コーヒーは今や貴族の飲み物となったようです麦茶が沁みる
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適量がどうもあなたと違うのか食えたものではないこのレシピ
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万博ロスうつむく人達にイレブンがそっと差し出す歴史的勝利
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職質は一度もされたことないが補導はされただいぶ大人で
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傘の中滲む視界に出た弱音雨は優しくかき消してゆく
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待ち侘びた秋到来に感じるはメロスと同じくらいの嬉しさ
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最後まで 君だけにでも かわいいと 思われたいから 今日も頑張る
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ドライヤー 髪巻き込まれ 焼け焦げた 臭いが我の 火葬の香かも、と
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愛犬の匂いの残るこの布団 そおっと下ろす小さな骨壷
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十七年たくさんの幸せ有難う! 愛犬キミのお家よ 骨壷を置く
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在りし日に 母の集めし 人形の 我に似つること 今気づきたり
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聞いたこと 言わずに留める 自尊心 ただ今全力育成中
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FRIDAYスクープされたタレントの横でモザイクの俺と彼女
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おも浮かぶ そろばん塾より帰る吾を 頬被りの亡母はは夜道に待ちをり
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鳥渡る 諏訪湖の水辺賑わかせ冬を遊べや春帰るまで
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ヒリヒリと痛む寒さの帰り道あまりにクリアな星に驚く
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段々に好きを諦む歳となる ならば詠みたし今出来ること
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鈍色の空に真っ赤な柿一つ少し痛んで魂の如
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誰だってまぶたの裏に隠し持つ今よりもっと高かった空
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人間が出来てる二人思いやりで譲り合った最後の餃子
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曲流し我流のノリでリズムとる サザンのパワー部屋中満つる
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配達の役割を終へ 我が猫の秘密基地と化す 段ボール箱
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切なさを抱えて入った店内に流れてきたJUJUああもうやめて
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久々に会えば思っていたよりも少し痩せてる父のかんばせ
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早々に日射し陰りし晩秋は日暮れと競ひて晩酌待つ夫
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話す時 何度も「めっちゃ」 をつけるから 信用のない 私の「めっちゃ」
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逢えたのにだから足りなくなるわたし逢う前よりも淋しいの何故?
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幸せを受け取りました。わたしから誘えなかった映画きみから
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確かめずレジに立つなりその数字ごぼう二本の四百円超え
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離れてるから俺の代わりにそう言ってくれたストール三年目/寒くて登場
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