Utakata
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ミツバチ便り
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YouTube止まり画面の暗さにて銀歯光らすわれの顔あり
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想い出は数に限りがありまして忘れていくね ごめん母さん
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熊よけの電気が走るフェンス超えしなやかに巻く黄緑の蔦
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前髪を1ミリ直す我が息子後頭部の毛寝癖のまんま
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階段と風呂場と居間に手すり付けほっとしたのは父よりわたし
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持つ物が増えるスマホと老眼鏡夫の薬と拗ねた子の肩
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良き主婦を演じた今日の一日を両手を伸ばし明日に備える
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もう少しもう少しだと筆は言うリモート前のリップラインは
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クロゼット隅に刀が眠りおり「とお」と振ったら散れる折り紙
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雪の朝友が逝き葬儀は無しと 心で通夜すコロナ恨みつ
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大きくて温かだった父の背は愛と哀とを教えてくれる
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雪、雪、も傘などささぬ彼の地では 半袖まぶしカーリング女子
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姑を「いい義母
(
はは
)
なのよ」というたびに私の寿命一年のびろ
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切りすぎた前髪つまみ気にしないふりができるわ母親だもの
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マフラーに六花が咲いて息で溶け昼の白月おとなしく消ゆ
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茶だんすの奥に未封の赤ワイン今夜飲もうか一人飲もうか
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真っ白な雪のかたちの帽子あり朝焼けが降るなだらかな丘
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テレビつけカボチャの種を煎っている冬の時間は夏より長い
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目標は自分の機嫌をとれること手話であらわす「雪」を眺めつ
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わはははと漫画のように笑ってる座椅子の義父の在りし日想う
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息をして
一万八千
日生きた誰にも言わぬ寂しさにいる
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占いで伸るか反るかを語ってもあの過ちは言わず当たらず
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スティックになったシュガーの記憶にはまだあるかしら「てん菜だった」と
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ベランダで触れてみたくて星のかど手を伸ばしたりつま先立ったり
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額の目が雑多を超えて追っている寝癖のついたままのうちの子
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カーテンが雪と冷たい風招きあわててお供してきた朝陽
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巻きつくも枯れてゆくのも意のままにきっとならずに生きたアサガオ
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「挨拶は親の躾の基本です」ほどけないほど縛られてゆく
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白い息インターホンでもよく見える 子が巣立つなら冬の朝がいい
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クレヨンで家族を描いたあの頃は花は枯れても散るとは知らず
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