柵に干さるる さき白き上履き 二足ふたそく並び 春光浴びぬ
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何度でも カメラフォルダ 見返して スクロールする 指はやくなる
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抽斗ひきだしの整理 宝探しの如 失くしたはずの 記念の硬貨
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「優しい」が擦り減らされてゆく我の心を知るか父の瞳は
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空腹のこの喜びをたれぞ知る飽食牢を釈放間近
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カッターで青い画用紙切るようにツバメが一羽飛んでいく朝
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ミサイルが空を裂こうと、庭先にブルーベリーのひかりは伸びる
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珈琲の向こうに君の笑い顔 世界をちょっと許せてしまう
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弱虫めお前のことは無視したり責めたりなどもしてはやらない
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めでたしと終わらぬ粋なストーリー再び誰かが紡ぐ時まで
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息絶えたように眠って夢の中なぜに初恋いまさら未来
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ハイ!チャイナ!宮廷ドラマに胸打たれ僕なぞ出る幕のない美麗
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金ローの魔女宅録画見つからずキキに会いたくTSUTAYAに走る
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凍てつきて 碧く透くや  清流の 君旅立ちて 我春を待つ
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あなたには綿だと思われたいけれど なまりなことも覚えておいて
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我が庭にムスカリ連翹 雪柳 桜吹雪きて彼岸の明ける
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雪解川 水際うずまく 白銀の 早瀬の飛沫 光り散るかな
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老人の唯一の友のAIと 昭和歌謡で話が弾む
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3コール 切り替わる友の声帯 246号 午前2時過ぎ。
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人の名を 忘れてしまい がっかりと 言われてヒント おねだりします
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殴る蹴る 人を人とも 思わぬか やられっぱなし ひどい仕事よ
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おもしろい 話をしている ハズなのに まだ一回も 笑わないキミ
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味噌汁をふーふーするのとおんなじで この関係にもに意味はない
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夕焼けの 銀の陽射し 水際の 引いては寄せる貝殻ひとつ 拾いてこぼれ 独り戯れて
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ありがとう 返信残して 沈む君  僕は遅れて スタンプで釣る
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指先も鼻も瞼も唇もすべて使ってみているあなた
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あさもやの 薄墨流し 春時雨 はこべ咲くや 朝露に濡れて 玉の露
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三日月の 蓮池の上 松の影 池の鯉跳ね 松風騒ぎ  鈴虫鳴き  あわれなりけり
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先輩は 次から次と 消えてゆく 高齢者向け 仕事の場合
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朝陽射し 眠る山嶺 白銀の 影朧立つや 春のあけぼの
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