今もなお時を刻めり腕時計 手にとる朝に早春の風
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隠し財布より 出る遺品の メモ書きは 父に渡した 我の番号
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放課後も解けぬ問題 青ペンは数式よりも君の名なぞる
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明け方の 夢に出て来し 通学路 我が母も師も この世に亡きに
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彼方から始発が響きまっさらな今日の端っこ解(ほど)かれてゆく
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五輪での嬉しくて泣き悔しくて泣く若きらの姿眩しき
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付き合いが苦手で海の大好きな祖父は夢見た灯台守を
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肉まんを 耳当てがわり 笑わせる お茶目な部下は 還暦間近
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「一」足せば「辛い」気持ちは「幸せ」に 下は向かない前に進もう
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お祝ひに 遠くの友へ バースデーLINE スタンプと一首を添へ
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ツムツムと言の葉つむぐ僕の色 降ってくるかな?掴んでストンっ
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仏壇の 花を整え ふと気づく 心も同時に 整っている
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北窓のデンドロビウムに逞しき花芽みつけしふたつみつよつ
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両脇に 幼な子かかえる 細腕が かけるメダルは 何色だろう
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法事でも 家族に会える 幸せは 格別でして ワクワク待つわれ
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行列や現世利益の祭神に 忍耐力を競ふがごとく
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親といる限られた日は短くて元気なことはありがたいこと
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あたたかな夢の中では手をつなぐ 現実はそんな甘ったるくない
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聞くことで増える新たな必要を嫌う大人になりつつあって
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お茶濁し 核心突けぬ 原発報道 虚しき時が過ぎていく
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諦めたつもりでいてもまだ好きでインスタの親友に入れてる
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北極こえグリーンランドより飛び来たる微弱電波は春の使者ならむ
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そうだよね 真面目すぎると損だよね さぞかしあなたは不真面目なのね
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虫よろしく 日々を蠢く 僕の眼は 鳥のように 魚のようにと
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風向きを気にしてくるくる煙吐くきみと目が合う春はもう来る
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Aiを 愛と呼ぶのか 人類の 話し相手は Aiある機械
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リビングに 黄色い目をした 老いた猫 聴いているのか 聴いてないのか
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知性では 人工知能に 勝てぬから 涙ながらの 感動話
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忙しない 正しさの中に立ち竦む ひとの形を保てない午
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最高の価値創出こそぼくのボスあんたじゃないんだおめぇでもねえ
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