七分袖 長袖で寝る 念のため お腹の上に 布団をかけて
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約束はしないでいつも「じゃ、またね」 あの頃のよにいつか逢えたら
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草は伸び 虫も飛び交う 猛暑日も 進化か淘汰か 我ら人類
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読書中「臘月」の字の見えなくて 二本の指で拡大……できず
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鈍色にびいろむ 帰路の坂 屋根を越へ 黄金色こがねいろの十三夜 煌めく
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夕焼けの 沁みた空気の 手触りと 色と香りは 時間を止める
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苦手だとずっと避けてたゴーヤでも 友とのランチで美味しく感じ
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一夜明け魔法が解けた日曜日 思い出糧にまた明日から
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ベランダに出るのも苦労母のケア月が見たいな今宵のがいい
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目が覚めたベランダに出て月いない 代打かしらねきらきらと星
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もう一回君に会いたい二度寝する猫パンチされ夢のまた夢
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切られても切られてもなお伸びてくる朝顔の蔓 生命力よ
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それぞれに 小さな秋が 到来し 賑やかなるや 月曜うたかた
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風薫る 堤防沿いの 彼岸花 酷暑に負けず 咲いてくれるか
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動いててお喋りしてる藤井風絶滅危惧のあやうい個性
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薄雲の闇に負けじと 中秋の名月の中 餅く兎
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誰しもが 色とりどりの 「はじめて」を 抱いて歩いて それでも生きて
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教室の端まで離れてしまったねお願いだからまだ好きでいて
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旅先の 奇跡の瞬間切り取って 全員が目をつむった写真
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もしかして高市さんの眉毛って 油性マジックで書いたのかしらん
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とうもろこし 皮で作った コースター 二つ並べた 夏の思い出
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くる夏を、煩わしとぞ思ふものを ゆく夏を惜しむ また逢ふ日まで
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万博の テーマが命と 言うなれど プレゼン弱く 早々に去る
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脆弱なアームで今日も掬うから誰かわたしを救ってくれよ
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納得の いかないことも 立場上 言葉を呑んで ぐっと堪えて
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自分では 自分の価値が 見えぬもの モテキの少女 嬉しい悲鳴
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そっと死にたい大々的にじゃ無い方がいい 後悔など地獄には持って行かないのだから
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中国といくさせよとさ 萎え早苗萎えだ 敵弾届かぬ位置から
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気休めに打ってステイルメイトの連続で どこまで行っても詰み詰み詰み詰み
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綱渡り しているうちは 当たり前 下を臨めば ほんまヤバいで
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