ミツバチ便り    フォロー 15 フォロワー 14 投稿数 69

そぼ濡れて帰りし我が子の制服を干せば雨よりひなたの匂い 

キッチンに入る夕陽でカレー煮る「今朝はごめんね」言ってみようか 

美しく老いるだなんて嘘なのよ ほらあなた見て上弦の月 

扇子出し扇ぎ笑ってお喋りし小さな嘘も畳んで仕舞う 

やわらかくつぼみほどいた紅い薔薇浅く目覚めて朝日を見てる 

まだ青きトマト湯がいて皮剥けば香り顔出す小さき夏は 

わたくしに夢があったか忘れたが夏に向かってひまわり植える 

あんなにも輝いているあの星が嘘みたいもう尽きてるなんて 

桔梗挿す花器は静かに受け入れて茜さす夕 美の確かさよ 

君たちは光と熱でできているシャツの色は青 こぼさずに咲け 

紫陽花は雨を愛する花だから包み込んでよ雲も涙も 

タッパーの器とふたの大きさがいちいち合わぬわたしの運命 

母になり亡き母の気持ちよくわかる母って案外ずるしますよね 

降りてゆく蒼いとばりが日中の熱を溶かして素足に優しい 

夕暮れは窓から銀河のお祭りで踊る幼き君が入りおり 

想い出は寝たり覚めたり猫のよう愛しく撫でて抱きしめてみたり 

後ろから「かず」と呼ばれて返り見る見知らぬ女性と黒いパグ犬 

若草を噛めば想像した通り青い苦味でくらくらとする 

地獄への道は善意で舗装され 芋虫忘れ蝶は舞うだけ 

申し訳御座いませんと頭下げ垂れた毛先と我の膝見る 

平成の以前は昭和なる歴史 つい最近のことと私は 

大粒の雨に打たれて夏はきて亜麻色の手で空気をゆでる 

カップふち指で摘んで渡されて心泡立つコンビニコーヒー 

わたくしの心は誰にも明かさない正しいだけの青空なんか 

母なのに義父の介護もしてたのに父の前では幼いわたし 

君の名の五文字に想いはぎゅうぎゅうで母の想いと父の想いで 

五月雨は天使がくれるティータイム芝の水やりさぼらせてくれる 

花びらの散りゆく数は限りなき 葉桜愛でたし歳とるもよし 

たたまれた翼は透けるような白 遥か未来を羽ばたけ君は 

ありがとうただただ君が我が子だと想えば熱き涙とまらず