七竹
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テクニカルライター、元翻訳者。仕事柄堅くて具体的な言葉が好きです。今更ながら、百人一首を読み直し始めました。2026年は百人一首の本歌取りに捧げます。一つ詠むのに時間がかかります。

雨降りは涙隠すのに丁度良い 過去に向かって傘を差す街
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病院で二度と会えない帰り際目薬としての涙を溜める
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象の鼻を哲学的に分析しロボット作る仕事がしたい
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「今シーズン待ちに待ってた初舞台」折りじわの付くチノパンを履く
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携帯が震えてほしい一心で罵詈雑言の売買をする
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茜色外骨格の君を焼き外を剥き取り本質を得る
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一人旅隣の隣の駅に行く川と中華と過剰な旅情
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健康が不良なくせにおおかたの知らないものに怯えてしまう
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人里の轍踏み分け鳴く熊の声聞くときぞ山は悲しく
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「楽しかった。また今度会おうありがとう」芸術的に傘が消えてる
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掬い取る三日月の影を栞にし鉄道に乗る帰る明日に
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高速のトイレ休憩置き去りに 修学旅行が一人始まる
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青空と無縁な迷彩色である夕方優雅に誘蛾灯で消ゆ
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「自転車のけんけん乗りを次世代に」校内放送の校長先生
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「イナバウアーを覚えるよりは簡単です」Ruby講師は画面見て言う ※Rubyは国産のプログラミング言語
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虚無僧になる夜を迎える 虚無の中にすら何かあるのか
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終端が近づく。茄子を育てたい。区民農園申し込みする
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納豆を食べる程度の気構えでぜひ面接にいらしてください
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池袋に通勤する鳩 荒川のゴルフコースに孵る卵が
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汚れてもいい心にて来てください 社保寮完備明るい職場
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明瞭に誰の役にも立たない日 ガチャを一つ引く、天使を
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髪型を鳥のトサカに見立てると見える世界が少し優しい
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鍵かけて蛇口の形のかな文字を探す。明日は漁火の日で
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八月は六日九日十五日 言葉は祈りで風に溶けてく /上の句はこの時期によく詠まれる俳句
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圧縮され続ける客用の羽毛布団 私は誰かを世話し続けたい
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生きるたびに季節が嫌いになっていく 風鈴の音が消えた街角
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我々は我々ではない人達になり得ることを忘れはしない
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花の色は移りにけりないたずらに去年の兵庫のことは忘れて
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海亀のような涙で悼む夜卵にすらなれなかった子ら
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情報で太った私は日に三度。情報として食べるラーメン
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