推しチーム 勝ったらそりゃあ うれしいが なにより母が喜ぶからさ
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戦争に巻き込まれたら死ぬけれど仕掛けるヤツも不死身では無い
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言の刃を ふりまわしたい気分の日 斬ったら切れていたのは自分
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額縁の中で見つけた蒼きケシ孤高に咲くやヒマラヤの地で
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十六年キミと続けたごみ拾い キミのおかげよ もう立てぬ老犬キミ
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水無月の雨に打たれてヤマボウシ一人バス待つ私の横で
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干し鰈ふわふわの身を食むときに海の気配が二、三分なり
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経験を したのに同じ 傘の下  護られるはずの いのち 時雨て
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「行って来まーす」ふと振り返るベランダに淋しそうな愛犬キミの姿が \ 若かりしキミ
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人住まぬ坪庭の木に絡みつく昼顔の花侘し夕暮れ
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玉ねぎも汗も光も優しさもこの世のすべてはこの目に沁みる
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夏空の広がる盆地いち早く薄紫のジャガイモの花
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広瀬川雨そぼと降り鳥の声いつもの道をいつものリズム
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目覚めどき背中を撫でる母の手に包まれたきや赤子のように
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ケンカ腰これじゃいけないもう少し私が変わらなければならぬ/反省
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「いい香りね」言葉頂く少しでも 患者あなたの回復ちからになれたら
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いちばんの闇をば抱きし夜のふち 貫き昇る朝日のあはれ
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西の空遥か遠雷聞こえきて夏の本気が見え隠れする
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母さんの知らないあなたがいるようにあなたの知らない過去の母さん
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東雲の 静けき朝に鶯の 澄み渡る声舞い降りるなり 
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朝焼けを バックに走る 鉄道と 淀川の流れ 心穏やか
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窓際で コーヒー片手 パソコンに 向き合う同士 力をもらう
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車窓から 街の景色 眺めつつ 貴女を想う 大阪の朝
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文月が来らば飾らる七夕の笹を揺らすは青田の風なり
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闘病の親友ともからLINE「痛いよ」と ちょっとはわかってあげれてるかな
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実家にて埃まみれで立ち尽くすこれはレコード用のスプレー
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来る夏に朧げな不安ぎりたり 未だ水無月に梅雨明けるなど
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すれ違う空席車両の乗客は 平日休暇か 夜勤の帰途か
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おむかえはおとうさんきて 5歳児の握る手弱しこの病み上がり
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覗く度君のアイコン捜してしまうイチミリさえも君は知らない
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