ミツバチ便り
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家族のことをよく詠みます。

あの日々を 奇跡と知らず 過ぎし日よ 煮込みの鍋に 詫びごとを言う
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煮込み鍋湯気がゆっくりわたくしを人へと戻すボディバッテリー5
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「あんなにも優しかった父」と書く ペンさえ重い冬の朝です
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親孝行したい時には要介護これさえ愛と呼ぶしかなくて
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みつみつと雫滴るつららかな冬の温き日にたまゆらの露
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幼子がいない我が家の節分は鬼豆抜きの手巻き寿司なり
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無償とか正解だとかもういいの 私のペースで明日は呼吸す
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肝っ玉母になれぬを責めつつも 手羽先煮込む鍋の静けさ
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やわらかく煮える卵に託すなり ごめんと言えぬ私の愛を
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誇らしき造り花より棘を持ち咲けるサボテン愛でて生きたし
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「妬んでも泣いても良し」とつぶやきて私は私を許すと決める
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失敗を数々刻み林檎剥く このひとときがすべて正解
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いつか来る別れを知らぬ顔をして みそ汁の湯気に家族は和む
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抱きあうはなくなりしこの年月を越えて息子の目はあたたかし
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「しわよせて笑うお前の顔が好き」と言われて汁粉煮るお人好し
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「焦げたね」と笑ひて囲む夕餉なり林檎剥く手はあたたかくあれ
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チョコ色のブルが散歩でおでこにはクリームみたいな雪をのっけて
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「お先に」とライトで合図する指に名前も知らぬ誰かの温度/雪国の温かさ
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勤め終へ家に帰れば三千櫻グラスのなかに光が跳ねる
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受話器持つ指の震えをそのままに 友の笑い声もう還らぬ
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「まいったね」笑いあいつつ雪を撥ね見知らぬ誰かと交わすぬくもり
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「当然」と言わるる日々に削られてわが手はカサリと冬の音す
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しくじりも「わたくし」なのだと頷けば鳥舞う空に冬の陽の満つ
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前向けぬ日は日向にてひっそりと息整える草の如くに
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哀しみは捨てずに抱く わがししの芯を創れる光なるゆえ
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「そのバッグまだ持ってたの?」ママ友よ一生出汁巻き失敗してろ
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声荒げ朝を待つ間に研ぐ米の白きひかりに「ごめん」をそえて
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わが内に不機嫌という蜜ありて近きものほど汚して止まぬ
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この疲れ汚れにあらず生の証 泥を蹴りつつ我が家へ帰らむ
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鳥の声途絶えし朝の吹雪なりわが家の芯をスープでてらす
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