寒もどりふくらみかけの桃一輪ぎゅっとまぶたを閉じて待つ春
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冴ゑ返るベランダの朝 残月を探しつ聴こゆ さゑづりの歌
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木の芽風 綻び進む雪柳 髪切り心軽やかな道
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降り続く雪はおおかた上がったか深夜の窓からそおっと覗く
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去る子らに光りを願う心さへ凍てつくままに寒風を聞く
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目覚むれば二日で二尺の雪積みて春は一気に振り出しへ戻る
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身を屈め目線合わせる水仙にご機嫌を問う迷惑かしら
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バッサリと剪定されし並木道見晴らし良きが影の短し
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飯事ままごと乙女椿ヲトメツバキを洋菓子に見立て ケーキ屋営む幼日
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大病を 乗り越え祝う 誕生日 父の破顔に 箸を贈りし
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ゴミ出しもスニーカーの紐締めて まあまあハードな階段生活
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脚色の目立つ噂を聞きながら硬いトマトを噛んでるランチ
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蜘蛛の巣が 成長してゆく 春先の 牛歩のような 綱渡りかな
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熱心に 神を拝める 実家かな 家族の絆は とうに枯れ果て
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喉痛し封印といて「塩あずき」知る人ぞ知る美味なる飴よ (味覚糖)
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樹海の夜スポット4人ひとり憑く女性が唸る!パニック!気絶 (朝礼後の1分間スピーチで聞いた実話)
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滅びから生まるへはるか離るるを春陽のはるはふんわり触れて
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お人好し 装いながら しゃあしゃあと 嘘をついてる 皆気付かない
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顔よりもジャンボおにぎり竹内君おとんが作る愛の頂
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我々は 他国の民に 依存する わが研究者 わが大リーグ/ ○○トランプ調
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如何さまに 見そなわすらむ 釣り針の 如く痩せたる 月に思いぬ
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列島開花 桜のはな扉が開かれてピンクのニンフが駆けめぐる 見落とさないで私も待ってる
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振袖の見知らぬ人の卒業をそっと祝える他人ひとでありたい
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君のそのしぐさについてなんだけど 素敵すぎるし辞めてくれない?
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泣いている意味が分からんだって俺ありがとうとは言ったよな君に
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「Creep」に共感できる人生はそのこと以外最悪だったな
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AirPodsエアポッズ 耳毛はみ出て 白雪になお立つ老木おいき 似てあはれかな
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自殺者が部屋の窓開く静寂は町を縁取る街灯照らす
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あのころはもっとぴかぴかで大きいと思っていたのタイムカプセル
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「しんぢまえ」と画面の俳優に言われやり方を知らないぼくが立つている
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