風もなく 小春日和続く 初冬しょとう だ秋でいてくれる霜月
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白き花弁はなびら 紫に色変わり 魔法の菊 ガーデンマム『ジジ』
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砂浜へ電車ごっこの子ら来れば白千鳥しろちどりそばをトコトコと行く
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段々と 熟し始める 檸檬の実 寒風の中 元気な黄色
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何となく微笑み合える知られずに同じキャンディ口にしてたら
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犬を抱き小雨の中を早歩き 師走の足音から逃げるごと
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拗らせた鬼どもをぎょすストレスは詠う心をごっそりえぐ
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過ちを他人ひとに背負わせ嗤う鬼 日輪刀を打ってもらおう!
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ファンレター発掘 テンション爆上がり そういや ねこ母 もとは物書き
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実家って なんでもあるね 古い写真 長女猫あのこの写真も また見つけたよ
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霜月の夜空 冴へをる 夕餉後ゆうげあと 南に土星 上弦の月
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あさがくる またあたらしい朝が来る 今日も笑って 生きていこうぜ
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カーテンあけ 青リンゴ がぶりと丸かじり 散歩行きたく うずうずソワソワ
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タヌ猫が おててでおみずを のんでいる 写真撮りたや トイレ行きたや
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意味がない生を生き抜く最後までそのことだけに意味があるから
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イチョウの木 剪定された 緑の葉 今年は見れない 黄色の吹雪
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実の如くあかく染まりをる柿の葉 揺らすは風か ついばむ鳥か
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冬支度 終えたるのちの好天を 晴れが余ったと先人の言い
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熱帯に育ったバナナ冷やすなと異動の君があおるバーボン
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拾っても掃いて吸ってもいたる場所湧いて出てくる猫砂の粒
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文字数が合わずに検索 図らずも知らぬ言葉を知れる楽しさ
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今日植えた玉葱だって何本か育たぬだろうそれも世の常
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たまってたポイント使って肩揉み屋 肩甲骨を指にまかせて
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ふっくらとした半月に 見守られ ちま猫ちゃんは きょうも・つういん通院
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「今日こそは テスト勉強」 意気込んだ 数分の後 寝台の上
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経血で己が獣と思い知る 愛は理性の塊だろうか?
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縁の上蛍雪の咳見下ろして強張る左苦い後味
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ホントだよ 言えば言うほど ウソになる ウソを信じた 方が楽なの?
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本能が知能の娯楽を拒否してる 空虚の飾りが醜いわけだ
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白波とキラキラ光る目の前には海と死体
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