寒空に 知らぬ心の それ哀歌 理解者の手 儚き霞 
6
記憶喪失になった私に「ただいま」と言う何か 嗚呼花束と結婚していたのか私
6
文具沼 ‘旅人の工房’ 古都京都 愛と路銀を 書き捨て掻き捨て
6
詐欺誘拐の大規模化 姿は見えず 金と情報 目に見えず
6
小春日和 微睡む黒羊駝アルパカ 頬を撫で 寄りかかられて 嬉しき想ひ出
6
目で見て手にして選びたい 「ランキングの花畑」 惑うことなし
6
離れゆく恋を見送るなだほろり 鏡写しの雨と消えゆく
6
正解が 出ないことも あるんだと  大人になってりゃ わかってるはず
6
さよならの 言葉吸い込む 皐月の空 また多分君の 夢を見ていた
6
吐く息にいつか消えてくときめきと君が焼いたパウンドケーキ
6
「お綺麗なお名前ですね」と褒められた 面接官も負けてなかった
6
不器用にナンをちぎって食うわれをなんにも言わず君は見ている
6
涅槃西風(ねはんにし)吹く日の午後を谷町の能楽堂に琵琶聴きに来つ 筑前琵琶演奏会
6
かのひとを思いて花を選びしがその良し悪しをわれは知らずも 筑前琵琶演奏会祝花
6
今日の蒼瞳羊駝きみ ご機嫌斜め 目も合わず 触れ合い出来ず 虚しく帰る
6
来年は 手作りチョコに するからね そんなことより そばにいてよね
6
パソコンの天寿を確認せしあとのハードディスクとメモリは形見
6
マスコミと 民の狭間が 深くなり 声なき声を 叫びたりけり
6
飲み明かし ムソルグスキー 想起する 絵が重なりて 門が開きたる
6
沈黙の中に響いたアイコスの終わりを告げるバイブレーション
6
目の前の 不幸を厄と 思うなら 永遠無限の 世界ありなむ
6
このお菓子 こんな小さく なったのか はたまた私 大きくなった?
6
計画で停電が来る 待ちかまえ布団のなかですごす二時間
6
吾妻山 冠れし雪が 形変え 衣を少し 脱ぎたるように
6
やっぱりね住めば都だ 片付けを終えて眺める新しい土地
41
最期まで ごはんを炊いて 味噌汁を つくって食べる 老いさらばえても / 立春の朝
43
冬晴れや水減るダムの底深く沈みし郷のまほろばの影
41
民衆少なからず飼はれたる故に此処に危機あらざる今は
30
かぎろいの春野を行かば海の見ゆ 父母眠るふるさとの地の
38
冷えすぎた 身体を癒す 豚骨の 匂い誘われ 太麺啜る
26