とうがらし
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好きなもの刺し子編み物
ユーミンと孟浩然と短歌投稿

紅葉を「かわいい」と言う眼差しが濁らぬようにばあばは願う
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冬の日の景色と思い重なりてあと幾度かの紅葉散りゆく
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一年の最後の月が近づいて心弾んだ昔懐かし
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平等に再び冬が巡りきて終わる命と始まる命
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雑用に追われる日々もよしとして今日も一日よく働いた
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露店までマニュアル通り対応し注意受けてる子どもの気分
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玄関が荷物と共に映り込む置き配画像郷愁誘う
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旅先でスーパーに寄り眺めれば我もしばしの住人になり
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「ママがいい」お留守番する君の頬涙流れてばあばも悲し
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秋の雨愁いの雨にたとえられ心の隙をつかれぬように
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秋進み味噌汁の具もきのこ増え味噌󠄀を解く手にネイル施す
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パンケーキ囲んでママのお茶タイム背中の赤子暫し眠れよ
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取り柄なき我に唯一贈られた書くということ今有り難し
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君と見る今年の花火格別でもう来年を考えている
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もしは無いもしは無いとはわかりつつ二十歳になろう貴方を想う
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秋の日のないものねだり重なりて夕暮れの月いつもより濃く
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校庭に組体操の声響きかつての我と姿重なる
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可愛さと大変さとのはざまにて今日も暮れゆく母の一日
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「なぜ、なぜ」と君の疑問は湧き立ちて応えるばあば真摯でいたい
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「手つないで」君に言われて久しぶりじいじとばあばあの日に戻る
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今朝もまた君の背中を見送りて楽しいことが今日もあるよう
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語るより語らぬ方が理解るなど言語愛する我に似合わず
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センターの軒先紅葉先端に色づきみとめ歩み緩める
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なぜかしらもつれた糸をほどいたらわだかまりまで解ける気がして
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先生と同じくつ下欲しがって二歳の君に推し活おぼゆ
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白と青境界線が溶けてゆく空見上げれば秋の始まり
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泳ぐ子の頭上を過ぎる赤とんぼプールじまいの余韻を残し
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主なき更地の土が眩しくて彼は今ごろ何処にどうして
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雷鳴を響かせ渡る雨激し夏の憂いを洗い流せよ
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子を孕む女のなんと美しき不完全なる命育む
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