ミツバチ便り
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家族のことをよく詠みます。

「妬んでも泣いても良し」とつぶやきて私は私を許すと決める
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失敗を数々刻み林檎剥く このひとときがすべて正解
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いつか来る別れを知らぬ顔をして みそ汁の湯気に家族は和む
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抱きあうはなくなりしこの年月を越えて息子の目はあたたかし
35
「しわよせて笑うお前の顔が好き」と言われて汁粉煮るお人好し
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「焦げたね」と笑ひて囲む夕餉なり林檎剥く手はあたたかくあれ
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チョコ色のブルが散歩でおでこにはクリームみたいな雪をのっけて
31
「お先に」とライトで合図する指に名前も知らぬ誰かの温度/雪国の温かさ
31
勤め終へ家に帰れば三千櫻グラスのなかに光が跳ねる
20
受話器持つ指の震えをそのままに 友の笑い声もう還らぬ
26
「まいったね」笑いあいつつ雪を撥ね見知らぬ誰かと交わすぬくもり
31
「当然」と言わるる日々に削られてわが手はカサリと冬の音す
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しくじりも「わたくし」なのだと頷けば鳥舞う空に冬の陽の満つ
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前向けぬ日は日向にてひっそりと息整える草の如くに
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哀しみは捨てずに抱く わがししの芯を創れる光なるゆえ
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「そのバッグまだ持ってたの?」ママ友よ一生出汁巻き失敗してろ
30
声荒げ朝を待つ間に研ぐ米の白きひかりに「ごめん」をそえて
27
わが内に不機嫌という蜜ありて近きものほど汚して止まぬ
35
この疲れ汚れにあらず生の証 泥を蹴りつつ我が家へ帰らむ
41
鳥の声途絶えし朝の吹雪なりわが家の芯をスープでてらす
30
醜きも愛しきわが身と抱きしめて午前二時の闇に火を灯す
28
諦めを覚悟と呼びて生きてゆく この身はすでに森に降る雪
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傷あればこそ愛でらるるこの身体賢くなきを許して歩む
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美しく老ゆることなど叶わねど素晴らしき日々抱きて進まむ
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熱の子のあつき唇ひらきつつ林檎のしずく命へ運ぶ
34
「ただいま」の声を待つ間の静けさに鶏肉沁みて愛しき夕餉
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「用がある」その一言の空白にわたしは午後の陽を余らせる
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「私」という一羽の鳥を解き放て家族という名の深き沼より
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わがうちに家族(いえ)焼きつくす火を飼いて何食わぬ顔で夕餉を運ぶ
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偉そうに のけぞる父の手のひらの震え思えば怒り溶けゆく
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