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優しさを 持ち合わせたる 君の目に 映る未来を 共に生きたし
37
恋よりも生活苦やら介護やら若さは強いと老いみておもう
34
抱きあうはなくなりしこの年月を越えて息子の目はあたたかし
35
終電を逃す友連れ 山茶花の散りぬ小径を
夜半
(
よわ
)
家路に就く
34
雪にさす
朝陽
(
あさひ
)
の色は 生成り色 忘却の
彼方
(
かなた
)
竹を編む人
38
通学の自転車の群れ見送ってはるか昔を思い出す朝
30
曇天と 墨汁なぞる アスファルト 雪衣着て 緑待ちわぶ
18
邦土
(
ほうど
)
にて 百年越しに開花せし リュウゼツランの跡地に新芽/一昨年の夏の開花騒動以来
26
同じこと今夜も話す受話器越し 祖父はただ今二巡目生きる
37
都心部を避けて廻るや武蔵野線 常盤木の杜
竹叢
(
たかむら
)
の青
26
豪雪に渇水などと裏腹さ さながら真冬の室内・戸外
30
寒晴れや武蔵野線から見はるかす 筑波の山の
二角
(
ふたづの
)
の峰
23
調
(
つき
)
神社(浦和)名物うさぎの彫り物は ちょっとかわいく作り過ぎなり
22
「いい子ねぇ」 言われ続けて 癒着した 仮面気づけば 剥がせなくなり
29
はらわたに焼けたハラミをブチ込んで心身満たし己を冷やす
15
如月
(
きさらぎ
)
に 重ねる君の 外套に 常より顔の 小さく見ゆる
25
ひい孫が補助輪外しあぶなげに自転車練習冬の公園
36
大根の 鋭利な旨味
一筋
(
ひとすじ
)
に 集めて
辛
(
から
)
し かいわれ大根
20
痛みさへ消えゆかむかな 微かなる 蜜の香りか君の刺しあと
17
五十四歳
(
ごじゅうし
)
の誕生日祝うラインあり幻なのか愛し人から
30
定位置で すやすやねむる ねこを見る キッスもしよう ちいさな額
28
バス停のベンチに座り来ては行く電車の音を聴きて わびしや
17
ミニスカで同僚女史の登場に 目のやり場にも困る冬の日
23
とんとんとん 日向ぼっこの ねこの背を 邪魔せぬように やさしく撫でる
31
空腹は嫌な記憶を思わせるドーナツ食べろ今は守りだ
15
洗濯物
(
ほしもの
)
を畳んでくしゃみ一つして ちょっと困った春の兆しよ /花粉
27
這ってでも見たい絵画はありますか。 共に向かいましょうパトラッシュ
20
凛として 厳冬に咲く雪中花 凍てる大地に春を待てをり
27
徒歩十五分 家路をゆるり歩む 街路樹の間に 白き寒月
29
ブラックの苦味覚へし冬の来る 片方だけの揃ひのカップと
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