Utakata
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ミツバチ便り
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家族のことをよく詠みます。
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母の負を父の
勲
(
いさお
)
で拭ひ去り 私は独り
介護
(
あした
)
を編めり
23
叙勲
(
いさおし
)
の記章を磨く術もなく
認知
(
わすれ
)
の父は私を呼ぶなり
19
父と夫二人の影を背に負ひて 息子のなかの光へ歩む
22
朝靄に身を浸しつつ思ひをり 旅立つ私は一人でいいと
28
窓側で赤ベコのように揺れながら寝てる息子をインストール
20
私にも家庭と離れる日が来るの朝霧夕霧たつ北の街
25
ひかり降る覚悟を決めて卯月へとヴァニラが溶けるように進まむ
19
十年後の私に問はむ笑い方、進むべき道、その超え方を
32
かりん茶の湯気に喉をあずけつつ「悪くないよね」インフルの春
29
五日間、家族で閉じこもる贅沢 熱の喉へとプリンが溶ける
28
インフル
B
という春休み 五日間家族の声で満たす喜び
28
教科書にひらがな四つ「てふてふ」と春の扉をひらいたあの日
32
「優しい」が擦り減らされてゆく我の心を知るか父の瞳は
31
窓辺なる光にまぎれ名無き虫 命を震ふ春の訪れ
31
助手席の私を越えて春の山 見えぬ
動物
(
けもの
)
の
呼吸
(
いき
)
に霞めり
25
いや、いける。筋肉が落ちか弱いが「進め!」と鼓舞し歩き続ける
27
「真夜中のドア」が流れて
夫
(
つま
)
の横 戻れぬ日々が不意に愛しき
30
寄り添いて不味き牡丹餅分かち合う 笑う夫の手の節愛し
27
夫と行く遠き蕎麦屋の帰り道 芽吹く野山をふたり見つめて
31
独り言いつの間にやら多くなり 茶碗を洗う手に春の風
39
もたれくる父の重みに耐えかねて吾も生きたしと叫ぶ心臓
31
子を想ふ心に果てはなかりけり離れがたきも母の真実
28
「幸せに」祈る数だけ離れられぬ 不器用な愛を春の日に干す
27
溢れくる涙はそのまま流しなよ 優しき君の心なりけり
34
ワンランク、ダウンダウンの化粧水老けも速まる物価高にて
30
雪を割り芽吹く命のあるごとく老いた父追い日々を越えゆかむ
30
親を子のようにおもう日 崖っぷち、だけど愛して家事をしている
29
老いといふ証の爪のさざなみに 命の色の紅いマニキュア
33
「あと何度」数うる指をそっと閉じ 日曜朝のトーストを焼く
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「ごめんね」と言えば「いいよ」と決まってた。いつの頃から「いいよ」で済まぬ
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