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サックスの深い音色は時をかけ心に届け夢みるごとし
19
保育園 六年間も 行ったのか
生
(
お
)
い立つ
倅
(
せがれ
)
少し遠くに
20
先輩はマンガ喫茶かサボりつつ結果出すのがプロだと言って
33
好きな人黄色い傘を差している恋空は今晴天となる
18
何度でも カメラフォルダ 見返して スクロールする 指はやくなる
11
貧しくも思いは高くと言い訳し株は疎くて
短歌
(
うた
)
に溺れる
37
抽斗
(
ひきだし
)
の整理 宝探しの如 失くしたはずの 記念の硬貨
29
冷雨落つ薄暗し朝 車窓より見ゆる春
蕾
(
つぼみ
)
弾
(
はぢ
)
くる枝
30
教科書にひらがな四つ「てふてふ」と春の扉をひらいたあの日
32
空腹のこの喜びをたれぞ知る飽食牢を釈放間近
16
カッターで青い画用紙切るようにツバメが一羽飛んでいく朝
31
弱虫めお前のことは無視したり責めたりなどもしてはやらない
15
ハイ!チャイナ!宮廷ドラマに胸打たれ僕なぞ出る幕のない美麗
11
金ローの魔女宅録画見つからずキキに会いたくTSUTAYAに走る
20
懐かしき頃のおもひで恋の華いつかの夢に燃えて尽き夜に
24
春日中
(
はるひなか
)
二つの川が 交わりて 川面の光 ゆらゆら揺れて
18
過ぎし日の父とのキャンプ懐かしみ ひとり山入りテント張る息子
22
芽吹く風 淡紅揺れて 山桜 いま
解
(
ほど
)
けゆく 一本の春
17
独り食う 参鶏湯は ラヴェルの 『ボレロ』の如く 飽き初めにけり
12
盛りには白くかがやく木蓮が燃えさしのよに何で散るかな
26
春うらら 春休みとも 重なりて 平和な日本 みな桜色
16
見るものと 思ふこととを なすことの すべてを決むる
我
(
われ
)
にありけり
11
こんなにも 電波時計を 狂わせて お互い知らない 月曜の朝
17
ホーと鳴きケキョと続かぬ春時雨 軒の端伝う 彼のひとは来ず
21
クロッカス踏んづけぬよう玄関の脇道歩く毎年のこと
26
生まれ落つ憂しと云ひつつ泡沫の浮世に生まれ返る愚かさ
11
君も又 いなくなるのか 尋ねられ いるよと言えば 安堵の笑顔
9
おもしろい 話をしている ハズなのに まだ一回も 笑わないキミ
5
味噌汁をふーふーするのとおんなじで この関係にもに意味はない
5
夕焼けの 銀の陽射し 水際の 引いては寄せる貝殻ひとつ 拾いてこぼれ 独り戯れて
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