ふかし芋もはや多くは口にせずなお父へ湯気届けたくあり
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曲流し我流のノリでリズムとる サザンのパワー部屋中満つる
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見送って送られてまた見送って「また明日ね!」で、真ん中バイバーイ
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秋日和 風無き庭にメジロ二羽 残りし花の狭間たわむる
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冬間近 錦の山は 葉を落とし 冷へる樹元きもとは 落ち葉の炬燵こたつ
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朝日浴び吊るした柿は耀けりさびしき家にときめきの色
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もみじ葉の散り敷く朝の公園を歩けば露のキラリと光る
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週一のデイ送迎の車窓より深まる秋の町並みを見る
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家じまい使うことなき物多し戦後の義姉あねにミニマリストは
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仕事終え カフェ出る我に お疲れと 呟くマスター 感謝し会釈
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「分からないきみの気持ちが分からない」芭蕉風味で別れたカレシ
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微睡まどろみて 列車は目的駅へと 車窓変わりゆきつつ近づき
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さやかなる晩秋の空 見上ぐ如 背伸びし咲きぬ 皇帝ダリア
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灰色と 緋色のドラマ 終わりけり 風にかれて 暮るる夕雲
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逢えたのにだから足りなくなるわたし逢う前よりも淋しいの何故?
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履歴にはわずかに話した跡がある削除した事後悔している
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ナイスミディ遥かに超えた五十路には着地場所無いダブルアクセル
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車窓から見える山々紅葉す 空気も澄んで水色の空
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ふたり旅 頭の中で 妄想中 隣のおじさま 君に見立てる
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うたた寝の薄目に映る信濃路は もみじに小雪、朝霧の里
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はらはらと さき扇子を振る如く舞ふ 鴨脚樹イチョウの葉 霜月の風
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晩秋のハンドル冷たしひんがしの朝陽差し込み解かしていくごと
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華がない だからどうした漢なら 生き様死に様 背中で語れ
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通行人Aにも帰る場所がある 皆足速みな あしばやな初冬のビル街
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庭の花一輪挿しに生けましたそんなささいなことが幸せ
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通勤車揺られ 眠気に誘はれて 詠みかけし歌も夢現ゆめうつつ消ゆ
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あらうれし 身は捨つれども たましひは  わが家にありて 君を忘れじ
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反論を飲み込んだ日のスーパーで長ねぎグッと折り曲げている
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寒がりの 猫に湯たんぽ 熱すぎず ほどよき温度 模索する日々
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風に舞う 白き六花の 粒滲む 手弱女のごとき 君が睫毛に
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