ミツバチ便り
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家族のことをよく詠みます。

春セーター色鉛筆は十二色画用紙持ってお出かけしたし
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かつて吾を守った父を追い越して あたたかな昔洗う夕暮れ/老いた父へ
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震災のあの日を胸に刻みつつ 祈りて閉じる今日のまなざし
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水仙の芽吹きの色のまぶしさよ子に送る荷に春をひとさじ
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完璧な朝じゃなくてもいいじゃない 光を浴びに靴履く休日
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注文のQRコードを読みとれば まなざし優し子と春の昼
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「ありがとう」不意にこぼれて春の日に ミニカーだけが知る青い空
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スーパーのチラシに家族が溶けていて私自身は何も見えない
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縁切った友を思慕する愚かさよ想い出遠く飛ばせ春嵐
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啓蟄の鼓動を聴いて走り出す泥濘ぬかるみさえも軽やかにゆけ
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この街の雪が溶けてく速さまま、父の昨日が消えゆく仲春
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リビングへ 軽やかにゆく 靴を脱ぎ家族の心も裸足にさせる
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嫁、娘、母の三役こなしつつ、守るつもりが守られる日々
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明日こそ太陽のような「おはよう」を言いたい寝癖が似合うあの子に
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首輪なき自由な彼ら飼いならすあなたの言葉 蒼き電流
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「良い母」も「良き妻」だって呪文です 励まし解くほど君はAI
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今日という一日ひとひ薄めて飲み干せば 猫と秘密の台所ひかる
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「おやすみ」と 喉を鳴らした猫の背に 魔法をかけて 灯を消すキッチン
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「久しぶり」言った瞬間巻き戻る 心の鍵を預けし友に
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「私」だけ 忘れなければそれでいい 父の笑顔は永遠の陽だまり
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「いつ来たの」何度も父に聞かれるが そのたび笑顔が咲くからいいや
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まだ暗い 部屋にひとりの呼吸音 宇宙そらとわたしの 秘密の時間
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眠れぬ夜に抱きしめられて聞くサイレン知らぬ誰かの 運命さだめを祈る
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バス停のおじいちゃんの笑顔こそこの街に咲いた 最初のさくら
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忙しき夫の背中に手を合わす 湯気立つ飯を 絶やさぬ祈り
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三十七度六分の熱に寝込みつつ息子が鳴らす家事音愛し
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おじいさんとおばあさんが手をつなぎゆっくりイオンを後にする。ほろっ
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白湯啜り いっぱしの風邪 なりおれば 家の静寂が わたしを包む
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ピーと鳴り炊飯ジャーを空けた後卵一個で地上の奇跡
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着信の 画面を伏せて 深呼吸 愛していると 逃げたいは、似る
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