Utakata
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カミハリコ
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朝起きて夜眠るまでくりかえす死なないだけの雑な呼吸を
5
強く噛む癖がある舌とくちびるそしてあなたの左の小指
5
夜明けまでもうあとひとつしかないし時計の針は逆さに動く
3
全部あなたのためなのと喉奥にねじ込まれる愛愛愛怨怨怨
4
やさしくて人間嫌いのかみさまは人魚に足を与えてうばう
10
海の青にも空の青にもなれない青としてこの先生きていく
13
くらやみでいつも微笑むあのひとは悪夢以外を見たことがない
5
この夜は本音を隠すための黒 鼓動にも似た星のまたたき
13
境目は見えないままのほうがいい 苦しいくらいに透明な空
15
泣き方をおぼえる前に傷つけるやり方ばかり知った馬鹿共
4
やさしくて甘い思い出だけ食べる 金平糖が弾ける夜に
10
もがいてももがいてもなお沈もうとする体ごと夜になりたい
7
さよならを言える日が来たらこの糸も切らせてあげるうまく切ってね
6
夕立の後でぬらぬら光ってたあれはあなたの羽化の痕だね
6
ひとさしゆびの下にある国にある家にいる中のひとりでしたね
4
やわらかい部分を切り落とさないで生きていたいな(死にたくないな)
7
手放した本達からの呼び声に返事をしたくなる午前二時
12
あの日からふたりの間に横たわるふかくて長い川を渡ろう
11
あたらしい夜が来てまたひとつずつ朝を重ねる嘘を重ねる
6
運命の一筆書きをためらって途中で引き返している腰抜け
7
左胸から羽化しそうな思いだけ抱きしめてそのまま沈みたい
9
この目にはあまり見えない運命線を引っ張りすぎていつも途切れる
9
ゆるやかに死んでゆく星にうまれたらゆるやかに生きて死ぬのでしょう
6
人生のショートカットを繰り返す ゴールラインを見失ったまま
8
耳から垂らす金属と血液がおなじ温度で肉叢を焼く
5
なめらかに夜の帳を下ろす指 オートフォーカスオートミュート
5
あのひとに差し出した左目は今頃何を映しているだろう
4
夜明け前痺れるように痛む目が最後に映す回転木馬
8
なによりもつよいひかりがあればいいはやくこのめをつぶしてくれよ
5
いつまでも仮の姿で愛し合うぼくらの愛はきっとまぼろし
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