十七年たくさんの幸せ有難う! 愛犬キミのお家よ 骨壷を置く
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同じ月観てるんだねの糸電話今は思い出スーパームーン
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風邪の子に焼くオムレツの甘い香と休む仕事の後ろめたさと
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満ちた月君の街では見えてるの? 空を見上げて問いかける夜
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明るくて大きな月で立ち止まり見上げてしまう様な月です
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大和路の名産柿の届きたり甘い実を食み至福かみしむ
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パーティーの終わりの暗い部屋の隅レモン一つが梶井のように
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朝焼けに 月が彩る 西の空 早朝勤務 楽しみな時
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モフモフの絨毯に変え炬燵出す なにもせぬ日の夫の居場所
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頂くは 妻の苦手な 果物で あへて・・・供へず 息子と完食
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カーテンを開ける刹那の銀世界わかっていても「おっ!」と声上ぐ
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秋空に緑まぶしき柚子の葉や たわわなる実の黄も鮮やかに
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きみにだけ見せた一話のドキドキを今も探して作家になった
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ふるさとの妹からの豊の秋 赤い柿食む陽だまりのなか
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大空に 大鷹おおたかの舞う 夢を見て 腰は痛いが 心晴れやか
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新米が 吾子より届き 涙出る 親馬鹿ながら 孝行息子
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またですか?(笑)言いたげに言う「コロナです」 サディスティックな医師の微笑み
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「微かに」が良いのだと知る散歩道 金木犀のシャワー浴びつつ
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訃報ありあゝあの人も旅立つか 噂の媼は時雨しぐるる朝に
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しもせぬが不要不急の外出ができなくなった熊の徘徊
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レスになり思ったよりも清々しい楽で冷えない下着の毎日
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音もなく 水辺に降り立つ白鳥の 真白き姿冬来たりをり
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宰相の本音ポロリに弁解も軍靴のをまどろみに聞く
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ようやっと布団からぬるり頭出す 肌寒き朝にカタツムリとなる
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頼もしやこの冬初のマフラーは のどむね温め汗ばむほどに
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君の手は少しヒンヤリ光る指 工具の扱い危なっかしくて
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しかたなくビル街を行く祖父の足 踏みたいだろう畑の土を
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日は差せど寒風痛し風音に紛れ聞こえる熊の警報/防災無線
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星屑の金木犀と冬隣 君の誕生日、儚く終わり
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昨冬さくとうの使ひ余り ハンドクリーム り合はす手から ココナツの香
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