もういない人の好みの味付けで 私のために作る肉じゃが
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釣り銭を 正しき額で 差し出せず 我に財布を 開きし老婆
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葉に残る春の名残りを洗い去り五月の雨は緑を濃くす
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ぽつとぽつ 草木が「降るぞ」と噂して 私は散歩の きびすをかえす
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君の居ぬ間に食べる辛ラーメン ひとり暮らしの風が吹く夜
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いろいろな憂さを抱えて貼り付けた笑顔の裏の重たい身体
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気だるさとめまいで自由を奪われて 自由に動ける奇跡に気付く
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暗幕を閉じてはじまる理科室は星のスライド尾を曳いてゆく
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雨だから君が頭痛にならないか心配をした 変わる信号
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公園で曇りのしたで遊んでる義務感じみた家族団らん
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早朝の植田に映る山影を踏みしめていくからすが一羽
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別れ際に彼はどうかと尋ねれば 施設にいると寂しき報せ
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父さんの言いたいことが分かるのは私だけよと母さんの声
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サワガニが横に進んだ道なりを 前に進んで追いかけて行く
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もし藤が雨だとしたらわたくしの一生涯に傘はいらない
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苗代に雪消の水を流し入れて高嶺に遅き春はぬらし
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にょきにょきと立派なアスパラ顔を出す 昨秋の施肥のお陰なら嬉し
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ひたむきに生きた証が散らばった服や文具の配置に宿る
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爽やかな杜の都の新緑を味わい歩けばまもなくライブだ
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長年の役目をおえて去る女性ひとの過ぎし苦労は喜びにかわる
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夜のカフェテラスで君を待つあいだ 私はずっと幸せだった
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祭日は 一人のこぎり 片手持ち 道を塞いだ 竹と格闘
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すくむ足背中を前に押したのは健気につよく咲いた一輪
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水音の透ける煌めき細やかな窓辺の鳥の歌うさえずり
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似たなりのまったく別の雑草として人混みにまじる夕暮れ
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二組の万年布団の片方が謝るように畳まれている
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通知見て あなたとあの子の 婚約を 横断歩道の 真ん中で知る
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二人して料理した日朧げに いまはひとりで鍋作り頷く
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水張田に鈴振るような音満ちて ああ今さらに、これがカエルだ
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連休の何処何処どこどこ行きます報道もスーパ行けば変わらぬ人影
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