カミハリコ  フォロー 0 フォロワー 3 投稿数 87

この夏を終わらせるため火をつける8割引の線香花火 

夏休みみんなでつくった秘密基地ひとりでこわして大人になった 

「なにもかもあなたにあげたつもりだがなにが足りない?」「罪が足りない」 

ほろぼしたどうぶつをかわいそうがるなぐったあとになでるみたいに 

わるものの悲しい過去は聞かなくていいから首を刎ねてきなさい 

墜ちた蝶みたいにひろがる彼の腕 夏が逝っても夢はさめない 

正しくてこころやさしい世界なら『死んでもいい』の許可をください 

慰めにくちづけるより変わらない眼で心臓を蹴り飛ばしてくれ 

永遠に変わらない愛(空集合)完全な正義(空集合) 

つめたくもあつくもない水みたいに生きていつかは雲になりたい 

包帯を巻いておきなよ雨が降る前から傘をさしてるみたいに 

人魚姫でもないのに歩くたび足は痛んで声も出せない  

遮断機のむこうにいるのは夏と君 待たせてごめんすぐにいくから 

「ほら見てよ、うまれてはじめて書いた遺書。とても上手に書けてるでしょう?」 

こんなにも遠くまで来てしまったと彼の香りが薄れて気付く 

死にたいと思う気持ちは嘘じゃない バースデーケーキ頬張りながら 

さよならトランキライザーあしたから夜のにおいを忘れて生きる 

シーグラス越しの青空 今度こそ夏を終わらせられますように 

くちびるに触れる代わりに煙草の火だけ分け合ってそしてさよなら 

かみさまに許されないまま生きてゆく長い旅路を手探りで往く 

さみしいもかなしいも脱ぎ捨てたひとたちだけが乗る回転木馬 

夜が明けるまえの青さを知るひとと世界の終わりの話がしたい 

ぼくたちはすれ違いつづけるだろう0と1とを掲げたままで 

雨の日は眠れなくなる心臓も排水溝も壊れたままだ 

とおくから音だけ響く花火ごとゼリーにしたい今日の夕焼け 

継母ままははも魔女も死なない世界ならガラスの靴は誰でも履ける 

なんとなくはじめた旅をなんとなくやめられないまま最果てに着く 

傷だらけの手であなたが傾けた傘の下だけ明るくなった 

黄昏にかかとを三度鳴らしても僕にはかえる水槽がない 

あやまちを犯さず挫折もしたことのないひとのいう『普通』がこわい