ほろ苦い 砂糖の雪に 指を置く 穴の向こうで 今日が手を振る/
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雪化粧、南の土地に薄く付き 北の貴方のお土産かしら
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飼い猫やおまえもおれのかごの鳥 幸せにして哀しきものを
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愛された証拠はいつも抜け落ちて 得た幸せをかたどる不幸
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逆パース :遠くのものを 羨んで 身近な人を 軽んじること。
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きょう一日のやなことぜんぶ押し込んで  ミキサーにかけ忘れてしまおう
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「なぜデモにいかない?」「コスパわるいから」全共闘のうたは泡沫
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この雪に 板チョコ一枚 突っ込めば バリバリボリと 良き音立てそう
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うまくない 血を入れ過ぎた チョコみたい 短歌のふりした プロパガンダは
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先人の通った道は通らない 白き通りに足跡遺し
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霧深き 富士に女神の 立ち降りて 風を起こして 日本晴れるか
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「抱き」枕夢の回廊たゆたえば「おんぶ」枕にひと休みして
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溶け残る融雪剤を踏みしめてここから春を歩き出そうよ
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新雪を踏みしめたくて 電車に乗る 北の地憂い 気がとがめつつ
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白き野を染めた我らの足跡が青空の下そっと隠れり
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雪国の春雪原せつげんの凍み渡り これに勝る愉しみは無し/異論は認める
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黙々と 歩く姿は 徘徊か エキササイズか  ほくそ微笑む我
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彼の子と思って大事にしてたのに鑑定したら夫の子だった
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逝きし人より託されし 会計のくすみ色したページをめくる
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サザエさん日曜にやる始まりでベランダに出て明日を語る
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伏せられたカードをサッと返したらあなたは実は天使なのでしょ?
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春の水両手に汲んで冷たさを確かめてみる野の小川から
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極寒の選挙済みてもまだ極寒 冬眠のぞむも許さぬ五輪
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「普通」という名のバスをまた見送りて 私は私の歩幅で帰る
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ムチャぶりの手品みたいなお見事は一年たってやっと初恋
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赤き実の光りし庭の万両を啄む鳥と睦月が去りぬ
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雪だけですべてを覆う冬の夜こんなに白く失われるなら
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顔そむけゴミ出す人へ「おはよう」の苦さを連れて青空仰ぐ
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右側に白く連なる工場棟左裸木の富士見通り徃く
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ジャケットのフードをかぶりしのぐ雨 傘持たぬ時予報は当たる
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