いつまでもいつまでも痛みつづけるあなたに引っ掻かれた心臓
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饒舌な過去と音沙汰無しの未来 二対一に外分してみむとす
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輪を作る 楽しき人に つもる春 散りてなお咲く 花の去り際
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花びらが吹き溜まりそのひとひらが唇につきそれも良きかな
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脱いで入れまた脱いで入れ素裸になって洗濯する心地よさ
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休日の特典としていち早くカレーをいただく午前十一時
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朝顔の種蒔きて鉢に水を遣り飴玉ころり食みて笑む子よ
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様々な 事のひとつが 落ち着けば 安堵も束の間 また案じ事
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住職が花守らしき山門に 薄墨桜離し植へらる
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神様よこの北海道を抱きいだきしめ叫びたいほど 春がまぶしい
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雑踏で老いにし君とすれ違い後ろ姿に面影重ぬ
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逢いたさは時として胸を噛み 瞼裏まなうらに彼岸の桜愛でる君の映りぬ/友の命日に
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山かすみ何かが飛んでる気配するケミカルな太陽は柔らか
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近距離に在りしが触れず紅白の無数の桃の花よ悲しき
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虫食い歯 痛みが走り あら炊きの 鯛の目玉を 噛み当てにけり
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垂れ込めた 重い雲の隙間から ひとすじ陽の光 桜輝く
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断片で途絶えた夢の深層の真「まこと」を探す目覚めの朝も
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満開の 桜愛でつつ 一休み アイスティ―には 花びら浮かび
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見間違ふ 良く似た星を 気遣いす 優しき方は 優しき詩人 /旧「麻だ。」様
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父と夫二人の影を背に負ひて 息子のなかの光へ歩む
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あかつきに 寝覚めて 十首詠みて恋ふ 雲と見まごふ 白き花枝はなえだ
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暗闇の中 我探し鳴く君の声 聴こえた気がして じっと耳澄ます
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野辺の花 黄色一色 ほころびて   揺らぐ春の陽 陽炎立ちて
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いつまでも燃え上がる愛でいられない苛々してるみたされぬ愛
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結婚し十年経てばパパママに三十代よ失いたくない
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降りしきる雨の合間に鳴く鳥は透ける音色の心のひかり
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メーカーの悲鳴はこだま「あの件で見積りさえも出ない」と言われ
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ライオンがライオンのまま生きてたらうまくいかぬよ人間関係
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無愛想ぶあいそに「もう春だよ」と伝言を届けたような窓たたく雨
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今日の雨花を散らしてしまったか土手べりはまだ盛り前だが
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