睡眠と君の寝顔を引き換えにいつでも出すよ心と体
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熱いキス夢見た少女は嘘を知り プラトニックな愛がいい今日
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猫の爪みたいと君が言ったこと思い出します春の三日月
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夜を編む神の気まぐれひとときの夕焼け空を仰ぐ人の子
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無印の店員さんと思われるのを防ぐため小脇にバナナ
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Twitterに流れるかわいい君の推し 少し睨んでリンクを送る
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さくらばな夜風に散った花びらの柔き刃に胸突き抜かれ
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ありふれた 楽観的な 言葉でも 魔法になって 勇気づけて来る
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くだらない人間だけど許してよ折り畳み傘は綺麗に畳める
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仲のいい夫婦の姿羨ましい妬んでやろう!って言ってみたけど。
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夜風は透明であり美しい、ぜんぶが嘘でできているから
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「他人のもの盗ってはだめ」にうなずいて今日もつまらぬ私が生きる
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どこが好きか分からないのに好きということにしている ビールも人も
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布団干し窓開け放す五月晴れ子等の帰省を待つ母として
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異世界に転生するなら能力は力重視でお願いします
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集まりの主役の友は三回忌墓前に香煙ゆらゆらのぼる
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夜風には若葉の匂い溶け出してひたひたひたと夏は近づく
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汗くさい朝のしとねはありふれた愛のかたちを彩なしている
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夜風吹く音聞きながらスマホ出しぽちぽち綴る 日々のあれこれ
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淡々と生きていけたらいいですねありふれた人生は夢ですね
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哀の香 夜風に混じり 消えてゆく 命の煤煙 君には秘密
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ありふれた水底透ける浅池のまわりで拾う短歌のかけら
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夜風吹く君への気持ち夜露なく。僕は独りでベンチプレスさ。
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夕立にやわらかく濡れた右肩が ある夏の日を特別にする
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嘘をつくこともなかったまだ君を知らないままの世界線では
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夏の雨には体温があったから思わず傘を閉じてしまった
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陽に干した布団のように心地良い三十五度の万年床は
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月さんと 夜風にあたる さし飲みは 炭火のつまみで 今宵も一献
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晴れた夜 夜風になびく 黒髪は 月光に照り 白絹しろきぬのよう
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手の中で君の名前をつぶやくと 返事みたいにいいねがついた
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