Utakata
登録
Login
海野水屑
フォロー
24
フォロワー
36
投稿数
265
み-くづ 【水屑】 水中のごみ。つまらないもの、役に立たないもの、はかない身の上などのたとえに用いられることが多い。
« 最初
‹ 前
1
2
3
4
5
6
7
8
9
次 ›
最後 »
幸せは歩いてこない 爆速で僕の真横を素通りしてく
4
棘のない薔薇をおくったあのひとの優しさで刺されて血が滲む
3
こちら月 あなたの部屋の窓枠の右上ちょっとお邪魔させてね
5
明日もまたおなじ日が来る 忘れじの君の記憶に頬ずりをして
1
かわいいの賞味期限は切れたけど捨てるにはまだ早いんじゃない?
4
「違う?」「いや、違わないかも」「どっちなの」「わからないからもう一度いい?」
(
くちづけたあなたが笑う ぼくはまだ別れのことばを言い淀んでる
)
5
あの頃に戻りたいとも思えずに
現在
(
いま
)
を惰性で
揺蕩っている
2
指輪からわたしがするりと抜け出して「猫みたいだ」とあなたは言った
2
指先がすこし痩せたね 繋ぐ手の感触はもう思い出せない
4
神様が気に入ったからあのひとは雲の向こうへ連れて行かれた
2
ねえ! 君は幸せだった? あたしはね! 君がいたから幸せだった!
7
爪先をあなたの色で塗ってみて似合わないのがなぜかうれしい
3
なつかしい金木犀の匂いごと過去を明日にはこぶ秋風
1
ぼくたちに世界がやさしくなくたってやさしい人であれますように
1
君のいる町はそろそろ秋ですか おなかを出して寝ていませんか
7
「これからを一緒に生きて」が喉奥でラムネのビー玉みたいに詰まる
8
来ぬ人にこいと言うだけ無駄だとてさえずることを止めぬうぐいす
3
臆病な指が「あそぼ」を消していく
流行病
(
はやりやまい
)
を言い訳にして
6
朝おきた 三食たべた バイトした 死にたくなった 目覚ましかけた
4
平熱が35.5度だから 恋するだけでのぼせちゃうんだ
4
世界からわたしが1kg消えるたび褒められるのはどうしてだろう
6
コーヒーをおいしく思い始めたら僕は子供でいられませんか
3
うるせえなお前らだって惨めだろ一人じゃ便所も行けねえくせに
5
光だけ求めて飛ぶよ 君の目が誘蛾灯だとわかっていても
2
とりあえずご飯を炊けばなんとなく明日も生きていける気がした
10
もう使う人も来ないしベランダで雨に晒されねむる灰皿
6
いつまでも消えない君を夢に見る 忘れさせろよ時効じゃないか
3
足はある スマホもあるし金もある どこでも行ける、そのはずなのに
2
「止まないね、雨」って言って行間の読み合いをする七月七日
7
傲慢なショートケーキのてっぺんの苺をフォークで刺殺したいね
2
« 最初
‹ 前
1
2
3
4
5
6
7
8
9
次 ›
最後 »