躊躇なく奪える命の条件は 雛芥子の芽を引き抜きながら
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湯上りに直立不動涼みつつ心眺めて整えんとす
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見ないでねあなた、わたしがさしあげる歌はやさしいものだけでいい
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今晩は、山仲間で地上の蕎麦屋で一杯、生存確認か
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「泣かないと決めてたのにな」うつむくあなたを受けとめてたらきっと
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同僚がおしゃべりに笑う職場来てあの日の決断誉めてあげよう
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起きてまず ねこたち遊んだあと片す きょうもげんきに ド派手にあそんだ
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夢の中「あなたが寝ている」と医者が言う それは何かと考える朝
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新店舗 初日に買い出し 人だかり 秘策は自転車 停めるに困らず
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せめてものターバン巻いて黄砂避け 髪はお下げに結って婦人科
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牧之原にうちいでて見れば茶畑のみどりは今朝の露にぬれつつ
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怨恨はつきることなし あの頃の心はいまもいえることなし
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夜にしか起きれない僕をジャスミンにたとえてみれば多少はマシに
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傘を持つ手の血管が動くたび呼応するかのように脈打つ
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理屈しか 言わない雑魚を なぎ払い 己の道を 見つけて歩く
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散歩中すれ違うふわふわのいぬ、ほかほかごはんの炊けたかほり
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物価高 お得に安く 買いたいが 価値あるものには 対価もあって
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新しい事をいつでも 始めたい 形にしたり ぼちぼちしたり
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春が来た もうすぐ梅雨で 夏が来る 桜が散って 未来を想う
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保育園で寝てた布団の残布から出来たバッグでラインが戻る
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嘔吐する見知らぬ酔っぱらいひとにタオルをあげた 貴方の明日が良き日のように!
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しんどさのひとつひとつを丁寧に数えようとし無理だしんどい
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蕾から散って大地になるまでの時間以外こそ愛でていたい
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どのくらいもらったのだろうどのくらいあげられただろうもらったものを
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二人して右のおでこを虫食われ桜は散つて季節はすすみ
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風なのかそれとも地震のせいなのか アルミサッシがガタガタガタガタ
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お祈りが受信ボックス溜まってく そろそろ奇跡が起きてほしい
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ラジオから懐かしき歌ワンスモアあの日再び珈琲啜る
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己の名前と同じタヌキが 動物園で幸せを享受している 
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たいちょうの わるいときには ねこだって あまえたいのよ おひざをフミフミ
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