くらやみを歩くためにと手に入れた炎でみんな燃えてしまった 3
ほんものの味も知らないままずっと柘榴ひとつぶ噛み締めている 7
のぞき込む水たまりには夜が満ちおいでおいでと呼ぶ声がする 7
みずうみの深さは誰にも明かさない沈めた石の色も見せない 12
墓石に触れあたたかさを感じるなんてこんなの裏切りじゃないか 2
届かないから言うのでしょう?好きだとか愛してるとか死にそうだとか 1
ひとつだけ嘘をつきますひとつだけ嘘をつくというのは嘘です 9
空の絵を描きなさいって言われたら迷わずはいいろ手に取るぼくら 1
死に場所をお探しですか?片腕でよければお貸しできますけれど 3
ふりむいた彼のまつげに落ちる雨 今夜はおおきな海でおやすみ 5
まだ空があかるい夜はまだ来ないつないだ手をまだ離したくない 2
ひとりではできないことをしてみたい例えばキスとか心中だとか 8
好きなものから消えてゆく呪いなら最後まで僕は残れるだろう 6
ほんとうはだれがあの子を殺したの?「それはわたし」と鏡がうたう 1
痛くないけれどここにはいたくない(お家に帰るまでが戦争) 3
わからないものをわからないままでもゆるしてくれる星で死にたい 6
わたしよりすこし不幸でいてくれる間はやさしくしてあげますね 9