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巣作りの 燕は強く 逞しく 排気ガスをも 物ともせずに
33
黒焦げの鍋並べ嫁の粗相と訴うる 記憶に抗うその声哀し
16
朝の陽へ撒きし餌へ舞う群れ鳩と触れ合う爺の影は伸びやか
20
いつ会える金曜日なら平気ねの文に溜め込むランチの笑顔
21
今日くらい早めに寝ろ、と愛犬の 気遣い受けて布団に入る /介助のために昨晩徹夜
25
稀なりや心に燃ゆる蜃気楼やおら夢世にわが身いざなひ
24
ポケットに賢治の詩集お守りに深夜は道の真ん中歩く
16
山吹の花を
蛙
(
かはづ
)
と惜しむらむ春の終りの井手の里人
21
朝まだ早し ひんやり風に首すくめ 薄手の上着襟立て歩く
19
「帰ったら『だれかきた』って言われた」と昭和の父の乾いた笑い
15
いつもより 幾分早く 家を出る 話せるかもと 期待を胸に
16
手をたたき鬼さんこちら育てしがいつの間にやら鬼は先行き
19
まだ眠る
藤花
(
とうか
)
見下ろし ひこうき雲 初夏の翼を 置いて消えゆく
16
しどけなき ヘソ天猫の 腹狙い 鼻糞飛ばし 一喝をする
9
パイプもつキーパーソンは陸軍のやっぱり口髭蓄えし人
8
キッチンと言えぬ広さにグツグツと焦がさぬようにクリームシチュー
14
またひとつ また消えてった 好きな場所 変わらぬものなど ないと知りつつも
14
沈丁花 甘さの奥で あの人の 整髪料の レモンがふわり
16
教科書を 使わぬ算数 野外授業 子らも先生も 足もとはずみて
10
表では 優しい母親 演じてる 己の欲で 鬼の心が お題「鬼」
7
0からの1秒の間に思い出し チンという音で君を忘れた
7
風呂が好き 古いあたしをなくせるからなくしてよかった、って思えるから
7
この先に、何を見たいと思ってる?ずっとあなたがいるならいいな
7
あれやあれ なんやったかな でてこない しってるはずが ほんまわからん
7
検診の「異型上皮」の判定に印押す気持ちはアンビバレント
7
春半ばコーンスープを特売に出すスーパーが三軒もあり
7
桜色や移りけりなる我が心思ふらむやぞ問ふかけもすふ
7
見えへども香よかほりて水なき空に花の盛りに逢はましものを
7
安心したさで謝っている あまりの弱さを叱ってください
7
生きてさえいれば見慣れた痕になる 白鳥座によく似てたり、さ
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