いちゃもんをつけられ怒鳴りかへしゆくパンダ行列苦役九十分
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かんちがいやろう目の前止められてざまあ、前しか見てない男
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馬鹿だからグロテスクしかわからない 天使の小言は自慰に溺れて
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薄幸の 悲劇のヒロイン 救うのは 自分の中の 喜劇のヒロイン
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おびただしいファイルの中から彼は『月〜コピー〜コピー〜コピー』をクリックし、
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今聞くと 歴史おもしろ 知りたいな となるのに何故 あの時私
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数年間 勉強をして 知ったこと。 全く自分は 無知ということ。
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一言で片付けられるようになる 言い訳みたいな言葉好きなのに
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酩酊は知らぬが苦しみ溶かしたくて 風邪薬飲んで飲んで飲んで
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絶対に 記念日だって 忘れてた でも予約した それ才能ね
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風呂の水 温くなるまで かき混ぜて 寒さ堪えて 肩まで浸かる
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ブルゾンの  フードをかぶり  暖房を  つけよかどうか  迷ぉてんねん
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かさぶたを剥がすみたいに思い出す江ノ島の海SHIROの香水
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ただ生きた女を見なしたファムファタル 美しいわらの社会は回る
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少しだけ時間が経って手をふいにどけたらそれが最後になった
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じぶんのこえ 無視して底に 流し込む 聞いてないふり いつもの日常
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誰しもが 通る道だと 言う大人 でも子どもたちは まだ通ってへん
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気圧かな?全部こいつのせいにするカード落とした頭の痛さも
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晴れぬ空心の雲に息をかけ 薄明光線我を照らせよ
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アンダンテ プレイリストは君色に ポップの歌詞は口の先から
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三日目の包帯解いた指の匂い ひとりじめする 部屋は見ている
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二年弱経ったよもうね、夢の中 故郷も東京も出てこないのよ
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冬寒夜 歯ブラシ一つの ワンルーム 銀の星と見ゆ 頬から落つ
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ラーメン屋 開店を待ち まだ眠い 午前3時に 列を成す人々     
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正しさを 振りかざすという 間違いを お互いしてた 正しいと信じて
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I LOVE YOU のリボン皆と同じ、勝手に物議を醸さないでね
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十八時 炊飯予約 炊ける音 目覚ましならず 起きたら零時
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荒れた裏庭によそよそしい十六才単身赴任の帰宅
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半人前の親だけどよく眠りよく飲む我が子頼もしき人
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夜半には雨に紛れた星が降る蛍光灯がパチパチしたので
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