Utakata
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「産むんでしょ」「妊娠したの?」「孫はまだ?」フローリングの蟻をつぶした
25
ひっそりと ロフトへ昇り 歌綴る 小さな灯り 私を染める
21
旅先で 旅館の子どもと 知り合って 帰っちゃうの?と 聞く子にさよなら
17
漆黒の闇歩きつつ思い出すかつての悔いと
永遠
(
トワ
)
の別れを
15
洗濯がはかどる天気だ お隣のベランダから微かな鼻歌
15
見回すが子供は見えずシャボン玉一つ現れて空へ昇った
16
山を越え川を横切り風に乗り気にも留めずに鳥は羽ばたく
14
買い替えたフライパンで焼く餃子いい焼き色はよそよそしくて
21
何かこう棲む星多分間違えて生きおるような自分呆れて
15
石投げて波紋。小石投げて波紋。伸びた影までズックで石けり
13
何にでもなれるし何でもある国でひとりの不在に錨を下ろす
12
ハナミズキ 色鮮やかに 踊りだす
花
(
きみ
)
は今まさに 輝いている
11
このベースやけに心を震わせるつけているのは片耳なのに
12
初夏に聴く風の音色は水紋の泉に透けてそよぐゆらめき
14
朝起きて時代劇見て気になりて原作を買う百十円にて/NHK・陽炎の辻
11
縁側で我が良き友とヘボ将棋 詰みを憎んで人を憎まず
11
長渕も美空ひばりも
X
(
エックス
)
も平成元年流行歌きく
11
木漏れ日の流れる川の咲く花の 命にひれ伏す我は人なり
14
部屋中にハッカの匂い漂うも窓に張り付くカメムシ二匹
10
ダッフィーの緩い温もり抱いて寝る
(
山里は 冬ぞさびしさ 勝りける
)
人目も草も かれぬと思へば /28/100/ 源宗于朝臣
10
うっとりと五感を抜ける潮風に四月の海を確かめている
10
もう少し黒めの薔薇はありますか 忘れたくない人に贈ります
10
本棚も椅子もベッドも溶けていく 夜に溶けない私は一人
10
霾
(
つちふ
)
りて 霞む山並み長閑なり 卯月の空は初夏を告げをり
26
休日に のんべんだらりの 自堕落も 会心の歌に どんでん返し
10
この時期が一番夏を忘れてて 都合良すぎる夏に恋する
9
くだらない世界が少し輝いた 君が笑って空気が揺れた
10
うたた寝で いつもより寝た はずなのに いつもと同じ ふつうに眠い
12
三杯酢浅く残って気まぐれに〈ソ〉と〈リ〉のフォントを産む
心太
(
ところてん
)
9
ながらひもこそすれ何を
三枝
(
さきくさ
)
の
幸
(
さき
)
くを願ふ修羅の
巷
(
ちまた
)
に
13
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