竜泉寺成田
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448

2025年1月に短歌をはじめました。
いろいろなところで発表したものを基本すべて載せています。
つまりポートフォリオ。
ツイッター→@narita_tanka

来世には姫になるのと言っていた友と仕草のそっくりな猫
10
先輩と相思相愛だった日はどうにも夢にきみが出てきた
3
「マーモット おっさんの声」「マーモット 叫ぶ おじさん」「マーモット 声」
6
傘をさす反対にさすまだ誰もしてないようなやり方でさす
6
くもりのち雨だと胸が予報するまだ泣いちゃダメまだ泣いちゃダメ
5
家が灰色になってく午後3時半にはじまるぼくの生活
4
手のひらに世界ぼくらは井の中で大海を見て、そしてそのまま
4
不器用にむかれたじゃがいもの皮を生ごみまたは愛と呼びます
5
叱られて伸びたうどんにからまったわかめがどうもどうも黒鍵
4
あの人がきょうも定時で帰るからマトリョーシカをひとつ取り出す
4
全力で回すアリスのティーカップ熱い紅茶を注ぐまで3
5
水道の蛇口をひねりキッチンの排水溝にあふれる怠惰
6
土曜日に虹を越えるよ。まだ誰も知らない色があるんだ、そこに
4
石鹸は変わらずそこにいた父が死んだあの日と同じサイズで
7
おれんじがささやいているたくさんのいのちを殺すざいにんになれ
3
捕食するワニかのように目を出して湯船に浮かぶアヒルを狙う
11
唯一のヒントがきみのニオイだと分かった立体迷路 廃墟の
4
ひと駅も持つかどうかのおしっこと旅する時速80キロで
5
玄関にカン・ビン・ペットと書いてあるみたいな面で部屋は灰色
4
つぎつぎと緊張たちが弛緩して大浴場に咲いてゆく《一》
5
眠れない夜があるきみの胸からノイズが消えることが怖くて
4
本棚のスキマにうめく悪魔らを封印せんと買って、積読
10
晴天を四捨五入して明後日もその明後日も灰色にする
6
もう夏と気付かれぬよう吹き出した汗を誘拐しつつ放課後
4
平等な男とうたう同僚がドーナツを書き真ん中に穴
3
ハエでさえ生きてんのにというときの《のに》をズームで見れば人型
6
カレンダー一日早く進めればおれだけの街おれだけの空
13
ぬいぐるみファインド・ザ・コア綿をゆき綿をかきわけポスト・ぬい・ワールド
4
鉛筆の芯を片手にとがらせて嫌なこと言うきみを見つめる
4
じわじわときみの言葉がかな文字へゆるまってゆく午前2時半
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