ランドセルに手足が生えて歩いてく後ろ姿を送る幸せ
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軒下に 燕飛び来て巣作りの 風の優しき初夏は来たりぬ 
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日々増える身体の不調に目を瞑りこれが普通と信じて暮らす
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おさなごの腕に残りし点滴の 痕の数だけ後悔がある
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歯ブラシの 替え時さえも 持て余し 日がな一日 旗日が終わる
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連休の最終日まだ道すひてネコ並走しくさむらに消ゆ
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朝焼けに映える水面は穏やかで水平線は空と解け合う
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「ありがとう」そんな一言さえあれば二年は延びた離婚の決断
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コットンを潤し頬に貼る夜に目を細めたるは本を繰る
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やらかした帰宅し気づく買い忘れ明日まで続く束の間の青
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連休も 変わらぬ仕事 出でたるも 覚悟決めたり 今年が最後と
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青空を映す巨大な水鏡 欠けたピースは休耕田か
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こどもの日ふと思ひたち草取りす墓石もなき終の棲家で
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歌うこと好きなんだって takataのルール変わっても一度思う
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深夜便 五木寛之さんの言葉に 励まされ 今日を生きゆく 朝餉あさげを支度
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夕焼けを藍が優しく飲み込んで始まる夜を分かち合いたい
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踏み出せば汽笛が鳴るよ後悔とアルビノの目で映した世界
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メイメイと鳴いて主張の命名権 ヤギと羊の譲れぬ戦い 
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願ってはいけない指と指の間の摩擦熱だけ残り目覚める
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ため息がうっとうしくて絵を描いた 泥にまみれた桔梗みたいな/折句・田植え時
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物語りまみれで更ける暁に朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに  吉野の里に 降れる白雪 /031/100/坂上是則
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悠々と あぜ道渡る猫映し 田の水ぬるみ植え付けの時季とき
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定めとて送り送られ別れつつ春は心ぞもの憂かりける
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羊から 鶏になる 午前三時 枕投げ出し 天井仰ぐ お題「眠れない」
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地鳴りする夜間工事にうとうとと二重窓への愛をささやく
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薬なしでは眠れない冷えた手が去ってしまった静かな夜は
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街中で 帰れぬ言い訳 探すうち 色褪せてゆく ふるさとの切符
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リタイアに ゴールデンウィーク 縁なくも 子ども祭りの 気怠き褒美
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木漏れ日に桃の消えなば花は葉に 吾にも萌黄もえぎぞ春を貫き
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食べたいのはシュークリームと心が言い 柏餅の棚通り過ぎた午後
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