カミハリコ
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見ないふり続けるつもり?あのひとの瞳の底に潜む薄氷
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おもちゃなどなくても平気ぼくたちは自分のからだで遊んでます
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ビー玉を飲み込んでしまわないよう両手でここを押さえておいて
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いくらでも眠るチャンスはあったのに足踏みばかりして明日を待つ
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スカボローフェア響く部屋どうしようここではうまく息が吸えない
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本棚にしまったままの文庫本 開かなければ彼は死なない
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あとはただ落ちてゆくだけ花を吐くように響いた夜の終わりに
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「偶然の交わりですよこんなもの 明日からまたすれ違いましょう」
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この夜が明けたら触れた指先もひとつ残らず忘れてあげる
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閉じ込めているだけの想いですので決して浮かび上がらせません
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灰にしていいよもうこれ以上神へ手紙を書いていられないから
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足裏に花びらと棘の感触 罪のかおりはまだ届かない
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痛くないふりしてもきっとあの子なら気付くのだろう笑うのだろ
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ひび割れる前の瞳がうつくしい 教えてくれたあのひとは今
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コンクリートを打つ雨音はまぼろし お薬飲んではやくおやすみ
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切れかけた街灯の下またたいている十五年分の感情
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あの日の僕と君の間に横たわるふかくて長い川の冷たさ
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眠れない?それなら今日は暗闇に溺れた男の話をしよう
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この先はあつくて尖った道ばかり感覚殺して歩いていこう
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今までに誰も傷つけなかったのでしょうあなたのこの舌先は
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額から滴る血より汗よりもお前の舌がいちばん熱い
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たすけてよ君に触れると爪が伸び君を舐めると歯が尖るんだ
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あの日からがんじがらめになった恋ほどくより切った方が健全
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きみが次のかみさまになっても雪はこの色のままにしておいて
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なぞったらきっと血が出ることだろうおまえの胸に咲くカンパニュラ
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古ぼけたタイムマシンにさよならを これから明日の話をしよう
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この夜の果てにあるのがあたらしい世界への階段だったらいい
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僕の目に七等星が映るなら夜空はもっとにぎやかになる
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閉じたまぶたをなぞる指つめたくておいしそうだし齧ってみたい
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心臓が昨日の夢に溺れてる流れる赤も知らないままで
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