気を抜けばあなたのドミノ崩してしまう 責任は再生ボタン
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焼いていて 焼けていなくて 生焼けで 生焼けでよくね 生焼けはダメよ
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髪の長さに宿る月日が目を合わせなくても同じ酢豚をつつく箸は向いて
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ご家族と 気づいても揺れ 亡き友の 名前が緑 オンライン中
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彼の前で肩先震はす君からの  「二月の義理」の黒より苦し
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シェーバーのかろき振えに肉挟みなおかろやかな油断の朝よ
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きみとして そのままそこに あればいい そういってくれたようでもう十分
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日本酒を四合しごうも呑んで大いびきかいて寝ている私の太陽
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六畳間 フローリングに敷布団 世界の果ての見慣れた景色
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雨の日に何もしたくなくなるのは、やる気が水に溶けやすいから
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青空にひとつ巨大なカリフラワー 降られる前に帰ってきてね
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「なんですか?」「これはあなたの未来です」「時間は昨日止まりましたよ」
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駆け落ちてピンクの象を見に行こう まぶたの裏でずっと待ってる
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「飲み行こう」「いいよ、いつ行く?」 それっきり返事が来ない 三年くらい
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傘持たぬ人しょんぼりと佇ませ赤信号の悠々と光る
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ときめきの在処を探し 泥水をまさぐるように心を潜る
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知らぬ間に抜け殻二つ 部屋の隅 落とし主がまだ家のどこかに
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吾が友の踏みつけられている人の自由訴う筆頼もしき
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光さす まくらの 温もりいただきて  しばしやすらぐ師走の窓辺
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過ぎた日々 幾度も散った 白い片 君が去りても 花は残りて
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「あと千歩」まだ歩こうとする父の残りの数を僕も数える
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四十路にて学びは続く霧晴れて見える世界が拡がっていく
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秋の夜に明かり灯せし並木道 どこまでゆくか銀河鉄道
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あの道の グラジオラスより 白きシャツ   君の視線の ただ 眩しくて
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椋鳥の大群賑やか大宴会 味をしめたか柿は食べごろ
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治世淘汰のいきさつを感極まるに「Great State Great Again,」
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愛犬の匂いの残るこの布団 そおっと下ろす小さな骨壷
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街角に早くもツリーが登場し 短かい秋が逃げ去ってゆく
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今朝はまた妻が特別ご機嫌で 良い一日が待っているかな
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我のため雑草くさを摘んでは土産とす 認知症やまいの祖母の不変の愛情
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