Utakata
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ミツバチ便り
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家族のことをよく詠みます。
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擦りむけたひざもほっぺもものとせず補助輪はずす背中の翼
7
落蝉を拾いて夏の盛り逝く生きるものだけ死ぬことができ
8
砂の立つサッカーコート日に焼けた少年の脛まぶしい柱
6
夜の雨あなたを過去にしてしまう手を伸ばしても夜はつかめず
10
赤と青闘う空の夕暮れをのぞむ私の胸は静かだ
10
炎天の坂のぼりきて星祭り振り返らむとひとりきりかな
5
君の手が蛍をそっと包んでる世界で一番優しい灯り
11
いつもより暑い夏でもとうきびをレンジは使わず茹でようと思う
6
今朝もまたきっと明日の朝もまた私の死後も誰かが米とぐ
11
生きていることは辛さのビブラート紫陽花重く雨に撃たれて
11
かわいらしいカフェのメニューに「かぷちーの」ふぅんなるほどふぅんなるほど
6
キャベツ喰む姿がかわいいかわいいと言われし蟹を羨ましく思う
8
落ちそうな夏椿見るそんな目でいつでも私を包むべきよね
7
洗濯機回り続ける水眺む そんな気持ちで走る息子見る
6
死神を騙す男の落語聴き白髪を染めるわれ誰騙す
5
ゆうべ見た夢のつづきとまごうほど百合に集いし蝶々の宴
10
月光はカサブランカを香らせて真みずのような純な白さも
6
そぼ濡れて帰りし我が子の制服を干せば雨よりひなたの匂い
6
キッチンに入る夕陽でカレー煮る「今朝はごめんね」言ってみようか
5
美しく老いるだなんて嘘なのよ ほらあなた見て上弦の月
8
扇子出し扇ぎ笑ってお喋りし小さな嘘も畳んで仕舞う
7
やわらかくつぼみほどいた紅い薔薇浅く目覚めて朝日を見てる
11
まだ青きトマト湯がいて皮剥けば香り顔出す小さき夏は
7
わたくしに夢があったか忘れたが夏に向かってひまわり植える
7
あんなにも輝いているあの星が嘘みたいもう尽きてるなんて
7
桔梗挿す花器は静かに受け入れて茜さす夕 美の確かさよ
4
紫陽花は雨を愛する花だから包み込んでよ雲も涙も
10
タッパーの器とふたの大きさがいちいち合わぬわたしの運命
10
母になり亡き母の気持ちよくわかる母って案外ずるしますよね
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降りてゆく蒼いとばりが日中の熱を溶かして素足に優しい
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