ミツバチ便り
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友からの「HELP!プチ鬱」ライン見て可笑しくはあり聞きたくはなし
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朝になりジャムもつけずにパンかじる生きたくもなし死にたくもなし
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この電車動くと君は過去になる雪がやむころ想い出となり
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鍋の出汁沸いて昆布を取り出せば冬はゆっくり時間がすぎる
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松の枝堪えきれずに折れている幹の中身を雪に埋めて
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笑顔ごと包んでみよう手作りの餃子をつくる冬の夕暮れ
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青缶のニベアを開けて手にぬれば雪の目線で夜が閉じゆく
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義母という要なくした正月も流れていって煙の如く
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肩の雪払ってくれる姉の手に亡き母想うそんな正月
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ガラス拭き今年の空を惜しむ今空は青くて雪は白くて
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この冬も運河はぎんっと凍てついて思い出さずに済む我の恥
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かたい雪踏みしめながら子と歩く未来の香りコンビニコーヒー
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喧嘩して割いた写真は今どこにごめん母さんごめんさみしい
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一折のシャコを求めて帰り路祈りに等しいシャコの重さよ
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切々としみじみの顔行き来して義母の葬儀を走り乗り切る
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最期には優しい風になった義母削除できずにいるらくらくフォン
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禁断の実をほおばって下界にて暴るる熊の行く先はどこ
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街角で君によく似た君を見る昔々に愛してたひと
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いい声で素っ気ないあなたの返事となりにいるのは女じゃないの
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あり得ない方のわたしが住んでいる運河の街に雪降り積もる
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夕暮れにただの樹として桜あり涙の如く葉まで落として
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せつせつと雪降り積もるその下にこえも無きまま蝉潜みたり
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ひよこ豆ふつふつ笑う深鍋は家族賑わう予兆のようで
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追い詰めて追い詰められて優しさを壊したくなる皿を割るよに
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たたまれて共用踊り場に下がる雪に濡れたる傘光りおり
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とうとうか忘年会のリストきてコロナ禍はもう歴史の一つ
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地を離れ友と疎遠になりつあり仕方ないわと豆腐を崩す
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あれは母かもめとなりて飛ぶ海の緑の深さ深い霜月
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葉と書いて紅葉と読む季節なり赤いてぶくろポケットから出す
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夢うつつ涙の先に船浮かべオールを漕いだ先には母が
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