海野水屑
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み-くづ 【水屑】 水中のごみ。つまらないもの、役に立たないもの、はかない身の上などのたとえに用いられることが多い。

けだものはぼくだけだものきみはまだあかるいばしょへゆけるのだもの
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きみがいま名前を呼んでなんでぼくボイスレコーダーじゃないんだろう!
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大切にしたかったよね こんなことしたいわけではなかったのにね
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図書館へ予約の本を取りにいく からだがちょっと上下にゆれる
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遠くからきみを見ている 届かない星に名前をつけるみたいに
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来世では魚になって水槽の中をふたりで泳ごう ずっと
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嫌われるのが怖くなくなってからあなたのことがこんなに好きだ
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水道の蛇口に住んできみの手に触れる温度を調節したい
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思い出を主食にしてるわたしって手のかからない生き物だから
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イヤホンのぷにぷに、え、そうイヤホンのぷにぷに、ちょっとなんで笑うの
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ビー玉を口に含んで冷たさがきみのたましいとおなじだね
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とん、とん、と幼きわれの背をたたく母の指にも似たる雨音
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エスカレーター のぼるときその先が見えないことを希望と呼ぼう
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きみは星 夜がこんなに似合うからなんと言おうとぜったいに星
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この顔にピンと来たならご連絡! アプリに並ぶ指名手配書
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「生きるってなあに?」と子らが母に問う 死なないことではなかったはずだ
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「妖精はいない」って言う度に死ぬ妖精みたいに生きるわたしは
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馬鹿だから高いところが好きだって言ってた君は煙になった
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透明なあなたに布を被せてはその輪郭を抱きしめている
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03ではじまる電話番号であなたがここにいないと気づく
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食パンの袋を留めるアレみたく僕の名前を忘れてほしい
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ぼくたちの終着点をPとする 毎秒5センチメートル動く
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お金より大事なものを手に入れるためのお金を集めています
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ひとりってひかりみたいなもんなのにどうしてそんなに嘆くのだろう
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終わるからこそうつくしいものたちが終わらぬように祈ってもいい
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ほんとうの言葉をきみに言う前に「これは冗談なんだけど」って
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ポケットの中で潰した蝶々の翅を十年先も夢見る
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白線を踏み外したら負けだって言われて二十数年生きた
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コンビニの自動ドアにも無視されてだれとも話せなくなったひと
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きみだけに見せる笑顔を遺影にはされたくないしぜんぶ消してね
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