もういない人の好みの味付けで 私のために作る肉じゃが
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大楠の洞に入りて息ひそめ樹齢に滲む樟脳のかほり
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サワガニが横に進んだ道なりを 前に進んで追いかけて行く
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ぽつとぽつ 草木が「降るぞ」と噂して 私は散歩の きびすをかえす
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叡山で消火訓練やってたよまだ信長が怖いんだなあ
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雨だから君が頭痛にならないか心配をした 変わる信号
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君の居ぬ間に食べる辛ラーメン ひとり暮らしの風が吹く夜
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青天が爽やかよりも汗を呼び 春の終わりを夏が追い越す
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木々のの静けさそよぐ曇り日は葉の色合いもどこか安らか
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釣り銭を 正しき額で 差し出せず 我に財布を 開きし老婆
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万葉の 人の嘆きを詠めばなほ 千の月日も 人は変わらじ
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二組の万年布団の片方が謝るように畳まれている
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ホッピーのグラスの先に青い夜 カフェーテラスのない浅草で
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いろいろな憂さを抱えて貼り付けた笑顔の裏の重たい身体
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にょきにょきと 立派なアスパラ顔を出す 心と身体に 元気チャージ
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風薫り妻には妻の予定でき子どもとべつで集うママ友
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旅終えて 帰れば我が街輝きて 凡庸で良し 我の居場所は
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たらればに縋る毎日もう二度と 分岐できない過去にサヨナラ
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現実を受け止められず左折した広がる原野に希望は見えず
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人生の秋にいても毎年芽吹く若葉の様に学んでいたい
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オリオンの 窓から見えた 地球は今 まだ青いかい? そして平和かい?
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二人して料理した日朧げに いまはひとりで鍋作り頷く
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銃声と存在意義とひとりごとペトリコールと空と春の日
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公園で曇りのしたで遊んでる義務感じみた家族団らん
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気だるさとめまいで自由を奪われて 自由に動ける奇跡に気付く
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外来をすませ医局で一服し「一日一首」に生き甲斐おぼゆ
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祝日か振替なのか何の日かわからぬままのシフト出勤
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高原はなお裸木のまさる頃 牧場に幽か早緑さみどり萌ゆる
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実家から帰るわれ送るゆっくりと歩きだす母背中さみしげで
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長年の役目をおえて去る女性ひとの過ぎし苦労は喜びにかわる
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