Utakata
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カミハリコ
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『来年も一緒にねがいごと書こう』去年のきみは嘘つきだった
12
どこへでも行ける草原なのにこの足は過去へ進もうとする
9
両脚をそろえしっかり目を閉じる今夜はどこまで沈めるだろう
6
きみの血は絶対青いと思ってたのにまさか緑だったとは
7
なにひとつ未練はないと言い切った彼と夜明けを見てみたかった
7
触れたことのない心臓を抱えて雨が降らない星でおやすみ
11
絶望にこわばる指の隙間からこぼれる赤をぬぐう闇色
8
白旗を掲げてもなお殴られるそんなコースを泳いでいます
6
扇風機にそっぽ向かれただけでこの世の終わりを味わえる夏
6
痛いよねかわいそうだねお互いに来世は角を折らずに生きよう
5
殺虫剤のトリガーと似たようなものなのだろうこのひきがねは
6
泣き方を忘れたままで生きている夏もだれかのただひとつの夏
12
馬鹿、バカ、ばか、ぱくぱくしてかわいい君の口だけを眺めていたい
8
野菜だよとスイカを齧るこのひとは動物だよとわたしを殴る
5
蝉が鳴き始めたら夏で蝉が鳴き終われば秋ならいいのに
9
どろどろと糸を引き首筋を這う醜さが執着なのでしょう
6
月にくちづけするキリンの足元で血を流し続けるわたしたち
6
恐竜の生まれ変わりがうなだれる離れ校舎の解体現場
15
ほんとうの言葉を弾いた身代わりに爪がいちまい死んでしまった
6
くじ引きで光とともに生きていく方に選ばれなかったわたし
7
傷跡を忘れて走り出す彼といろんな夜を駆け抜けました
5
放課後にトロイメライを弾いた指わたしの喉を締め上げた指
8
追憶の少女その頬つたうのが歓びの涙であるように
10
進化から取り残された猿たちは二本の足で立てるふりする
7
彼もまた胸に幽霊棲まわせて「あいにいくよ」と微笑むひとだ
7
『おまじない』漢字変換しないよう砂糖まみれの声でささやく
5
『自分よりしあわせなやつが許せない』首から下げて生きていきなよ
8
種明かし前に別れてしまったら鳩が出てこないままの帽子
4
そっちへは行きたくないのそれなのに明るい方へあかるい ほ う へ
7
改良の結果苦くも甘くもなくなったアンドロイドとのキス
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