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モーレツを装うスーツ纏っても毛玉だらけのパジャマがイチバン
15
先人の 運んだ 丸太と岩の道 踏みしめてゆく 三輪山登拝
36
神秘なる満月のもと進む帰路一寸先はホワイトアウト/濃霧
28
檜葉
(
ひば
)
の木の枝の中には遠い土地香りの中に私の中に
37
地震にもクマにも負けぬなぜならば母を守る使命があるから
30
次々と 食べ物こぼす 子どもらに なす術もなく 茄子ひとかじり
25
恥ずかしい 誰もいない家 ハミングをやめる必要なんてないのに
13
人数分お菓子を買って来たのにさ 一人に全部食われて悪夢
11
三十年ここで寝たんだ このベッド
主
(
あるじ
)
無き部屋 淋しさつのる \ ようやく独立!
38
見切り米 半額処分に 飛び付くも 見切られてなお 高く感じて
23
冬を耐え花を咲かせよ林檎たち陸奥に明るい春を呼ぶため
39
内側に残るレッドに先ほどの口づけ思うマスク生活
19
崩壊は 偶然に見えて必然で 乗り越えられない作りをしてる
15
娘
(
こ
)
の机使ひて思ふ引き出しの何処に悩みを仕舞っていただろ
58
みみっちくチマチマ節約した金で余計な物をアッサリ買ってる
23
やる事とやる気が上手くからまらず「まぁいっか〜」がわたしを救う
33
いつの間に「お母さん」とはわたくしのこととなったの覚悟もせずに
30
ピークなる疲労の夜に浮かぶ星やさしいオリオン私を照らす
33
クリスマス前に旅立つ人看取る業務の心うち如何許り/介護士
30
ガンダムのプラモを買った
玩具屋
(
おもちゃや
)
も消えた故郷の静かな師走
31
久方の 雨の早朝 鮮やかな カイヅカイブキ 緑濃く伸び
29
いなり寿司けんちん汁に串揚げを作り孫待つ猫とじゃれつつ
34
冬の夜救急に立つ半袖の温きナースのみ手にゆだねる
36
青い鳥探したけれど見つからず帰りに白い文鳥を買う
33
窓帷
(
カーテン
)
を開ければ 冴へり 冬の朝 細き残月 見ゆる青空
36
電話口 後輩の声 懐かしく 深夜残業 頑張ったよね
29
必ずや 新大阪で 立ち寄って たこ焼きうどん 勝負めしなり
27
透き通る 飴細工の虹 渡り行き まほろばの星で めぐり逢いたし
26
あるがまま受け入れようか抗おか 加齢の波にゆらゆら揺れて
31
雪深し姉の身案ず受話器より 娘とバトルの元気な声が😆
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