カミハリコ
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よく似た何か別のものそこまではどうにかたどり着くのだけれど
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手放した名前は何番目だったか思い出せずに街をはなれる
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名を呼べば消えるものばかりの世界 言葉の外に立つユニコーン
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ひとに言えないことばかり降り積もる(世界を壊すあなたを見たい)
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Butterfly 舌の真上で羽化させて飛び立つまではくちづけ禁止
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遠い山を見つめる人の背中と体温がうすくなりつづける
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あたらしい星のにおいを考える宿題だけが終わっていない
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重ねても重ねても目に見えないまま夜の途中でゆらぐ約束
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あのひとの死体を皆で探す夢 何度死ねば気が済むのだろう
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『電波が受信できません』そうやって拒絶できるのうらやましいな
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手放すと決めた日だけが遠ざかり穴と痛みはまだここにある
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もう誰も遊ばなくなった空き地でタンポポだけが明るいままで
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同じ夜が配られたらそれぞれの窓にそれぞれのあかりが灯る
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クドリャフカ今度こそ家に帰れるよう鐘を鳴らせ鐘を鳴らせ
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午前二時 ラジオをゼロに合わせたらボーダーラインを踏み越えてゆけ
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すこしだけ祈りの形が違うだけなのにここにはもういられない
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風は勝手にぬるくなり目の奥をよごされて歪む春の陽光
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世の中にあふれる点P死んだ目で動きつづける月曜の午後
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鏡には映らないから油断した?かわいた砂に零れる涙
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この先がぜんぶ見えている男は親切面して地獄へ誘う
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心臓がくるう頃です足裏をなでる記憶とあそぶ放課後
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じゃあこれも全部にせものだというの?(そうだねぼくがぜんぶわるいね)
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ゆっくりと握りしめてく薔薇の棘わたしの皮膚とどっちが強い?
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ひとりでも生きていけると決められてひとりピンクのろうそく齧る
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この螺子はどちら巻き?左耳からとろりと落ちてきたこの螺子は
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手に入れるだけで満足していたが手放すまでが人生だった
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葬った恋を沈めるなら利き手?それとも敢えて逆にしようか
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真夜中にからだを浸すみずうみの深さであの子の涙を知る
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『またあした』ほんとうがない僕たちのあいだに流れるさいごの嘘
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目からすべりおちたこれが星だとは誰にも気付かれませんように
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