斗月
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ゆるゆるひっそりと
初心者/字余り常習犯/形になったらとりあえずupしていく方針
日記代わりの短歌や眠れない夜に詠んだ短歌、オタク短歌、創作シチュ短歌、他

ツインテール姿になった吾の遠く 虚無たる眼差し美容室にて
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「とんがった部分が痒いの」頭蓋指す 母の頭の丸みと水無月
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洒落怖は昼間に読んでる怖いから お化け来るから本当に来るから
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寝る前に読んだ怪談 思い出し 手足をそっと布団にしまう
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乾涸びた蚯蚓ミミズを憐れむ間も置かず アスファルトを縫い這い寄る真夏
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「別にもう どうでも良いけど」口をつく その度 傷付く嘘だと知ってる
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優しさに応えられない苦しみが 喉につかえて窒息しそうで
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唇に触れても良いのはリップだけ 気高さに添うメンソレータム
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ハッピーを君は歌った「幸せに いつかなれるよ」いつかっていつ
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脳みそを隔てた先にある現実リアル 夢ですら私、幸せになれない
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端折られた春に急かされ咲く花の 体感も狂う初夏三十度
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断末魔 或いは私のしぼかす ネットに埋もれていつか化石に
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回る口、必要以上の自己開示 顔だけが熱い今日もしんどい
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花である呪いを捨てて私たち 泥水に浸かる何処へでも行ける
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クッキーを食べるたび口の端汚す 三十路なんてさこんなもんだよ
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この顔に生まれつきある痣もまた 三十二歳おめでとう私
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春を避け身を寄せあった服たちの 匂い満ちゆく卯月の真昼
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一角の憤怒の獣を膝に乗せ 森深く在る私は乙女
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つのがある翼もあって鉤爪で 鱗もあった あの頃はただ
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花柄の服を選んだ あの人は 麗らかに歩く春の擬人化
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着慣れない花柄を選ぶ この場所を 花畑にして紛れたいから
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東京か流石に遠いな生霊を 飛ばして行くか推しの祭典
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ただの板 理解わかってんだよでも欲しい 推しが印刷された板だし
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完璧なアンモニャイトよ時を超え いつまでも残る幸せであれ
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足元で頭突きを繰り出す猫のひたい 愛情ゆえと信じて良いか
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猫たちは液体となって日々溶けて 人の心の隙間を埋める
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真夜中のインターネットを海として クラゲになったつもりで泳ぐ
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希死念慮 聞こえるかこれがナッツ食む バリボリおんだ生きてる音だ
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猫ちゃんがカリカリを食らう顔付きで ミックスナッツを齧る吉日
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真夜中に漕ぎ出して行こう行き先は 分からないけど遠くが良いね
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