君魂きみたま しるべとなれよ うた 彷徨さまよかれ そばまほし
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インスタの子育てアカウントの人を君ということにしてブロック
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「大丈夫」雌熊が目をぱちと見て囁く「私もはじめてだから」
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換毛期うすれてみえる天使のはねスキップでひとつ、ああまたひとつ
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落雷が杜の鐘打ち篠突く雨 安寧の下神様と我
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侍の機嫌損ねた旅の者命惜しくて綺麗な土下座
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目が合った馴染なじみの猫の挨拶あいさつ尻尾しっぽを立てる躊躇ためらうように
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恋文は 可燃性でも 恋心 不燃性なの 焼いても 残るの
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種を撒くようなことだな押しつけの無い優しさを置き去っていく人
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暗闇に提灯の灯り五つ六つ祭稽古の子の顔照らす
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軽口は話半分真に受けず呑み込むときは意訳してから
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風向きの変わりしことを風鈴がちりんと告げて夕の雨降る
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結ばれて いく年重ね 深くなり 孫と笑いし 君と記念日
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白無垢の角隠しせる白鷺が水面のあかの金魚かすめり / 朝の公園の池
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雨後の朝 迎へるごとに 服装の 選択肢増し そぞろなる秋
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迷ってる 思い出ひとつ残さずに逝った毒母どくぼの式に出るかを
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霧雨を坊主頭が感知して 冷えた空気の訪れを知る
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灰色に塗りつぶされし母の肺 隙間の残り はあと息つく
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病院の待合室の片隅でぎゅっとしている子供を見たり
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鯛焼きを頬張る君の幸せに、もう幾度目の秋は過行く
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一日中汗流しただろうおじちゃんの冷えたビールが誇らかに立つ
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おいテレビ!連立とかの話よりブラジル戦の話しようぜ!
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もしもを考えない日は無いけど今あるものを大事にすることは出来るから
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月動く みにくい心にただ痛い 朝日の緞帳どんちょう「今日は目玉焼き?」
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蒸し暑い夏の終わりじゃないけれどサマーフィルムにのってが観たい
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挨拶が 上手な婦人 心から 信用できぬ 申し訳ない
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死亡事故のニュースを口ずさむと オウム返しする毛玉のロボット
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皆がいうから僕もいう鳥たちはどこかとおくにいってしまった
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唐傘に溜まっていく白煙が受と主と生をかき乱してく
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あなたとお別れしてから 血液検査の結果があまり良くない
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