Utakata
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竹内すい
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あてもなく迷い込む野のベンチには肩幅分のわたしの景色
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張りつめた心が崩れてくように塔の鐘鳴る 花街は雨
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焦燥で湿ったインナー抜け殻は現代美術の名もなきオブジェ
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くるくるとアイスコーヒー回すほど一緒にいられる
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時すぎ
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まばたきをゆっくりすれば会えそうなまつ毛の先の太陽の粒
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恋人が持ち寄る桃色ハンガーをグレーと交互に風に並べつ
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一日の果てのひととき私にあげようフェイスパックのひたひたの愛
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亡き祖母の開かずの部屋の戸を引けば 埃きらめく毛糸の峰々
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何度でも茜の夕日に見とれてる いつか許せるときがくるかな
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こりもせず読めぬ冊数抱えてる腕がうれしいからまた借りる
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もう二度と会えないような満月だ 初風だけは知ってるのだろう
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公園でホタルのように座す男 ブルーライトより安らかな闇
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古き名と自動変換で再会し にじみ浮かんだ名前のない午後
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スコールでロビーに避難した人はみんな遠くの晴れ空見ている
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夢の端思い出すのは君じゃなく雨宿りした土の湿り気
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きみのかお瞳に映り、ふい泪 純白の朝が予感するから
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幼子の記憶にだけまだ生きている 赤く大きく迫りくる月
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隣室の女の横でわふわふと笑う男がみている夢は
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あの席でちいさな夕日を見るたびに私がいること思い出してた
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稜線をすべる素肌のなめらかさ もてあます夜 青満ちる部屋
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背中にはまだ君といた海の跡 日焼けの羽をシャツにしのばす
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底なしの不安が情報食い尽くしあたまがいたいよねるねるねるね
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気泡たつガラスの海をはめている人差し指が連れ出す電車
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ケーキの火吹き消し細き煙抱くわたしに注ぐ電灯がくる
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わかりあうことなく寝息たてるひと 深い眠りにつけますように
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すのままの髪をうしろに漕ぐそばで車両も眠りし夕色のまち
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ダージリン飲み頃はかる砂時計 へっていくけどふえていくもの
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まごころが耳に反芻するばかりかき消せるのはタイピング音
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微炭酸メロディにほね溶けてゆく一人の朝をいわうはずだよ
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詰め替え用宙にゆっくり気泡をはなち 三月から来たあそびの風かも
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