氷雨降る 駅のホームに吾一人 警笛の音冴え冴えと鳴く 
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寝入りばなのゆさゆさ揺るる十秒余。「じしんです」とふアラーム響く
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「おなかちゅいた」ずつき頭突き 次第に力強く 食欲頼もし 生命いのちなるかな
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ねこたちに キスしたいから 化粧水 一日一回 それで充分
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ちま猫ちゃん おでんき ポチッと けしますにゃ なんとなくだよ ねこは きまぐれ
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想いすら 溶けてはきえる儚さと ゆきにはしゃぐきみのよこがお
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自転車に 乗って辺りを 漕ぎ回る こんな老後が 残っていたか
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白き息 冬田ひらけておろし風 し日の友よ いざ疾くませ
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鬱が来る 待ちたくないのに待っている ずっと知らない頭の変え方
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薄暗い隅っこの方で休んでる 俺は来年どうしているのか
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人混みの向こうの空にカラス飛ぶ 呪われし身を突くフラミンゴ
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濡れ鼻をそっと私に押しつけて眠る犬の子ミルクが香る
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気に入らぬオムツ八つ裂きばらまいて餌だしやがれケルベロス鳴く
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横断を待つ児ら無視の車どもネズミ捕り速度超過取締でもかかってしまえよ
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食事をタスクとしてこなした日が増えませんように
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粉雪や 降っておくれよ 僕のため 傷つく心 癒しておくれ
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片想い 嫌いになれない あなただけ いたく愛しき 君への想い
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2個上の奴に苗字にちゃん付けで呼ばれるような自分が嫌い
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同窓会 変わってないと 皆が言う あいも変わらず 変わり者だし
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冬の夜に 凍える風を 浴びながら 僕の心は いつもうららか
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ささやかな誕生祝いのあて先はたった二ヶ月先のワタクシ
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生きねばならぬ 生きたからには本人が それを望まぬ 地獄としても
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昔愛した人へそして愛せなかった君へメリークリスマス
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まだ見えるただ一点に光よりここで殺しておけば良かった
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指輪とか かたちにすると なくすから 俺の詭弁も 笑顔の前じゃ
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短歌詠む机の上は白黒で出来ているんだ 目を光らせる
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リップル砂を横断する指先 世界となり プリオシン・コースト ただ二人 反射して
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死体性愛者ネクロフィリアの遺体
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あの頃は 幸せだった 両思い 今は寂しき 片想いかな
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君がため惜しくは無いよ、なにものも 綺麗に笑う 優しい悪魔
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