なまぬるい涙にまみれ目を開ける夢のつづきはもうみたくない
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先に惚れた方が負けとわかってる 全敗でいいきみがいるなら
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やさしさにきがついたよ思い出せば車の中で泣いたことない
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2階から 外階段を 駆け上がり 屋上に行く 星を掴みに
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「一番」も「特別」すらも望まない わたしあなたの「ありったけ」がいい
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夕焼けて 身反りて見上げる 凍てる岳 冬陽背に射し ひとり影行く
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朝起きて裸眼で古い歌集読む我をカーテンの隙間から見ている あなただあれ?
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3コール 切り替わる友の声帯 246号 午前2時過ぎ。
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洗おうよ 食器洗剤で心まで 大きく無数の 泡飛ばしてさ
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ほんとうにこれがあなたの骨ですかこんなにほそくしろくつめたい
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そしてそしてそして名前のない色があったのでしょう 目の下に隠した夢は
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美しいものだけを見て生きていたい そしたらもっと優しく在れた
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ピーラーを知らない君が淀みなく 剥く大根はナイアガラとなり
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コンビニの雑誌の棚は揃え悪し高還元のクレカ使えず/コンビニ8%
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星空を剥がした指でゆっくりとぼくの秘密をめくらないでくれ
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改札を抜ける心は軽やかに 私を追い越し光の方へ
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一歩ずつ踏みしめてゆく長い路ゆっくりでもとまっててもいいよ
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近似して 綺麗に綴る 言葉より 君の丸めた 誤差が知りたい
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あの人がマスクを外すたび気づく口元のほくろ。花粉の季節。
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いいことが あってもなくても ここに来て レジのおばさん 笑わせて帰る
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いつしかも 語らいまほし 願わくば 叶はぬことと 知りつつ思ふ
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知りたいよ貴方を構成する全て 好きなパンとか私も買うし
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遺伝子が 求めるままに 結ばれて こどもをつくり 役目を終える
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洗濯機 まわし方さえ 知らなくて 電話越し母の 呆れ声聞く
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この春よりシニア女性の健康をサポートせむと爺医の我は意気込む
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一年ひととせに一度の福運なる日には列をなしたり来ぬを求め
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昼休み 昨日の夢に 出て来たと 言われる身にも なってみてくれ
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不死鳥の羽根を毟れば一億の回虫死して生の爆縮
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堕落した兵士容貌かおから溶け出して空に瀰漫するチェシャ猫の眼光かお
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タンポポの 黄色一色 日溜まりに 咲き綻ぶや  坐して酒酌み 草枕
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