政策の詳しいことは分からんが とにもかくにも物価高市
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絞り出た 夫婦になろうと言う声 困ったように眉を落として
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濁る目に過去も未来も映されず 「今」が逝くのをさえも見落とす
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コンビニでグミとラムネを買っていこう お腹が空くと死にたくなるから
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発話さえできずに包まれるタオルケットは子宮の体温
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くしゃみする たびに誰かが 生まれてる 産声高く 響く朝焼け
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ブラックな フライデーだし 欲しいもの なにかないのか 探す週末
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山が着てる毛皮を撫でさせてもらった ビロードの畔、ボアの樹々揺れて @長野短歌
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教室に「一人にさせて」と「寂しい」が代わり番こに出入りしてくる
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ほうき草 刈って干し上げ来年の地這う南瓜の布団とならん(なるかな?)
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こつこつと やっていること いつの日か 日の目を見ると こっそり思う
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目的は寂れた街のおにぎりや あったか豚汁ボニーテールの君
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小手先の スキームなぞと 曰うは  枝葉を眺め 幹を眺めず
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いつもなら つがいの雉鳩 ぽつねんと 今日は素直に ごめんて言うよ
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ナミビア沙漠われゆかねども紺靑の美靑年など泛べ塩湖に
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帰り際氷のくぼみのところにストロー当てて残りを吸った
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風切りの音が路上をさらってく夜の始まり冬の始まり
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想い出す時間が徐々に減っていく 気づかないふり今日も明日も
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冷ややかな 空気に触れる 鼻先を 風がさらりと 撫でて冬来る
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食べたもの記録初日に衝撃のおやつタイムが5回あったよ/そりゃあ太るわ(笑)
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ベタベタと嫌な思い出 手に付いたガムシロならば拭えるものを
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かまどから離れぬままの母せかす匂いに待てぬ腹鳴る夕餉 / 追憶 五人きょうだい
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行く秋の陽だまりの中さわやかに空色朝顔風に揺れおり
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ふかし芋もはや多くは口にせずなお父へ湯気届けたくあり
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アゲハ蝶 ビオラの花の 蜜吸ひて 西陽に光る 美しき羽
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曲流し我流のノリでリズムとる サザンのパワー部屋中満つる
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抑えても咳の暴発止めがたし 今は出るなと頼んでみても
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土曜日の街はスローな紅葉もみじ色 僕だけ疾風白きママチャリ
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側道の期待に満ちた表情のカラス嬉々とし胡桃にかけ寄る
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待ち合わせ場所に 早目に着き 友を待つに 二つ缶ココア買ひ
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