野次馬の目も抜いてみたいお年頃 給湯室こそ我がガラパゴス
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春の雪が思い出させた君の香を桜の色の中に見つける
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いつまでもいつまでも痛みつづけるあなたに引っ掻かれた心臓
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聳え立つビルの麓に咲く花を 簡単に見逃す現代人
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輪を作る 楽しき人に つもる春 散りてなお咲く 花の去り際
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花びらが吹き溜まりそのひとひらが唇につきそれも良きかな
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ひらひらとまた一葉ひとひらと己が手で散りぬる花をすくいたまへや
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咲く花のちりぬる前の静けさや我らの前に杭は立たずや
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勝ち負けがの人生を変えないが 何故にうれしいカープの勝利
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再会は 昔の私が建てかけた さいわいのほうを指す道標みちしるべ
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その場所に大事なものはありますか なくてもいいと思ってますか
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髭剃りの泡が足りずに剃りにくい似た失敗をしてきたけれど
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梓弓 はるねに醒めて うつつらに ゆく日をながめ さす玉の枝
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君のこと、好きな人など居なくなれ。世界は「二人」が丁度いい。
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葉桜の言葉に余る気持ちさえ紫煙たちが解いてく
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後ろ髪  引かるる思ひ  花吹雪  田舎の町を  サクラ色に染む
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シャッターが切られる前にキスしたい綺麗な写真なんていらない
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あなたへと夕飯をリクエストする手紙の返事より早く来る飛翔体の通知
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また振られたんだそっか、気の毒に。 ・・・そんな奴より、いい人居るのに
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隣から話しかけるその声に師と気づけども知らぬふりする
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払うべき自動車税を払わずにファミチキを買い満たされていた
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かなしんぼですかという解答欄に「常にそう」と答えたい猫もいないおるすばん
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背の低い タンポポの方を 手に持って 頑張れよって 息を吹きかけ
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市役所の桜は少し早く咲く いつでも桜は桜でしかない
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たくさんの「はじめまして」に出会う春きみが桜に見えた気がした
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爛々と光る猫の目黄桜の一輪二輪と似てる気がする
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メルカリで買えども売らず増えて捨て 利はなく離のみめぐりのとめど
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くゆる火を丸く灯す桜の下 煙る淡紅肺を満たして
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占い師めいた過剰な厳かさ(ゼムクリップをかきまわす音)
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いている 駅と心の 方方ほうぼうに 「広告募集中」の広告
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