握る手は嘘なきものよ 終電に 息の白さと「またね」の蒼と 
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「雪だべ」と祖母に微笑むドクターのさくら色した往診カバン
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春想ふ 砂の丘へと伸びる影 そっと繋ぐ手熱を帯びゆく
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あたたかい気持ちを色にしたような たらこもバターもたっぷりパスタ
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時違わず狭庭に芽吹く福寿草 週の末には寒戻るらし
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白湯啜り いっぱしの風邪 なりおれば 家の静寂が わたしを包む
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垂れていたつららも消えて晴れ渡る空色西に走る電線
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やわらかな日射しが窓を温めてる 少し眩しく珈琲啜る
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下敷きに推しの切り抜きはさみこみ昭和の子らは恋をしている
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羽曳野の団地に住まう新婚の私のいない若き父母
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折々にまどみちおの詩集うたを読むぞうさんのに心なごめり
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日中の日差がかなり強くなりあの大雪もかさちぢまれり
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二文字が 喉につかえて 息がつまる まるで私は 白雪姫
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ばらの花 ずっと欲した 美しさ 手にした瞬間 醜くうつる
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AIは AIと表記され 辞書替わり 雇用者の欲動で 変わりけり
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フィルターを何度も変えて撮る夜に 掲揚されたエモに浸れば
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賞味期限切れの涙で耐え凌ぐ 掲揚されたエモに浸れば
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ささみ エビ たまごを洗う アライグマ 手抜きで洗わん ヤツもいるけど
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「AIと恋に落ちたんだ」「大丈夫?」エラーコードは愛の証さ
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稜線を 抜ける夏風 空を抜け 天を貫く音が聴こえる
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バレンタイン浮かれて出てきた人の熱に浮かされて春がそこまで来てる
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便りがない のはよい便り と言うけど 空の便りは 良いか悪いか
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無能なる弁護士選ぶ愚かさが例の市長を追い詰めにけり 田久保某の家宅捜索始まる
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聴く力話す力も頼りない司会者が何故二十年もつ ついに降板
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ガムとゴム二重語と知るや噛むガムを吐きだしにけり ゴム臭しとて
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好きだよと言ってみてよとせがまれて言いも果てずに笑い合いたり
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まるで浅い夢のような曖昧さ回避 私のこれは浅くなどない
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ミラーボールの海だって泳ぐしさ 私はいつも溺れてるけど
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うしろから 視線を感じ ふりかえる やはりお前か リビングのG
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幾たびも眩き金を眺めてし若き日思う乱高下かな 投資詠金価格
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