白い空をじいっと眺めている猫のうしろ頭をにんまり眺め
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七福神めぐりて引いたおみくじの短歌を胸に今年も一年/大吉
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くれないの実の鮮やかが目に沁みる 我が難(病)転じてくれるか南天
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じっと待つハシビロコウの気分なり 遅読愉しむ夫急かせずに /本をシェア
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大家らの寝静まる朝ひとときの 安寧求めジャズなど流す
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除雪車が削ったカーブの側面は 巨大なケーキに見えて楽しい
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君のこと触れた瞬間破裂する悲しい言葉「当たらす触らず」
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食道を熱して下る大根を ビールで追わん寒夜の夕餉ゆうげ
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寒けれど 寒さの中に 風情あり  ため息一つ 気霜きじもに変わる
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もういいと人生はそう返せない神が返せとおっしゃるまでは
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八の字で初ゲレンデを滑りきり涙たたえる八つの吾子は
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「この見た目!」美味いと確信、奮発し「バッチリ美味し!」皮ごとシャイン
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虚無僧こむそうは尺八吹いて托鉢す芸は祈りで修行の成果
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明らかの「ら」を抜き生まれた「あか」は和語 「赤」は「人 ×かけ 火」から生まれて
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一斉に枝を離れて飛んでゆく筆を払って散らすしぶきか/鳥
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夕映えの富士を拝める2階窓樹木が伸びて姿を隠す
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窓の外グレーの雲がひた走り次から次へと風運び入る
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気まぐれで作っといてきみの口が空いたから勝手に安心してる
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「わたしってつまりなに」崩れて再構築する赤外線または火星のくしゃみ
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猫がいた/いないで変わる世界線にまぶしいという語が死を持つている
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セロテープの拒絶する面に祝福を背負わされた白蛇のような雲が写る
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テーブルの上に座って暇つぶす留守番中の些細な反抗
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はつのひは はらはらたゆたうはちみつの たれるみたいにとろけてゆらゆら
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東京神田秋葉原ランとスキップ御徒町岡持ち握ってお饅頭
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カチコチ、ぼぉん、回転、落下! 遠近、何方? ダリだかヨミだか知りはしないが!
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一晩を 身を寄せあって 隙間なく 埋めつくしても 孤独な息吹
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ドバドバと砂糖溶かして飲み干した エスプレッソは苦い思い出
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点ほどの 狭い視点に 限られた 無知と暗黒 一つのリング
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子育てに 苦労してる 母親が 大泣きしても 為すすべもなく
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美しく 綺麗に過ごす ことよりも 泥に塗れて 汗水流せ
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