春を呼ぶ 陽射し艶やかに 紅梅の ほの香漂ふ 日溜まりの
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恋人じゃないがお袋大好きで「妣(かあ)さん二重焼チンするね」
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栗の木の太き幹の鳥穴は 啄木鳥あらず鵯なり
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貴方への 人一倍の 愛情は 桜のつぼみ まだ頑なに
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葉桜に囲まれ匂ひしるく立つ突羽根つくばねの木へ蟻の一筋
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ロッカールーム。渡せなかったのど飴を、独りなめてる。心もスースー。
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原っぱで立ち止まり 見下ろす少女 四葉クローバー探すかの如
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あの頃は幸せ過ぎて友だちを失くしたのってきみはほろ酔い
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12キロ痩せた努力は水の泡 副作用には勝てないと知る
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困難の 多き時代を 歩き行く 百年先の 未来は如何いか
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絵日記を付けるが如く詠む視線ピャッと素早くヒヨドリ逃げて
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見ないうちふたりは大きくなったねえ。はにかみ笑う笑窪えくぼがぽちり
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完璧な朝じゃなくてもいいじゃない 光を浴びに靴履く休日
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農協の旅行直前キャンセルす去年の約束やはり叶わず
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「邪魔だよ」と「退けよ」とおきな毒を吐く他人ひとのささくれ我が身に移る/いつものスーパにて
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咳き込めばトローチ持ちて妻のくる隣の部屋の壁の薄さよ
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彼岸前もう満開の木蓮が手持ちぶさたに風にゆらゆら
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八の字に富士の春雪かすみゆき八雲神社の水仙揺れる
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すぐそこの春の気配をかき消してびゅんびゅん吹雪く冬のプライド
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真っ白な紙の中から現れし尾っぽを立てて迎え出る猫
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低く飛び白高ければ黒今朝も白鳥たちの編隊が行く
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住宅街 カレーの香り 帰り道 ひとりぼっちの部屋は夕暮れ
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自炊の字すらも浮かばぬ三年目TKGなら作っているよ
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かすがいの 子どもがあっても いなくても 互い離れぬ 磁石がいいの
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わがままと文句ばかりの宇宙人 ジャージ制服 ソファに投げる
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倉庫へと続く薄暗いこの廊下。あの人と二人、歩いた廊下。
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あんな妄想をしてしまう僕は多分君のことを愛してない
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恥じている日々のやり直し量子旅行 細胞足らずにヒトでなくても
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生き方は、死に方。烈火にいだかれて、あなたは地獄へ行くのだろうか。/夢で見たあの子のために 火の男
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元気だと思うんだけどお粥とか食べたい気分  元気なのにね
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