ミツバチ便り
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「理想的」はほとんど奇跡と知っていた 縮んだ?太った?去年のニット
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窓映るシャツの膨らみ犯人は春風らしく夕焼けの街
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迷ったら必ずだめな道をゆくそんな私を助けてGPS
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故郷の父も電話の詐欺に遭い青菜に塩の様子が辛い
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春支度空が始めてきたらしいあなたに知らせたくなる匂い
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天泣やとける雪の音聴こえつつあしたは何を着たらよいのか
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艶のない髪の毛さっぱり切った日の鏡のわたし笑顔が咲いた
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怖いのはインフルエンザやコロナより小じわとたるみ隠すマスクで
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フリクションの音で高鳴る年度末知らないことに飛び込む春に
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ごみ捨てを君がする前名前なき家事をしている私を知ってる?
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すっきりと伸びていってるもみの木と折れ肌むき出すもみの木痛し
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胸痛み必要悪は叩かれる最期に魅せる小林多喜二
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立春の朝の日差しは透明で隣の家の屋根の雪落つ
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カレンダー今年初めてめくった日新たな私の老いがはじまる
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やわらかく降る雪見ればよみがえる雪かきをする父の姿が
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吾の日々は少し働き少し食べたまに短歌をあげてときめく
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友からの「HELP!プチ鬱」ライン見て可笑しくはあり聞きたくはなし
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朝になりジャムもつけずにパンかじる生きたくもなし死にたくもなし
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この電車動くと君は過去になる雪がやむころ想い出となり
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鍋の出汁沸いて昆布を取り出せば冬はゆっくり時間がすぎる
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松の枝堪えきれずに折れている幹の中身を雪に埋めて
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笑顔ごと包んでみよう手作りの餃子をつくる冬の夕暮れ
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青缶のニベアを開けて手にぬれば雪の目線で夜が閉じゆく
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義母という要なくした正月も流れていって煙の如く
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肩の雪払ってくれる姉の手に亡き母想うそんな正月
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ガラス拭き今年の空を惜しむ今空は青くて雪は白くて
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この冬も運河はぎんっと凍てついて思い出さずに済む我の恥
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かたい雪踏みしめながら子と歩く未来の香りコンビニコーヒー
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喧嘩して割いた写真は今どこにごめん母さんごめんさみしい
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一折のシャコを求めて帰り路祈りに等しいシャコの重さよ
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