Utakata
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カミハリコ
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手放した本達からの呼び声に返事をしたくなる午前二時
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あの日からふたりの間に横たわるふかくて長い川を渡ろう
9
あたらしい夜が来てまたひとつずつ朝を重ねる嘘を重ねる
6
運命の一筆書きをためらって途中で引き返している腰抜け
7
左胸から羽化しそうな思いだけ抱きしめてそのまま沈みたい
9
この目にはあまり見えない運命線を引っ張りすぎていつも途切れる
9
ゆるやかに死んでゆく星にうまれたらゆるやかに生きて死ぬのでしょう
6
人生のショートカットを繰り返す ゴールラインを見失ったまま
7
耳から垂らす金属と血液がおなじ温度で肉叢を焼く
5
なめらかに夜の帳を下ろす指 オートフォーカスオートミュート
5
あのひとに差し出した左目は今頃何を映しているだろう
4
夜明け前痺れるように痛む目が最後に映す回転木馬
8
なによりもつよいひかりがあればいいはやくこのめをつぶしてくれよ
5
いつまでも仮の姿で愛し合うぼくらの愛はきっとまぼろし
6
ひとりよりふたりの方がさみしさを感じるわたしはそちら側です
6
うそつきとうそつきが出会い落ちる星それは散るための舞台装置
6
目の奥に息を潜めて蹲る獣の名前を君は知らない
4
自分から遠い歌ほど口ずさむ 空耳に振り返る暇はない
5
鍵を挿す乱暴な仕草あの子にもそういう扱いかたしてるのね
3
ぜんぶこわしてあげるからもういちどであうまえからやりなおせるね
7
聴こえたらかならず泣いてしまうから夢の中では呼ばないでくれ
9
一斉に飛び立つ蝶を見送ったのは何番目の僕の記憶?
5
勝手に世界を背負わせられたこどもは泣かない代わりに傘を差さない
6
何も見ていないふりして毎日をやり過ごしているのに血まみれ
6
吸い過ぎた息を少しだけ返そう泥濘む肺に花が咲くよう
8
わたしが買ったどの本もわたしより百年以上先まで生きる
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丁寧に推敲したのちしたためた遺書の宛名のお前が死んだ
5
永遠に清算されない三角の一辺のまま踊り続ける
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あのひとはきっと地獄にいるだろう メトロノームがだんだん狂う
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心臓の欠けたところに嵌めるのはあの子がくれたガラスにしよう
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