スカジャンの中の 礼儀正しき心 優先者に席譲りぬ紳士
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襟髪をつかまれるよにふりむいた 確かにそれは沈丁花の香
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我からも粉舞う姿にたじろかれ思えばあわれこの向こうずね
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このような春めく二月十四日見たことないと辺り見渡す
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気のおけぬ 学生時代の 友たちと 苦労話を 笑い飛ばして
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スーパーに 百円の春 並びおり ピンクのスイートピー まずは仏壇
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思いつく ものを歌えば それでよし 浮かばぬ日には 口開けて待つ
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終わりの風を見てみよう 映像に メディアの中に 身の回りにも
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一気に春! 「啓蟄」はまだ先なのに 寝てた生き物 ピョンと飛び起き
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変な顔は お互い様か ちらちらと 猪首の女 こっち見て居る
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目が合いし 猪首の女 ぎっちょにて 品よきさまに 鮭ほぐし食う
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冷ややかに 一瞥投げて すたこらと 猪首の女 去り給いけり
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それぞれの 思惑秘めて 『こうもり』の 三重唱は 始まりにけり オペレッタ『こうもり』
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かの海の水脈(みお)はとっくに消えにしをまた現れて恥かきにけり 某落選候補者
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誠実と言う美徳をもせせら笑う心貧しき国となり初む
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肉餃子箸で指すキミをまるで育てた責任負うが如く叱りおり
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大寝坊 突かれた時の 言い訳を あれこれ拵え 吾の浅はかさ
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あの思い出は 風邪シロップのよう 苦みに甘み残す
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雪道に 残す営み 増ゆる朝
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甘さ消え 冷めた酸味の 一言目
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郷愁を振り払うためトンカツを生焼けを食うカラシで食ったる
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グーグルの Aiさんと お友達 結構良い奴 プログラミング
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水飲み場 陣取るボスに 近づけず 諦め草を 貪る羊駝達
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よこやりを なさせそといふ きみなれど わがたづさへりは ひとごころなり
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好きになれ、私が好きなものだけを。自分を好きになってよ、君は。【推し本人に布教している恋】
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愛を唄えば 宇宙一の このわたし いまからあなたに 恋を叫ぶわ
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眠たさに尖るつららは 水溢れ 冴えた頭で送るは「ごめん」
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「じゃがりこは必ず偶数なんだって」クラスのマドンナとついた嘘
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本気ではないということないけれど 休みを欲しがるのはわがままですか
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大切にしまった夢の続きはもう溶けてすっかりかささぎの中へ
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