透明な ゴミの袋を 買いまして 張り巡らして 温室作り
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正しさを終わりに求めてはならない 正史ってそういうことじゃない
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君がためクレーンゲームにお金積むボタン押す指に期待ふりつつ
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前世での 約束のため 現世へと 君を探して 約束の地へ
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人のよう うまく化たと褒めあって 春はほころぶ毛布の宇宙
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支持率が上がったままの内閣は 何でもありの世界を拓く
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鳴けども鳴けども鳴けども撃たれない野原にじつと空め回して
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干からびた花びら花瓶から落ちたものも片付けられぬ春先
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色のない世界に色がつくように君が魔法をかけてしまった
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相対性理論で動く時間割 五億年にも思える五分
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公園の古びたベンチ 熱帯夜 抜けた炭酸 コカ・コーラ二本
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ゼロ距離で睫毛の長さを不意に見て唾飲む音を悟られないよう
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ジェット機が来るよと星は天涯ゆ壺湯に浸かるわれに囁く
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朝日射し 雪間に揺れる 木立影 枝を透かして 白銀眩し 心澄みゆく
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【痛み】にも深い悲しみあるのかな 今すぐここに飛び込んできて
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姿見の私に問うた「私は私なりに生きれてますか?」
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毎朝の外来を請はれ出かけしも二時間余のショートリリーフ
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世は情け個室の中で音たてて雲古憎んで人を憎まず
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一二三四五六七八九十 一文字ずつで実在する名字
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お前らがおざなりに矢を放つなら消えぬ呪いの火矢を放とう
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「好き」だとか「優しくしたい」という気持ち、小さなチョコでしか表現できない。
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間違えた ケンタッキーが 安いのは 29の日じゃなく 28とりの日だ
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小賢しくうやうやしく投げてやれば必ず当たる各々の“あの日”
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「し」と暫し死んでしまおう済んだなら息吹き返し繰り返す生
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頬流れ そこに揺れるの 花影と 名残る雪影 落ちる露音
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燃え滓に再び火は灯らない新たな薪に君となれるか
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寒々し 風吹ける中 空冴ゆる 耳を澄ませば 時の足音
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自転車のサドルについたひとひらを無造作に振り払う貧しさ
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安否通知が届いても きっとスルーする きみはただの訓練
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たんぽぽは風にゆだねて旅立ちぬ黄金の記憶瞳に焼きつけて
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