もしもしと もろもろ申し 師もすこし 詩文字起こしし もちなおしもし
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血管を無意識でねじりトイプードル 怒りは涙と同類らしい
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ナカムラは宗教の人に話し掛け 少し仲良くなって別れる
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優しく微笑む君の顔が好き 私の首を絞めながら見せて
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命の灯 既に消えゆく一縷の光 火桶の中に白き灰舞う
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半ケツで 納戸に紙を 取りに行く なにやってんのと 冷ややかな嫁
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売れてます 売れてないから 売れてます 売れてないから 売れてますいう
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バーチャルな 狂気に満ちた 地下世界 キミもわが子の 肌の色決め
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年の瀬に なんでも言って 委員会 和気愛愛と 楽しく議論
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聖歌隊 高齢のため 声も枯れ 物悲しいね 賛美の歌も
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誹られて ひどい言葉で 侮蔑され それでも笑う 自虐の極み
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ビールよりアイスクリームより好きな娘(こ)に私もと恋は糖尿
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推し事の 匂わせきつい 此方にも 匂いがくるわ 鼻より心
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絆創膏赤がにじむ指先にまくと大事に思える 自分が
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願うのは 当直の君 起こされることなく 眠れてる ぐっすり休んで
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よく生きた 長く生きたと 胸を張る 表彰してよ そういう感じ
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この僕が生きてたというその事実石板に彫るかさもなくば
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だめなんだもうだめなんだ繰り返し嘆くの飽きた明日にしよう
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食べログで店を調べる長さこそ愛情なのだと叫ぶ川沿い
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迫り来る月に与えた笑撃は しゃべくり一本の装備のみ
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言葉など 塵と同義の 世の中に 語るも無駄な 自分のことば
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誰一人 仮面無しでは いられない それが役者人らの 箱庭芝居
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人間は元来、孤独。なんたってお腹は空くし喉も乾くし
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さよならと声にする朝 傘を投げ抵抗できず雨に打たれて 
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手袋を探し探して日が暮れて見つけた頃にはクリスマスかな
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コロコロと 余りし柚子を 水洗ひ 遺影の父と 柚子割り焼酎 
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僕だけの全米泣いた真っ青な日だったなあまた明日へ忘れる
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この窓は オリオンが走る ※大六角を立てて 昨夜は月を 追いかけていた
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哀しみに刹那打たれて落丁の次第に増えし人生を生く
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先人の 運んだ 丸太と岩の道 踏みしめてゆく 三輪山登拝
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