文具沼 ‘旅人の工房’ 古都京都 愛と路銀を 書き捨て掻き捨て
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詐欺誘拐の大規模化 姿は見えず 金と情報 目に見えず
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小春日和 微睡む黒羊駝アルパカ 頬を撫で 寄りかかられて 嬉しき想ひ出
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目で見て手にして選びたい 「ランキングの花畑」 惑うことなし
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離れゆく恋を見送るなだほろり 鏡写しの雨と消えゆく
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正解が 出ないことも あるんだと  大人になってりゃ わかってるはず
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さよならの 言葉吸い込む 皐月の空 また多分君の 夢を見ていた
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吐く息にいつか消えてくときめきと君が焼いたパウンドケーキ
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「お綺麗なお名前ですね」と褒められた 面接官も負けてなかった
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不器用にナンをちぎって食うわれをなんにも言わず君は見ている
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涅槃西風(ねはんにし)吹く日の午後を谷町の能楽堂に琵琶聴きに来つ 筑前琵琶演奏会
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かのひとを思いて花を選びしがその良し悪しをわれは知らずも 筑前琵琶演奏会祝花
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今日の蒼瞳羊駝きみ ご機嫌斜め 目も合わず 触れ合い出来ず 虚しく帰る
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来年は 手作りチョコに するからね そんなことより そばにいてよね
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パソコンの天寿を確認せしあとのハードディスクとメモリは形見
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マスコミと 民の狭間が 深くなり 声なき声を 叫びたりけり
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沈黙の中に響いたアイコスの終わりを告げるバイブレーション
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目の前の 不幸を厄と 思うなら 永遠無限の 世界ありなむ
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このお菓子 こんな小さく なったのか はたまた私 大きくなった?
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同じ絵のポスターならぶベトナム語英語中国語、日本語はなし
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まだ恋を知らぬ吾子つれ万智は西へ 3.11 早十五年
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聞き方や その内容で 固有名詞が変化するAIの危うさ
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花売りの罪振り返る 戦への加担幾度も束ねた七彩
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幕末に 今更ながら ハマり中 図書館通い 読み耽る吾れ
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冬の背に 背負いし頬へ 孫の息 おぶうぬくみが なぜか切なく
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蒼天を 背景にして 裸木見る 幾日か先 満開桜
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前を行く 人を抜かんと 急ぎ足 鼻差届かず 店の入り口
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幼くて涙の訳は知らねども眦拭う母と泣きにき 『母を恋うる記』
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片腕をメンテに出せない世界線パシッと合わせて鳥居の前で
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インスタに 笑顔の自分を残しても 防犯カメラは真を知ってる
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