突然の構想外のお知らせが秋と寂しさ感じさせる
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写生はその対象の含蓄まで表現するものである
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はははと言えぬあの星の歌はなに きこきこくるくるあるのかららら
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喫煙所からカンカン煙草を吸う人にだけ分かる信号
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環状線の速さに流れていった私の短歌ほなさいなら
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目の前の たった一人に 目を留めて 時間を使え 注意されても
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人間が 心を捨てて しまうなら 生きる屍 無用の機械
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不自由な心を閉じ込め肉体は 息をしながら棺桶となる
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なきむしの神様がいてこの雨も一粒ごとにドロップスと化す
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印刷を拡大しては点描画 月にも海があるのだという
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まだ白い手が捕らえたる油蝉 はたの微笑に見る不可逆さ
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何よりも君の姿を想うだけただそれだけで生きる希望だ
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コンビニのおでんを探す自販機に増える冷たいお茶春が来る
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本読んで続き気になる夜だけど今日は寝よう明日が来るから
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お祭りと虐殺 同時にこの星で  人類はまだ スイカ食べてる
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柔らかく優しい君と出逢ったよ 摩擦がないからまだ火が付かない
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「元気かね?」五〇離れた祖母の声逢いたい人がキミとそれから・・・
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やっぱりね楽しさ倍増アンサンブル フルートの醍醐味仲間と味わう
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ファミコンが買えぬゆうしゃのアイテムは ボロボロになった攻略本
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羽ばたけば風身に纏う記憶だけ翻してゆく夏の蜻蛉
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仕事中 幼馴染おさななじみに 良く似た婦人 やっぱり君だ! 決め手は「ほっぺ」 /35年前成人式以来
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下の子の誇らしげなる握り箸いつか掴めるはじめの一箸いっちょ
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えらんだよ 二人で行った 信濃路の コスモス街道 遺影の背景
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買えなくて時間だけあり縫い貯めたマスクそのまま四年が過ぎぬ
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生きてゆく家族と笑い生きてゆく左目なんかつぶって笑う
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玄関に 脱ぎ散らかした スリッパを 見ても笑った 昔懐かし
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わたくしの過去は誰かの現在で未来でもある どんなSF
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なにもなにもないこの胸にひとつだけ約束された銀の弾丸
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どうしてもやっておかなきゃならないの明日死ぬような今日の必死さ
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窓を開け 空気かわった 曇り空 今朝の炊事は 水が冷たいひゃっこい
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