幸せを受け取りました。わたしから誘えなかった映画きみから
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離れてるから俺の代わりにそう言ってくれたストール三年目/寒くて登場
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どうせまたAIでしょと思うたびこぼれ落ちてくときめき感動
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恋人らのないしょ話を聞き終えて砂浜はまた海と語らう
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予約した 駐車場が 見つからず キャンセル料に モヤモヤつのる
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街の灯が幸せそうに見える日は私がとてもちいさいからだ
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まだ音が無かった頃の言葉みたいイチョウと夕日の光に包まれ
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まどろみの夜ほころびゆく午前四時そっと犬と歩みゆくかな
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冷え込めば冷え込むほどによく研いだ大鎌のごと光る三日月
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旅戻り早速干しいも作業する無事に感謝し日常始むる
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夕暮れの茜の色の残照に孤高に光る冬の三日月
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程々の緩さを秘めて仕事する真面目なあの娘に伝えられたら
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指先が母になりゆく初冬の夕 ポテトグラタン肉じゃがにする
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はつらつと若きスタッフ心地良く週一なれど心が弾む
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麗らかな陽射し翳れば瞬く間 冷える足先 冬を告げをり
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寅の刻 感謝知らずの 血筋だと 夢に起こされ ぢっと耳澄ます
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庭園の 水面を泳ぐ水鳥の 広がる波紋初冬知らせをり 
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喫茶店 落ち葉降り落つ窓外そうがいを 見をれば冷めし舌焼くコーヒー
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半分の 月が私に お似合いと 満月ほどに 完璧でなく
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差し込んだ光を編んで君宛てに冬の夜空で凍えぬように
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控え目に 片隅に咲く 秋の薔薇 みなぎる赤色 パワー受け取る
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「生きてまた会いましょう」まで聴き終えて明日あすの事など 考えてみる/「みんなで引きこもりラジオ」の後に
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亡き父へのダイレクトメールまだ届きとりあえず生きていることにする
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少しずつ防雪柵は組まれゆき里の風景日ごとに狭まり
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ひさびさの青空うれし空のいろペールトーンの優しい冬の
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幸福も不幸もきっと平等だ街ゆく人のきらめく幻影
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日中の友好願い「大地の子」名優逝けど光る霊魂たましい / 仲代達矢氏を悼む
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四十肩患ってはや数ヶ月一喜一憂する可動域
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あの雲のまるい光は十日夜三月見だとならぬかなるか
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観葉樹 渇いた土に 水をやり 根の先までも 届け冬の日
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