ミツバチ便り
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とんがらし色した夕陽落ちる秋若かりし日の驕りにも似て
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子は母の約束守らぬものだよ、とだれか笑って私にいって
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会計でまごまごしてる老爺と父を重ねて目尻が滲む
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だんだんと早くなりゆく待ち合わせ昨日と少しちがう夕焼け
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理解して欲しい願いはビルのドア開けた途端に吹き飛ばされて
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起きなさい片付けなさい行きなさい 司令塔の母歯も磨かずに
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珈琲を冷めたポットの水で入れ静かに飲むか家を出ようか
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母という海を超えゆきいつか知れ人しか人を刺さぬということ
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気づいたらADHDのみこんで秋の光を頬に集める
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坂の街転がり落ちぬよう母は君の手つなぎ登ってみせる
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あなたへの愛に溢れた今週も深夜の駅はやっぱ哀しい
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サラ金の荒いティッシュが涙吸う叔母の葬儀で叔父の老いみる
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盛り上がる「終活、病気、更年期」けれど一人も死ぬ気はなくて
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秋雨は野良猫の鼻冷やすだろうイオンとIKEAいくらあっても
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朱鞠内生まれ氷点下育ち玉置浩二のファンみな友達
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我はゆく独り暮らしの父のもと「生存確認!」合言葉にし
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思うより海は広くて深いもの飛び込むことは何度もできる
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曖昧な不安に追われ逃げたくは一人でいかず 道連れにして
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私より少し大きくなった玉 落ちるな登れ虹をつかめよ
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引きずられ差し出した手も振りほどき施設へ義母は 名月の夜に
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雷走り猫飛び上がり抱きついて私のひざを拠り所にす
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カフェの隅「更年期やば」「まだ若い」友の目元のたるみ見て言う
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やわらかな君の心に刺した矢を抜くのはきっとわたしではなく
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雨だった 無視して帰る君の背に「ごめん」を言おうタイムマシンで
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体温が宿るシーツに包まれて窓の隙間はさわさわと秋
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「じゃ、またね」うらはら指は浮いたまま子の顔見るとクリックできず
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虫の音に目覚め薄闇ひんやりと朝か夕かとしばし哀しき
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肘ついてテレビ観ながら食事する。子が出てゆけば母脱ぎ捨てて
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風それはカーテンと知る王林は森懐かしむテーブルの上
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偽ものの笑顔を自分で剥いでいき残ったわたしはきっとかわいい
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