緩んでる蛇口のようにポタポタと 秘めてたはずの想いが漏れる
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大掃除 一日ひとつとペース決め 余力残して目指す完走
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年末の 夕方の家事 一人聴く 大貫妙子 身体に染み込む
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明日から 四人家族で明後日は 五人家族だ 一週間は
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白いシャツ深めに開けたその首筋君の唇触れるる予感
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新たなる業務内容 記したるメモを眺めつ 食む社食かな
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木蓮の枯葉残れるその枝にれし蕾は春待ち顔の
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クリスマス一番近くにいないけど一番思い浮かべてるキミ
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瘡蓋を剥がして流血 風呂スルー 明日入れれば のーぷろぶれむ
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揺れていい 立ち止まっても いいじゃない 好きな歩幅で 続け暮らせば
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クリスマス終はれど 深まりゆく冬 夜を彩なす イルミネーション
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病室の窓たたく音もしかしてピーターパンなら行くかもわたし
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病室の壁があまりに白すぎて何かぶつけてやりたい夜更け
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よく寝ればそう、いつだって夜が明けるはがしてみようあの日のかさぶた
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接客がめちゃめちゃ良くて建付けが死ぬほど悪いトイレのコンビニ
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長嶋もジャンボ尾崎も釜本も昭和がゆつくりとけてゆく冬
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鈴なりの黄色い果実が繋いでる乾いた土鍋に浮かぶ景色を
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ヤクルトのバイクは愛が満載だ働くママが元気を届け
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宇治行きの 特急見送り 伸びをする みかんも食べた 今日はそれでいい
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我もまた「いちばんうまくできるのは、倒れたままでいることです」と/カフカ
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生まれ落つ場所時親も選べ得ず死ぬる場所時因も等しく
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駅に着き電車のドアが開くたび 冷気刺しくる、はよ閉めてたも
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丸々と太った真鴨を間近で見 捕らへて喰はむと悪心起こり
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クマさんに保護区を作ってあげたいね人と争ふことのなき世を
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何だって遊べる程度のセンスがいい楽器のひとつも弾けたらいいのに
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女の子の数だけ店のあるやよし 立川ルミネにひとり彷徨ふ
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うわの空私笑いて膝の上落されたらしパインキャンディー
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うたた寝に よき夢見たなと おもふ我 忘れられずにいる はつ恋よ
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人間が人間らしく楽しめた昭和を生きし果報を謝して
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病室の四角い空に三日月がやさしすぎるよ何とかしてよ
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