Utakata
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ミツバチ便り
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家族のことをよく詠みます。
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まだ暗い 部屋にひとりの呼吸音
宇宙
(
そら
)
とわたしの 秘密の時間
33
眠れぬ夜に抱きしめられて聞くサイレン知らぬ誰かの
運命
(
さだめ
)
を祈る
34
バス停のおじいちゃんの笑顔こそこの街に咲いた 最初のさくら
34
忙しき夫の背中に手を合わす 湯気立つ飯を 絶やさぬ祈り
31
三十七度六分の熱に寝込みつつ息子が鳴らす家事音愛し
34
おじいさんとおばあさんが手をつなぎゆっくりイオンを後にする。ほろっ
27
白湯啜り いっぱしの風邪 なりおれば 家の静寂が わたしを包む
23
ピーと鳴り炊飯ジャーを空けた後卵一個で地上の奇跡
30
着信の 画面を伏せて 深呼吸 愛していると 逃げたいは、似る
30
今日もまた納豆もやしを並ばせて財布の底の静かな反乱
32
真夜中に 月と密会 したことは 家族に内緒の 銀の耳打ち
30
午前四時 目覚めて月を探したら 孤独を溶かす 蜜のしずくだ
27
除雪車が 運んできたね 冬の朝 眠いからだを 米で研ぎだす
29
「おはよう」と 家族に放つ陽だまりが 積もった雪を ひとさじ溶かす
29
黒豆の 茶を飲み干して 立ち上がる 明日も家族を支えようじゃないの
30
怒りという冷たい服を脱げぬまま猫の無罪に指をうずめる
26
「おめでとう」と言うたび口が切れていく 嫉妬はのみこむためのカミソリ
26
「おはよう」が白く弾けるこの街は体温だけを頼りに起きて
22
寝癖さえ「おはよう」というサインだね無防備すぎる家族の朝に
23
「おめでとう」 乾杯の声 高らかに 吾を母にせし 子と酌む地酒
31
「おばさん」は 終わりの
合図
(
サイン
)
じゃないのよね未来を走る コースの呼び名
28
失くしゆく 父の背なかに 陽が落ちて すべてが愛しき 冬のひととき
26
幼かった私に贈る指定席「大丈夫」という切符握らせ
31
喧嘩して、仲直りして、ご飯食べ。家族という名の終わらない恋
27
どうしても愛してしまう玄関で靴を履く背の、その無防備さ
24
嫁娘母
(
よめこはは
)
の どれも中途にこなしては 泥のわたしを 慈しみおり
30
退職の日は近づきて 吾の中に 被害者という 鬼が目を出す
29
あの日々を 奇跡と知らず 過ぎし日よ 煮込みの鍋に 詫びごとを言う
35
煮込み鍋湯気がゆっくりわたくしを人へと戻すボディバッテリー5
24
「あんなにも優しかった父」と書く ペンさえ重い冬の朝です
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