前髪さえ切ればなんとかなるのよと鏡に向かい鋏振るう夜
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曇天に燃ゆるツツジの陽だまりが蜜の香りを風に運ばせ
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ひい孫が零れ桜の通学路嬉々として行くのどかなる朝
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わたくしの 椿のような 恋心 終わった時に 「落ちた」と呟く
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風の音で目覚めた朝は手を伸ばし毛布のなかに春を連れ込む
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イノシシに先をこされて竹の子は少しも口に入らない春
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山吹の枝垂れる様の美しさ丸く刈り込むいもいまいまし
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着飾って 見え方気にする よりずっと 素直なほうが 可愛げあるじゃん?
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「よし、いい!」と思える短歌うたをいざ打たんアプリ起動中宇宙そらの彼方に
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海底で君と朝日へ揺れていたあの日恋しく景色が滲む
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不在の 自由奔放 ヘデラのツル 我がもの顔で隣家のフェンスへ
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チビ猫の 首輪もどっか 見当たらない 買い替えどきを 知らせているか
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わたくしの善悪の程如何ばかり猶予の今に考へもなく
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一年の 悲喜こもごもを 知りもせず 昨日のごとく 燕が戻る
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道端に放り出されてたヘルメット拾って見たら実が詰まってた
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おさな子の手を引き歩いた野辺の道 変わらぬ風情ふぜい 若葉萠え立ち
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蒲公英たんぽぽや庭に届きしわたひとつ植ゑてブタナと知りぬ粗毛あらげ
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どこからか宅配された髪の毛の束の根元に血がべっとりと
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書き損じ一枚めくれどなほ書けぬ 写せぬ思ひゴミ箱の底
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予定なき日々が待ち受け猫伸びしカラッポの心跳ねてころがる
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寒天と缶入り汁粉混ぜて食う水ようかんを作りもせずに
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落伍者と ダサい自分を 断罪し 太宰の自戒 身に照らす獺祭だっさい
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あんたって 人質になっても 楽しそう わたしもいつか そうなれるかな
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つがい鴨 仲睦まじく 微笑まし 南風吹き 薄氷崩れ 春去りゆくや
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戦場で ピアフに耳を 澄まし間に 鈍色の空に 大地がきしむ
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締め付けの酷い頭にドロップキック これって感電じゃないんですか?
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木影咲くハナニラ魅入られようとも当の花には肥えにもならず
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嬉しいなぁ 週休5日も 初めだけ やっぱりそうか必要ない俺
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リクエスト 2回スルーし 2ヶ月後 2曲目に歌う ずっと好きだった
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魂にえらがあるから生きづらい君のいるべき海へおいでよ
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