蒲公英の綿毛と蜂の舞う中で割られし鏡に笑むのはたれ
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昨晩の おかずがぼちぼち あったから 朝からガッツリ 天丼食べたった  
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なにげない"I LOVE YOU"が歌になり、星になり、もう取り返しつかない
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春の陽に草木踊らす風一つ海から潮の音が聴こえる
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坊さんがお経を唱えはじめたらのたうち回る二匹の天使
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春の宵 霞かかりて  朧月  薄墨の空 月影射して 桜舞い散る しず心  
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春雷が 雲の割れ目に 金を継ぐ 稲妻となりて 彼の地に嫁ぐ
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ニャアと鳴く 古株の我が パートナーくん 新たな家族に 先輩風
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この雨がふいに桜を写すとき いつも見上げたあなたを思い
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あの花が綺麗だねと言う横顔を見ながら歩く僥倖の街
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約束の時まで待つと告げたを 忘れたように君を思い出す
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吹き出しの向きを揃えてくれてたらこんなにさみしくなかったのに
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戦争と飢えと寒さとゴキブリと私を産んだ女が嫌い
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学び舎で学ぶ学ばぬ同窓生 同じ地平で月とスッポン 
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うしろ髪 しなやかに揺れ 残り香溢れ  生きる満ちる  春惜しむ
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複垢の全部が一緒のタイムライン 私はほんとにつまらぬ人だ
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パトカーが俺の後ろを走ってる  一緒に町を守りませんか
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快晴の公園で笑う君が好き 僕の醜貌も霞むから
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丁寧に畳んだタオルを枕にし 今は生地に悩む毎日
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アネモネとかたみに奏づ旋律はドレス宝石纏ひて舞へり
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「アプリです」恋のきっかけまぶしくて 公衆電話に硬貨が落ちる
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すり抜ける孤独を逃さず拾ってね、みんなに還す仕事をしてます
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都行き 惑う大人の 雛鳥よ 見送る風が 翼を撫でる
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どこからか宅配された髪の毛の束の根元に血がべっとりと
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本当の恋に別れを告げた後 月が初めて満ち欠けをする
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何日か先の気温の予報見て薄手の部屋着まだやめておく
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花の色はうつりにけりな緑色あをいろに卯月よにふるながめせしまに
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落伍者と ダサい自分を 断罪し 太宰の自戒 身に照らす獺祭だっさい
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頭薬のごとく光る文机の身捨つるほどの家族はありや
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明け方に ただいまという 母の声 安心をして もう少し寝る
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