幕下の五枚目までは上がってた 郷土力士の引退を知る
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洗顔の泡をぬぐいてふと見れば 母と見紛う顔ありてじっと見つめぬ
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メイドイン ジャパンの武器で あの子らが ころされる前に やめてください
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めくるたびジョーカーだけのトランプに「敵ではなくて人だ」と叫ぶ
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山肌が淡いピンクに染まるのももうすぐだよとお墓に話す
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生家にはだあれも住まず奥津城は雪に埋もれて春彼岸来る
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保育園卒園式で歌わない娘が今は保育士になる
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切っ掛けは俵万智の本 短歌をば詠みぬ 日増しに続く楽しさ
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ヨーイドン津々浦々つつうらうらへこちらではひと足先に桜咲いたよ
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「雑草という草は無し」  よぎりつつ 次々抜き取る我非情なり? /牧野富太郎博士の言葉より
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時計ときを見て  まだかまだかと  待つホーム  春のきざみは  花びら舞いゆく
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女童(めわらべ)の ように小さき 母の肩 揉み参らせて 淋しかりけり /母を恋ふる記
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皮だけを残して枝にある檸檬 君の心の器に似合う
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甲子園実況陣のあたたかさ戦争の根を止めるものあり
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情報をすぐに共有する仲になって半年またラブレター
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傀儡かいらいが 筋書き作る 会談に 明日の風は 気分次第か
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雨の間に墓を参れば体冷え嗚呼ありがたき実家の炬燵よ
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一年が一日ならば夜明けならむ今日は春分、彼岸の中日
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真夜中も 変わらず光る 信号は 真面目腐った お前らみたい
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春分にカーネーションは散りました。根から丸ごと枯れてくれれば。
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寒さ返る 囲炉裏火弾け 茅葺きの   峠凍てつき 月影冴ゆる 独り酒酌み 山音やまね泣き濡れ
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美しい 頭が裂けそう 美しい 永遠の相 苦笑し生きる 
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恋じゃなくていい貴方の好意を待っている明日のごはんはおそらくまずい
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陽温かか 風緩み 空の碧 薄墨流し 霞かかるや   陽に映え揺れる その影ひとり
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咲いてやる相思相愛の大輪の背景たちの園の中では最近を陣取る貴方のアンスリウム
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太陽を曇らす者は生かしておけぬ例えそれがお前であっても
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耳遠く 声も小さく 聞こえない 人の中にて 孤独の思い
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遠くから 娘と孫が やってきて 楽しい思い 残していった
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忘れない あなたとの自分 最後のバイバイ 永遠なんてね、ないよね、きっと
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朝霞 しなやかに揺れ 絹の雨  濡れて色濃き 野辺に咲く花 香こぼれる 微笑み溢れ
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