海野水屑  フォロー 20 フォロワー 24 投稿数 177

み-くづ 【水屑】
水中のごみ。つまらないもの、役に立たないもの、はかない身の上などのたとえに用いられることが多い。

いつもより砂糖多めのクッキーを焼いたら涙止まるといいな 

ひとりでも生きていけるね 僕たちはアンドロギュノスじゃなかったらしい 

マフラーの内に巻き込む黒髪の手触りひとつ知らないままで 

これは髪からしたたった水だから泣いていません、けして、けっして 

I will で始まる恋だ きっとすぐ好きになるから待ってて、ダーリン 

人知れず嗚咽をもらす夜がある 君の手紙に染みをつくって 

駆け出した背には届かぬ指先をきゅっと丸めて仕舞うポケット 

足跡の未だ残らぬ雪原を振り返らずに進めよ乙女 

水遣りを忘れないでね おもいでは放っておくと干枯らびるから 

焼きたてのアップルパイがぼろぼろと崩れるようなふたりの最期おわり 

人間はねこのきもちがわかるほど賢くないとぼやいてみたり 

たとえ明日世界が終わるとわかっても僕はひとりで海にゆきます 

午前五時、揺れるカーテン、もうすこし寝てていいよと撫でる体温 

生きるとは叫ぶことです 手始めにラの音階で産声あげろ 

【問】空欄を補充しなさい。「ぼくはまだ、□□□①━━━━━━のことをあいしています」 

幸せは歩いてこない 爆速で僕の真横を素通りしてく 

棘のない薔薇をおくったあのひとの優しさで刺されて血が滲む 

こちら月、あなたの部屋の窓枠の右上ちょっとお邪魔させてね 

明日もまたおなじ日が来る 忘れじの君の記憶に頬ずりをする 

かわいいの賞味期限は切れたけど捨てるにはまだ早いんじゃない? 

「違う?」「いや、違わないかも」「どっちなの」「わからないからもう一度いい?」くちづけたあなたが笑う ぼくはまだ別れのことばを言い淀んでる 

あの頃に戻りたいとも思えずに現在いまを惰性で揺蕩っている 

指輪からわたしがするりと抜け出して「猫みたいだ」とあなたは言った 

指先がすこし痩せたね 繋ぐ手の感触はもう思い出せない 

からっぽが飢えて暴れてなくときの腹の音色を知る午前2時 

神様が気に入ったからあのひとは雲の向こうへ連れて行かれた 

ねえ! 君は幸せだった? あたしはね! 君がいたから幸せだった! 

爪先をあなたの色で塗ってみて似合わないのがなぜかうれしい 

なつかしい金木犀の匂いごと過去を明日にはこぶ秋風 

ぼくたちに世界がやさしくなくたってやさしい人であれますように