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コーヒーを淹れる数分 未来には内緒で僕を取り戻す場所
31
注射後にアウアウ鳴いている犬を宥める獣医のやわらかな声
28
絵日記を付けるが如く詠む視線ピャッと素早くヒヨドリ逃げて
24
雪虫と呼ぶを知らない子供らのその雪虫が春に飛ぶこと
34
見ないうちふたりは大きくなったねえ。はにかみ笑う
笑窪
(
えくぼ
)
がぽちり
35
降りて来ぬ 思い浮かばぬ言の葉を 苦悶の末に一首絞り出す
24
石橋を叩いて渡らぬ
七十路
(
ななそじ
)
の君の復職苦難へ飛ベリ
32
完璧な朝じゃなくてもいいじゃない 光を浴びに靴履く休日
29
「邪魔だよ」と「
退
(
ど
)
けよ」と
翁
(
おきな
)
毒を吐く
他人
(
ひと
)
のささくれ我が身に移る/いつものスーパにて
25
咳き込めばトローチ持ちて妻のくる隣の部屋の壁の薄さよ
23
ちま猫ちゃん しっぽぴーんで よいごきげん ゴハンもたべるよ だいじょうぶだよ
25
震災のあの日を胸に刻みつつ 祈りて閉じる今日のまなざし
31
天空の 宮殿の鳥 鶯は 春を
告
(
つげ
)
むと 舞い降りて
啼
(
な
)
く
29
まっすぐな学ぶ姿勢の眩しかり小さき歌会の仲間のことば
33
馬鹿がいい馬鹿を目指して馬鹿を積む馬鹿は前向き馬鹿は希望さ
18
「ごめんね」と言えば「いいよ」と決まってた。いつの頃から「いいよ」で済まぬ
22
自信薬あれば誰もが主人公 優の劣のと思わなくなり
19
雪解けの 春の陽気に誘われて 季節を食むる茎立摘めり
27
戦火の世 平和の夢は踏まれゆく草は倒れつ「イマジン」詠う
29
俯きて君を見送る紫のクリスマスローズ風のささやき
33
ぷっつりと噛めばはじける春の香の 翠の粒やえんどう豆食む
33
ベトナムへ行かぬと決めた「
A
の意志
(
モハメド・アリ
)
」継いでいこうよ全人類で
18
また来ます または何時かと 訝しむ 吾の脳内は いまだアオハル
15
午後一時 待ち合わせする バス停へ 切りたての髪 足取り軽し
21
風の
音
(
ね
)
にひとの声聴き肩越しの白詰草に春告げる陽は
22
実家の
猫
(
タヌ
)
ちゅーるも食べぬ朝が来た まだ生きてくれ まだ生きてくれ
31
里帰り 最寄り駅にも ホームドア ところどころに 令和の文化
35
校章をはじめて知ったのはたぶん卒業式の退場のとき
24
旧友とお喋り尽きず二時間半 明日からの糧となりにけるかな
23
植民地支配のやうにアメリカのねっとふりっくすだぶるびーしー
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