ぬか床に七日漬けたる小かぶらを 薄く刻んで焼き飯に添え
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引くだけじゃだめだ一回押してから猫に言うけど聞く耳持たず/爪と衣服
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杖たより丸太階段登りきれば余呉湖に映る紺青の山並み
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小春日や 枯れ葉の積もる アスファルト 温もり感ず 毛布の如し
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そこにありて 草木の陰に 冴え冴えと なみだに映る 野菊のいろ
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言の葉のトランプ切って鳴らす指 妙技に惚れるひとつの理想
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熱々のだいこん仕込み布団には冬のカバーをかけ終える午後
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寒いのは 弱く勝ち目は ないけれど キライじゃないよ この冬支度
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足の怪我しらせてよこす友へ出す小さな荷物あれこれ詰めて
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今君は母の知らない場所へ発ち恋人の側で夢を見ている
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短くとも 深く眠りたい 眠剤の8錠め そっと手を伸ばしたり
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帰省せしらと語りてつくづくと夫婦の老いを思ひ知らさる
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初雪の すっかり消えたハレの日に 我いざ進めん 冬支度をば
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右の手をギブスで固定し左手でシャボン吹き上げ少女空へと
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娘でも妻でもなしにうら若き夫婦と幼児眺めおるとき
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目的は寂れた街のおにぎりや あったか豚汁ボニーテールの君
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大切な 言葉を赤で 書くからさ 色褪せるのよ 看板の文字
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向い風 受けたくないなら 吾の向き 変えてみよう 追い風に乗ろう
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想定の幾倍にも部屋足りなくてクローゼットで仕切った1
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泣き腫らし火照りは残れど空元気 いまのわたしとおんなじだねえ
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残らない別れ惜しさ君の顔 希望の擦り切れる音がしている
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婚活も転職も停滞してる BL漫画の考察はする
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過ちを悔いることなく厚顔で知事を続けるが天知る地知る我知る人知る
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重ね着た罪を一枚ずつ脱いで見せる裸も公然猥褻
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1677万バイキング 満たされすぎて味がしないわ
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刻まれたぬるい理はみだせ!と横断歩道の黒を駆けてく
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患ったゆるい3000の中毒 死んでないからそれで良いのだ
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鳥も火も海も宇宙も大地さえ俺らの死体なんざ知らんさ
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七日間悪逆非道を尽くしきり 世界で初めて地獄行きのセミ
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びくびくと しているうちに 人生は 最終章を 迎えるわけよ
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