテチに 食らいつく この習性が 修正不能
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表裏 裏の表のまた裏と 聞きたい事だけ耳をそばだ
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雛壇の人形は 雨声うせいを聞きつ しづかに宴 氷雨ひさめの弥生
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すれ違う人みなマスク 顔かくし心隠して己閉じ込め       
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独り身が 語る事無く 桃節句 頬と心を 氷雨が叩く
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雨籠り じっくり煮詰めし金柑のまろさ小さきお日様のごと
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イスラエル米と結びてハメイニを殺害したるコトの始まり
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あられ降る寒の戻りのひなまつり夫婦静かにせり鍋かこむ
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ワイパーは手を振りサヨナラ暗示する 霧雨の中の無言の二人
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犠牲多き 勉強の果てに 残りしは A4サイズの 紙一枚きり
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食卓に ガラス細工の雛人形 ちらし寿司で 大人の雛まつり
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起きられないなりに 30分早く 起きた自分を さあさ褒めよう
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春巡るバス待つ子らの青き列 畳みし羽根におにぎり忍ばせ
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雨上がる 歯肉蠢く啓蟄に 「夢の中へ」と陽水聞ゆ
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嫁ぐまで嫁ぐまではと雛人形ぼんぼりの灯翳る弥生よ
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冴える月 帰路に転がる八朔はっさくや 我は供える道祖神さま
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階段が少し暗がり受け入れて 今夜のサラダは南瓜で決まり
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