水森かおりとの二人旅する暇は部屋にあの娘の匂いもうなく
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吹き荒れる 寒風に負け 引き返す 散歩も今や 贅沢な夢
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ハゲ覆う 帽子がいつも 不可欠で 睡眠中も ニットの帽子
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ハゲじゃない 毛が薄いだけ 弁護する 子供の声が 小さく聞こえ
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友達に冬休みの予定を聞いて「クリスマス以外なら」って
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SJK経血染みたメディキュット不憫な子らに嫉妬する冬
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「クイズより五輪の方が緊張する」云うなら逆だと蜜柑を頬張る
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土下座とか父が求めたその日から フランチャイズの暴力癖が!
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もしも切り裂きジャックが振り向いたならそんな顔をしていただろう
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仕事中 居眠りしてたと キミが言う 昨日の夜は 頑張ったもんね
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さよならと さようならとの 違い聞く キミは笑って それは秘密よ
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捨てられた残飯(つまるところの夕焼けではないか) 小さき文字夕焼け。になる テスト~テスト~test
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親戚のおじさん達に 金もらう金があっても何も買えない
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送り主不明のケーキが着払いで届く 今年は凄いぞ凄いぞ
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花札と座布団持って 居間へ行きおじさん達に遊んで貰う
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またきてる せつなくもあり ちとこわい ゆうにたたずむ しつこい神様
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年の瀬に妙に南風の匂い 気温の波に鼻がやられる
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職場には 足を引っ張る 邪鬼ばかり それを楽しむ おいらは爺
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埋め尽くす抜け殻たちを掻き分ける 星が砕けて消えていっても
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キーパーのいないゴールにシュートする一人呟く「昔はいたの」
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ほら言えよこういう短歌は嫌いだろ?担架の上で啖呵を切って
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都内では 良心価格の スーパーで 3号ケーキが 3980さんきゅうぱー
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声重ね 午未ごび酔いにと 移ろへば 名さへ忘るる 欠けし逆月
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「年寄りのクリスマスイブだからね」とローストチキンをほぐしをる妻
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甚平をちょいと着こなし七歳児 少し前まで指吸ってたのに
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幸薄き 定めの中の 幸せな 数は少なき 思い出集め
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春よ来い 早く来いとの 童謡わらべうた リピートされる 電気代なり
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武士もののふの 魂宿す 鎧かな つくも神さま 天下無双てんかむそう
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ひっそりと この胸に秘める この想い 今の関係ふたりを 壊したくない
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「ねえ元気?」「めっちゃ元気」「噓!」スプーンで掬ってくれるようだ優しき
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