どうせまたAIでしょと思うたびこぼれ落ちてくときめき感動
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恋人らのないしょ話を聞き終えて砂浜はまた海と語らう
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予約した 駐車場が 見つからず キャンセル料に モヤモヤつのる
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怖かった⋯でっかい蜘蛛と格闘し震えながらも張り手一撃
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冷え込めば冷え込むほどによく研いだ大鎌のごと光る三日月
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晩秋に木の葉時雨は降り止まず園児のポケット落ち葉の入れ物
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麗らかな陽射し翳れば瞬く間 冷える足先 冬を告げをり
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寅の刻 感謝知らずの 血筋だと 夢に起こされ ぢっと耳澄ます
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砂浜へ電車ごっこの子ら来れば白千鳥しろちどりそばをトコトコと行く
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半分の 月が私に お似合いと 満月ほどに 完璧でなく
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犬を抱き小雨の中を早歩き 師走の足音から逃げるごと
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亡き父へのダイレクトメールまだ届きとりあえず生きていることにする
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隠れ家で 鶏すき鍋に 唸る我 野菜の旨味も 出汁に溶け込む
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ひさびさの青空うれし空のいろペールトーンの優しい冬の
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幸福も不幸もきっと平等だ街ゆく人のきらめく幻影
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日中の友好願い「大地の子」名優逝けど光る霊魂たましい / 仲代達矢氏を悼む
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観葉樹 渇いた土に 水をやり 根の先までも 届け冬の日
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健康になるべく治療を開始してトレードオフの痛みに戸惑う/健康とは?
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濃い青にバサリ羽ばたく光る白鷺が旋回ひとつして去る
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餅つきを 撮っていただけ 記録班 筋肉痛も しっかりうつり
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裸木の枝振多彩なるを見て 描き写したし絵心あらば
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枯れ葉散る間もなく 枝を落とされり 街路樹の剪定 理髪の如
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朝との境界線に照らされて我が主役とばかりのしっぽ
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おい下僕 犬だ犬いる他の犬! 問答無用 我を引きて犬
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業火這う赤い布団に浮き沈み 乳掻きむしる遊女悲しき
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幸せな約束がある7日間 切なく苦しいあと7日
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ちょっとだけヨコシマなことしてみる?と肩にもたれる霜月晦/八年目はじまる
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「胸貸すよ」「助けてあげられなくてごめん」届くLINEに救われて/会議のあと
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永遠に 君の援助を し続ける! 火炎ヒーラー 魔女に求婚
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激動の日々はいつしか過ぎて行き光を纏い冬の日優し
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