あさもやの 薄墨流し 春時雨 はこべ色濃き 濡れて滴り 玉の露
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好きなだけ居たいのならば居ればいい この国からは僕は出て行く
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去勢され君はいい子になりました それを喜ぶ人を憎めよ
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溜息もすぐ湯気に変わるから今はさみしくないよひとりの露天
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桜散り 春過ぎさりし かと問えば 花水木答う 白妙の袖
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銀の針 的を逸らして 心臓を 撃ち抜いてよと 言えぬまま駅
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桜追い北へ山へと巡り行く来年もまた傍らには君
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手摺り持ち あくび横目の 朝八時 引力のまま Yahooに沈む
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通路側 あとからの風 通過駅 誰かを真似て 身体に電源
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ギロチンが御神体だという神社参拝したい供物を持って
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「かわいい」を、やっと貴女にいえたなら たんぽぽみたく わらってくれた
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落魄し老いて惨めな慚愧でも私の愛のなかにいる君
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暗雲が 国の象徴 棄損する 権謀術数 情報操作
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誘われて 街の憂鬱 戸を叩き 光と影の 妖しき狭間
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三日月は欠けているから三日月で 死にたいけれど生きていたくて
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新しい制服届いて試着する誰よ一体勝手にサイズ落としたの?
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首元の手で触れてみる赤い石 急な衝動そこにあるかと
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宙に浮く 空気互いに 蹴り返し 降参しない 醜いいくさ
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「米相場」 「オイル事情」 根本は 資本主義の 崩壊前夜
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お出掛けは 年に一度の 里帰り 羽根が生えたよ 半世紀前
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ようけ呑み路上で寝るには良え季節 枯れた桜の花弁も愛しい
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難しい言葉並べる必要はなかったんだな今さらだけど
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拝島のフジを見にゆくバス旅の二十二分のゆらりにふたり
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過ぎた恋 取れたと思った かさぶたが そぼふる雨に しくしく痒い
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冷蔵庫グァングアンと喘いでる そろそろだよねよく頑張った!
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片付けは苦手なんです仕舞ったらどこへ行ったか見えないじゃない
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待つ君の背中に滲む「さよなら」に花の香りを添えて返そう
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どこの猫 庭に佇み マーキング? 長閑なるかな この住宅地
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片足を あげて孔雀の 凜と立つ 一鳳(いっぽう )の図は 薔薇をあしらう /森一鳳筆孔雀図
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荒草(あらくさ)を 少し引き抜き 花清き 馬酔木を供ふ 父母の奥津城
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