海野水屑
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み-くづ 【水屑】 水中のごみ。つまらないもの、役に立たないもの、はかない身の上などのたとえに用いられることが多い。

部屋干しの下着のそばで香をたく これが現代貴族の贅沢
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打ち寄せる波と目が合ったあの夜から ざざぁ、ざざぁ、と耳鳴りがする
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水無月の雨に溶かされたましいは排水溝に流れ出てゆく
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雨降る日君が「綺麗」と褒めてくれた髪を切ったよ もう会えないね
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長いのが好きとあなたが言ったから 髪よ、なるべく早く伸びろよ
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味気ない世界を甘くするための小さじ一杯分の優しさ
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流れゆく海の水屑は砂浜の君の背中に手を振っている
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いつだってきみはぼくのヒーローになる 今から行く、の一言だけで
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潮騒がもういいだろと叫んでる 塞いだぼくを呼び続けてる
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道端で猫の死骸を見た君はきっと天使より美しく泣く
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熟れすぎて腐ってしまうくらいなら少女のままで死んでいきたい
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眠るよう死んでいきたいだけなのに朝日が今日も私を生かす
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このことは墓まで持っていくけれどあなたのために生きていました
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きみとなら死んでもいいよ、でもたぶん生きてもいいと思うんだよね
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あの恋を告げてしまった夢を見た 君は私を見もしなかった
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ワンルーム 窓に映ったあたらしいあたしとあたしらしいあした
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溜め込んだ洗濯物を干してみて計画性の偉大さを知る
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優しさは花に似てると言うけれど日が当たらねば芽吹きもしない
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今夜から一人で眠ると思っても、寂しくはない、ことが寂しい
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引越しの段ボールが部屋を埋めてく さらば青春、もう帰らない
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会いたいと書いては消してを繰り返し下書きばかり増えていく夜
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飲み込んだ言えぬ想いが身を焦がす地獄のような恋をしたのだ
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あのひとに夢でいいから逢いたくてパジャマを裏に返して眠る
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誰よりもきみを幸せにできるのはきっとぼくではないね それでも
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「荷物なら持つよ」と出した左手をほんとはきみと繋ぎたかった
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