一年間ネームレスだった街路樹に答え合わせのような花びら
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し方を夫と語りて呑む夕げ 言ひたき事もお互い様と諭す歳月としつき
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友亡くし 今は友無き この身には まみえずとても Utakataが友
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八重桜 共に過ごした年月が 古き団地に静かに咲いて
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推しの死に私も逝くよやめなさい同じとこには行けやしないの
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鳴き声の 何とも言えぬ 美しさ 姿は見せぬ 南国の鳥
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背後から 感じる視線 うなだれて 芋えらぶに スタバの人魚
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愛、してる 恋してるとか どちらでも かまわないから かまわせてくれ
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残り物 冷蔵庫から かき集め 一人の食事 意外と豪華  
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最期の日、きっとあなたを思い出し、涙溢しつ微笑んで死ぬ
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丘は萌え ツツジの瀧に 霞む空 芝桜咲き 薄紅の川
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薫風の先ぶれ浴びて歩きゆくフレンチブルの背 垣間見つめる
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じわじわと 時を経てから効いてくる 父を亡くして 四ヶ月の今
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うたを詠む 時に囁き 時に泣き 感じるままが いちばん素敵
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この曲を聴いてはならぬ幸せな貴方との日々吾を苦しめる
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頼まれてさらりと上げるブラインド 香炉峰の雪はないけど
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洗濯と買い物で終わる雨の午後 濡れた花びらそっと撫でてる
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一言に 振り回されて 沈み込む なんのこれしき 奮い起たせる
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街灯のもとで雨夜の青もみじ 葉先の雫 光さやかに
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思い出は捨ててしまえば良いですか私の記憶は消えて行きます
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*朝が来る 眠れぬ夜を 独り占め 君がいたなら 抱きしめたいよ
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テチテチと色とりどりのツツジ並木みち かけていくのはいたちの赤ちゃん
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ガラス吹きわたしの息の形を知る 泡立つ肌の風鈴できた
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一睡もできなくっても一日を笑顔で張れるやったらできた
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雨の中帰る友とは次に合う約束をせず「またね」もいわず
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友人と知人の境埋まらない 日本海溝よりも深くて
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その指が私が知らない花びらを 撫でると思うと切なく寂しく
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ある物でいいやもそろそろ限界か 買出し阻む降り続く雨
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曇天霧雨 前を向く 露を纏いし蜘蛛の巣 見惚る
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新緑の丘のてっぺん遅咲きの桜色濃く晩春飾る
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