七竹
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テクニカルライター、元翻訳者。仕事柄堅くて具体的な言葉が好きです。今更ながら、百人一首を読み直し始めました。本歌取りを趣味にしてます。

朝焼けを見ずに今後は過ごすのかデジタル太りで食事中毒
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録音の駅構内のアナウンス1/2で左右違える
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喫煙所探し回って旅をする山の中すら宝を拾う
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怖いから歯をむき出して威嚇する 動物すらもしない仕草で
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面白きこともなき世を面白く電気の網抜けはるかの家に/高杉晋作辞世の句に下の句
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銀杏を食べる我々石器時代からSFあたりまで続くのだろう
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筋肉をスクリューにする小舟たち区民プールの大うなばらに
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「安全を……」満員電車の出入り口仁王としての務めを果たす
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wifiのルーターが月と交信している緑と黄色と赤のランプで
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夜半には雨に紛れた星が降る蛍光灯がパチパチしたので
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水をいれたコップのような完成が言葉で出来ず釘で文字書く
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プリクラを貼った履歴書で大丈夫です住所も電話もわかる範囲で
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五反田の「ブラック企業資料館」の語り部となる この世続けば
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人里の轍踏み分け鳴く熊の声におののき窓を閉め切る奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の声聞くときぞ秋は悲しき /リライト
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「限りなく透明に近いブルー」は涙なの?海辺の街で悲しみ拾う
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雨降りは涙隠すのに丁度良い 過去に向かって傘を差す街
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病院で二度と会えない帰り際目薬としての涙を溜める
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象の鼻を哲学的に分析しロボット作る仕事がしたい
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「今シーズン待ちに待ってた初舞台」折りじわの付くチノパンを履く
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携帯が震えてほしい一心で罵詈雑言の売買をする
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茜色外骨格の君を焼き外を剥き取り本質を得る
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一人旅隣の隣の駅に行く川と中華と過剰な旅情
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健康が不良なくせにおおかたの知らないものに怯えてしまう
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人里の轍踏み分け鳴く熊の声聞くときぞ山は悲しく
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「楽しかった。また今度会おうありがとう」芸術的に傘が消えてる
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掬い取る三日月の影を栞にし鉄道に乗る帰る明日に
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高速のトイレ休憩置き去りに 修学旅行が一人始まる
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青空と無縁な迷彩色である夕方優雅に誘蛾灯で消ゆ
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「自転車のけんけん乗りを次世代に」校内放送の校長先生
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「イナバウアーを覚えるよりは簡単です」Ruby講師は画面見て言う ※Rubyは国産のプログラミング言語
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