降圧剤 父の記憶を小分けして 同じ薬をお古のケースへ
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戸が開くと逃げてみよかと猫が寄る雪と寒さにたじろぎ回る
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影二つ 夕日を馴染ませ君の髪 揺れる頃には夜の街並み
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浴室に波の音目を閉じ聞き入れば私の癒し貸切露天
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ミモザ咲く 作家の家で 打合せ 穏やかな夜 黄色が映える
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ダージリン 疲れた体 染み入って 香り佇む 夜の事務所に
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つかのまの暖気にすべり落つる屋根の雪、ドスンとふ音に微睡まどろみやぶらる
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久々にドラクエ7を起動する 父の代わりに世界を救おう
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使い捨てカイロ背中に貼り損ね独り暮らしで稀にあること
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布団から 足を出したら 寒すぎて 入れると熱気に また身をよじる
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昼食後 英語を見ると うとうとと 夢の中では ネイティブ気分
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愛人に合格出来ぬは見た目よりおしゃべり好きで秘密にできない
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もう我慢できないよ今日逢えるのに夜中の2時にトイレで起きて
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午前二時合わせ鏡のその奥に仄かに揺れる懐かしき影
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厳寒に 餅花飾る小正月 五穀豊穣願ひを託す 
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ジーンズと トレーナーを 着て眠る やっと感じる 君のぬくもり
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店先の生け簀に夢中な我が息子魚の運命さだめ知る由もなく
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ぶっ刺さり忘れられないきらめきに届くためならどうでもいいよ
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ボクの住む いえをけずって かまわない キミの子の肉 ボクもけずるね
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「月が綺麗です」きみが教えてくれるから 見えないけれど死んでもいいわ
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朝寒く 嫌々起きて 出勤も 明日は土曜日 足取り軽し
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ここは地球だから、飛び降りる君より僕の方が先にゴールするさ
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ふわふわと 空飛ぶ鳥に憧れて イヤホンをして ドアを開ける
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「探してます」のセピアに笑った女の子は懸賞金に囲まれていた
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絡み合う傘の手を見てなんとなく「今日空いてる?」とLINEを送る
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黒歴史 俺には無いと 思うけど 側から見たら 黒歴史なう
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腹が空きまた腹が空き腹が空き 気付けば汚れ洗って眠る
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挨拶は 大事と言うが それよりも もっと大事な ひと言がある
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中指の露出狂 意味も知らないで なんだかんだで生命が好き
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噛み締めた 冬の唇 ひびひとつ
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