紗がかかる
0
1
投稿数
19
天高く青に舞う我風を喰む 光の滲む血を拭いつつ
4
秋の葉のいつ散れどよきやう匂ふ如く我を磨きて息継ぐ
4
窓を這う梅雨の残りが鬱を刺す 雷鳴の先 行方知れずだ
7
早々と過ぎゆく秋に焦燥と春を待つような落ち葉集め
6
かの満ちし月の周りを二人にて歩ひてみぬかと言ひし君かな
16
月の海に溺れ交わる我と君の音が重なる一夜の夢よ
7
桜花散らしめる風も涙にて春運び去ぬ空の細波
8
悲しからば叫びたまへと冬の云ふ 我は汝を呼びたらねども
8
「春は来ない」そう信じ人生を歩む これ以上不幸にならぬよう
7
「やるべき」と「やりたい」が脳に絡まって解けそうにない秋の夜半に
14
君の肌 別れが如く触れられず 息白き中衣纏ふ故
7
何処までも進むさ苗が芽吹くから 一夜渡れば違う世界に
11
僕たちは歳月の風に吹かれて魂の火が消えぬよう生きる
12
いと青き輝きの中我あれど君の中には天地あめつちのあり
12
春が過ぎ君という名の花が降る 潮の流れに揺られる最中
6
吹き荒ぶ時の最中に春抱きし吾は星なれど君は永遠とわの空
8
春雨にともしびの消えぬ日は彼方 幾億に散る光かなしき
10
貴女との記憶に誘ひしあの子らがなびく髪さへ道に溶けてき
6
生きたるは薄命の中 薄明を信じ眠るも現代いまの常かな
12