コーヒーが 飲めない君の ままでいて 一人で先に 進まないでよ
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探しまくる 行方不明のスマートフォン 所定の位置に鎮座ましまし
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陽にあたり風に吹かれる心地よさ これだけでいい生きるしあわせ
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展開が強引過ぎて感情が置き去りのまま終わった映画
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みずいろのペディキュア剥がして夏が逝き静かに震える残された指
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箪笥の角通りがかりの一瞬に打った小指に死も覚悟する
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充電がすぐ切れ反応遅くなり機種変したくもできぬ我が身は
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股関節硬いわたしはサーカスの中のヒトにはなれそうもない
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勉強をしないとバカになるからと大学出たがロマンス詐欺に
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コーヒーは今や貴族の飲み物となったようです麦茶が沁みる
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湯の川を揃ってゆったり魚たち群がるところが湯の湧くところ
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適量がどうもあなたと違うのか食えたものではないこのレシピ
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万博ロスうつむく人達にイレブンがそっと差し出す歴史的勝利
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職質は一度もされたことないが補導はされただいぶ大人で
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待ち侘びた秋到来に感じるはメロスと同じくらいの嬉しさ
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嵐吹く 私の中の海もまた 光のどけき 日を 願いつつ
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最後まで 君だけにでも かわいいと 思われたいから 今日も頑張る
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ドライヤー 髪巻き込まれ 焼け焦げた 臭いが我の 火葬の香かも、と
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愛犬の匂いの残るこの布団 そおっと下ろす小さな骨壷
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十七年たくさんの幸せ有難う! 愛犬キミのお家よ 骨壷を置く
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在りし日に 母の集めし 人形の 我に似つること 今気づきたり
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聞いたこと 言わずに留める 自尊心 ただ今全力育成中
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FRIDAYスクープされたタレントの横でモザイクの俺と彼女
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おも浮かぶ そろばん塾より帰る吾を 頬被りの亡母はは夜道に待ちをり
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鳥渡る 諏訪湖の水辺賑わかせ冬を遊べや春帰るまで
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ヒリヒリと痛む寒さの帰り道あまりにクリアな星に驚く
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段々に好きを諦む歳となる ならば詠みたし今出来ること
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鈍色の空に真っ赤な柿一つ少し痛んで魂の如
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誰だってまぶたの裏に隠し持つ今よりもっと高かった空
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人間が出来てる二人思いやりで譲り合った最後の餃子
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