風運ぶ花粉をまとう干し物を必死で払う軟弱な腕
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半分はどこへやったの?上弦の 月に問ふてる夜風はうらら
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どうすれば順風満帆なんて事生きてる内に遂げられますか
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楽あれば苦あり苦あれば楽ありと鼻で笑って溜め息をつく
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庭の隅 二十年はたとせ共の古鍬よ出番失せては病を憂う
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バーボンの花の香りや春一番 「微笑がえし」鼻歌にして
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信長記太田牛一の忠義たるおれと比べて米ひとつぶの
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雨の降る 少し前には 土の香が 森の香りも 運ぶ春の日
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もし戦後、進駐軍がソ連なら 今頃我らは農奴になってた
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歳ってさ気にする人ほど老けるよねマジで謎だね忘れちゃいなよ
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ウイルスの声を拾ってインタビュー「進化の鍵を試しているのさ」
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まだ君と さよならできそうにないから すこしさ 春泥棒になってしまおうか
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人間は 作物作り 働いて 食っていくもの 基本の基本
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老木の洞(うろ)が奏づる虎落笛(もがりぶえ)聴くかに遠し尺八の音
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モラル違反です 持参の餌を与える客 羊駝が心配 飼育員を探す我
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恥ずかしきしくじりごとの一つにて宿のシーツに染みを残しき
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住民が全員出るまで終わらない 祈ったところで進みませんよ
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山歩き 左に進めば 迷ひ道 我が足止めた 蒼瞳羊駝きみの笑顔
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楽器屋潰れ 補聴器屋に成り 片田舎
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おまへの声が気に喰わないと 精いつぱいの告白を聴く 後朝の床
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社会人になってから 頻繁に 風邪をひいている なぜだろう
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吾に近寄る蒼瞳羊駝きみの動きに笑えた日 だるまさんがころんだみたいで
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ばるより瑞々しいね私たち ただ空見やる瑠璃のふたりよ
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雨上がり 白梅の枝 桜の裸木 何か恐竜のような
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春雨の おぼろ霞て 山の端よ 朝の陽射すや 光こぼれる 銀嶺の嶺 光の渦に 影さえ白く
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じゃあこれも全部にせものだというの?(そうだねぼくがぜんぶわるいね)
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暖かい 一日戻り 衣替え コートが一つ 要らなくなった
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背負った業ごうわざを磨いて業なりわいへ わたくしなりの自業自得
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今晩も 僕が開けるよ 缶ビール 笑顔の君は 黄色いネイル
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一日が 長くて長くて といふ日 あっといふ間に 過ぎ去る日もある
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