ミツバチ便り
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家族のことをよく詠みます。

瓶に挿すダリアが散って枯れている窓辺の刻は気付かず流れ
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美しい老いなどないわ相対性理論が証明してるじゃないの
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逢いたくてアルバム広げもの言わぬ家族友達寂しさ去りぬ
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病い得て幼児にかえる姑は哀しみ憐み愛しみも似て
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雪道に張り付く紅葉ぱらぱらと秋のパズルが外れるように
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蜻蛉がとんでもひらく自動ドアこの魂にちょうどいんだわ
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やっぱりね待っても来ないキシリッシュとっくに味が抜けてしまったわ
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飛行機のお腹を眺む夕暮れはカレーの匂いで我を鎮める
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わたくしの祈りが宿り手塩かけまばゆく育てば「きらい」と言われ
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心にも使い捨てカイロ貼ったなら「あったけぇ」って微笑むかしら
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この街で老いてゆくのね枯れ芝生ホットカルピスおかわりします
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降る雪のためにタイヤを交換す「白い妖精」などは降らない
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皮硬く噛んでも甘味のないトマト考えて喰む死ぬということ
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靴下の左右が微妙に違う色そういう男子が意外と好きだ
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ご破算にしましょう今朝の口げんか「ごめん」の代わりに今夜はシチュウ
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「ありがとう、でも僕一人でできるから」ほっぺを寄せるあなたはいない
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揺れそよぐすすき穂とまる赤とんぼ飛べ空よりもまだ空の上
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さんざめく月の光も甘やかにルソーの夢に見られ紅塗る
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もういいよ、がむしゃら魂をおへそから摘み出してももういいんだよ
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空高く朝の空気は透けていて息だけ白く飛べ鬼やんま
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触れようと指先のばし憚らる 子の成長とは少し寂しや
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秋桜は風を揺らして夕暮れに過ぎ去りし夏教えてくれる
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「ねぇ母さん肩揉もうか」と触れる子の企み知りつつ 我は親ばか
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月光に頰撫でられて眠る子よ叱りすぎたねごめん おやすみ
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ピカピカの秋刀魚さばいて三枚に 食す家族の笑顔想いて
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コンビニのレジでまごつくようになりデジタル弱者で生きゆく覚悟
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鏡向こうアイシャドウぬる目の辺り亡き母映り浅く息吸う
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あやとりはいつも私で絡まった田中みな実になれないわたし
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母遺す細い鎖の腕どけい母が逝きたる三時をしめす
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天界の母と俗世のわたくしが共にみている大き満月
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