ラブラブのハスキー二匹を唸る犬 恋の火花を春が覗けり
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かもめらが 夜の帷を めくりあげ この街の海に 朝がこぼれる
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まだ暗い 部屋にひとりの呼吸音 宇宙そらとわたしの 秘密の時間
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切り捨てて 痛まぬ心の鈍感を 冷静と呼び 鬼もこごえる
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最期まで ごはんを炊いて 味噌汁を つくって食べる 老いさらばえても / 立春の朝
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冬晴れや水減るダムの底深く沈みし郷のまほろばの影
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太陽も星もコンパスなるらしき 春待つ白鳥はくちょうシベリア思ふ
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部屋干しで みるみる上昇 湿度計 洗濯日和に お日様ゴメン \ 関東はカラカラです
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あの人に惹かれ過ぎてる 輪唱で同時に歌い終わるみたいに
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地吹雪のやみて鳥らは眠れるか宵闇のに光る粉雪
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ただいまと 帰ればきみが お出迎え 一緒にうたた寝 優しい時間
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ダイヤルを回したことの無い恋は焦れて急かせる鼓動も知らない
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優雅舞ふシラサギ冬田に降りたれば鶴と見紛みまごふ美し一こま
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子供等は雪を望んで大人等は雨を願って明日を待つかな
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美しき清き臣民にメシアのごと宰相の攣れるほほゑみ
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動員へ傾る水晶前夜ナツィストへ語る未來に虐殺の譽
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学びの場「言の葉日和」と名付けたり笑顔の湧きて二時間を過ぐ
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慣れないと言うためだけに降る雪を 東京はまた 初めてみたいに
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頭痛さえラベルのように貼り替えて 悪友と飲むクラフトビール
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夜遅く 霰降ったと キミの言ふ パラパラパラと 窓を叩く音
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「おめでとう」と言うたび口が切れていく 嫉妬はのみこむためのカミソリ
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やんだならいつもの道を見に行こう池を梅の木を雪の景色を
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積雪や 部屋の窓から見える木が 白いティアラにドヤ顔してる
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軍拡と改憲の影煙らせて岐路を告げずに印象選挙
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オジサンが二人並んで喋っても 若者はもう耳をかさない
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雪化粧、南の土地に薄く付き 北の貴方のお土産かしら
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当確の打ち間違えをお詫びするそれを見たくて夜更かしをする
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愛された証拠はいつも抜け落ちて 得た幸せをかたどる不幸
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あなたには 止まない雨も 降るけれど 私の傘の 中だけは晴れ
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あの店ね!あそこのイオンの近くでしょ あーそこです!と笑い誤魔化す
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