ミツバチ便り
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家族のことをよく詠みます。

枝豆を夏の名残りと固茹でて青い景色を口に広げる
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私より彼女を好きになったこと恋が終わって おかえり息子
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秋陽に干され始めた柿の実よ父の孤独が今ならわかる
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折りたたみ傘をしまえば萎れてく庭の朝顔とうに枯れてて
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飲み干したノンアルコール缶軽く軽く買われて軽く捨てられ
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子の喉にビー玉一つ隠されて思春期だとか反抗期とか
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レントゲン義母の肺には白き花いつか茂って義母を覆うか
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靴底で「じっ」っと震える振動は何日分の命か 蝉よ
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この白き部屋も終わりと知る母の最期の珈琲砂糖多めで
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この痛み夜空に放り投げればいい一生圏外という逃げ道
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一葉のかたち様々アゲハ飛ぶ緑の密度高い日曜
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進める日進めない日があって良い 右脳と左脳寄り添いあって
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立ち上がれ転んでもいい走り出せ向かい風ゆく君はまぶしい
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見上げたら今の私と同じ色裏切られること空もあるのね
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木も街も油断している窓の雨青葉の向こうに初夏の鉄塔
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ラムネよりあの日の泡が溢れだす目にも指にも甘い想い出
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告白をすると私は卑怯者白い百合って鉄砲みたい
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古い地図捨てて真白な草原へ怪我をするのはのぞむところと
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探しても本当の私なんてない ようやくわかる人生半周
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キッチンに「昨日ごめん」の置き手紙 もっと綺麗な字で書け息子
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YouTube止まり画面の暗さにて銀歯光らすわれの顔あり
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想い出は数に限りがありまして忘れていくね ごめん母さん
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熊よけの電気が走るフェンス超えしなやかに巻く黄緑の蔦
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前髪を1ミリ直す我が息子後頭部の毛寝癖のまんま
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階段と風呂場と居間に手すり付けほっとしたのは父よりわたし
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持つ物が増えるスマホと老眼鏡夫の薬と拗ねた子の肩
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良き主婦を演じた今日の一日を両手を伸ばし明日に備える
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もう少しもう少しだと筆は言うリモート前のリップラインは
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クロゼット隅に刀が眠りおり「とお」と振ったら散れる折り紙
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雪の朝友が逝き葬儀は無しと 心で通夜すコロナ恨みつ
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